永井均のレビュー一覧

  • 翔太と猫のインサイトの夏休み 哲学的諸問題へのいざない

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    何度も読み返すのに値する本だと思います
    他者についての議論がすごく面白かったです。
    でも私も本当は作者が言いたいことが分かってないのかも…
    分かったと思ったのは全て思い込みであるかも…
    ただ自分の貧しい頭を何か面白い考えで満たしたいだけかも…
    そうだったら虚しいね
    それでも凄い本です
    「私」について考えさせずにいられない本です

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    2020年06月25日
  • 〈子ども〉のための哲学

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    永井先生の本はいくつか手にとつてきたが、どこかで池田某とは語り方は異なるものの、同じベクトルをもつてゐるやうには感じてゐた。それは哲学、存在についての真理を求めてやまない不思議な熱情と呼ばれるものだと思ふ。
    無敵のソクラテスであつたか、なんであつたかは忘れてしまつたが、何かの巻末に池田某の薦める本のページがあつて、そこに永井先生の本書が書かれてゐた。
    日々に流されていく中で、学生の友人や立場の異なる人間と接すると、ひととの隔たりを強く感じはする。しかし、ことばや考へるといふことを知らないでいた<子ども>と呼ばれるときほど真剣に感じ考えてゐるかと言はれれば、ずいぶんおとなしくなつたとつくづく思ふ

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    2020年02月08日
  • 西田幾多郎 言語、貨幣、時計の成立の謎へ

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    『西田幾多郎』と題された本書の冒頭「はじめに」で、永井は「本書の内容は実は西田幾多郎とは関係ない」という衝撃的な宣言をする。本書で永井は西田哲学を援用して、実は自分の哲学を展開しているだけだ、というのである。もっともその一方で永井は「西田が言わんとしたことを私は西田よりもうまく言い当てている」可能性を認める。然り本書は、西田哲学と永井哲学の双方を楽しめる優れた哲学書となっている。
     永井は川端康成『雪国』の冒頭の一文「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」をたたき台にして議論を開始する。この文章には主語がない。英訳では列車が主語になっている。あるいは主人公を主語にすることも可能だろう。しか

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    2019年07月09日
  • 哲おじさんと学くん

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    前半41章、後半41章の、計82章から構成されている。前半は特に、章ごとにクレッシェンドが激しい。後半は逆に、各章の全体がフラット気味になる。

    哲学することは、自分を消すこと。一人称ではない、ということ。

    例えば、本書の冒頭で、自殺する人がこんなに少ない、ということは、本人が自殺したいわけではないし、他人に自殺をすすめるわけでもない、という主旨がある。

    一人称の自分の悩みを解決することは哲学ではない。解決するのは、それはおそらく宗教。しかし、宗教には嘘がある。これには共感できる。そして、私も宗教からは遠ざかっていたい。

    あとは、「ほぼ」著者の今まで通りの独自の理論。みんなが並んでいる世

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    2019年03月02日
  • 翔太と猫のインサイトの夏休み 哲学的諸問題へのいざない

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    深い示唆を促してくれる。そして、読み進めるだけでは理解もできない。自分の頭で考えぬくことこそ哲学なのであってそれ以外ではないと教えてくれる。

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    2018年10月21日
  • ウィトゲンシュタイン入門

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    高校2年生の時に夢中になって読んだ思い出の本。哲学に興味を持つきっかけになった本。25年前のことだが、今でも色褪せない本。

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    2018年09月02日
  • 翔太と猫のインサイトの夏休み 哲学的諸問題へのいざない

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    翔太と猫のインサイトの対話形式で進む。
    哲学ってどういう考え方で考えて行くのか、各テーマに対するそれぞれの考えは出ているが、あくまでそれはその登場人物が持った答え。
    それを眺めだけならば、ただの思想書になってしまうが自分なりの答えを考え始めるならこの本を哲学書として楽しめたと言えるんじゃ無いかと思う。
    私はまだ思想書レベルでしか楽しめていない

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    2018年01月23日
  • 〈子ども〉のための哲学

