竹内洋のレビュー一覧

  • アメリカの大学の裏側 「世界最高水準」は危機にあるのか?
    米国の大学について、その内側からの視点も含めて解説。テニュアやランキング、学費高騰などの背景も分かりやすい。終盤の日本の大学との比較も興味深い。
  • 丸山眞男の時代 大学・知識人・ジャーナリズム
    本書のいうとおり、戦後左翼にとって幻滅しつつあった共産主義に代わる器が丸山眞男だったとすれば、ものすごい影響力を持つ人物だったのだと思う。いま丸山眞男の評論を読んでも深く感じるところがないので、かつての時代の雰囲気を逆に強烈に感じる。
    本書では現代からの視点で丸山眞男に対する違和感が数多く語られる。...続きを読む
  • 清水幾太郎の覇権と忘却 メディアと知識人
    戦後の進歩的文化人の代表として、またE.Hカーの「歴史とは何か」の訳者として有名な清水幾太郎。清水の戦時中の評論の本音と建て前の分析や、著者が得意とする所謂文化人の大衆観の解説に読みごたえを感じた。
    清水が著名な割に現在ではあまりピックアップされない理由がわかる。戦後思想界をリードする進歩的文化人の...続きを読む
  • アメリカの大学の裏側 「世界最高水準」は危機にあるのか?
    著者は、ウィスコンシン大学ミルウォーキー校で犯罪学を講じる准教授で、竹内洋教授(教育社会学)の長女。竹内教授は、第6章「アメリカを『鏡』に日本の大学を考える」を執筆している。

    日本の大学行政においては、英米(特に米)の大学制度が普遍的で優れていると妄信する傾向がある。しかし、日本の大学には日本の社...続きを読む
  • アメリカの大学の裏側 「世界最高水準」は危機にあるのか?
    名実ともに世界最先端を走るアメリカの大学だが、昨今の授業料の高騰や授業内容の低下など、直面する課題も増えてきている。著者は、アメリカ・ウィスコンシン大学の准教授で内側からみた大学の課題を指摘する。
    的確な指摘で納得できる点が多く、日米大学の比較は子供たちの進学先を考える上で非常に参考になった。
  • アメリカの大学の裏側 「世界最高水準」は危機にあるのか?
    折に触れてアメリカはじめ海外の大学事情は情報追おうとはしているけれども、実際にいないとわからないところも多く、現地で教えている方の目からまとめてくれていることは大変ありがたかった。
    竹内洋先生の担当パートは、逆に自分が日本で若手教員やってる分だけ、偏ってるなと思うところもある。
  • 教養主義の没落 変わりゆくエリート学生文化
    「教養」とは何か?
    これを読んでおけば、「教養人」という共通理解は、僕たちの世代にはほとんどないのではないか…
    本著は、大学院の講義を担当し、教育社会学(歴史社会学)の魅力を教えてくださった竹内洋先生の代表作。
    大正から戦後に至るまでの「教養」のあり方を読み解く。
  • 学歴貴族の栄光と挫折
    京都大学名誉教授(教育社会学)の竹内洋(1942-)による近代日本における社会装置としての旧制高校論。初出は中央公論社「日本の近代」シリーズの第12巻の同名書(1999年4月)であり、今回はその初の文庫化である。

