橋本努のレビュー一覧

  • 新しいリベラル ――大規模調査から見えてきた「隠れた多数派」

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    大規模な調査の成果として、我が国の有権者の動向をかなり正確に把握していると感じた.次の6つの区分、新しいリベラル、従来型リベラル、福祉型保守、市場型保守、成長型中道、政治的無関心 を定義して、どのような投票をしているかを示している.どの区分も多数を占めてはいないことから、さまざまな組み合わせでこれからの政治が動いていく予感がしている.さて、小生がどの区分に属しているか考えてみたが、新しいリベラルの考え方: 築いた財産は政府やNPOを通じて、子や孫など後続世代の人的資本の形成に役立てる がかなり近い感じだ.

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    2025年11月29日
  • 新しいリベラル ――大規模調査から見えてきた「隠れた多数派」

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    既存調査では表れなかった、社会投資型国家を志向する「新しいリベラル」について論じた一冊。

    新書ながら300ページを超える骨太の一冊で、読み応え抜群であった。

    内容を要約すると
    「日本政治でリベラルの衰退が叫ばれて著しいが、実は従来型のリベラルと異なる、新しいリベラルの思想を持つ層が現れている。新しいリベラルは社会投資型国家を志向する。それは所得再分配に留まらない、各人の潜在能力の開花のため、「人的資本としての個人」に投資するという面を持つ。この層が積極的に支持する政党は、未だ存在していない。しかし、新しいリベラルの思想は他の保守やリベラルと連帯する可能性を秘めている。新しいリベラルは、日本

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    2025年06月25日
  • 「人生の地図」のつくり方 ――悔いなく賢く生きるための38の方法

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    人生の選択は、選択肢を十分に吟味せずに行わなければならない。選択肢をあまり吟味しないほうが、何かを選ぶときに積極的になれる。人生とは見切り発車の電車のようなものである。選択肢が多くなりすぎると、かえって選ぶのが難しくなる。

    GRROWWモデル
    現状認識・分析⇒資源⇒障害⇒オプション⇒計画⇒意思⇒目標⇒現状認識・分析⇒…

    私達が生きていく上で、主体的に選択することは大切だけれども、すべての事柄を主体的に選べるわけではない。ある面では主体的に選ぶとして、別の面では、主体的な選択を信頼するしかない。

    人生のチグハグした経験を、心理学用語では「認知的不協和」という。exタバコと健康。認知的不協和

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    2025年06月14日
  • 消費ミニマリズムの倫理と脱資本主義の精神

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    ここ10年くらいミニマリストのインフルエンサーを見かけることが多くなったことから、気になって読んでみた。本書はミニマリズムが脱資本主義の突破口になり得る可能性を論じている。

    周知の通り資本主義にはあらゆる側面から限界が近づいており、さらにその代替となるパラダイムは未だに存在しない。共産主義も、明治以前の封建主義も、自給自足の原始的な生活も今さら受け入れられないので、我々は甘んじて今日も汗水流して働くのである。(※私はニートですごめんなさい)

    そんな現代において、消費欲望を抑え最小限のモノ・サービスを利用するミニマリストたちは、資本主義の苦しみから逃れ、自分らしく生きている。
    脱資本主義を実

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    2024年05月11日
  • 「人生の地図」のつくり方 ――悔いなく賢く生きるための38の方法

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    経営理論やビジネス自己啓発を哲学しながら、人生について掘り下げている。
    ビジネス分野の本については頭から馬鹿にしくさって来たので、引用されている理論の手触りに当初違和感を感じていたが、読みすすめるにつれ、この本は人生の指南書となりうると思った。
    折にふれ、再読したい。

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    2024年04月26日
  • 消費ミニマリズムの倫理と脱資本主義の精神

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    [脱資本主義の精神]=資本主義を活性化させないための消費
    ・ミニマリズム的な生活だけではだめ
    ・勤労倫理と快楽消費をやめる
    ・稼いだお金を「資本の支配力」を削ぐ方向へ
    ・資本が一部の人へ集まらないようにする消費

