田中英道のレビュー一覧
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高校時代に世界史と日本史を30年程前を勉強しましたが、学習した時期も異なっていたこともあり、お互いの関係を殆ど意識することなく、テスト対策に追われていただけの記憶しかありません。
世界で重要な出来事が起きているときに、日本はどのような時代だったのかを多元的に学ぼうという意識がありませんでした。歴史を勉強ではなく興味で見ることができるようになって初めて、この本の主題である「日本人の視点で世界史を見る」ことができるようになったと思います。大人になってからの歴史は楽しいですね。
世界と日本の歴史を比べることは、どちらが良い悪いというのを語るのではなく、お互いにどのような経緯があって現在に至るのか -
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チームラボ代表の猪子寿之さんに影響を受け再び日本史をさらっとおさらいしつつ日本の歴史が
現在の日本にどのように優位に働いているかを知りたかったため手にとりました。
日本の歴史から生まれる文化の連続性(美術や文学作品、文化など)に関連して歴史を紐解きながら
その政治や経済が文化にもたらした影響から系統的に全体の歴史をまとめている。
たとえば江戸時代に和紙の大量生産が可能になり、社会が平和で豊かだったために文化や学問が大衆に広まり
発達した点などを時代の流れとともにわかりやすい言葉づかいで述べている。
一貫して筆者が日本が神道と仏教という、宗教に育まれた文化の連続性がどれほど
豊かな歴史を作 -
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井沢元彦氏の逆説シリーズを読んでから、一人の著者が、全ての歴史を解説している「通史」を読むのが私の一つの楽しみになっています。この本の著者である田中氏の本は、私は初めて出会いました。
井沢氏同様に、日本の「通史」を書かれていますが、その視点が、彼の研究課題であった「美術品」であることが特徴です。美術品が語ってくる日本の伝統と文化の魅力を通して、日本の何が素晴らしいかについて、各時代毎に解説されています。
以下は気になったポイントです。
・創業200年以上の老舗企業だけを集めた経済団体には、日本の加盟企業の多さが目立つ、創業百年以上という会社が、一万五千社以上もあるのは世界中でも日本のみ( -
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歴史を学ぶ意味とは何か――著者は日本の歴史を神話から連なる天皇の系譜を軸に据え一貫した国のかたちとして描き出す。文献のない時代、縄文からの国が成立していないであろう歴史を追う。
西洋中心の歴史観では見落とされがちな日本独自の精神や文化の根がある。教育の現場では断片的な知識の羅列にとどまり通史としての日本の姿が見えにくくなっている。
本書は国の成り立ちを自分の言葉で語れるよう導いてくれる。とはいえ歴史をどう語るかは受け取る側の姿勢にもかかっている。事実をどう解釈しどう未来に活かすか。それが歴史に学ぶということだ。読み終えて今を生きる自分の足元を見つめ直したくなった。 -
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歴史を学ぶ意味とは何か――著者は日本の歴史を神話から連なる天皇の系譜を軸に据え一貫した国のかたちとして描き出す。文献のない時代、縄文からの国が成立していないであろう歴史を追う。
西洋中心の歴史観では見落とされがちな日本独自の精神や文化の根がある。教育の現場では断片的な知識の羅列にとどまり通史としての日本の姿が見えにくくなっている。
本書は国の成り立ちを自分の言葉で語れるよう導いてくれる。とはいえ歴史をどう語るかは受け取る側の姿勢にもかかっている。事実をどう解釈しどう未来に活かすか。それが歴史に学ぶということだ。読み終えて今を生きる自分の足元を見つめ直したくなった。
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ネタバレ⚫︎日本の精神