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    子ども向けの哲学書ではなく、子どもの頃に抱いた疑問を持ち続けた〈子ども〉な大人が哲学をするための入門書です。2つの疑問についてはいまいち理解できない部分もありましたが、他人が考えた「哲学」を知ることでなく自分の持つ疑問をとことん考える〈哲学〉をしてほしいというメッセージは伝わってきました。

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    2017年05月28日
  • 翔太と猫のインサイトの夏休み 哲学的諸問題へのいざない

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    哲学的な思想に興味を持っていたところ、美術館で発見。小中学生向けとのことできっと簡単に読めるかな、と想定して購入しました。
    …非常に頭を使います。
    そもそも、哲学とは思想や信条、とおりいっぺんの真理を示すものではないとのこと。この書では、あらゆる哲学的問題を使ってどのように思考を広げるか、猫のインサイトの誘いで考えていく本。「君は本当に馬鹿だねえ」「君は本当に頭がいい!」と、インサイトの翔太への評価がころころ変わるところも見物(笑)。
    学説が体系だって「分かりやすく」説明されている訳でも、物語で「簡単に」理解できるようにもなっていません。
    過去の哲学者が提示した様々な問題や説を理解したうえで、

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    2017年01月03日
  • これがニーチェだ

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    タイトルが不遜だとして批判している評を頻く見かけるが、誤読するを語るに落ちていることに失笑せざるを得ない。もちろんこのタイトルは意図的に一種のギャグであり、ニーチェ流デュオニソス的明るいニヒリズムの正鵠を得た表現である。ニーチェキーワードを時系列に並べながら、むしろ非論理的に、古い言い方ならスキゾ的に論を進めた挙句の最終章での「全否定という肯定」との結論に開いた口がふさがらなかった。だがむしろそれは、難解で長ったらしい数式の解がゼロになるような快さがある。感動的だ。ほとんど引かれていないが、本当に必要な個所でのニーチェ本人の境遇の記述により、本稿がむしろニーチェの人間像をも明確に浮かびあげさせ

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    2016年05月09日
  • これがニーチェだ

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    昔読んだような気がするが、なんとなく気になって読むことに。結果、大正解。誤解を恐れずに言えば、たいしたことは言ってないんだが、当たり前のことを回りくどく言う、いや示すのは気持ちいいなと。

    もちろん完全に永井さんのことを理解はしてないが、この本から肉をそぎ落として骨だけにするとそうたいしたら、相対主義のパラドクスを道徳的な展開をしたということになるんではないかと。
    あと、ニーチェを読んでいて存在と時間の実存主義に近いよな、と感じたがそれは中途半端なニーチェ主義なんだろう。むしろ突き詰めていくと、ハイデッガーの嫌ったダスマンの方が超人に見えてくるのは気のせいか?

    導入の仕方が秀逸。なぜ人を殺し

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    2015年10月03日
  • 〈子ども〉のための哲学

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    哲学とは、大人になるまえに抱き、大人になるにつれて忘れてしまいがちな疑問の数々を、つまり子どものときに抱く素朴な疑問の数々を、自分自身がほんとうに納得がいくまで、けっして手放さないこと、これだけである。

    p46から読む

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    2015年02月15日
  • これがニーチェだ

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    ネタバレ

    筆者の解釈ではあるが、ニーチェ哲学の危険な面も含め、純粋に学問的に、容赦なく解説している書。(筆者の言葉を借りると)反社会的な内容が多分に含まれる。
    社会人が読めば怒りを覚えるかもしれないが、学生が読めば一般にタブーとされる内容にまで踏み込んだ議論がされているのでスカッとするかもしれない。

    また、筆者はニーチェ哲学に世の中的な価値はないとの立場だが、一概にそうとは言えず、ニーチェの結論である「人生の無意味さを楽しむ」という思想は、社会人にとって極めて実用的な考え方だと思う。
    これを実践すると、些細な失敗や意見の相違が気にならなくなるので自然仏のような性格になってゆくだろう。ストレス耐性が高ま

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    2014年08月26日
  • 私・今・そして神 開闢の哲学

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    発売からそれほど時間がたっていない
    2004年10月29日に、読み終えています。

    いま、また読み返しています。
    (2014年5月24日)

    読み終えました。
    (2014年7月26日)

