竹内洋のレビュー一覧

  • アメリカの大学の裏側 「世界最高水準」は危機にあるのか?

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    高等教育研究を始めようとする方で、アメリカに興味がある方には是非一読をお勧めする。参考文献が明記されているのでありがたいが、筆者の経験則によるものなのか、研究の知見なのか、通説なのかは整理しながら論じて欲しかった。

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    2017年02月03日
  • アメリカの大学の裏側 「世界最高水準」は危機にあるのか?

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    ネタバレ

    2017/1/21 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
    2017/4/12〜4/19

    アメリカの大学で教員をしている著者が、アメリカの大学の現状と問題点、良い所を述べている。最終章で、著者の父親(日本の大学で教員を勤めておられた)が、日米の比較を述べている。前々から私自身も形だけアメリカの大学を真似る日本の大学改革に危惧を抱いていたが、今回の入試改革なんかも、アメリカの悪い所を取り入れるだけのような気がしてならない。杞憂に終われば良いのだが。

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    2017年04月19日
  • 丸山眞男の時代 大学・知識人・ジャーナリズム

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    「普遍的知識人」としての丸山眞男の思想史的な位置を、戦中から戦後にかけての日本社会における文化資本をめぐる状況の推移のなかで検討しています。

    前半は、狂信的な国家主義者として知られる蓑田胸喜について多くのページを割いて考察をおこなっています。また著者は、「亜インテリ」と「本来のインテリ」を区別しようとした丸山の主張に対する批判を展開し、ファシズムを下支えすることになった「亜インテリ」とされる人びとが、教養主義の丸山らとは異なるもうひとつの形態にすぎなかったことを明らかにしています。

    そのほか、戦後の社会状況において丸山が「普遍的知識人」としての地位を占めた理由と、その後本格的に日本社会を覆

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    2017年11月30日
  • 岩波茂雄と出版文化 近代日本の教養主義

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    明治の「教養」が伝統的支配階級の文化と断絶した「舶来」文化であって、学校教育で習得される文化であるため、帝大の文学部はあまり豊かでない階層の地方出身者が多い、というところが面白かった。
    と、「周知のように、信州人は赤になりやすいといわれた」といういいまわしに妙に受けてしまった。70年代には周知だったのだろうか。

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    2014年08月05日
  • 丸山眞男の時代 大学・知識人・ジャーナリズム

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    戦中戦後の大学、及びジャーナリズムと
    大衆インテリの動きについて
    丸山を中心に時代の流れを伝える一冊。

    丸山らを取り巻く議論については
    難しく感じる点が多々あった一方、
    時代の雰囲気については理解しやすく、かつ内容も面白い。
    もっと詳細に戦中や戦後安保闘争時の潮流を
    知りたいと感じさせた。

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    2014年04月27日
  • 丸山眞男の時代 大学・知識人・ジャーナリズム

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    丸山眞男の時代という書名通り、丸山だけに焦点をしぼらず、丸山が活躍した時代全体に焦点を当てようとするなかなかの力作。

    著者は、教養主義の没落などの作品を書いてある社会学者の竹内洋氏であり、ところどころにある社会学的な統計的な裏付けもあって、読んでいて楽しかった。

    簡単に要旨をまとまれば、丸山思想の背景や時代の説明に始まり、法学部の政治思想史を教える傍ら、「超国家主義の論理と心理」により、日本独自の視点を指摘して注目されたことや、その影響を描いている。しかし、その後は有名であるがゆえに、様々な批判も受けることになる。当時の教養主義についても、終章で触れている。

    丸山思想や時代背景も含めて全

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    2013年04月13日
  • 社会学の名著30

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    社会学者である竹内洋の著作。社会学の概観を知りたくて読み始めた。
     社会学の名著といわれる30作を紹介している。社会学の歴史の変遷もさることながら、ヨーロッパの思想潮流にも触れることができた。19世紀、コントによって始まった社会学はデュルケーム、ウェーバー、ジンメルなどの社会学者により理論化された。そして第二次大戦後にアメリカに渡った社会学は隣接する社会心理学や経済学、人類学などの影響を受け新たな展開を迎えた。その後社会学を総合的に形式化する試みが社会システム理論としてパーソンズによって発表された。社会学の歴史変遷を短いが分かりやすく説明してあり、その他にもメディアやジェンダー、エスノメソドロ

