【感想・ネタバレ】新しいリベラル ――大規模調査から見えてきた「隠れた多数派」のレビュー

あらすじ

実は日本には「新しいリベラル」と言いうる人々が存在することが、7000人を対象とする社会調査から浮かび上がってきた。この人たちが求めるのは、私たちの「成長」をサポートする政治だ。「新しいリベラル」は最多数派を占めるのに、これまで見落とされてきたのはなぜか? 「従来型リベラル」や保守層など他の社会集団と比較しながら、「新しいリベラル」が日本政治に与えるインパクトと可能性を示す。「新しいリベラル」の実像と可能性を明らかにした、初めての書!

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Posted by ブクログ

大規模な調査の成果として、我が国の有権者の動向をかなり正確に把握していると感じた.次の6つの区分、新しいリベラル、従来型リベラル、福祉型保守、市場型保守、成長型中道、政治的無関心 を定義して、どのような投票をしているかを示している.どの区分も多数を占めてはいないことから、さまざまな組み合わせでこれからの政治が動いていく予感がしている.さて、小生がどの区分に属しているか考えてみたが、新しいリベラルの考え方: 築いた財産は政府やNPOを通じて、子や孫など後続世代の人的資本の形成に役立てる がかなり近い感じだ.

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2025年11月29日

Posted by ブクログ

既存調査では表れなかった、社会投資型国家を志向する「新しいリベラル」について論じた一冊。

新書ながら300ページを超える骨太の一冊で、読み応え抜群であった。

内容を要約すると
「日本政治でリベラルの衰退が叫ばれて著しいが、実は従来型のリベラルと異なる、新しいリベラルの思想を持つ層が現れている。新しいリベラルは社会投資型国家を志向する。それは所得再分配に留まらない、各人の潜在能力の開花のため、「人的資本としての個人」に投資するという面を持つ。この層が積極的に支持する政党は、未だ存在していない。しかし、新しいリベラルの思想は他の保守やリベラルと連帯する可能性を秘めている。新しいリベラルは、日本政治に地殻変動を起こす存在である。」というものである。

私自身、社会投資型国家の理念には強く共感するところであり、政治哲学的な思想のバックボーンから丁寧に説明がなされているため、非常に勉強になった。

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2025年07月07日

Posted by ブクログ

中道連合の野田さんと斎藤さんはこの新書読んだのかな。
読んでこの「新しいリベラル」層を狙って合同を決めたのかな。
いやそうではないだろう。
そうであったら、そもそもこんな政党名にはしないだろう。
確かに、政策は従来のリベラルから一歩踏み込んでいて、
新しいリベラル層をとらえようとしたかもしれない。
しかしそこは高市自民にとられてしまった。
そしてもともとの支持基盤だった従来のリベラル層を逃がしてしまった、、、

政党名をそれこそ「新しいリベラル」にしていればよかったのかも。

しかししかし、昨年夏の段階で、
こんなに精緻にリベラルを分析している書籍があったなんて、、、

従来型リベラル 18%
新しいリベラル 23%
成長型中道   13%
福祉型保守   16%
市場型保守   9%
政治的無関心  20%

そもそも保守とリベラルって、それだけが対立軸じゃないと思うんだけどね。

中島岳志教授の

①リスクの社会化でパターナル②リスクの社会化でリベラル
③リスクの個人化でリベラル④リスクの個人化でパターナル――の4種類
がわかりやすい

④が高市自民 ②が中道改革 のはずだったんだけどねえ

アメリカべったりが保守、ってのがどうにも解せない。
改憲には賛成だけどな。80年前の文章がすべて正しいわけはない。



はじめに──見えてきた「新しい」リベラルの姿

第Ⅰ部 これまでのリベラル
第1章 衰退しつつあるリベラル?
1 人々からの支持を失ったリベラル?
2 民主党政権とその後のリベラル
3 リベラルへの批判を検証する
4 保守に取り込まれたリベラルな価値
5 朝日新聞の従軍慰安婦報道
6 憲法9条を死守する護憲リベラル
7 集団自決をめぐる歴史認識
8 従来のリベラルの衰退?

第2章 「保守vsリベラル」はどこまで有効か?
1 「保守vsリベラル」図式とは?
2 「保守vs革新」からの継承
3 政党間の対立軸はどこまで説明できる?
4 有権者にとっての有用性
5 「保守vsリベラル」図式は有効か?
6 見えにくくなったリベラル

第3章 旧リベラルとは何か?
1 それはいかなる立場か?
2 90年代に発見された日本のリベラル
3 55年体制と江田ビジョン
4 旧リベラルの「根幹」と「枝葉」

第4章 旧リベラルを支える思想
1 憲法9条改正反対論者の非武装中立論
2 日米安全保障条約への反対
3 天皇制反対
4 従軍慰安婦問題
5 革新の純血主義
6 戦後民主主義について

第Ⅱ部 新しいリベラルの全体像
第5章 その理論と思想
1 社会的投資国家の起源
2 「第三の道」というビジョン──ギデンズ 
3 「福祉革命」の提唱──エスピン- アンデルセン
4 「新しいリベラル」の政治理論──ベラメンディ
5 イノベーティブな「社会的投資国家」論──マッツカート
6 「資本主義の精神」衰退への処方箋
7 未来社会への投資──社会的投資国家の理念

第6章 それはどんな人たちか?
1 可視化のための研究戦略
2 理論的な枠組み
3 調査からみえてきた六つの社会層
4 新しいリベラルの基本的特徴 

第7章 新しいリベラルを取り巻く五つのグループ
1 残り五つのグループ、それぞれの特徴
2 六つのグループ、それぞれの人物像

第8章 新しいリベラルの政治参加
1 投票行動を分析する
2 新しいリベラルとはどんな人たちか?

