【感想・ネタバレ】日本国史(下)のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年03月10日

昭和の部分に少し右傾化、ナショナリズムのようなものを感じたけど、上巻から通して読んで、求めていた日本人観のようなものが整理できたような気がする。特に、自然との共生、神道と仏教の根付き方、そして、神仏習合の考え方がこの本を通して読むことで自然に受け入れられた気がします。もう少し深めたい気がしました。
...続きを読む少し気になったところ。
・本来、仏教は個人宗教として自己の罪を悟り、それを自己陶治によって克服する自力本願が原点でした。ただ、祈れば救われるということになると、仏教徒は増えますが、本来の仏教が持っている部分が失われることになります。
・中国やヨーロッパでは、政権交代がそのまま歴史の断絶を作っています。それは支配する民族が変わるせいでもありますが、日本には文化と伝統を断絶させない一つの思考のパターンの連続性があると思います。それは日本の自然信仰、自然道の力です。
・(元寇の時の)国土防衛の態度は、自然に対する態度とよく似ています。受け入れて防ぎ、侵害しようとしないのです。こうした受け身の態度は日本人の生き方の原則になっています。
・「自由」があってこそ、「文化」が生まれ、階級よりも「役割分担」の社会があったからこそ、長い間「社会」が安定してきたのです。
・政治は必ず精神的な支柱が必要で、その中心的な役割を天皇が負っている。
・天皇の権威があって初めて政治が安定する。
・能には日本的な表現の極北があると思われるのは、音量信仰や自然信仰と仮面劇が上手く折り合って表現されている点です。
・「もののあわれ」や「わび・さび」は、その背後の強烈な人間主義の表出を日本人好みの言葉のあやで表したもので、それは西洋の人間主義とほぼ同じなものです」

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Posted by ブクログ 2024年03月09日

読み物としては面白い。
日高見国が東日本にあり、そこから高千穂に船で移動したという説明。つまり天孫降臨はフィクションではなく事実だったとの説。
古代史は少ない証拠から解釈や推論するしかないので一つの説として興味深い。
ただ現代に近づくほどエビデンスなしでアメリカやユダヤの陰謀が断定されてるのが受け入...続きを読むれにくい。

賛成できるのは日本文化は歴史が連続しており、西洋と違い分断がない。西洋的な進歩史観で理解するのは間違い、というところ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年11月11日

⚫︎日本の精神
上巻が楽しく読めたので、続きで購入。下巻は鎌倉時代から。
日本は前の時代のものが破壊されず、断絶がなく、続いている特徴がある。士農工商は縦ではなく、横のつながり。文化は社会に余裕があるから生まれるのでは決してなく、文化により、戦争が終結に向かうこともある。などなど、歴史から読み取れる...続きを読む事実から、著者の解釈がなるほどと思うことが多かった。
秀吉はイエズス会が日本を征服しようといていることを確信し、バテレンを追放、また、朝鮮や明への出兵は、秀吉が世界を征服しようとしたのではなく、スペインからの侵略からアジアを守るためだったとあり、秀吉の晩年の挙動がいつもおかしくなっていることに、疑問を持っていましたが、これを読んでスッキリしました。
日本人は西洋人と考えや文化など、全く違うもの。それは西洋を真似せよということではなく、日本人独自の精神、言葉、考えをよく知り、それを出していくことが大切だと感じた。

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