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    2012年03月28日
  • 社会学の名著30

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    社会学の名著30冊について、竹内が解説する。
    教育社会学では京都大学系筆頭にあげられるだろう著者が、社会学の名著と呼ばれる本の中で面白いもの、著者が興味を持つものについて挙げ、それぞれ7-10ページほどの紹介をする。
    引用は必ず2カ所は入っており、内容が分かりやすくなっている。原著を読んでいなくても、読める内容となっていた。

    原著を読んでいれば、うまくまとまっていることに気づき、読んでいなければ本の紹介をしているのだと忘れるほどに興味深い記述がならぶ。後から、名著の紹介だったと気づくだろう。そして、その内容についてあまり覚えていないことに気づく。それが竹内氏の考えだと思ってしまうほどに読み下

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    2011年06月04日
  • 丸山眞男の時代 大学・知識人・ジャーナリズム

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    戦後の市民による政治参加に圧倒的な支配力を及ぼした丸山眞男。
    そのカリスマ的な存在感の背景には、意外なことに、戦前、東大法学部の助手時代に体験した、右翼によるヒステリックな恫喝というトラウマがあった。
    本書は、六〇年安保を思想的に指導したものの、六〇年代後半には学生から一斉に背を向けられる栄光と挫折の遍歴をたどり、丸山がその後のアカデミズムとジャーナリズムに与えた影響を検証する。

    [ 目次 ]
    序章 輝ける知識人
    1章 ある日の丸山眞男―帝大粛正学術講演会
    2章 戦後啓蒙という大衆戦略
    3章 絶妙なポジショニング
    4章 大衆インテリの反逆
    終章 大学・知識人・ジャーナリズム

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    2011年04月03日
  • 社会学の名著30

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    すごく分かりやすく社会学案内をしていると思う。
    ちょこっとだけ無駄話もあるけど。
    有名どころを幅広く網羅しているんだけども、「名著30なのに○○は入っていて○○がいないのかよ」と思う部分も。けど、あくまで“作者が選んだ”名著30ということでご愛嬌。

    社会学入門として十分勧められるレベルだと思います。

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    2010年05月18日
  • 丸山眞男の時代 大学・知識人・ジャーナリズム

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    なかなか面白い。
    丸山眞男と彼の生きた時代背景。


    丸山にフォーカスしつつも裾野は広く、彼の生きた時代を、彼を通して捉えなおしている。
    全闘連、戦争…知識が大衆化された現代、その制作に携わった人物の功罪を冷静にみつめ、その背景を読み解いた一冊。

    今に近い歴史は中途半端に受けとめがちで、ともすれば古い歴史こそ率直に受け入れる。
    この本はその中途半端さを解消し、今と近い時代に於ける日本で起きた知の変化を認識させてくれた。

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    2009年10月07日
  • 社会学の名著30

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    パーソンズ社会学をリアルライフにつなげた「作田啓一「価値の社会学が30冊に選ばれていた。思えば30数年前卒論のメインの材料で、著者に手紙を出した。

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    2009年10月04日
  • 教養主義の没落 変わりゆくエリート学生文化

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    本書には、戦後から現代にかけて学生に対する評価基準が「肩書き重視」へと移行し、雇用の仕組みが安定するにつれて学生の学びの意識が変化してきたという趣旨の内容が記されていました。

    学生運動が盛んだった時代のメディアや学習意識、学生生活の様子などが描かれており、現代とはかけ離れた情景が新鮮に映りました。

    ただ、自分の学生時代を思い返すと、学びが「効率よく生きるための手段」へと傾倒しているように感じますが、本書からは「教養の正しさ」の定義や、それが何を指すのかが読み取れなかったため、何がどのように「衰退した」のかという具体的なイメージが掴めませんでした。

