竹内洋のレビュー一覧

  • 教養主義の没落 変わりゆくエリート学生文化

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    あるインタビューの中で米津玄師さんが「べらぼうに面白かったですね」と紹介していたことで手に取った一冊。

    正直なところ、新書をなかなか読まない私には難しかったし、米津さんはどこに面白みを感じ、膝を打ったのだろう…?

    ただ、教養主義の変遷を農村と都市、大学進学率の変化を多面的に、武士や町人、石原慎太郎やビートたけしなど、多角的に分析している点は職業柄興味をそそられる部分ではあった。そして、時代の流れとともに没落していく必然性も感じた。

    現代の教養とは一体…

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    2025年04月20日
  • 教養主義の没落 変わりゆくエリート学生文化

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    興味深い考察も多々あるものの、いかんせん、これまでの学生文化の遍歴をよくわかっていないので、言わんとするところがドンピシャとハマってこないのが切ないところ。戦前戦後の教育の枠組みですらよく理解していないから、そこんところでまず引っかかって「?」という箇所も多々ある。
    残念、自分。
    まあ大学というところは、現代ではすでに、高等教育を享受するためにみんなが行ってる場所であるかどうかもあやしい。いやもちろん、専門知の結集であるのは間違いないんだけれども、衆愚と呼ばれてもやむを得ない面もあるかもね。
    こうやって文化は生まれ変遷していくのだなー。

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    2025年04月20日
  • 社会学の名著30

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    以前読んだ「社会学の名著50冊が一冊でざっと学べる」より、丁寧な解説がなされ、ぼんやりしていた部分が、すこし明確になった。丁寧な解説書であるにもかかわらず、まだまだわからないところが多く、斜め読みするにも時間がかかってしまったので、何度も繰り返し同じような本に触れていたいと思った。

    P.16 ピーター・バーガー『社会学への招待』
    社会学的好奇心はうわさ好き、ゴシップ好きと同じであるといっているのである。といってもシャーデンフロイデ(他人の不幸は蜜の味)を動機としたゴシップ・うわさ好みのことをいっているわけではない。公式的見解や状名の背景にある構造が見通され、「ものごとはみかけどおりではない」

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    2023年06月30日
  • 社会学の名著30

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    ・とっかかりをつかみがたい社会学を驚きを伴う「おもしろさ」の観点から重要な諸理論・図書を案内してくれる。類書とあわせて読むと各理論の概略把握が進む。

    ・コンパクトなので、ちょっとした時間に見返せば「思い出し」に活用できる。

    ・紹介される全30書につけられた副題がいいなあと思って。これだけでもどういうことを考えようとしているのが社会学か?の輪郭が見えてくるような気がする。さてどの本のことか?

     ・人生は一場の戯れにしても
     ・社会学という透視術
     ・社会の発見あるいは社会学の発見
     ・社会の幾何学
     ・闘争モデルの原型
     ・近代資本主義と宗教
     ・コーヒー・ハウスからインターネットへ
     ・

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    2023年02月09日
  • 教養主義の没落 変わりゆくエリート学生文化

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    時代の流れの中における教養主義についてはわかったが、少し分析については、甘いような気がした。
    私自身の知識不足もあり、少し消化不良である。

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    2021年03月16日
  • 教養主義の没落 変わりゆくエリート学生文化

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    ネタバレ

    教養そのものではなく、大正末期から昭和末期頃までの教養主義・教養主義者の変遷について論じる。

    過去の教養に関する状況への分析が多く,現在や将来への分析や提言は少ない。
    資料的価値に重きを置いた本といえる。データの分析に関する部分は読み飛ばしてもよさそう。

    とはいえ,「教養の培われる場としての対面的人格関係は、これからの教養を考えるうえで大事にしたい視点である。」(246頁)として,教師や友人などの人的媒体を介した教養の発展を示唆している。

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    2019年02月03日
  • 社会学の名著30

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    ほとんど知らない著者と署名が並んでいる。どれも著者の観点から名著ということになっているが、フーコー『監獄の誕生』あたりの有名どころは別として、あまり聞きなれない著者が多数を占める。そのため名著30シリーズ中でいちばん期待が大きかった一冊。

    世間的には社会学というのはいまいち評判がよくないと感じている。仕事上でも、新卒者に「大学では何を?」と質問すると、申し訳なさそうに「社会学で。。」と返ってくるというやりとりはけっこう多い。

    本書でいちばん印象に残ったのは、ガーフィンケル『エスノメソドロジー』。これまで聞いたこともなかったが、主観・客観とはどういうことか、という問題に社会学を足場にして論じ

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    2018年11月25日
  • 社会学の名著30

