ネルケ無方のレビュー一覧
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ネタバレ『自分がまず先に悟る……』というスケベ根性を捨てろ!お前一人くらい、どうなってもいい
P141
菩提心とは『自未得度先度他』の心とはっきり書いてあるやないか
P142
『自未得度先度他』→自分が悟る前に、まず他の人たちを悟りの岸に渡してあげる
「道元禅師の『自未得度先度他』は素晴らしい言葉だと思いますよ。しかし、それが言えるのは本人が悟ってからではないでしょうか。悟った覚えのない自分がそんなことを言って、どうやって人を先に救うことができるのでしょうか。まず自分が悟ってなければ、人を悟りの境地に導くことは不可能なのでは……」
「お前は、ホンマに屁理屈にこだわるやっちゃな。そんなつまらんこと -
Posted by ブクログ
期待以上に面白く読めました。
ドイツ出身の曹洞宗の僧侶である著者が
そのバックボーンの観点から、キリスト教を含む
一神教と仏教の違いを述べているのと、最後には
日本人の宗教に対する感覚とその感覚と向かい方
が世界に発信・輸出できるものであるという論が
書かれてあります。
一神教であるキリスト教のこわさ、危うさ。と、
基本的には、一人称(私が修行して悟りを開いて
仏陀になることを目指すという)的な仏教の
他者に対する冷たさ。
それらのネガティブ要素を日本人は、灰汁を抜くという
習慣・技術をもって、宗教臭さを除去して社会・生活に
普通に宗教色を残さずに取り入れる。という感覚。
これは、日本人が宗教 -
Posted by ブクログ
以前、養老氏が禅は狂気と紙一重であり、大成するのは百人に一人くらいだろうというようなことを述べていたと記憶しているが、その当時は何のことを言っているのか分からなかったが、この本を読んでやっと分かった。日本の仏教はサービス産業化しているかもしれないが、修行自体は古風な日本の徒弟制度に則った厳しいものだったということが分かりました。キリスト教の影響が強い国で育った著者らしく、禅に対してくっきり、はっきり言語化されており、(合理化の提言までも)禅の置かれている状況が分かったような気がしました。また、現代の日本社会への苦言、主体性、自主性のない「子供」が増えているということですが、一般の世界だけでなく
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Posted by ブクログ
筆者は1968年生まれのドイツ人。ふとしたことから、仏教・禅の修行のために来日して、そのまま日本に住むこととなる。本書が書かれた時点では、兵庫県の安泰寺というお寺の住職をされている。本書は、筆者の日本での修行体験を語ったもの。
私の妻はタイ人。私はタイで約5年間勤務していた経験があり、その時に知り合って結婚した。タイ人には仏教徒が多く、国民の約95%以上が仏教徒だと聞いたことがある。タイでは、生活に仏教が根付いているな、と思ったことが結構あった。
私が勤務していたのはメーカーで、オフィスがバンコクにあると同時に、工場がバンコクから200km程度離れた海沿いの工業地帯にあった。タイには、宗教的な -
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宗教に関する入門書として、なかなかよい本だと思います。
著者はドイツ人で、曹洞宗の住職さんです。
キリスト教やイスラム教、ユダヤ教の説明も交えながら、仏教について説明したり、もともとの仏教と日本の仏教を対比させたり、神道について説明したり、と、広く浅く、でも丁寧に各宗教について説明がなされています。
個人的に面白いな、と思ったのは、「神道は気分を盛り上げる宗教、仏教は心を静める宗教」といったあたりの説明。
確かに、お祭りや結婚式が神社で開催されることはあっても、お寺では開催されないですよね。
逆に、葬式はお寺で行われますが、神社では行われないですよね。
こういうことって、日本人 -
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キリスト教には教義があり、教義がある。
それがキリスト教を信仰している人々の支えになっている。
しかしキリスト教は他宗教を否定する。
ところが、日本人にはそういった宗教間の対立がほとんどない。
今の日本人はキリスト教を否定しない。
日本人は無意識のうちに、日常生活の中で「禅」の教えを実践している。
だから、日本人に「宗教」は要らない。
と著者は説く。
今のお寺や仏教がいかに形骸化さえているかもよく書かれていて改めて気が付かされることも多かった。
前に読んだ著書よりは非常に読みやすく書かれている。
ドイツのお坊さんだからと思って読むと浅い気がするかもしれないが、
「迷える者の禅修行」を読 -
Posted by ブクログ
ドイツ人の禅僧である「ネルケ無方」さんの著書です。
外国人での禅を支持する方は多いですが、出家得度し禅僧となり、しかも禅寺である安泰寺の住職も務めているという突出した経験をお持ちです。
本人が仏道を志し、日本に渡り現在に至るまでの紆余曲折の経緯を時系列に書かれています。
私自身、禅僧の方が書いた本を何冊も読んでいるのですが、禅僧の方は常人離れした達観の域に達していると思っていましたが、この本を読んでイメージが変わりました。
普通に人間関係で揉めたり、悩んで凹んだり、逃げ出したりと、俗人とあまり変わらないですね。
まぁ、考えてみれば同じ人間なので煩悩も同じようにあるのが当たり前ですが。
た