    この点については是非を問いたい。

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    2025年10月20日
  • 教養主義の没落 変わりゆくエリート学生文化

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    著者である竹内洋と同じ1942年生まれというと角川春樹、小泉純一郎、ジョー・バイデン、加納典明、ハリソン・フォード、ポール・マッカートニー、上岡龍太郎がいる。
    これらと同い年の著者自身の教養をめぐる風景とその変遷、変化を描く。
    ちなみに
    司馬遼太郎は1923年生まれ19年上
    三島由紀夫は1925年生まれ17年上
    石原慎太郎は1932年生まれ10年上
    田原総一朗は1934年生まれ8年上
    大江健三郎は1835年生まれ7年上

    後半の戦後のマルクス主義と教養のあり方の変遷が知らない事が多く面白かった。

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    2025年10月01日
  • 教養主義の没落 変わりゆくエリート学生文化

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    最初は米津玄師さんがオススメしてたからくらいの軽い気持ちで読み始めましたが、最初こそ難しいと思ったけど、しっかりとした証跡、時代背景などを丁寧に記載されていて、途中から読むスピードがあがりました。
    母が勧めてきた本(戦後教養主義真っ只中)、よく教師が共産主義と言われる所以( 田舎だからかもだけど)など、いろいろ合点がいきました。

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    2025年09月07日
  • 教養主義の没落 変わりゆくエリート学生文化

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    米津玄師が言っていたように「べらぼうに面白かった」というほどではないけれど(教養の差…?笑)、教養主義がどう隆盛を誇ってどう没落していったかの歴史、なかなか興味深かった。世代か家か、岩波文庫の権威とかはまだ少し残っていて、大学生の頃は意識して読むようにはしていたけど、その雰囲気がどのように形作られてきたか、とか知らなかったし。
    で、これからはどうなるのか。教養が骨太で必須なものである、というのは幻想な気がしたけど(特に一般市民にとっては)、社会を特によくしたかもわからないし。ただ、自分を豊かにするものではあると思うんだよなー

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    2025年08月24日
  • 教養主義の没落 変わりゆくエリート学生文化

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    米津玄師さんが「べらぼうに面白かった」と言っていた、と知って手にしました。

    結論、私にとっては、ほとんど響くところがなかった(苦笑)。
    でも、子供の頃、父が言っていたことの背景というか、その時代の認識が、少しは見えたような気がしました。
    (2003年出版)

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    2025年07月18日
  • 教養主義の没落 変わりゆくエリート学生文化

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    ここ何年かはもっぱら教養ブームだが、この本でいうところの教養主義とは、意味合いが様変わりしたと言ってよい。かつての教養主義を担っていた雑誌や書籍の隆盛、旧帝大のなかでも学部のカラーの違いなど、興味深く読んだ。
    限られた一部のエリートのものではなく、大衆化した教養は、担う役割はまったく異なるけれど、いつの時代も無視はできない存在である。

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    2025年07月03日
  • 教養主義の没落 変わりゆくエリート学生文化

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    教養主義の没落と変様、展望と期待が込められた良書である。
    従来の日本の大学で支配的だった教養主義は戦前前後1960年代半ばまで、社会の規範となるべく次世代のリーダーになるべく教育を受けてきた。そして、教養主義とは、哲学・歴史・文学などの人文学の読書を通じて人格の完成を目指す態度であり、単なる知識の詰め込みではなく、人格形成や社会改良をも志向するものであった。
    だが、時代は高度経済成長期に突入し、日本という国の社会構造が大きく変化を迎えた。教養は広く大衆化し、多くの人が大学へ通えるようになり、従来の詰め込みの知識やエリート意識を高める教養から、コミュニケーションの能力や実践的な教養への応用が期待

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    2025年06月22日
  • 教養主義の没落 変わりゆくエリート学生文化

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    米津玄師が爆売れさせた本。
    内容は私には難しすぎた。特に大正・昭和初期のあたり。

    それよりも米津がいったことで重版がかかるって、どれだけ影響力あるの米津玄師!!

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    2025年05月04日