竹内洋のレビュー一覧
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途中、著者の実体験と重なる箇所の入れ込み度合いがすごく、文章が冗長に思えたが、全体を通して教養主義の没落の流れが良く理解出来るストーリー。
社会の階級が変わり、貧富だけの格差社会によって、上層階級がなくなって、教養は必要なく金が全ての大衆社会の頂点を目指す人々とその為の最適な教育システムとしての高等教育となった現代。教養を求める精神性は人間の根源にあるモラルに依存するだけということ。
皆さんのコメントで、米津玄師が薦めていた事を知る。でも、本書も20年以上前であり、今はデジタル化が所与の世界で、違った意味での教養主義の消滅が進んでいること、その推進役ともいえる米津玄師がどう捉えているのか、聞い -
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わずか100年前には、今とは全く異なる世界が学問文化の間で広がっていたのかという驚きがあった。上流階級への対抗や社会主義との関係など、教養主義は想像以上に階層と密接に結びついていたというのが意外に感じた。
現代との差分を考えたとき、自分が「知識」だと考えていたものがいかにちっぽけで、資本主義に密接に結びついていたのかを思い知った。情報過多な現代社会では、教養の持つ意味は失われつつあるのかもしれない。
尊敬する人が「べらぼうに面白い」と言っていたのを見て軽い気持ちで読み始めたものの、あまりの難しさにページをめくる手が重かった。内容を理解しようとメモを取りながら、なんとか読破した。自分がいか -
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2003年刊行。職場(大学)で日常的にAIとつながっている時代の教育について語り合い、再読しようと。
教養主義とは、「歴史、哲学、文学などの人文系の書籍の読書を中心とした人格主義」であり、「西欧文化志向を精髄」とし、「本堂を旧制高校とすれば、帝大文学部は、その奥の院ともいうべき場」だった。
「読書を中心に人間形成を考えた昔の学生は、いってみれば漢字の「教養」に生きたが、一般常識や一般経験を人間形成の道筋としているいまの学生は、ライトな教養であるがゆえに、片仮名の「キョウヨウ」に生きていることになる(p239)」
いまの学生はライトな教養さえも必要としない「kyouyou」の時代に生きて -
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ネタバレ主に東京大学教養部の前身である一高を中心としたエリートがどのような本から考えていたかということだとまとめられる。いわゆる日本のエリート論であるし、日本のエリートの読書史である。岩波はマルクスを率先して扱うことはなく、翻訳を多く出版しているということは新しい知見であると思われる。高度経済成長からの記載はあまりないのは、教養主義の没落というタイトルなので、没落してからのことは扱わないというスタンスになっている。
売れている本ということであるが、2003年に出版されてから20年以上も経過して売れているというのはその理由があるのであろう。 -
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ネタバレ米津玄師さんお勧め本。2003年発行。2025年現在、もう没落して20年経過している…と思いつつ手に取りました。
1回読んだだけでは数々の出来事は把握しきれなかったけど面白かったです。「教養主義とは、読書を通じて得た知識で、人格を磨いたり社会を改善していこうとする人生観のこと。」だそうです。私は読書で人格を磨こうとは考えたことがなかったので…現代に置き換えると自己啓発本を読むこと??
教養を得ても大学を卒業すると結局は就職してサラリーマン、という図式は60年代の学生運動が盛んだったころから同じだったんですね。
P202、203の文藝春秋から引用された図が多少大げさに描かれているところもあ -
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社会学の名著を30本、かなり分かりやすい解説の仕方で、ピックアップしてもらってる。
社会学とは何か、漠然とでも分かる。
これをスタートに社会学に踏み込んでいくといい。学生時代に何で出会わなかったのか……。
すごーく端的にいうと、「社会」の仕組みが何なのか、それを明らかにしていく。人間の営みとは何なのか、今自分たちの社会で当たり前とされている営みが、そもそも何出来上がってるのか、当たり前とされてるけど、これってそもそも何なんだ、という視点を提供している。
個人的に深く読みたいと思ったのが、ディスタンクシオン、感情労働、ギテンズ。
これもすっごく世俗的な意見になっちゃってるけど、所謂 -
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竹内洋(1942年~)氏は、京大教育学部卒、京大大学院教育学研究科博士後期課程単位取得満期退学、関西大学社会学部教授、京大教育学部・大学院教授、同研究科・学部長、関西大学人間健康学初代部長等を経て、関西大学東京センター長、京大名誉教授、関西大学名誉教授。そのほか、日本教育社会学会会長、日本学術振興会特別研究委員等審査委員会委員などを歴任。
本書は、社会学の古今東西の古典・名著から厳選された30冊について、そのエッセンスをそれぞれ6~8ページ程度で紹介したものである。
収録されているのは、ピーター・バーガー『社会学への招待』、エミール・デュルケーム『自殺論』、ゲオルグ・ジンメル『社会学』、マルク -
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ネタバレアメリカの大学のランキング、分類、テニュア、学費高騰の理由、ホリスティック入試の仕組みを概説。レガシーシステムやアスリート・マイノリティー優遇の仕組みやファーストジェネレーションの進学事情などを概説。
大学ランキング:
・THE世界ランキング
・QS世界大学さんキング(英 大学評価機関)
・世界大学学術ランキング(上海交通大学)
・USニューズ
アメリカの大学の研究活動による分類:
R1:リサーチワン。最高度の研究活動の大学
R2:リサーチツー。高度の研究活動の大学
R3:リサーチスリー。普通の研究活動の大学。
カーネギー分類
アメリカの学長の報酬:2億円!
学費高騰の理由は事務局の -
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倉田百三の『愛と認識との出発』とならんで、「大正教養主義」の代表的著作としてあげられる『三太郎の日記』の著者、阿部次郎の生涯とその時代を論じた評伝です。
阿部次郎と和辻哲郎との確執についてもかなり立ち入って論じられています。和辻門下の吉沢伝三郎に『和辻哲郎の面目』(平凡社ライブラリー)という名著がありますが、本書の終章は「次郎の面目」というタイトルになっており、阿部の三女である大平千枝子の著述を紹介しながら、阿部の立場から事件を見るとともに、『三太郎の日記』以降忘れ去られたかにも見える阿部の人物像にせまっています。
著者はこれまでも「教養」について社会学的な観点から考察をおこなった著作を多