橋本努のレビュー一覧
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ネタバレ「それってどうなの」主義=とりあえず変だなあと思ったとき、それってどうなの、と呟いてみる。
チャンプラリズム=これもいい、あれもいい、みんないい、という立場。
ポリティカルコンパスで政治的経済的な志向を判定する。
銀行の危機を政府は救済するべきか。
インサイダー取引を取り締まるべきか
同一労働同一賃金にするべきか
累進課税の是非
配偶者控除は公平か
医療を市場に委ねるべきか
自由な人間関係とはなにか
過労死問題には、自由な人間関係とリベラルに対応するのとどちらがいいか。
自由な家父長制は認められるか。
談合の機能は合理的か
家事労働に値段をつけるべきか
コネによる就職昇進は許されるか
国 -
Posted by ブクログ
意欲作で楽しめたが、まだ「消費ミニマリズム」という概念が新しくて定義が確立されておらず、深堀りもされていないので、そういう前提条件の解説とかミニマリズム系界隈の書籍解説が多かった気がする。とくに新奇な話をしているわけではない。題名から察せられるくらいの普通の話を展開している。本書では消費ミニマリズムを反資本主義的立場に位置付けて論考している。
私見では、消費ミニマリズムは結局のところ貧乏を正当化(=金持ちになるという強迫観念からの脱却など、反資本主義というより資本主義からの逃避など)するツールなのかもしれない。まず格差の激しい欧米先進国からムーブメント、そして今、同じように格差が拡大して国の -
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「プロ倫」こと『プロテスタンティズムと資本主義の精神』でヴェーバーがこたえようとした問題をていねいに解説し、その議論についてわかりやすく検証をおこなっている解説書です。
著者は、ヴェーバーの代表作である「プロ倫」の全体について研究している本がこれまで日本にはなく、「研究の穴」になっているといいます。かつては、大塚久雄に代表される近代化論の枠組みのなかでヴェーバーの議論が理解され、その後山之内靖がヴェーバーとニーチェの問題意識をかさねるかたちであたらしいヴェーバー像を示しましたが、「プロ倫」全体の論証の構造を解明しているわけではありませんでした。そこで著者は、本書のなかでヴェーバーそのひとの問 -
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経済倫理に関する具体的な政策や価値観についての質問に答えていくことで、自分のイデオロギー的な傾向を明確にし、自分自身の立場に一貫した説明を与えるための手助けとなってくれる本です。
質問に対してどちらがいいと明確に答えられない場合は、たとえばリベラリズムならリベラリズムの立場をめざすつもりで回答を試みるという仕方で、「リベラリズムの練習問題」として利用することもできるかもしれません。
それぞれの立場がそれぞれの問題に対して、どのような根拠に基づいて答えを提出しているのか、といったことについては、それほど詳しい解説はないのですが、おもしろい読み方ができる本だと思います。 -
Posted by ブクログ
質問に答えることで、自分の思想を明らかにして、それから議論を進めようという大学講義のような本。
自分の思想〜一般的思想の理解〜倫理的な考察〜さらに心理的思想の分類という構成です。
討論のような部分は無く、倫理的事例は沢山取り上げている割に掘り下げが浅い印象です。
面白かったのは後半のシュヴァルツの分類。
対立する心理的思想を使い、「リバタリアニズム」と「平等主義」は近いという結果を導くところ。
二つは経済的自由を巡っては完全に対立するが、心理的には近く、容易に考えを乗り換えられる。
逆に「リバタリアニズム」とは小さな国家で一致する「地域型コミュニタリアン」では
心理的には遠いので全く相入れない