    [具体的行動]
    ・余暇の時間を地域的なコミュニケーションに使う
    ・経済的自由主義(メルカリなどの資本が少ないビジネス)
    ・リベラルな福祉国家
    ・ディープエコロジーの立場(自然の恵みだけで生活する)


    [ミニマリストの目的のひとつ] =自己実現
    ・身の回りの不要なものを捨て、自分にとって本当に価値があるものを見つけ、それに時間と情熱を投資すること。

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    2021年10月20日
  • 解読 ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』

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    ウェーバーには非常に興味がありましたが、「プロ倫」そのものを読んでもピンとこないところが多くあり、わかりやすい解説書が欲しいなぁと思っていたところで本書の上梓のツイートを発見し、発売日買いをしてしまいました。

    本書では「プロテスタンティズムの倫理」と「プロテスタンティズムの天職倫理」が断絶しているという前提のもとで、明確にその論旨の違いを図解してくれる「優しい」解説書であり、「プロ倫」を読むためのコンパスになること間違いなしといった読後感でした。

    ウェーバーに興味を持ったきっかけが、何か現代社会の鬱屈とした状況を読み解くために役立ちそう!という期待を感じたことでしたが、本書を読んでその期待

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    2019年07月26日
  • 日本を変える「知」~「21世紀の教養」を身に付ける~

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    社会を理解する上での道具箱といえるような内容だと思う。 経済、政治、教育、社会、思想、という異なる視点での論述を通じて、 社会の姿が立体的に浮かび上がるような効果がある。 社会科学系の素人がとっかかりとして読むには最適。 あと、いくつもの本を読むだけの時間が取れない忙しい社会人にもお奨め。

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    2013年03月16日
  • 新しいリベラル ――大規模調査から見えてきた「隠れた多数派」

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    「新しいリベラルは、存在する。けれども現在の日本政治は、それをうまく捉えていない」(p330)

    何となくぼんやりと感じていたところを、理論と実証でしっかりと説明してくれた。なるほど!納得!!

    日本のこれまでの野党、左翼、リベラル勢力の怠慢ともいえる。これからの政治に「左ストレート」のパンチは無力だ。求める結果が同じ方向ならば、思い切って「右フック」でいこう。

    「新しいリベラル」を核とした政治へ。本書がそのきっかけになれば、そのパンドラの箱を開けたのだとしたら、とても面白い。

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    2025年09月11日
  • 解読 ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』

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    ウェーバーは「プロ倫」の最初のほうで、次のように問題を立てた。すなわち、プロテスタンティズムにおける「禁欲的な信仰の生活」と、「資本主義的な営利の生活」は、親和的関係にあるのではないか、と。その答えはここにある。すなわち、禁欲的プロテスタンティズムにおける「倫理」と「天職倫理」のあいだには、定義において断絶があり、「天職倫理」に注目するなら、その内容は「資本主義の精神」とほぼ同じである、ということである。
    これが「プロ倫」テーゼのタネ明かしである。「親和関係」とは、「日常生活の方法的合理化」の観点からみれば、「禁欲的プロテスタンティズムの倫理」と「禁欲的プロテスタンティズムの天職倫理」と「資本

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    2025年06月01日
  • 解読 ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』

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    小室直樹先生の本に幾度となく出てくるマックス・ウェーバーと「プロ倫」。
    以前から読んでみたいと思っていたのですが、原本は難解で読破する勇気もないので解説書から読んでみる。

    プロ倫の急所は、「プロテスタンティズムの世俗内禁欲は…消費を、とりわけぜいたくな消費を抑制したのであった。他方で、その心理上の効果としては、伝統主義的な倫理の制約を破って、財の獲得を解き放つことになった。すなわち、利潤の追求を合法化するだけでなく、それが神の意志にかなうこととみなすことによって、利潤追求に対する伝統主義の桎梏を破壊したのである。」という部分だと思います。

