永井均のレビュー一覧
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実生活ではほぼ考えることのない事柄だ。突き詰めて考えたときに見えてくる不思議な事実。人間は、言葉を使って考える。何がどういう使えるかということから身を引いた、思考。Posted by ブクログ
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自分は頭がいい(猫=永井)という書き方が鼻につくが、私が持っている永井本の中で最も読みやすい。(中学生にも読めるようにとの記載があったが、それでもそれほど容易ではないと思う)
・ウィトゲンシュタイン:語りえぬものについては沈黙しなくてはならない。
・「ぼくらがそれについて語れないものっていうのは、結...続きを読むPosted by ブクログ -
ウィトゲンシュタインの思想の変遷を追いつつ、何が「語り得ない」のか、なぜ「語り得ない」のか、を著者は語ろうとする。「語り得ないこと」こそがウィトゲンシュタインにとって重要なことであるというのは、前に別の本か何かで読んだことがあるが、それがいったいどういうことであるのかを、この本で何となくつかめた感じ...続きを読むPosted by ブクログ
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2017.5.3
難しかった。永井さんの解釈がもちろん入っているから、「私」ということの不思議さがテーマとして入っているが、私自身はウィトゲンシュタインがそのテーマを持っていたかどうかはわからない。
ウィトゲンシュタインといえば、『論理哲学論考』と『哲学探求』を書いて、論理空間、言語ゲーム、蝶番...続きを読むPosted by ブクログ -
ウィトゲンシュタインは難しい。はっきり言って、一つ一つの文章は、何をいっているのか、ほとんど分からない。でも、なんか気になってしょうがない。そういう存在だ。
なぜ、分かりもしないものが気になるのか?
それは、私が、彼の風変わりな人生の物語と彼の哲学を重ね合わせて読むという非常にロマンティクな読...続きを読むPosted by ブクログ -
哲学に憧れと魅力を感じつつもうっすらと勘づいていたが、やはりと言うべきか、哲学は私にとって縁のないもののようです。これは中島義道『哲学の教科書』を読んだ時も思ったことだが、本書ではっきりと自覚した。自分は「子どもの問い」なるものを強く抱いたことはないし、そういうものに特別興味があるわけでもないのだと...続きを読むPosted by ブクログ
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空前の私的哲学ブームに乗って。ネットで勧められていた入門書2冊目。
本書は決して子ども向けの哲学書ではない。これから哲学をする人のために、著者自身の子どもの頃の問題である、「ぼくはなぜ存在するのか」「悪いことをしてはなぜいけないのか」を《例題》として、哲学をする《方法》について《手本》を見せている。...続きを読むPosted by ブクログ -
第2の問いの思考の過程の方がラディカルで良かった。第1の問いは、なんだかな。〈 〉の表記自体がこの場合、業界的で説明不足でイヤだった。
哲学を学ぶのではなく、哲学すること。結論ではなくその過程。潜水の例えはよく分かった。私は潜っている、しかし、〈ウソ〉を生きることに自覚的だからだろう。
読後は、...続きを読むPosted by ブクログ -
入門書ではない。子どもの頃きっと誰しもが不思議に思った(というか腑に落ちない!と感じた)素朴な疑問を真摯に考え続けてもいいんだよ、というなんだか感動的な仕上がりの本でもあり、永井さんが考え続けてきた哲学が書かれた本でもある。「翔太と~」と「倫理とはなにか」と「ルサンチマンの哲学」を先に読んでいたので...続きを読むPosted by ブクログ
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哲学を学ぶための入門書ではなくて、哲学をするための入門書。
主観的に考えた場合の〈自分〉と客観的に考えた場合の「自分」を区別して、〈自分〉の特殊性を考える。
【何か考えごとをしているという「自分」】を考えることのできる〈自分〉とは何なのか?という問いを筆者は考えているのかなと自分は思った。
ただ...続きを読むPosted by ブクログ -
話の内容としてはどこかで聞いたことがあるようなものばかりだが、特に印象に残ったのは、「培養器の中の脳」である。小さいころ、巨人がいて宇宙を飼っている(小さな箱のようなものに「宇宙」というものが入っている)持っているのではと妄想していた。雨が降るのは巨人が泣いているからだ、地震が起こるのは箱を落とした...続きを読むPosted by ブクログ
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P14大人とは、世の中になれてしまって、わかっていないということを忘れてしまったいるひとたち
P16大人になるとは、ある種の問いが問いでなくなることなのである。だから、それらを問い続けるひとは、大人になっても〈子ども〉だ。そして、その意味で〈子ども〉であるということは、そのまま哲学をしているという...続きを読むPosted by ブクログ -
いま、この誰でもない”ぼく”がここに存在している奇跡、これを実感できた、素晴らしい読書体験だった。”存在”という概念の存在。愛についての記述も素晴らしかった。Posted by ブクログ
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ウィトゲンシュタインの哲学の全体像を、独我論を中心軸として読み解こうとする試み。その点で、ウィトゲンシュタインの哲学を網羅的に紹介しているというわけではないが、『論理哲学論考』から『哲学探求』に至るまでの彼の思考の発展を、統一的視座のもとに描き出しているために、ウィトゲンシュタインが何を考えていたの...続きを読むPosted by ブクログ
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「この本は中学生・高校生向きの哲学の本です。」とのことですが、既にオジサンになってしまった私にとっても、とても難しい理解しにくい内容です。本書は1995年12月25日に刊行されたとのことですが、後の1997年7月に刊行された「子供のための哲学対話」の方が、ずっと分かりやすい内容にです。
この違い...続きを読むPosted by ブクログ -
インサイトの言っている問題の意味が分かった瞬間、鳥肌が立つ。けれども、肌の粟立ちがおさまるのと同時に、わたしが存在していることの輝きも、日常に埋もれてしまう。でも、このきらめきは哲学のおいしいところで、この本はそこをわたし自身で発見できる不思議な本だったと思う。分からないことが楽しい。Posted by ブクログ