永井均のレビュー一覧

  • 西田幾多郎 言語、貨幣、時計の成立の謎へ
    『西田幾多郎』と題された本書の冒頭「はじめに」で、永井は「本書の内容は実は西田幾多郎とは関係ない」という衝撃的な宣言をする。本書で永井は西田哲学を援用して、実は自分の哲学を展開しているだけだ、というのである。もっともその一方で永井は「西田が言わんとしたことを私は西田よりもうまく言い当てている」可能性...続きを読む
  • 哲おじさんと学くん
    前半41章、後半41章の、計82章から構成されている。前半は特に、章ごとにクレッシェンドが激しい。後半は逆に、各章の全体がフラット気味になる。

    哲学することは、自分を消すこと。一人称ではない、ということ。

    例えば、本書の冒頭で、自殺する人がこんなに少ない、ということは、本人が自殺したいわけではな...続きを読む
  • 翔太と猫のインサイトの夏休み 哲学的諸問題へのいざない
    深い示唆を促してくれる。そして、読み進めるだけでは理解もできない。自分の頭で考えぬくことこそ哲学なのであってそれ以外ではないと教えてくれる。
  • ウィトゲンシュタイン入門
    高校2年生の時に夢中になって読んだ思い出の本。哲学に興味を持つきっかけになった本。25年前のことだが、今でも色褪せない本。
  • 翔太と猫のインサイトの夏休み 哲学的諸問題へのいざない
    翔太と猫のインサイトの対話形式で進む。
    哲学ってどういう考え方で考えて行くのか、各テーマに対するそれぞれの考えは出ているが、あくまでそれはその登場人物が持った答え。
    それを眺めだけならば、ただの思想書になってしまうが自分なりの答えを考え始めるならこの本を哲学書として楽しめたと言えるんじゃ無いかと思う...続きを読む
  • 〈子ども〉のための哲学
    子ども向けの哲学書ではなく、子どもの頃に抱いた疑問を持ち続けた〈子ども〉な大人が哲学をするための入門書です。2つの疑問についてはいまいち理解できない部分もありましたが、他人が考えた「哲学」を知ることでなく自分の持つ疑問をとことん考える〈哲学〉をしてほしいというメッセージは伝わってきました。
  • 翔太と猫のインサイトの夏休み 哲学的諸問題へのいざない
    哲学的な思想に興味を持っていたところ、美術館で発見。小中学生向けとのことできっと簡単に読めるかな、と想定して購入しました。
    …非常に頭を使います。
    そもそも、哲学とは思想や信条、とおりいっぺんの真理を示すものではないとのこと。この書では、あらゆる哲学的問題を使ってどのように思考を広げるか、猫のインサ...続きを読む
  • これがニーチェだ
    タイトルが不遜だとして批判している評を頻く見かけるが、誤読するを語るに落ちていることに失笑せざるを得ない。もちろんこのタイトルは意図的に一種のギャグであり、ニーチェ流デュオニソス的明るいニヒリズムの正鵠を得た表現である。ニーチェキーワードを時系列に並べながら、むしろ非論理的に、古い言い方ならスキゾ的...続きを読む
  • これがニーチェだ
    昔読んだような気がするが、なんとなく気になって読むことに。結果、大正解。誤解を恐れずに言えば、たいしたことは言ってないんだが、当たり前のことを回りくどく言う、いや示すのは気持ちいいなと。

    もちろん完全に永井さんのことを理解はしてないが、この本から肉をそぎ落として骨だけにするとそうたいしたら、相対主...続きを読む
  • 〈子ども〉のための哲学
    哲学とは、大人になるまえに抱き、大人になるにつれて忘れてしまいがちな疑問の数々を、つまり子どものときに抱く素朴な疑問の数々を、自分自身がほんとうに納得がいくまで、けっして手放さないこと、これだけである。

    p46から読む
  • これがニーチェだ
    筆者の解釈ではあるが、ニーチェ哲学の危険な面も含め、純粋に学問的に、容赦なく解説している書。(筆者の言葉を借りると)反社会的な内容が多分に含まれる。
    社会人が読めば怒りを覚えるかもしれないが、学生が読めば一般にタブーとされる内容にまで踏み込んだ議論がされているのでスカッとするかもしれない。

