竹内洋のレビュー一覧

  • 教養主義の没落 変わりゆくエリート学生文化

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    米津玄師がこの本について、べらぼうに面白いと言っていたというのを知り読んでみた。
    読むのに時間がかかったが、大正時代から続いた教養主義がどのように変わってきて、没落したかが大体分かった。学生運動をしていた時代とその思想などがよく分かっていなかったが、少しその流れが理解できたかなと思う。

    現代は昔と違ってインターネット・youtube・漫画その他、人格形成のために情報を得るための種類が多くなったが、それでも書籍を読むことが知識や教養を得るためには一番大切なんだろうなと私は思う。

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    2025年09月05日
  • 教養主義の没落 変わりゆくエリート学生文化

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    教養主義は没落すべくして没落している。古典的な教養主義の場として、一番そぐわないのは今の大学だろう。これは悲観すべきことではなく、大学も文化装置としての役割を変えているということではないだろうか。社会課題の解決、学生の自己成長と自己実現の場という新しい役割を獲得しつつあるように思う。

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    2025年08月23日
  • 教養主義の没落 変わりゆくエリート学生文化

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    大学や教養主義がエリィトのものだった頃についての本
    今そういうの学びたかったら岩波と中央新書でよくねえかと突っ込みながら読んでたらそれもちゃんと書かれていた
    明治大正の頃から昭和まではエリィトのものだったのだなぁとなんか新鮮な気持ち

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    2025年05月25日
  • 教養主義の没落 変わりゆくエリート学生文化

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    主に東京大学教養部の前身である一高を中心としたエリートがどのような本から考えていたかということだとまとめられる。いわゆる日本のエリート論であるし、日本のエリートの読書史である。岩波はマルクスを率先して扱うことはなく、翻訳を多く出版しているということは新しい知見であると思われる。高度経済成長からの記載はあまりないのは、教養主義の没落というタイトルなので、没落してからのことは扱わないというスタンスになっている。
     売れている本ということであるが、2003年に出版されてから20年以上も経過して売れているというのはその理由があるのであろう。

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    2025年05月09日
  • 教養主義の没落 変わりゆくエリート学生文化

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    旧制高校時代の学生文化から始まる教養主義の君臨と、80年代頃の没落まで。

    教養主義とは読書で人格を磨くという考え方だが、昨今の消費社会では、タイパコスパのように実用性の高いものの方が重視されている。

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    2025年04月19日
  • 教養主義の没落 変わりゆくエリート学生文化

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    ネタバレ

    米津玄師さんお勧め本。2003年発行。2025年現在、もう没落して20年経過している…と思いつつ手に取りました。

    1回読んだだけでは数々の出来事は把握しきれなかったけど面白かったです。「教養主義とは、読書を通じて得た知識で、人格を磨いたり社会を改善していこうとする人生観のこと。」だそうです。私は読書で人格を磨こうとは考えたことがなかったので…現代に置き換えると自己啓発本を読むこと??

    教養を得ても大学を卒業すると結局は就職してサラリーマン、という図式は60年代の学生運動が盛んだったころから同じだったんですね。

    P202、203の文藝春秋から引用された図が多少大げさに描かれているところもあ

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    2025年02月28日
  • 教養主義の没落 変わりゆくエリート学生文化

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    米津玄師が、最近読んで面白かった本として本書を取り上げていたので、読んでみた。
    文芸書や人文書が好きなので、「教養主義」という言葉には、くすぐられる感覚がある。
    「P40
    ここで教養主義というのは哲学・歴史・文学など人文学の読書を中心にした人格の完成を目指す態度である。東京帝大講師ラファエル・ケーベル(Raphael Koeber 一八四八一一九二三)の影響を受けた漱石門下の阿部次郎(一八八三―一九五九) や和辻哲郎 (一八八九一一九六○)などが教養主義文化の伝達者となった。『三太郎の日記』や『善の研究』が刊行されることによって、旧制高等学校を主な舞台に、教養主義は大正教養主義として定着する」

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    2025年02月24日
  • 社会学の名著30

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    社会学の名著についてわかりやすくまとめてあった。取り上げられた30冊について、少しずつ読み進めたい。

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    2025年02月14日
  • 教養主義の没落 変わりゆくエリート学生文化

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    昔は読まなければならない本というものがあった。難しそうな本がぎっしりつまった本棚。雑誌『世界』を定期購入して、本棚に並べていることがインテリの証だった。p.6

    寮や下宿で夜を徹して人生論や哲学論議。p.8

    岩波書店という文化装置。p.131

    教養主義とは、たくさんの書物を読んで、教養を詰め込む預金的な志向・態度。p.54

    大半の人は散漫な知識を寄せ集めた教養俗物だった。実存哲学のフレーズを振り回して、哲学青年・文学青年を気取った。教養は友人に差をつけるファッションだった。学歴エリートという成り上がりが教養というメッキによって「知識人」という身分文化を獲得しようとした。p.24

    頭でっ

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    2024年05月10日
  • 社会学の名著30

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    社会学の名著を30本、かなり分かりやすい解説の仕方で、ピックアップしてもらってる。

    社会学とは何か、漠然とでも分かる。

    これをスタートに社会学に踏み込んでいくといい。学生時代に何で出会わなかったのか……。


    すごーく端的にいうと、「社会」の仕組みが何なのか、それを明らかにしていく。人間の営みとは何なのか、今自分たちの社会で当たり前とされている営みが、そもそも何出来上がってるのか、当たり前とされてるけど、これってそもそも何なんだ、という視点を提供している。

    個人的に深く読みたいと思ったのが、ディスタンクシオン、感情労働、ギテンズ。

    これもすっごく世俗的な意見になっちゃってるけど、所謂

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    2024年02月04日
  • 教養主義の没落 変わりゆくエリート学生文化

