田中英道のレビュー一覧
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ネタバレ⚫︎日本の精神
上巻が楽しく読めたので、続きで購入。下巻は鎌倉時代から。 日本は前の時代のものが破壊されず、断絶がなく、続いている特徴がある。士農工商は縦ではなく、横のつながり。文化は社会に余裕があるから生まれるのでは決してなく、文化により、戦争が終結に向かうこともある。などなど、歴史から読み取れる事実から、著者の解釈がなるほどと思うことが多かった。 秀吉はイエズス会が日本を征服しようといていることを確信し、バテレンを追放、また、朝鮮や明への出兵は、秀吉が世界を征服しようとしたのではなく、スペインからの侵略からアジアを守るためだったとあり、秀吉の晩年の挙動がいつもおかしくなっていることに、疑問を持っていましたが、これを読んでスッキリしました。 日本人は西洋人と考えや文化など、全く違うもの。それは西洋を真似せよということではなく、日本人独自の精神、言葉、考えをよく知り、それを出していくことが大切だと感じた。 -
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ネタバレ⚫︎日本の成り立ち
埴輪がユダヤ人の特徴と酷似しているという宣伝があり、なんのことを言っているか興味があり、購入。 日高見国の話、人類がアフリカから東に移動して行った話、日本は東から西を征服していった話、古代日本は王がいて征服されている国家ではない話、卑弥呼の存在はない、など、一見すると、本当だろうかと疑問がわくような話だが、よくよく読んでみると、なるほどと思いました。 世界は人同士の争いを積み重ねて来たが日本は自然災害を積み重ねてきているということに共感を覚え、このような経験が日本人の性格の下地を作っているのだなと思いました。 また、蝦夷と征夷大将軍の戦いは一体なんなんだろうと、なぜ西の人達が正しいのか、かねがね疑問に思っていたが、蝦夷が日高見国の残りの人達である可能性があることから考えると、すっと頭に入り、長年の疑問、わだかまりも溶けた気がします。 歴史の解釈について固定概念がとれました。
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ネタバレ⚫︎歴史の見方 同先生の日本国史を読み、興味がわいたので、本書も購入。どちらかと言えば、日本国史を多少まとめている内容。 日本が世界の中心であった可能性や、世界の歴史は連続しているわけではないが、日本は世界で唯一連続していること、卑弥呼・邪馬台国・日高見国等の見解が書かれています。 縄文、弥生時代など、日本の古代は、本当に歴史の教科書のようなものだったのか、かねがね疑問を持っていました。関東、東北が主体だったことに納得。奈良、京都よりも、東北、関東の地に深い歴史を感じる自分がいたのですが、それに答えをもらった感じです。 卑弥呼、邪馬台国に関わる神社や遺跡がいつまでたっても見つからないというのは、あったかどうかも疑問だという解釈があっていいんだなと楽しく読みました。
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田中英道先生と予備校講師をされている茂木誠さんが対談形式で、日本とユダヤの関わりについて話や持論を進めていく内容です。
田中英道先生ですので、内容については分かる方は読まなくても分かるかと思います。
日本人とユダヤ人が歴史の歩みとともに同化していったという内容で、眉唾物だとは分かっているのですが、理性に反してこの手の読み物は好きなので、つい読んじゃいました。
いろいろ似ているところがあるので、これだけあれば偶然ではないだろう、というのが論拠で、それ以外の根拠らしい根拠は出てきませんが、ご本人たちは至って真面目なので、読み物として割り切れば楽しく読めるかと思います。 -
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リベラルの批判書。著者は美術史研究者で国立大学の名誉教授。
リベラリズムはユダヤの陰謀から始まって、その恐ろしい力は強まり、今や世界は破壊され、関係無い日本も影響受けている、という理論。理論展開は以下