上巻が楽しく読めたので、続きで購入。下巻は鎌倉時代から。 日本は前の時代のものが破壊されず、断絶がなく、続いている特徴がある。士農工商は縦ではなく、横のつながり。文化は社会に余裕があるから生まれるのでは決してなく、文化により、戦争が終結に向かうこともある。などなど、歴史から読み取れる事実から、著者の解釈がなるほどと思うことが多かった。 秀吉はイエズス会が日本を征服しようといていることを確信し、バテレンを追放、また、朝鮮や明への出兵は、秀吉が世界を征服しようとしたのではなく、スペインからの侵略からアジアを守るためだったとあり、秀吉の晩年の挙動がいつもおかしくなっていることに、疑問 -
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ネタバレ⚫︎日本の成り立ち
埴輪がユダヤ人の特徴と酷似しているという宣伝があり、なんのことを言っているか興味があり、購入。 日高見国の話、人類がアフリカから東に移動して行った話、日本は東から西を征服していった話、古代日本は王がいて征服されている国家ではない話、卑弥呼の存在はない、など、一見すると、本当だろうかと疑問がわくような話だが、よくよく読んでみると、なるほどと思いました。 世界は人同士の争いを積み重ねて来たが日本は自然災害を積み重ねてきているということに共感を覚え、このような経験が日本人の性格の下地を作っているのだなと思いました。 また、蝦夷と征夷大将軍の戦いは一体なんなんだろうと、なぜ西の人達 -
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ネタバレ⚫︎歴史の見方 同先生の日本国史を読み、興味がわいたので、本書も購入。どちらかと言えば、日本国史を多少まとめている内容。 日本が世界の中心であった可能性や、世界の歴史は連続しているわけではないが、日本は世界で唯一連続していること、卑弥呼・邪馬台国・日高見国等の見解が書かれています。 縄文、弥生時代など、日本の古代は、本当に歴史の教科書のようなものだったのか、かねがね疑問を持っていました。関東、東北が主体だったことに納得。奈良、京都よりも、東北、関東の地に深い歴史を感じる自分がいたのですが、それに答えをもらった感じです。 卑弥呼、邪馬台国に関わる神社や遺跡がいつまでたっても見つからないというのは
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田中英道先生と予備校講師をされている茂木誠さんが対談形式で、日本とユダヤの関わりについて話や持論を進めていく内容です。
田中英道先生ですので、内容については分かる方は読まなくても分かるかと思います。
日本人とユダヤ人が歴史の歩みとともに同化していったという内容で、眉唾物だとは分かっているのですが、理性に反してこの手の読み物は好きなので、つい読んじゃいました。
いろいろ似ているところがあるので、これだけあれば偶然ではないだろう、というのが論拠で、それ以外の根拠らしい根拠は出てきませんが、ご本人たちは至って真面目なので、読み物として割り切れば楽しく読めるかと思います。 -
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リベラルの批判書。著者は美術史研究者で国立大学の名誉教授。
リベラリズムはユダヤの陰謀から始まって、その恐ろしい力は強まり、今や世界は破壊され、関係無い日本も影響受けている、という理論。理論展開は以下
ユダヤ人はディアスポラで世界各国のマイノリティに→マジョリティの他民族から警戒、批判される→彼らは常に国家や権力へ恐怖を抱き被害者意識を持つ、それが民族性となる→18世紀に啓蒙思想が生まれるが、ユダヤ人はそれを悪用し「キリスト教的神の否定」だったのを「国家や権力の否定」にすり替える→それがマルクス主義を生む→ソ連崩壊で共産主義ユートピア思想や暴力革命が無理筋と見るや、フランクフルト学派の考え出 -
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筆者のエッセイ集。タイトルに惹かれて読んでみたが、飛鳥時代の前の話は前半分程度。また、エッセイなので、オムニバスでそれぞれ十分深い議論になっていない印象。後半は、関心外で時間なかったので読み飛ばしてしまいました。
縄文は千葉を中心として関東・東北圏に圧倒的に人口が多かったという考古学的事実は知らなかった。筆者はそれを日高見国と呼称し、気候変動で西に移動し、大陸からの移住民とともに大和朝廷を作ったとの見方だが、考古学的事実と推論の間がイマイチストンと来ない。
ユダヤ人の渡来というのも面白い視点で、日本の神道受けいれつつ、祭りや儀式に痕跡を残したというのは面白い。遺伝的にも日本と地中海東部に同