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    社会学部出身なのに、恥ずかしながらろくに古典を読んでいなかったので、どんな学者・学説があったろうかと思い、復習してみた。著者の解説が、日々の疑問や実感と各学説と結びつけているので、非常に好感が持てるものだった。「コスモポリタン教師とローカルズ教師」解説も最高だった。こういう教授の講義をぜひ受けてみたいものだった。

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    2021年08月08日
  • 岩波茂雄と出版文化 近代日本の教養主義

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    岩波文化と講談社文化には、想像以上に明確な区別があった。



    日本インテリゲンチャは、いうところの「岩波文化」と、涙を流して格闘し、しかもそこから多くを学び、時に呆然としつつ、おのれの意識をとぎすましてゆくほかあるまい。(p.113)

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    2014年07月02日
  • 丸山眞男の時代 大学・知識人・ジャーナリズム

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    丸山眞男像というものが今ではどうなっているのかわからないが、非常に現代的な評価だ。例えば蓑田胸喜などとの対照として丸山がいたことなどについて現代に通じる。

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    2013年09月25日
  • 大学の下流化

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    最近の一方的なバカ学生、バカ大学批判本の類かと思って手にとったら、思想的な本だった。簡単に言えば全共闘や福沢諭吉まで遡りながら現在の大学の下流化を探る内容。

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    2012年07月09日
  • 学校と社会の現代史

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    本書でも、受験勉強の効用として、期待通り竹内節が披露されている。
    「また情報回路が貧困だった時代は受験のための世界史の知識や英文解釈あるいは英語のサブ・リーダーで原語で小説を読むことなどを通じて文明とノーブルな世界への憧憬がかきたてられた。受験知は教養知あるいは少なくとも教養知への準備ともなった。受験が刻苦勉励にいろどられながらも、ロマンの香りがあった時代だった。(54頁)」
    こうした文脈を、ただノスタルジックに当時を振り返るのではなく、今日との比較から現在の課題を見つけることが必要だと思う。例えば、当時はリメディアル教育・キャリア教育実施の必要がなかったのはなぜか、といったことだろう。受験勉

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    2011年12月11日
  • 教養主義の没落 変わりゆくエリート学生文化

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    学生文化、マルキシズムがそこに落とす影響ということが、手に取るように見えた時代から、大衆サラリーマンを目指す凡俗への居直りへの流れを指摘する。中野孝次「苦い夏」で「美とか何とか言ったって、要するにあんたはブルジョアの洗練に憧れてるだけ」は、ドキリとする。

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    2018年10月14日
  • 社会学の名著30

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    [ 内容 ]
    「社会」をどうみるか?
    われわれもその一員でありながら、いやそうであればこそ、社会をとらえるのは実はとても難しい。
    社会学は、一見わかりやすそうで意外に手ごわい。
    ただし、良質な入門書、面白い解説書に導かれれば、見慣れたものの意味がめくるめく変容し、知的興奮を覚えるようになるはず。
    本書では、著者自身が面白く読んだ書30冊を厳選。
    社会学の虜になることうけあいの、最良のブックガイド。

    [ 目次 ]
    1 社会学は面白い…?
    2 近代への道筋
    3 大衆社会・消費社会・メディア社会
    4 イデオロギー・文化・社会意識
    5 行為と意味
    6 現代社会との格闘
    7 学問の社会学

    [ POP

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    2014年10月27日
  • 丸山眞男の時代 大学・知識人・ジャーナリズム

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    日本の政治経済、文化、官僚を支配する地のパラダイムである法学部的知と文学部的知も解体されつつある。
    法学大学院と4文字学部(国際教養とか)によって、大衆教養主義の没落によって歴史、哲学、政治、思想、文学の知が崩壊している。最近の大学生で丸山を読んでいる人なんていないのかな。

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    2009年10月07日
  • 社会学の名著30

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    正直集中力がないと読破はできない。ゆえにわれはきつかった!!でもちゃんと読めば最高にわかりやすい参考書だったとも思える。今年の一年生の基礎演習はこの本を使用しているとのことで運がいいともうYO!

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    2009年10月04日
  • 社会学の名著30

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    批評*1は新たな創作であるとはしばしば言われることです。

    作品という「芯」から紐を引っ張ってぐるぐると巻きつけていく。

    それは、まさに創作的な営為といえるでしょう。

    学問も、まあ、近い部分がありますよね。

    その対象と基準が「しばしば」異なるというだけのことで。



    それに対して解説は作品にもぐっていくということでしょう。

    一つ一つの語義を確認し、どういった思いを伝えているのか。

    作者の追体験を可能とする作業です。

    まぁ、この二つが厳密に分けられるわけでもないですが。

    あくまで語義的に言って、ということです。



    ブックガイド、というとなんとなくそのうわべをなでたような解説を

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    2009年10月04日