ユダヤ人はディアスポラで世界各国のマイノリティに→マジョリティの他民族から警戒、批判される→彼らは常に国家や権力へ恐怖を抱き被害者意識を持つ、それが民族性となる→18世紀に啓蒙思想が生まれるが、ユダヤ人はそれを悪用し「キリスト教的神の否定」だったのを「国家や権力の否定」にすり替える→それがマルクス主義を生む→ソ連崩壊で共産主義ユートピア思想や暴力革命が無理筋と見るや、フランクフルト学派の考え出した「無条件のあらゆる国家・権力批判」という文化破壊戦略に舵を切る→この破壊戦略があらゆるメディアを席巻し、今やポリコレなどで退廃した世界となる→だからリベラルは悪である→しかし日本はまだ素晴らしい伝統家族、自然信仰、祖霊信仰、天皇崇敬が残っている→この伝統を強くし、西洋の悪から脱却すべきだ。
さて、本書がはたして理論として成立しているのかどうか。あるいは「一理ある」と言える部分があるのか。
理論の基礎となっているのは、①「西洋社会はキリスト教が元になっている」と②「日本は自然信仰の国だ」という説。
①は他の多くの社会学説でも定理化しているものなので、「まあ、概ねそうだろう」と言える。②については確かによく耳にする理論だが、特に今回本書を読んで感じたのは、いったい「自然信仰」というものがそもそも理論化されている信仰理論(信仰形態)なのか、という疑問だ。あらためてこの自然信仰とやらは何の事なのか理解不能だと感じた。本書ではしばしばこの自然信仰について言及され、「日本は自然信仰の国なので…」「この自然信仰の国ではキリスト教由来の思想を適用する理由はない」などの論調で展開されている。だが繰り返すようにそもそも自然信仰というものがいったい何を指すのか不明な上、その信仰がどういうものかを本書内で解説されていないので、これを前提として読み進むことが出来ない。「日本は自然信仰が基礎となっている国」という理論が説明不要な定理として話が進んでいく。そのことはliberalに充てられた日本語「自由」への解釈にも感じられる。《幕末にリベラルという言葉が入ってきてそれに当たる言葉が無いので、これを「自由」と訳した・しかし本来の自由(リベラル)はキリスト教の原罪からの解放。神の思し召しからの解放である・しかしキリスト教は日本には無いのでその考えが幕末人には解らなかった・しかも日本には元々原罪も思し召しも無いから元から「自由である」「素晴らしい国なのである」》と。日本には元々自由が備わっていて、それで人々が幸福に暮らしていたと?
著者は現代社会の混乱を憂い、それにあがなう理論を発表したつもりでいる。ではこの「自然信仰国日本」とやらを使って、いったいどう具体的に混乱を克服するつもりなのか。
日本国からキリスト教由来の思想を無くし、伝統である自然信仰を完全に普及させる。そしてキリスト教から産み出された「現代社会の病」に侵された世界を救うため、まずは日本国に直接影響がありそうな周辺諸国あたりから「日本の自然信仰」を布教することから始め、最終的にはこの地球上からキリスト教由来のものを一掃する(実際に「日本は重要で、リベラルに反撃するのは日本で、これで世界が正常化する p211」と書かれている)。但し「自然信仰とは何か」と問われたら「それは自明な絶対真理なので説明など不要だ」と問答無用にする。こういうことらしい。
現代の国際社会の太く切り離し不可能な関係性は、20年前とは比べものにならない程強い。そんな社会状況がまるで解って無いのではないか。先進国は日本以外全て著者が批判したそのキリスト教圏の国だし、中国は非キリスト教圏だが、天皇というものを必ず含んでしまう「日本の自然信仰/神道」をいったいどうやって普及させるつもりなのか。日本だけ鎖国して米と漬け物食って生きていこうというのか。いや、それすら現代の国際社会では許されない。まるで実効性の無い妄想としか思えない。
後半は、自らの専門分野である美術の話が言及されてくる。そしてやはり印象派から始まる近現代アートへの批判が繰り返される。伝統的な美術が好きなのは勝手だが、自分の好みではない近現代アートを批判する口ぶりはまさに罵詈雑言。自らが会員だった「国際美術史学会」を去ることになったことが言及されていて、その事から来る名誉の喪失、恥辱、怨念が近現代アート批判、そしてキリスト教由来の思想批判に収斂されていったようだ。
過去にエリートとして評価されていて、自己評価も不当に高い人物が、一旦自分が否定されると保守主義化して周りを攻撃し始める。そんな病理の絶好の症例を実見出来るカルテのような本。
