清涼院流水のレビュー一覧
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ネタバレ京都府某所に建てられた巨大な旅館・幻影城。ここには毎年春と秋に、関西在住の作家たちとその家族が合宿をしに訪れる。
彼らとは別に幻影城を訪れた、旅館の主人から「キリギリスさん」と呼ばれる初老の客や、二人の参加者によるトリックの盗作を巡る喧嘩など、所々で不穏なものが感じられるその晩、参加者の一人が、「推理小説を構成する要素を全て盛り込んだ物語」の執筆宣言をした。しかも、舞台はここ幻影城、登場人物は幻影城内にいる全ての人間だという。
途方もない挑戦に傑作誕生の期待が高まる参加者の面々。その翌日、第一の被害者が異常な状況下で発見され――。
連続して起こる不可解な謎と殺人。入り乱れる登場人物。そして、逆転に次ぐ逆転を繰り返して読者を翻弄する登場人物たちの推理。
果たして、登場人物の誰が全ての真相を暴き、事件を解決に導くのか。犯人、【芸術家/アーティスト】の目的と正体は。
これは、推理小説を愛する人に作者が送った、――挑発状だ。
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挑発状。この一言に尽きると思う。
推理小説好きにはたまらない構成と展開。だがその結末は、推理小説好きには受け入れ難いものになったはずだ。
推理小説を構成する要素を全て盛り込んだ物語は、果たして推理小説と呼べるのか。
この矛盾を内包した物語。推理小説好きなら、一度は読んでみてはいかがだろうか。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ1994年1月1日。マスコミ各社、警察庁、日本探偵倶楽部に、ある『犯罪予告状』が送られた。
今年、1200個の密室で、
1200人が殺される。
誰にも止めることは
できない。
密室卿
果たして予告状通りに、日本各地で連続して「密室」殺人事件が起き始めた。
犯人は。そして、事件を解決に導く者は誰なのか。
その結末に驚愕必至の超問題作。
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読み終えた直後に抱いた感想は、「奇をてらうにしても程があるだろ」だった。しかも、これがデビュー作である。
日本各地で連続して起こる「密室」殺人事件という犯罪設定も奇抜なら、探偵役を務める側として、いずれも奇抜かつ人並み外れた推理法を持つ、総勢350人もの探偵を束ねる『日本探偵倶楽部』という組織が登場するのも奇抜だ。(登場する探偵はその中のごく一部だが)
「警察関係者」「探偵」「読者を惹きつける謎(殺人事件)」と基本的な要素は満たしてはいるが、これは果たして「推理小説」と呼べるのか。私は「推理小説」の【枠外】だと思う。
理屈を抜きにして、とにかく「凄い物語を読みたい」という人に、この物語はオススメだ。 -
Posted by ブクログ
toeic小説とはどんなものかと思って読んでみました。
toeicあるあるみたいなネタがちりばめられてておもしろかったです。
思えばtoeic試験は、全ての問題文やディレクションが英語で書かれていることにより独特の緊張感がある試験です。
問題用紙の外国の生活風景や人物を切り取った写真には、(このために撮った写真なのか?)なんとも言えない違和感があるし、
シビアな制限時間内、2時間ぶっ通しで、集中して英文を読むことよって、問題文に入り込むような感覚に陥ります。
また、問題用紙への書き込みやアンダーラインを引くことが禁止されており、試験終了後、問題用紙はすぐに回収されます。神経質すぎるくらい問題用紙の管理を徹底しているのです。
こういった、toeicの独特の感じや徹底した秘密主義がこの小説の深みになっているんだと思います。
ですから、toeic試験のリピーターは楽しめる本だと思います。
特に、「Where is the meeting room?」を聞きあきたよって言う人には。 -
Posted by ブクログ
全778P。つ、疲れた...。十数年前に読んだ時は
正直1/3くらいで挫折した記憶がありましたが
今回は最後まで読めました。疲れたけど...。
過去のミステリから現代のミステリを総括して
作者ならでは愛情と敬意と挑戦が絡んだような
総決算的な具材テンコ盛りの作品。見立て、密室、
暗号、アナグラム、首切り、アリバイ、叙述...etc
のガジェットと十戒と二十則がギュウギュウに
詰め込まれ、更に日本ミステリ4大寄書(?)に
対するオマージュのような濃厚さ。
作者の産んだ数々の名探偵達による超絶推理に
よる幾重にも展開される謎解き合戦。
一つ一つの謎や殺人に一応の決着ち解決を持たせ
ラストに世界がグルンと一周するうような
トンデモな決着は賛否は別としてまさかの
着地点。善し悪しは別にしてここまで予測することは
もはや出来ないんじゃないですかねw。
確かにコズミックと一体の世界感...読み終えてみると...
納得。 -
Posted by ブクログ
再読。たしか以前(97年頃?)に読んだ時は途中で
挫折した記憶なので十数年振りのリベンジとなりましたw。
やはり色んな意味での寄書というか、つきヌケ感は
凄いです。今作が世に出てから、様々な形を変えた
フォロワーや脈流が現在のある部分では、スタンダードに
なってるんですから...。人間や世間の適応力って凄いw。
1200の密室で1200人が殺される...という異例中の異例の
連続殺人。イギリスで106年振りに蘇った切り裂きジャック...。
JDCなる探偵団体、そして特殊能力を持って事件を
解決する探偵...もうカオスな内容をどのように読む側の
人間をねじ伏せるんだろう...という興味のみで約700Pを
読まされてしまうのはやはり凄い。
結果...どう思うかは...それぞれですね。一部では
「壁本」(壁に投げつけるくらい....な本)として
名高いですねw。
今の自分のテンションならこれ以降の作品も
イケそうな気もするので...過去のリベンジを
してみようと思います。 -
Posted by ブクログ
”コズミック・ゼロ: 日本絶滅計画”清涼院流水著 文春文庫(注意:2012/05/10発売)
(2009/05発売文藝春秋単行本の文庫版。解説:森博嗣)
・・・日本から人がいなくなる!元日の午前零時、全国の初詣客が大量に消失し、同時に警視庁や県警本部が謎の集団に占拠された。それが日本絶滅計画の幕開けだった。計画を実行するのはそれぞれが特殊な能力を持った7人組“セブンス”とその配下達。リーダー・タクトの指揮の下、彼らは日本中の人という人を次々と、大量に消していく。
・・・パニック小説。
テロリストや各国の諜報員、首相や結婚を控えたカップルなど複数の視点で動く群像劇。
著者の作品で言うとデビュー作の”コズミック”よりは”カーニバル”に近いイメージがあります。
”コズミック”+”カーニバル”+ディーン・R・クーンツ(著者の敬愛する作家)といった形でしょうか。
”カーニバル”では個々の事象の謎は大雑把でしか明かされてませんが、こちらは一応、方法が示されています。
(説明がされていない細々した部分も人海戦術でなんとか可能と思わせられる。(笑))
非常にまとまりがより作品でした。
・・・とはいうものの、過去作品(”コズミック””カーニバル””彩文家事件”etc)の様に読後にブン投げたくなるような小説かと思っていたので、読後感がいまいち。
唯一のツッコミどころは大量のテロリストの引き入れ・育成に無理がありそう、というところだけ。
もうちょっとブッ飛んだ感が欲しかったですね。
まぁ、読後に暴れたくなるような作品を期待するのもどうか、とも思いますが・・・。