あらすじ
岩波茂雄が起こした岩波書店の興隆は、「学歴貴族」の栄光の時代に呼応しています。近代日本のアカデミズムは外来で急ごしらえであり、「前衛」という言葉で操作可能だと見抜いていたのが、岩波茂雄であり、日本のインテリの底の浅さを見抜いています。教育社会学者の竹内洋氏は、日本のアカデミズムのありようと出版産業の構造を、問い直し、解明します。一冊で二冊分の内容を持っています。(講談社学術文庫)
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Posted by ブクログ
明治の「教養」が伝統的支配階級の文化と断絶した「舶来」文化であって、学校教育で習得される文化であるため、帝大の文学部はあまり豊かでない階層の地方出身者が多い、というところが面白かった。
と、「周知のように、信州人は赤になりやすいといわれた」といういいまわしに妙に受けてしまった。70年代には周知だったのだろうか。