リベラリズムは「国家や権力に媚びない」とされるが、そうではなく国家や権力を持てないことからくる「ユダヤ人の自己防衛のための思想」27
ユダヤの権力がアメリカ(=世界)を牛耳ってる。けど、それが「イスラエル・ユダヤ」と「グローバリゼーション・ユダヤ」に分裂した。キッシンジャーはイスラエルユダヤだ。そして彼はトランプを支持して、彼を大統領にした27
そもそもアメリカをはじめ日本を含む西側諸国が、伝統・信仰・民族・秩序・家族が崩壊し、倫理が乱れたのはフランクフルト学派(彼らはユダヤ人。グローバリゼーションユダヤの原点)のせいだ。やつらはドイツでマルクス研究をしていて、ナチスに追われアメリカに亡命してきた。そして亡命先での伝統文化破壊活動がしたのだ。やつらの理論は「プロレタリアによる暴力革命は無理」だから「長期的な文化革命」をして既存の勢力を倒すことだ40
それともう一人はイタリアのアントニオ・グラムシだ。彼は「長期的な文化革命」をあらゆる新メディアを使って行う戦略を提案した43
リベラルが模索したプロレタリア革命に代替する革命理論、それが「多文化主義」だ。「各国の文化を尊重する」のではなく「全ての文化を均一化する」のが目的だ。現在その最も有名で有効な武器は「ポリコレ」だ46
民族や宗教という基盤の揺らぎ(アイデンティティの揺らぎ)は、人々を不安にさせ精神がおかしくさせる。移民がどんどん近所に入り込んだEUとアメリカ。それが「アンチリベラル」を強め、ブレグジットやトランプ大統領を生んだ。51
だいたい移民問題に楽観的なのは若者だ。なぜならやつらは「アイデンティティが必要なほど長く生きてない」からだ。やつらはどこの外国でも行け、そこで生活できると錯覚してるのだ51
「左翼は批判ばかり」は彼らが愚かなのではなく、批判そのものに意味があるからである。これによって「人々に厭世感と疎外感を持たせる。これが将来の"革命"への必須条件だから」。この指導的立場なのがアドルノだ54
フロイトもリベラルの権化。ユダヤ人だし。「エディプスコンプレックス」は「子供は本来的に親を殺したい」「人間は生まれながらにして不幸」など生きることそのものに厭世感を植え付ける。
だが、わが日本は違う。家族が子供中心になっているし、夫婦も子供の前でイチャイチャしない。これがエディコンの無い素晴らしい日本だ61
リベラルの元凶フランクフルト学派は皆ユダヤ人だ。こいつらが「批判理論」を展開するのには訳がある。ユダヤ人のその出自により、全世界に対する被害者意識を抱いているのが理由だ65
リベラリズム(自由)は啓蒙思想から生まれた。しかし本来の啓蒙思想は「神の教え(キリスト教的考え)から、人間個人の思考への変革(神からの自由)」である。それをマルクス主義などは理論をねじ曲げ「国家や教会などの権力や法からの自由」とした。そのためアダム・スミスやジョン・ロックなどの思想は現在も権力批判と階級逃走の理論として間違って(偏向されて)解釈されている76
「階級」は、古来日本では「役割分担」と呼ばれていた。マルクス主義はこの「階級」の闘争を呼び掛けた。これによってあらゆる思想がおかしくなった88
20世紀のリベラリストのグランドセオリーは常にマルクス主義である100
私は「ルネサンス」や「キリスト教美術」を研究している。それだけで「権威主義」「エリート主義」と批判される。流行りの「ビエンナーレ」などはゴミのイメージしかない。最先端の芸術界はすでに退廃的な段階だ108
印象派はなんでもないただの風景を描いたやつら。浮世絵を真似したが、日本語文字が読めないから風景の由緒を理解してない。そのリーダー格のピサロはユダヤ人144
次にとうとう現れたのがピカソ。やつは今まで絵画が積み上げてきた伝統を拒否しやがった。アビニヨンの娘たちなど誰でもないただの女146
そしてデュシャンが登場した。やつは美術そのものを否定した。いや世の中の文化を破壊した。あの汚いただの便器。あれが登場したのはロシア革命の年。完全に呼応してる。だがロシア革命と違って人を殺さなかったから大目にみられた。だが私は、これは殺人に等しい蛮行だと思う147
俺は国際美術史学会の日本代表だった。だけど、そこに現代美術的要素が入ってきて、次々に私の愛する伝統美術が拒否された。デューラーやミケランジェロも拒否された。私は学会を抜けた。現代の美術は、小説でも音楽でも「いかに破壊するか」のみだ149
