橋本努のレビュー一覧
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現在支配的な思想をカテゴライズして解説、アンケートなどもあるのでそれを通して自分が何に分類されるかテストすることもできる経済倫理の入門書。
下部構造によって規定される自身の思想を相対化するマルクスのイデオロギー批判の考えを人類共存に必要なものとして紹介している。
またおれのオリジナルと思っていたハイエクとマルクスの思想を融合するとゆう試みがすでに行われて自生化主義なるものがあるってことでそれはちょっと悔しかった。
最後にシュバルツとイングルハートの研究成果。おもしろいのは文化価値に関する人々の評価を国ごとに平均化してマッピングしたこと。国や文化ごとでクラスターができること、そしてポスト産業化社会では下部構造では価値観が説明できないこと。 -
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社会調査として、7,000名のデータをもとに、クラスター分析を行ったという手法自体はよいと思った。
しかし、肝心の「リベラルとはなにか」という定義があいまいなこと、6問での質問でクラスター分析をしているが、その質問が長くかなり文意を理解しなければ質問の意図を理解しづらいことなど、質問紙調査としての欠陥が感じられるのは気になった。
また、新しいリベラルが最多層だというが、従来リベラル層もそれなりにおり、そこは有意差が出るような数値なのかと感じた。よって、著者のやや恣意的な主張にデータを合わせているようにも感じてしまった。
ただ、日本のリベラルが特に衰退しているわけではなく、層としてはそれなりにいること、しかしリベラル的価値観を持ちながら自民党や維新に投票してしまうズレを感じると、いかに中道、リベラル、左派政党がそういった方々に必要な情報を提供していくかが今後の日本の政治の鍵かと思った。 -
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ネタバレ「それってどうなの」主義=とりあえず変だなあと思ったとき、それってどうなの、と呟いてみる。
チャンプラリズム=これもいい、あれもいい、みんないい、という立場。
ポリティカルコンパスで政治的経済的な志向を判定する。
銀行の危機を政府は救済するべきか。
インサイダー取引を取り締まるべきか
同一労働同一賃金にするべきか
累進課税の是非
配偶者控除は公平か
医療を市場に委ねるべきか
自由な人間関係とはなにか
過労死問題には、自由な人間関係とリベラルに対応するのとどちらがいいか。
自由な家父長制は認められるか。
談合の機能は合理的か
家事労働に値段をつけるべきか
コネによる就職昇進は許されるか
国家はどこまで包摂するべきか
有害図書は規制すべきか
ニューヨークではクレヨンしんちゃんは禁止されていた
ハゲタカファンドは反倫理的か
社会的弱者を優先雇用すべきか
解雇権を制限するべきか
リバタニアリズムとは、経済が良くなる範囲で自由を求めるものではなく、たとえ悪くなるとしても自由であるべき、という主張。
派遣社員を減らすべきか=男性社員を非正規化するべきではないか。女性の就業率が上がる。非正規でも生活できる水準の給与を保証するべき。
マクドナルトを廃止すべきか
タバコを規制するべきか
グレーゾーン金利を撤廃すべきか
若年層の保守化、右傾化。
ホワイトカラーエグゼンプションを導入するべきか
会社は誰のものか
ポリティカルコンパス
PVQアンケート
イングルハートのアンケート -
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意欲作で楽しめたが、まだ「消費ミニマリズム」という概念が新しくて定義が確立されておらず、深堀りもされていないので、そういう前提条件の解説とかミニマリズム系界隈の書籍解説が多かった気がする。とくに新奇な話をしているわけではない。題名から察せられるくらいの普通の話を展開している。本書では消費ミニマリズムを反資本主義的立場に位置付けて論考している。
私見では、消費ミニマリズムは結局のところ貧乏を正当化(=金持ちになるという強迫観念からの脱却など、反資本主義というより資本主義からの逃避など)するツールなのかもしれない。まず格差の激しい欧米先進国からムーブメント、そして今、同じように格差が拡大して国の大多数が昔より貧乏になった日本で着実に根を下ろし始めているというわけだ。 -
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「プロ倫」こと『プロテスタンティズムと資本主義の精神』でヴェーバーがこたえようとした問題をていねいに解説し、その議論についてわかりやすく検証をおこなっている解説書です。
著者は、ヴェーバーの代表作である「プロ倫」の全体について研究している本がこれまで日本にはなく、「研究の穴」になっているといいます。かつては、大塚久雄に代表される近代化論の枠組みのなかでヴェーバーの議論が理解され、その後山之内靖がヴェーバーとニーチェの問題意識をかさねるかたちであたらしいヴェーバー像を示しましたが、「プロ倫」全体の論証の構造を解明しているわけではありませんでした。そこで著者は、本書のなかでヴェーバーそのひとの問題設定と論証過程をていねいに解説するとともに、自身の関心にもとづいて現代における「プロ倫」の意義を明らかにしようとしています。
著者の「プロ倫」解釈をおおまかに整理すると、ヴェーバーは「禁欲的プロテスタンティズムの倫理」を、心理的内面における二重予定説と、組織形式における洗礼主義とゼクテの形成の二つの側面に分けて考察をおこなっているとされています。そのうえで、このことと「禁欲的プロテスタンティズムの天職倫理」とのあいだには断絶があり、「天職倫理」と「資本主義の精神」のあいだに親和性があることがたしかめられると理解されています。
さらに著者は、新保守主義の社会哲学的な側面に通じる発想を、ヴェーバーの問題提起から読みとるという試みもおこなっています。こうした著者の見立てがどの程度妥当するものなのか、わたくし自身は判断がつかないのですが、本書が入門的解説書であることを考えるならば、こうした現代的な興味にもとづいて「プロ倫」を解釈する視点を示す試みがあってもよいのかもしれません。 -
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経済倫理に関する具体的な政策や価値観についての質問に答えていくことで、自分のイデオロギー的な傾向を明確にし、自分自身の立場に一貫した説明を与えるための手助けとなってくれる本です。
質問に対してどちらがいいと明確に答えられない場合は、たとえばリベラリズムならリベラリズムの立場をめざすつもりで回答を試みるという仕方で、「リベラリズムの練習問題」として利用することもできるかもしれません。
それぞれの立場がそれぞれの問題に対して、どのような根拠に基づいて答えを提出しているのか、といったことについては、それほど詳しい解説はないのですが、おもしろい読み方ができる本だと思います。 -
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質問に答えることで、自分の思想を明らかにして、それから議論を進めようという大学講義のような本。
自分の思想〜一般的思想の理解〜倫理的な考察〜さらに心理的思想の分類という構成です。
討論のような部分は無く、倫理的事例は沢山取り上げている割に掘り下げが浅い印象です。
面白かったのは後半のシュヴァルツの分類。
対立する心理的思想を使い、「リバタリアニズム」と「平等主義」は近いという結果を導くところ。
二つは経済的自由を巡っては完全に対立するが、心理的には近く、容易に考えを乗り換えられる。
逆に「リバタリアニズム」とは小さな国家で一致する「地域型コミュニタリアン」では
心理的には遠いので全く相入れないという部分にはかなり納得出来た。
アンケートに答えるのは面倒でもあるが面白かった。
ジョルジュ•バタイユがニューディール政策を評して「消尽」の祝祭であると指摘して、経済的意味はマイナスであっても、社会的紐帯を育む意味では価値があった、との見解の紹介には抵抗を感じながらも非常に面白いと思えた。
本書の序盤にも書いてあるが、自分の思想がハッキリしていて、かつ幅広い思想を知っている人は読む必要のない本です。
ですが、大まかでも経済思想を知っておきたいのなら入門書として良いのではないかと思います。