【感想・ネタバレ】日本国史(下)のレビュー

あらすじ

最新の歴史研究を踏まえた「田中日本史」の決定版。日本史を各時代のエピソードを中心に通史で概観!
*下巻は鎌倉時代から現代。

第八章・鎌倉時代――武家政治が生み出した仏教美術
第九章・室町時代――現代に継承される日本文化の誕生
第十章・戦国・安土桃山時代――西洋文明との邂逅
第十一章・江戸時代――百万人都市が育んだ庶民文化
第十二章・明治維新――西洋文明との格闘、そして独自性の追求
第十三章・日清戦争から大東亜戦争まで――近代化された日本の戦争
第十四章・現代に続く日本文化の財産

※本書は平成24年刊行の田中英道著『日本の歴史 本当は何がすごいのか』(育鵬社刊)をもとに、最新の歴史研究の成果を踏まえ、大幅な加筆を行い刊行するものです。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

昭和の部分に少し右傾化、ナショナリズムのようなものを感じたけど、上巻から通して読んで、求めていた日本人観のようなものが整理できたような気がする。特に、自然との共生、神道と仏教の根付き方、そして、神仏習合の考え方がこの本を通して読むことで自然に受け入れられた気がします。もう少し深めたい気がしました。
少し気になったところ。
・本来、仏教は個人宗教として自己の罪を悟り、それを自己陶治によって克服する自力本願が原点でした。ただ、祈れば救われるということになると、仏教徒は増えますが、本来の仏教が持っている部分が失われることになります。
・中国やヨーロッパでは、政権交代がそのまま歴史の断絶を作っています。それは支配する民族が変わるせいでもありますが、日本には文化と伝統を断絶させない一つの思考のパターンの連続性があると思います。それは日本の自然信仰、自然道の力です。
・(元寇の時の)国土防衛の態度は、自然に対する態度とよく似ています。受け入れて防ぎ、侵害しようとしないのです。こうした受け身の態度は日本人の生き方の原則になっています。
・「自由」があってこそ、「文化」が生まれ、階級よりも「役割分担」の社会があったからこそ、長い間「社会」が安定してきたのです。
・政治は必ず精神的な支柱が必要で、その中心的な役割を天皇が負っている。
・天皇の権威があって初めて政治が安定する。
・能には日本的な表現の極北があると思われるのは、音量信仰や自然信仰と仮面劇が上手く折り合って表現されている点です。
・「もののあわれ」や「わび・さび」は、その背後の強烈な人間主義の表出を日本人好みの言葉のあやで表したもので、それは西洋の人間主義とほぼ同じなものです」

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2024年03月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

⚫︎日本の精神
上巻が楽しく読めたので、続きで購入。下巻は鎌倉時代から。
日本は前の時代のものが破壊されず、断絶がなく、続いている特徴がある。士農工商は縦ではなく、横のつながり。文化は社会に余裕があるから生まれるのでは決してなく、文化により、戦争が終結に向かうこともある。などなど、歴史から読み取れる事実から、著者の解釈がなるほどと思うことが多かった。
秀吉はイエズス会が日本を征服しようといていることを確信し、バテレンを追放、また、朝鮮や明への出兵は、秀吉が世界を征服しようとしたのではなく、スペインからの侵略からアジアを守るためだったとあり、秀吉の晩年の挙動がいつもおかしくなっていることに、疑問を持っていましたが、これを読んでスッキリしました。
日本人は西洋人と考えや文化など、全く違うもの。それは西洋を真似せよということではなく、日本人独自の精神、言葉、考えをよく知り、それを出していくことが大切だと感じた。

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2023年11月11日

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