ユネスコの「世界の記憶」遺産で日本はよりにもよって、筑豊炭坑労働者の絵を登録申請した。こんなもの文化的価値はない。他にもっと文化遺産があるのに。明治以降の残業関連、「労働者への弾圧記録」ばかり取り上げようとする。ユネスコもリベラルの巣窟だ151
地中美術館の工法は日本の気候に合わない。息苦しいばかりの閉鎖空間だ153
サブカルチャーが主流になったのは「本物」が作れなくなったから157
コンセプチュアルアートは「インテリのすさびごと」157
伝統的な家族、自然信仰、お盆の墓参りなどの祖霊信仰、天皇崇敬、これらはいまだ日本人の感覚だ183
「近代は西洋によって作られた」は幻想だ。またこれを日本人が追体験する必要も可能性も無い185
日本の役割は非常に重要。リベラルに対して日本が反撃しなければ、世界の正常化はおそらく実現しない211
リベラル思想下にある人は正常ではない213
日本人のキリスト教徒は1%。その他99%は、無自覚、自覚は問わず、神道の徒だ228 -
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筆者のエッセイ集。タイトルに惹かれて読んでみたが、飛鳥時代の前の話は前半分程度。また、エッセイなので、オムニバスでそれぞれ十分深い議論になっていない印象。後半は、関心外で時間なかったので読み飛ばしてしまいました。
縄文は千葉を中心として関東・東北圏に圧倒的に人口が多かったという考古学的事実は知らなかった。筆者はそれを日高見国と呼称し、気候変動で西に移動し、大陸からの移住民とともに大和朝廷を作ったとの見方だが、考古学的事実と推論の間がイマイチストンと来ない。
ユダヤ人の渡来というのも面白い視点で、日本の神道受けいれつつ、祭りや儀式に痕跡を残したというのは面白い。遺伝的にも日本と地中海東部に同一性があり、中韓にはない遺伝子があるようなので、なるほどなと思いつつ、短い論考では完全に納得するには至らず。 -
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ネタバレ海外での経験、チームラボ代表の猪子寿之氏の影響により日本の文化に非常に興味がわき、
なぜこのような文化が生まれたのかを知りたくなったため手に取りました。
終始一貫して著者が指摘している日本人の自然信仰と御霊信仰を基本とした神道の影響が大きいことを
指摘している。西洋が物事を客観的に捉え、物事を支配したがる支配・略奪の文化であることから
自然も掌握しようとしてきたのに対し、日本は古来より争いの少なく、豊かな文化をはぐくんだ理由は
共同体として自然に逆らわず恐れ多いものとして万人共通でとらえつつ仏教が個人宗教であることで
救済することで古墳や仏像などからみれる日本独自の文化を「形」としてみれることを筆者は強く
主張している。
富士山を敬う富士嶽三十六景がゴッホに影響を与え、土器からは装飾を施した火焔土器が
世界最古であること、仏像は性を抽象化し、神を具現化した様子が他の文化と異なること。
個人的に庭園の違いとして、イギリス式は石や木々を削り、噴水などの水本来の流れを制御し
ているのに対し、日本は自然本来の姿をできるだけ維持しつつ、庭や物体にその自然の尊厳を
凝縮させる点からも捉え方が違うことに、日本文化を論じている方からは自明なのかもしれないが
非常に興味をもった。
頻繁に西洋との比較を交えながら論じられており、客観的にとらえることの
できるようになっている。
継承を重んじる点も、天皇制が125代にわたり継承されている国としての固有性、シンボルとしての
天皇という独立した象徴を中心とした共同体がはぐくむ共生感によって、老舗の店舗数が世界的に
最大級であることを示している。(戦争などで文化が不連続にならなかったことも大きいと考えるが)
他にも
・和をつくりだすことを軸にして、お茶を飲む、歌を書く、という日常の行為が儀式になったり
社会性を膨らます。
・流入してきたもの、受け入れたものを作り変え日本スタイルにアレンジする
などといった点が新しい発見であった。
もう少し茶や浄瑠璃、歌舞伎や文芸作品の文化的な側面について深く掘り下げみてほしかったが、
個人的には満足しています。