第9章 新しいリベラルが作り出す「新しい」政治
1 新しいリベラルが日本政治を大きく変える?
2  連合を作る責任倫理
3  新しいリベラルへの批判に応える
4 リベラル全般に対する批判に応える
5  戦争と平和と新しいリベラル

あとがき
参考文献

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2026年03月23日

Posted by ブクログ

 大規模な社会意識調査に基づき、社会思想史・社会哲学と社会調査の専門家の分析によって、「新しいリベラル」を描き出そうとする共著。

 著者らによれば「新しいリベラル」とは、政治に社会的投資および次世代と出産・教育への支援を求めるが、戦後民主主義的論点にはコミットしない層のことをいう。その前提として、誰でも成長する可能性があるので、成長を望む人には社会的投資をすべきと考えている。そうして、これらの「新しいリベラル」は、社会意識調査によれば実は最多の層だ、とされている。
 さらに、こうした「新しいリベラル」を描き出す前に、日本の従来のリベラルと保守VSリベラルの対立軸が史的に整理されている。これは、日本の戦後の思想史を学ぶうえでも最適といえる。

 もっとも、本書は、もともとは選書として刊行することが想定されていた、とあとがきにあるように、その詳細な調査の手法と結果の分析も含めて、かなり学術的であって、300頁を超える大著でもある。リベラルをめぐる現代の諸相を新書で手軽に学べる、という類の本ではない。この点は注意を要する。

 著者らは、新しいリベラルは最多の層だが、他の層と同じく単独では現在の政治の多数派を形成できないため、成長型中道や福祉的保守などの他の層と責任のある「連合体」を作る必要があるという。志のある政治家が意見の異なる人とまとまるために道化師的能力を発揮して、政権交代可能な政治をつくり上げなければならないともされている。先の総選挙で大敗を喫した「中道改革連合」を発足させた野田、斉藤両氏は、本書に触発されたのではないか、とさえ思える(実際に、著者の1人は『公明』から一昨年インタビューを受けた、とされている)。
 著者らは、有権者の側も諸政党の連合・再編、連合の多少の失敗には寛容でなければならない、とする。著者らによれば、中道の失敗も、連合体同士の切磋琢磨が行われる新しい政治の到来までの過渡期の現象であって、有権者はこれも寛容に受け止めて、今後の政権交代の可能性を否定すべきではない、ということになるのかもしれない。
 他方、「保守」の高市首相率いる自民党が先の総選挙で大勝した要因の分析も、著者らに期待したい。元々思想的に幅の広い自民党の国会議員にも支持者にも「新しいリベラル」層はいるだろうし、「新しいリベラル」層は社会的投資を今回は高市首相のリーダーシップに期待したのかもしれない。こういう観点から、高市政権の政策の良し悪しを判断するのも有意義かつ面白いのではないだろうか。

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2026年03月15日

Posted by ブクログ

高市総理の自民党が圧勝した衆院選の後、リベラル論に興味が出たので購入。本来の意味通りのリベラルと、特定の政党と関連付けられたリベラルでは示すものが全く違っていて驚く。もともと政治的な関心はそれほど大きくないので、前半の旧リベラルについての解説なども知らないことが多くて興味深かった。ただ調査結果から導かれた分類がやや弱い印象も。全体的にはとても面白かったのでまた読み直す予定。

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2026年02月16日

Posted by ブクログ

まさにタイムリー。
肌感は近い。
サイレントマジョリティがゆえに、既存政党は正確にキャッチアップできないのであろう。その結果、投票先がない、という悪循環になってしまうのか。
自分の希望がすべて揃う政党はありえないので、妥協を受け入れる寛容性を持って、選挙には絶対行ってほしい。
マニュフェストを守れなければ、次回は、違うところに投票すればいいのだから。
政党も理念を貫かないと浮き沈みを繰り返すだけだ。

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2026年01月31日

Posted by ブクログ

「新しいリベラルは、存在する。けれども現在の日本政治は、それをうまく捉えていない」(p330)

何となくぼんやりと感じていたところを、理論と実証でしっかりと説明してくれた。なるほど!納得!!

日本のこれまでの野党、左翼、リベラル勢力の怠慢ともいえる。これからの政治に「左ストレート」のパンチは無力だ。求める結果が同じ方向ならば、思い切って「右フック」でいこう。

「新しいリベラル」を核とした政治へ。本書がそのきっかけになれば、そのパンドラの箱を開けたのだとしたら、とても面白い。

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2025年09月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今のリベラルの特徴
弱者支援ではなく、成長支援。
高齢世代の支援ではなく、子育て次世代支援。
平和主義にはコミットしない。

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2025年11月25日

Posted by ブクログ

ネトウヨのおっさん、フェミパヨのおばさん以外の、各政党への消極的な支持を持つ、やや不可視化された層。リベラルであるべきと思うものの、先鋭化純血化した従来の左派リベラルとは異なる層。
私自身も恐らく包括されるだろう。
新しいリベラル層の提案とともに、従来のリベラルの先鋭化についても理由がわかる。

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2025年11月28日

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