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    2014年07月26日
  • 私・今・そして神 開闢の哲学

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    「私」と「今」とは同じものの別の名前なのではないかとさえ感じているーという文に、自分がこれまで筆者の助けを借りながら考えてきたことが端的に表されていると感じた。世界に向けて素朴で根本的な問いが真っ直ぐに問われているという印象。個人的には、哲学の王道を行く内容をキッチリ論じた本だと思う。文章も平易で、予備知識をほとんど必要としないところも素晴らしい。

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    2014年02月25日
  • これがニーチェだ

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    ネタバレ

    とても興味深く読めた。
    おそらく難解であろうニーチェをわかりやすく解説してくれている。とはいえそれでもじっくり読まないと途中で分からなくなってしまうけど。
    ニーチェの思想の変遷を、筋道に沿って追って行っている感があり、納得しやすい。
    いろいろと参考になることが書いてあるので、また読みたい。
    以下、印象に残った考え方。
    動物の最大の幸福は過去を忘れること。
    物には固有の価値基準があるが、人間にはそれがない。

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    2013年12月20日
  • 〈子ども〉のための哲学

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    結局は自分の内側にあるという永井先生の理論。なっとく。私が求めていたのは、哲学をしてきた人の著作を読んで知見を得ることではなく、自ら哲学できる術、もしくはそれを肯定し、促進してくれるこういった部類の本だったのかもしれない。永井先生の本はなるべく読みたい。

    それに加え、道徳観を含んでいる問題にたいして、道徳観を批判することは不可能。と言い切ってもらえたことにも感謝したい。

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    2013年11月17日
  • 翔太と猫のインサイトの夏休み 哲学的諸問題へのいざない

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    「哲学を学びたいんですけれど何かいい本とかあるかな?」
    と聞かれたら、真っ先に本書を読めと興奮して勧めるだろう。

    作者自身が自画自賛している通り、「哲学」をするために(「学ぶために」ではない)最適な教科書に他ならない。
    もう、誰かに読ませたくて仕方がない。

    いきなり猫のインサイトが「今が夢じゃないって証拠はあるのか」とかいって翔太との哲学的対話篇が始まるところがなんとも滑稽だが・・・。

    中学生高校生向きの哲学の本などと書いてあるが、内容はそのまま哲学科の卒論のテーマに使える深い深い問いかけである。
    哲学を4年間やってきて、実は哲学をしていなかった自分に気がついた。

    最初か

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    2013年04月28日
  • 翔太と猫のインサイトの夏休み 哲学的諸問題へのいざない

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    いまが夢じゃないって証拠は?ほかの人って自分が見ていないところでは楽屋で一休みなんかして、本当は登場人物てきな感じにしか存在しないのでは?他人にも自分と同じように心があるの? どれもこれもきっと多くの人が小学生の時考えたことがあるようなシンプルだけれども一人では答えが出にくい疑問を導入に、存在のかけがえのなさ、言葉はなぜ通じるか、自分は存在している、など哲学していく良書。

    永井さんの本は本当に面白いし何より簡単。
    すぐに壁にぶちあたって砕けるようなシンプルだけど哲学するには骨が折れる題材をここまで簡単にわかりやすく書いてあるという驚き。

    私が小学校三年生のとき漠然と感じた「他者は自分ではな

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    2013年02月15日
  • 翔太と猫のインサイトの夏休み 哲学的諸問題へのいざない

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    先日、本屋の中を何の気なしにブラブラ散歩していたら、哲学関係の本なのになんとなく面白そうだし、タイトルもとっつきやすそう(内容も簡単そう!)な本があったので中身も見ずに衝動買い。そのまま喫茶店でコーヒーを注文したあと、軽い気持ちでページをペラペラとめくってみたら、鼻歌を歌いながら会計していた10分前の僕をグーで殴り飛ばしてやりたくなるような作者独特の言い回し、難しい哲学用語の雨あられ、というかもはや嵐。今まで哲学関係の本を全く読んだことがない僕は、本を読み終わる頃には、瞳孔は開き、全身を痙攣させながら泡を噴いていたといいます。嘘です。とにかく、内容を理解するには少し頭をひねりますが、作中で猫の

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    2012年12月02日