竹内洋のレビュー一覧
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興味深い考察も多々あるものの、いかんせん、これまでの学生文化の遍歴をよくわかっていないので、言わんとするところがドンピシャとハマってこないのが切ないところ。戦前戦後の教育の枠組みですらよく理解していないから、そこんところでまず引っかかって「?」という箇所も多々ある。
残念、自分。
まあ大学というところは、現代ではすでに、高等教育を享受するためにみんなが行ってる場所であるかどうかもあやしい。いやもちろん、専門知の結集であるのは間違いないんだけれども、衆愚と呼ばれてもやむを得ない面もあるかもね。
こうやって文化は生まれ変遷していくのだなー。
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以前読んだ「社会学の名著50冊が一冊でざっと学べる」より、丁寧な解説がなされ、ぼんやりしていた部分が、すこし明確になった。丁寧な解説書であるにもかかわらず、まだまだわからないところが多く、斜め読みするにも時間がかかってしまったので、何度も繰り返し同じような本に触れていたいと思った。
P.16 ピーター・バーガー『社会学への招待』
社会学的好奇心はうわさ好き、ゴシップ好きと同じであるといっているのである。といってもシャーデンフロイデ(他人の不幸は蜜の味)を動機としたゴシップ・うわさ好みのことをいっているわけではない。公式的見解や状名の背景にある構造が見通され、「ものごとはみかけどおりではない」 -
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・とっかかりをつかみがたい社会学を驚きを伴う「おもしろさ」の観点から重要な諸理論・図書を案内してくれる。類書とあわせて読むと各理論の概略把握が進む。
・コンパクトなので、ちょっとした時間に見返せば「思い出し」に活用できる。
・紹介される全30書につけられた副題がいいなあと思って。これだけでもどういうことを考えようとしているのが社会学か?の輪郭が見えてくるような気がする。さてどの本のことか?
・人生は一場の戯れにしても
・社会学という透視術
・社会の発見あるいは社会学の発見
・社会の幾何学
・闘争モデルの原型
・近代資本主義と宗教
・コーヒー・ハウスからインターネットへ
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ほとんど知らない著者と署名が並んでいる。どれも著者の観点から名著ということになっているが、フーコー『監獄の誕生』あたりの有名どころは別として、あまり聞きなれない著者が多数を占める。そのため名著30シリーズ中でいちばん期待が大きかった一冊。
世間的には社会学というのはいまいち評判がよくないと感じている。仕事上でも、新卒者に「大学では何を?」と質問すると、申し訳なさそうに「社会学で。。」と返ってくるというやりとりはけっこう多い。
本書でいちばん印象に残ったのは、ガーフィンケル『エスノメソドロジー』。これまで聞いたこともなかったが、主観・客観とはどういうことか、という問題に社会学を足場にして論じ -
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本書でも、受験勉強の効用として、期待通り竹内節が披露されている。
「また情報回路が貧困だった時代は受験のための世界史の知識や英文解釈あるいは英語のサブ・リーダーで原語で小説を読むことなどを通じて文明とノーブルな世界への憧憬がかきたてられた。受験知は教養知あるいは少なくとも教養知への準備ともなった。受験が刻苦勉励にいろどられながらも、ロマンの香りがあった時代だった。(54頁)」
こうした文脈を、ただノスタルジックに当時を振り返るのではなく、今日との比較から現在の課題を見つけることが必要だと思う。例えば、当時はリメディアル教育・キャリア教育実施の必要がなかったのはなぜか、といったことだろう。受験勉 -
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[ 内容 ]
「社会」をどうみるか?
われわれもその一員でありながら、いやそうであればこそ、社会をとらえるのは実はとても難しい。
社会学は、一見わかりやすそうで意外に手ごわい。
ただし、良質な入門書、面白い解説書に導かれれば、見慣れたものの意味がめくるめく変容し、知的興奮を覚えるようになるはず。
本書では、著者自身が面白く読んだ書30冊を厳選。
社会学の虜になることうけあいの、最良のブックガイド。
[ 目次 ]
1 社会学は面白い…?
2 近代への道筋
3 大衆社会・消費社会・メディア社会
4 イデオロギー・文化・社会意識
5 行為と意味
6 現代社会との格闘
7 学問の社会学
[ POP -
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批評*1は新たな創作であるとはしばしば言われることです。
作品という「芯」から紐を引っ張ってぐるぐると巻きつけていく。
それは、まさに創作的な営為といえるでしょう。
学問も、まあ、近い部分がありますよね。
その対象と基準が「しばしば」異なるというだけのことで。
それに対して解説は作品にもぐっていくということでしょう。
一つ一つの語義を確認し、どういった思いを伝えているのか。
作者の追体験を可能とする作業です。
まぁ、この二つが厳密に分けられるわけでもないですが。
あくまで語義的に言って、ということです。
ブックガイド、というとなんとなくそのうわべをなでたような解説を