永井均のレビュー一覧
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もしも「ニーチェが愛読書です。」という人がいたら、ヤバいやつかもしれないと警戒すべきだ。ニーチェの思想自体は社会の中では、いかなる意味も持たない。どんな意味でも役に立たない。それだけではない。徹底的に反社会的な思想ですらある。にも関わらず、彼の仕事は偉大であったし、最も重要な哲学者のひとりであるということは永遠に変わらないだろう。
彼の論理空間はどういったものであったのか。
ニーチェの第一空間は、誠実さと嘘が対立する空間である。キリスト教道徳が誠実さというものを育て、やがて、その誠実さがキリスト教道徳の欺瞞を暴き破壊する。
第二空間では、力への意志説、パースペクティブ主義が誠実さか -
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Posted by ブクログ
論理的に位相の同じ話を「空間」という比喩で語る。初めに、三つの空間を設定し、空間相互の関係を随時紐解く。ニーチェその人を崇拝するような本ではなく、ニーチェが自身の思考において何をしようとしたのかを分析し、評価を加える本である。解釈と批評がまぜこぜにしてあるので、読みやすくもあり、詳細な理論はわかりにくくもある。第一空間ニヒリズム、第二空間パースペクティブ主義、第三空間永遠回帰という構成で組まれている。高度に論理的である反面、論理そのものに内在するジレンマを明確化したことに意味があると感じた。少なくともニーチェの世界観に共感することのできる人間は、感受性は高いのかもしれないが、ある面でとても鈍感
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[ 内容 ]
哲学は主張ではない。
問いの空間の設定である。
ニーチェが提起した三つの空間を読み解く、画期的考察―。
[ 目次 ]
第1章 道徳批判―諸空間への序章
第2章 ニーチェの誕生と、『悲劇の誕生』のソクラテス像
第3章 第一空間―ニヒリズムとその系譜学
第4章 第二空間―力への意志とパースぺクティブ主義
第5章 『反キリスト』のイエス像と、ニーチェの終焉
第6章 第三空間―永遠回帰=遊ぶ子供の聖なる肯定
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆ -
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[ 内容 ]
世紀末のウィーンに生まれ、20世紀初頭の英国ケンブリッジを舞台に活躍した天才哲学者ウィトゲンシュタイン。
ユダヤ系の鉄鋼財閥の裕福な家庭に育ちながら、その後たどった数奇な生涯と一風変わった人となりによって、彼の思想の全貌はいまも神秘的な色彩を帯びている。
彼が生涯を賭けて問いつづけた「語りえないもの」とは何か。
初期の写像理論から中期の文法理論、後期の言語ゲーム理論へと展開する独特のアイディアにみちた思想の核心にわけ入り、読者とともに考える、清新な魅力にあふれた入門書。
[ 目次 ]
序章 ウィトゲンシュタインの光と陰
第1章 生い立ち
第2章 像―前期ウィトゲンシュタイン哲学 -
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[ 内容 ]
〈私〉が〈今〉いるとはどういうことか。
カント、ウィトゲンシュタインなどを自在に横断し、ここから本当の哲学を始める会心の傑作。
[ 目次 ]
第1章 開闢の神をめぐってたゆたう序章(時間的閉所恐怖 全能の神も打ち破れない壁 五十センチ先世界創造説 ほか)
第2章 ライプニッツ原理とカント原理(ライプニッツのお勉強 何が見えていようと見ているのはつねに私だ 現実世界とは私がいま存在する世界のことである ほか)
第3章 私的言語の必然性と不可能性(同じ新聞をいくつも読みくらべるとは? みんな一緒の混沌とひとりだけの秩序 他者の言葉が理解できるためには過去の自分の言葉が理解できていな -
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巻末の読書案内が優れる。
Key concept; 規則、
ウィトゲンシュタインに関する書物
ノーマン・マルコム ☆読みたい
黒田
アンソニー・ケニー
藤本隆志
滝浦静雄
AJエイヤー
ACグレーリング
クリスティアンヌ・ショヴィレ
ウィトゲンシュタインを含む書
シュテークミュラー『現代哲学の主潮流2』第9章 入手
黒田 『経験と言語』の? ☆
飯田隆『言語哲学大全?』の第1,2章 ☆
本格的な研究
PMSハッカー
『洞察と幻想』
ウィトゲンシュタイン的な考えを展開し直接さまざまな問題にアプローチ
古典
心 ノーマン・マルコム『心の諸問題