    また、...続きを読む
  • 私・今・そして神 開闢の哲学
    発売からそれほど時間がたっていない
    2004年10月29日に、読み終えています。

    いま、また読み返しています。
    (2014年5月24日)

    読み終えました。
    (2014年7月26日)
  • 私・今・そして神 開闢の哲学
    「私」と「今」とは同じものの別の名前なのではないかとさえ感じているーという文に、自分がこれまで筆者の助けを借りながら考えてきたことが端的に表されていると感じた。世界に向けて素朴で根本的な問いが真っ直ぐに問われているという印象。個人的には、哲学の王道を行く内容をキッチリ論じた本だと思う。文章も平易で、...続きを読む
  • これがニーチェだ
    とても興味深く読めた。
    おそらく難解であろうニーチェをわかりやすく解説してくれている。とはいえそれでもじっくり読まないと途中で分からなくなってしまうけど。
    ニーチェの思想の変遷を、筋道に沿って追って行っている感があり、納得しやすい。
    いろいろと参考になることが書いてあるので、また読みたい。
    以下、印...続きを読む
  • 〈子ども〉のための哲学
    結局は自分の内側にあるという永井先生の理論。なっとく。私が求めていたのは、哲学をしてきた人の著作を読んで知見を得ることではなく、自ら哲学できる術、もしくはそれを肯定し、促進してくれるこういった部類の本だったのかもしれない。永井先生の本はなるべく読みたい。

    それに加え、道徳観を含んでいる問題にたいし...続きを読む
  • 翔太と猫のインサイトの夏休み 哲学的諸問題へのいざない
    「哲学を学びたいんですけれど何かいい本とかあるかな?」
    と聞かれたら、真っ先に本書を読めと興奮して勧めるだろう。

    作者自身が自画自賛している通り、「哲学」をするために(「学ぶために」ではない)最適な教科書に他ならない。
    もう、誰かに読ませたくて仕方がない。

    いきなり猫のインサイトが「今が...続きを読む
  • 〈子ども〉のための哲学
    筆者の子どものころに感じた二つの疑問を掘り起こしていくとともに、哲学のありかたを提唱する一冊。
    子ども(年齢的でなく)に標準を合わせて、比較的分かりやすい言葉と比喩で考えを巡らせているので、とても読みやすかった。
    哲学の入門書ともされているが、哲学ということについて語られているところを読んで、哲学と...続きを読む
  • 翔太と猫のインサイトの夏休み 哲学的諸問題へのいざない
    いまが夢じゃないって証拠は?ほかの人って自分が見ていないところでは楽屋で一休みなんかして、本当は登場人物てきな感じにしか存在しないのでは?他人にも自分と同じように心があるの? どれもこれもきっと多くの人が小学生の時考えたことがあるようなシンプルだけれども一人では答えが出にくい疑問を導入に、存在のかけ...続きを読む
  • 翔太と猫のインサイトの夏休み 哲学的諸問題へのいざない
    先日、本屋の中を何の気なしにブラブラ散歩していたら、哲学関係の本なのになんとなく面白そうだし、タイトルもとっつきやすそう(内容も簡単そう!)な本があったので中身も見ずに衝動買い。そのまま喫茶店でコーヒーを注文したあと、軽い気持ちでページをペラペラとめくってみたら、鼻歌を歌いながら会計していた10分前...続きを読む
  • 子どものための哲学対話
     子どものための哲学対話で、永井均さんは、人間はなんのために生きているのか?という問いに、遊ぶためさ、と言いきっている。そして、根が明るい人は、なにか目標のために努力しているときも、なぜかいつもそのこと自体が楽しい人で、根が暗い人は、何か意味のあることをしたり、ほかの誰かに認めてもらわなくては、満た...続きを読む