    禁欲的行動が資本主義の発展につながった、ということ

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    2024年10月10日
  • 消費ミニマリズムの倫理と脱資本主義の精神

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    ミニマリズムの生き方がいろいろ紹介されてて面白かった。また脱資本主義の解説も勉強になった。確かに勤勉に働くこと、貨幣で買えるものに価値を見出すことから見直す必要がある。
    作るという行為の大事さもあったな

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    2021年11月01日
  • 解読 ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』

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    本書はマックス・ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』を解読(解説ではない)しようという試み。第1章から第2章まではその前提を確認する作業となっている。

    著者は第2章の終わりで「資本主義の精神」の狭義の定義と広義の定義をおこない、「私たちは「広義の資本主義の精神(「勤労ー反消費」の生活スタイルで「子孫の幸福」「自身の繁栄」「社会の繁栄」を追求するもの。対して狭義のそれは目指すところが「倫理的義務の遂行」となる)を含めて、さまざまな立場を検討してみる価値があるだろう」(p.101)とし、そして、第3章以下ではルター派、禁欲的プロテスタンティズムの各派における「倫理」の分析、

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    2021年02月19日
  • 解読 ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』

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    ウェーバーの著作に忠実に沿って解読しているとはいえるが、これまで表題の著作についてきちんと解説した本は存在しないとするのはいささか乱暴ではないかと思う。

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    2020年10月28日
  • 経済倫理=あなたは、なに主義?

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    あるべき社会に関する様々な思想を、様々な評価軸を使って分析していく。細かな分析はともかく、自分で考えていく上で参考になる評価軸がいくつもあり、そうしたカタログ的な使い方のできるユニークな本だと思った。

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    2018年10月30日
  • 日本を変える「知」~「21世紀の教養」を身に付ける~

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    献本PRで当選し、頂いたもの。,,これはセミナーの議事録に近い。そのセミナーに参加しているような感覚でスイスイ読み進められる。ただ、専門用語がわからない…。普段なじみのない分野だからだろう。一番おもしろかったのは教育の話。

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    2018年10月11日
  • 経済倫理=あなたは、なに主義?

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    現在支配的な思想をカテゴライズして解説、アンケートなどもあるのでそれを通して自分が何に分類されるかテストすることもできる経済倫理の入門書。
    下部構造によって規定される自身の思想を相対化するマルクスのイデオロギー批判の考えを人類共存に必要なものとして紹介している。
    またおれのオリジナルと思っていたハイエクとマルクスの思想を融合するとゆう試みがすでに行われて自生化主義なるものがあるってことでそれはちょっと悔しかった。
    最後にシュバルツとイングルハートの研究成果。おもしろいのは文化価値に関する人々の評価を国ごとに平均化してマッピングしたこと。国や文化ごとでクラスターができること、そしてポスト産業化社

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    2010年05月29日
  • 経済倫理=あなたは、なに主義?

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    政治には非常に興味があるけど、ネオリベとかよく分からないし、自分が右か左かもよく分からない、そんな人にオススメの書。
    いくつかの政治・経済的な問題(論点)を取り上げ、それについての立場によって、自らの立場が決定される。
    だが、もちろんそれが絶対的に正しい訳ではない。
    一貫して同じ立場に立ち続けることなんて非常に困難なことなのだから。

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    2010年04月06日
  • 「人生の地図」のつくり方 ――悔いなく賢く生きるための38の方法

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    多くの経営やビジネス理論から人生の地図に繋げていく手法については面白みを感じたが、理論の解説に留まっているように感じた。また全体的に抑揚を感じられず終始低空飛行のような感じ方であったため、僭越ながらこの評価とさせていただいた。

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    2025年11月26日
  • 新しいリベラル ――大規模調査から見えてきた「隠れた多数派」

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    今のリベラルの特徴
    弱者支援ではなく、成長支援。
    高齢世代の支援ではなく、子育て次世代支援。
    平和主義にはコミットしない。

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    2025年11月25日