    【構成】
    プロローグ 学歴貴族になりそこねた永井荷風
    第1章旧制高等学校の誕生
    第2...続きを読む
  • 教養主義の没落 変わりゆくエリート学生文化
    「教養」というものが興味があって、大学に入ってから哲学書などの小難しい本を買った経験のある人は自己の相対化のために読むべきでしょう。
  • 教養主義の没落 変わりゆくエリート学生文化
     本書は,大正時代の旧制高校以来,日本の大学にみられた教養主義とその没落を追究する。教養主義とは,哲学,歴史,文学など,人文学の読書を中心にした人格形成をめざす主義を意味する。この学生文化は,古典の読書に限らず,高い知性を誇った総合雑誌や単行本の購読を通じて培われてきた。教養主義は,1950年の旧制...続きを読む
  • 社会学の名著30
    非常に面白かった。"知っている"はずの事を別の視点から見て別のもののように映った時の知的興奮。それがあるから科学はやめられない、止まらない。
  • 学歴貴族の栄光と挫折
     旧制高等学校が明治から昭和にかけていかに変質し、またどう見られてきたのかの概要がつかめる好書。さらにほかの資料をあわせ読む必要はあると思いますが、読みやすく楽しめました。
    類書に見られる旧制高校への嫌悪あるいは崇拝の感情がある程度抑制されており、フェアな書き方だと思います。
  • 社会学の名著30
    この本で紹介されている本を毎週一冊ずつ取り上げながら、修士の同期と読書会を行なっています。それがきっかけで購入した本。竹内先生の主観がレビューにうまく反映されていてどんどん読みたくなってくる。原著(訳書)を読むのは膨大な時間がかかるけど、この本を読むだけで勘所は全て掴めるので、とりあえず社会学を概観...続きを読む
  • 教養主義の没落 変わりゆくエリート学生文化
    関西大学文学部教授、京都大学名誉教授の竹内洋による学生文化論

    【構成】
    序章 教養主義が輝いたとき
    1章 エリート学生文化のうねり
    2章 50年代キャンパス文化と石原慎太郎
    3章 帝大文学士とノルマリアン
    4章 岩波書店という文化装置
    5章 文化戦略と覇権
    終章 アンティ・クライマックス

     かつ...続きを読む
  • 社会学の名著30
    ちくま新書の『○○学の名著30』シリーズの社会学担当は、現関西大学文学部教授、京都大学名誉教授の竹内洋。

    【構成】
    Ⅰ 社会学は面白い…?
     1 バーガー『社会学への招待』-人生は一場の戯れにしても
     2 コリンズ『脱常識の社会学』-社会学という透視術
     3 デュルケーム『自殺論』-社会の発見ある...続きを読む
  • 社会学の名著30
    社会学の本が30冊紹介されています。社会学の入門書としても面白いと思います。
    30冊がどのような本なのかを把握していくことによって、社会学とはどんなことを
    研究対象にしているのかが垣間見えます。

    でも、あくまで入門書。ここからさらに深く知りたい人はもっと本を読んで見ると
    よいと思います。
  • 社会学の名著30

    社会学の名著を30本、かなり分かりやすい解説の仕方で、ピックアップしてもらってる。

    社会学とは何か、漠然とでも分かる。

    これをスタートに社会学に踏み込んでいくといい。学生時代に何で出会わなかったのか……。


    すごーく端的にいうと、「社会」の仕組みが何なのか、それを明らかにしていく。人間の営み...続きを読む
  • 教養主義の没落 変わりゆくエリート学生文化
    かつて大学における基盤文化であった教養主義が、没落する過程に光を当てた作品。

    教養主義とは、人文科学(歴史・哲学・文学)の読書体験を通じて人格形成を目指すことを重んじる風潮。

    かつては中央公論などの総合雑誌やあかでみっくな文庫・新書・専門書の出版社のシンボル的存在であった岩波書店が、教養主義を支...続きを読む
  • 社会学の名著30
    竹内洋(1942年~)氏は、京大教育学部卒、京大大学院教育学研究科博士後期課程単位取得満期退学、関西大学社会学部教授、京大教育学部・大学院教授、同研究科・学部長、関西大学人間健康学初代部長等を経て、関西大学東京センター長、京大名誉教授、関西大学名誉教授。そのほか、日本教育社会学会会長、日本学術振興会...続きを読む
  • 教養主義の没落 変わりゆくエリート学生文化
     頷けるところもあり、あまり新書を読まない自分としては、中々面白く読んだ。ただし、自分の研究テーマの結びつけることのできるような、アクチュアルな問題関心を掘り起こすという当初の目的に適ったかというと、少し微妙なところ。そもそも初版が2003年なので、約20年も前の本をして、現代の問題関心と接続できる...続きを読む