竹内洋のレビュー一覧
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ネタバレ主に東京大学教養部の前身である一高を中心としたエリートがどのような本から考えていたかということだとまとめられる。いわゆる日本のエリート論であるし、日本のエリートの読書史である。岩波はマルクスを率先して扱うことはなく、翻訳を多く出版しているということは新しい知見であると思われる。高度経済成長からの記載はあまりないのは、教養主義の没落というタイトルなので、没落してからのことは扱わないというスタンスになっている。
売れている本ということであるが、2003年に出版されてから20年以上も経過して売れているというのはその理由があるのであろう。 -
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ネタバレ米津玄師さんお勧め本。2003年発行。2025年現在、もう没落して20年経過している…と思いつつ手に取りました。
1回読んだだけでは数々の出来事は把握しきれなかったけど面白かったです。「教養主義とは、読書を通じて得た知識で、人格を磨いたり社会を改善していこうとする人生観のこと。」だそうです。私は読書で人格を磨こうとは考えたことがなかったので…現代に置き換えると自己啓発本を読むこと??
教養を得ても大学を卒業すると結局は就職してサラリーマン、という図式は60年代の学生運動が盛んだったころから同じだったんですね。
P202、203の文藝春秋から引用された図が多少大げさに描かれているところもあ -
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米津玄師が、最近読んで面白かった本として本書を取り上げていたので、読んでみた。
文芸書や人文書が好きなので、「教養主義」という言葉には、くすぐられる感覚がある。
「P40
ここで教養主義というのは哲学・歴史・文学など人文学の読書を中心にした人格の完成を目指す態度である。東京帝大講師ラファエル・ケーベル(Raphael Koeber 一八四八一一九二三)の影響を受けた漱石門下の阿部次郎(一八八三―一九五九) や和辻哲郎 (一八八九一一九六○)などが教養主義文化の伝達者となった。『三太郎の日記』や『善の研究』が刊行されることによって、旧制高等学校を主な舞台に、教養主義は大正教養主義として定着する」 -
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昔は読まなければならない本というものがあった。難しそうな本がぎっしりつまった本棚。雑誌『世界』を定期購入して、本棚に並べていることがインテリの証だった。p.6
寮や下宿で夜を徹して人生論や哲学論議。p.8
岩波書店という文化装置。p.131
教養主義とは、たくさんの書物を読んで、教養を詰め込む預金的な志向・態度。p.54
大半の人は散漫な知識を寄せ集めた教養俗物だった。実存哲学のフレーズを振り回して、哲学青年・文学青年を気取った。教養は友人に差をつけるファッションだった。学歴エリートという成り上がりが教養というメッキによって「知識人」という身分文化を獲得しようとした。p.24
頭でっ -
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かつて大学における基盤文化であった教養主義が、没落する過程に光を当てた作品。
教養主義とは、人文科学(歴史・哲学・文学)の読書体験を通じて人格形成を目指すことを重んじる風潮。
かつては中央公論などの総合雑誌やあかでみっくな文庫・新書・専門書の出版社のシンボル的存在であった岩波書店が、教養主義を支える文化装置として機能した。
しかし、高度経済成長とともに内省的な教養知よりも機能的で功利的な専門知が重視されるようになった。
また大学進学率が上昇し、大卒者がサラリーマン化して地位が相対的に低下する中で、教養主義的な知的文化はは大衆文化に取って代わられるようになった。 -
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ネタバレアメリカの大学のランキング、分類、テニュア、学費高騰の理由、ホリスティック入試の仕組みを概説。レガシーシステムやアスリート・マイノリティー優遇の仕組みやファーストジェネレーションの進学事情などを概説。
大学ランキング:
・THE世界ランキング
・QS世界大学さんキング(英 大学評価機関)
・世界大学学術ランキング(上海交通大学)
・USニューズ
アメリカの大学の研究活動による分類:
R1:リサーチワン。最高度の研究活動の大学
R2:リサーチツー。高度の研究活動の大学
R3:リサーチスリー。普通の研究活動の大学。
カーネギー分類
アメリカの学長の報酬:2億円!
学費高騰の理由は事務局の -
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「普遍的知識人」としての丸山眞男の思想史的な位置を、戦中から戦後にかけての日本社会における文化資本をめぐる状況の推移のなかで検討しています。
前半は、狂信的な国家主義者として知られる蓑田胸喜について多くのページを割いて考察をおこなっています。また著者は、「亜インテリ」と「本来のインテリ」を区別しようとした丸山の主張に対する批判を展開し、ファシズムを下支えすることになった「亜インテリ」とされる人びとが、教養主義の丸山らとは異なるもうひとつの形態にすぎなかったことを明らかにしています。
そのほか、戦後の社会状況において丸山が「普遍的知識人」としての地位を占めた理由と、その後本格的に日本社会を覆 -
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丸山眞男の時代という書名通り、丸山だけに焦点をしぼらず、丸山が活躍した時代全体に焦点を当てようとするなかなかの力作。
著者は、教養主義の没落などの作品を書いてある社会学者の竹内洋氏であり、ところどころにある社会学的な統計的な裏付けもあって、読んでいて楽しかった。
簡単に要旨をまとまれば、丸山思想の背景や時代の説明に始まり、法学部の政治思想史を教える傍ら、「超国家主義の論理と心理」により、日本独自の視点を指摘して注目されたことや、その影響を描いている。しかし、その後は有名であるがゆえに、様々な批判も受けることになる。当時の教養主義についても、終章で触れている。
丸山思想や時代背景も含めて全 -
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ネタバレ[ 内容 ]
戦後の市民による政治参加に圧倒的な支配力を及ぼした丸山眞男。
そのカリスマ的な存在感の背景には、意外なことに、戦前、東大法学部の助手時代に体験した、右翼によるヒステリックな恫喝というトラウマがあった。
本書は、六〇年安保を思想的に指導したものの、六〇年代後半には学生から一斉に背を向けられる栄光と挫折の遍歴をたどり、丸山がその後のアカデミズムとジャーナリズムに与えた影響を検証する。
[ 目次 ]
序章 輝ける知識人
1章 ある日の丸山眞男―帝大粛正学術講演会
2章 戦後啓蒙という大衆戦略
3章 絶妙なポジショニング
4章 大衆インテリの反逆
終章 大学・知識人・ジャーナリズム