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    かつて大学における基盤文化であった教養主義が、没落する過程に光を当てた作品。

    教養主義とは、人文科学(歴史・哲学・文学)の読書体験を通じて人格形成を目指すことを重んじる風潮。

    かつては中央公論などの総合雑誌やあかでみっくな文庫・新書・専門書の出版社のシンボル的存在であった岩波書店が、教養主義を支える文化装置として機能した。

    しかし、高度経済成長とともに内省的な教養知よりも機能的で功利的な専門知が重視されるようになった。
    また大学進学率が上昇し、大卒者がサラリーマン化して地位が相対的に低下する中で、教養主義的な知的文化はは大衆文化に取って代わられるようになった。

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    2023年02月08日
  • 社会学の名著30

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    竹内洋(1942年~)氏は、京大教育学部卒、京大大学院教育学研究科博士後期課程単位取得満期退学、関西大学社会学部教授、京大教育学部・大学院教授、同研究科・学部長、関西大学人間健康学初代部長等を経て、関西大学東京センター長、京大名誉教授、関西大学名誉教授。そのほか、日本教育社会学会会長、日本学術振興会特別研究委員等審査委員会委員などを歴任。
    本書は、社会学の古今東西の古典・名著から厳選された30冊について、そのエッセンスをそれぞれ6~8ページ程度で紹介したものである。
    収録されているのは、ピーター・バーガー『社会学への招待』、エミール・デュルケーム『自殺論』、ゲオルグ・ジンメル『社会学』、マルク

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    2022年01月17日
  • 教養主義の没落 変わりゆくエリート学生文化

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     頷けるところもあり、あまり新書を読まない自分としては、中々面白く読んだ。ただし、自分の研究テーマの結びつけることのできるような、アクチュアルな問題関心を掘り起こすという当初の目的に適ったかというと、少し微妙なところ。そもそも初版が2003年なので、約20年も前の本をして、現代の問題関心と接続できるかというと…まあ、これはこちらの問題で、本書の絶対的な価値を揺るがすものではないだろう。
     18世紀末の大正教養主義から、現代の「キョウヨウ」、そして教養主義の没落に至るまでを、時系列ではなく様々な角度に沿って概観していく。主題となっている教養主義の没落に関しては、終章でのみ語られるため、全体的な印

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    2021年10月22日
  • アメリカの大学の裏側 「世界最高水準」は危機にあるのか?

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    アメリカの大学・教員・学生の実態・生態が、飾ることなく、身も蓋もなく、明け透けに語られている。いかにも社会学者の親子の手になるもの、という感じ。日本の今後の高等教育を考えるにあたって、様々な点で考える具体的な材料を提供してくれている。

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    2021年01月20日
  • アメリカの大学の裏側 「世界最高水準」は危機にあるのか?

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    この本で知ったこと。
    アメリカからカナダへ留学する例が多いということ。
    冷静に考えればアメリカよりカナダへ留学した方がいいよね。

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    2020年07月04日
  • アメリカの大学の裏側 「世界最高水準」は危機にあるのか?

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    ネタバレ

    アメリカの大学のランキング、分類、テニュア、学費高騰の理由、ホリスティック入試の仕組みを概説。レガシーシステムやアスリート・マイノリティー優遇の仕組みやファーストジェネレーションの進学事情などを概説。

    大学ランキング:
    ・THE世界ランキング
    ・QS世界大学さんキング(英 大学評価機関)
    ・世界大学学術ランキング(上海交通大学)
    ・USニューズ

    アメリカの大学の研究活動による分類:

    R1:リサーチワン。最高度の研究活動の大学
    R2:リサーチツー。高度の研究活動の大学
    R3:リサーチスリー。普通の研究活動の大学。

    カーネギー分類

    アメリカの学長の報酬:2億円!
    学費高騰の理由は事務局の

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    2020年02月02日
  • 教養派知識人の運命 ──阿部次郎とその時代

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    倉田百三の『愛と認識との出発』とならんで、「大正教養主義」の代表的著作としてあげられる『三太郎の日記』の著者、阿部次郎の生涯とその時代を論じた評伝です。

    阿部次郎と和辻哲郎との確執についてもかなり立ち入って論じられています。和辻門下の吉沢伝三郎に『和辻哲郎の面目』(平凡社ライブラリー)という名著がありますが、本書の終章は「次郎の面目」というタイトルになっており、阿部の三女である大平千枝子の著述を紹介しながら、阿部の立場から事件を見るとともに、『三太郎の日記』以降忘れ去られたかにも見える阿部の人物像にせまっています。

    著者はこれまでも「教養」について社会学的な観点から考察をおこなった著作を多

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    2019年01月20日
  • 清水幾太郎の覇権と忘却 メディアと知識人

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    すっげー面白いし労作なんだけど、結局は東京の知識人たちのポジショニングの話なので、関西にいる身としては時々冷静になって、「お、おう……」ってつぶやいてしまう。
    おすすめですよー

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    2018年12月17日
  • 社会学の名著30

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    "社会学に興味を持ったときに購入した本。
    気になった本は以下。
    ・社会学への招待
    ・自殺論
    ・家族社会学論集
    "

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    2018年11月14日
  • 社会学の名著30

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    思考のフレームや方法について、大いに参考になった。用語の定義に関する説明が不足しているように感じられたが、既読の本については内容の紹介は適切、その他の本も適切であろうと感じられた。それにしても社会学はその性質から現状分析に終始し、さらに日本では輸入されたフレームの当てはめに過ぎないため、学問としては些か退屈なものである感が否めないと思った。

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    2018年06月03日