永井均のレビュー一覧

  • 〈子ども〉のための哲学

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    小中学生の頃に世の中の事について疑問に思った事柄を題材にしながらそれらについて哲学的考察がされています。子供のためのという書名になっていますが、大人が読んでも十分な内容です。日常生活の中の題材から哲学的な考察をするトレーニング本として良いです。

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    2019年02月04日
  • 〈子ども〉のための哲学

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    哲学は哲学史の本の中にあるのでなく,自分自身の<子ども>の驚きが出発点になって,自分で考え,追求していくことなのだ。思想と哲学のちがいみたいなものがうっすらと見えかけた。
    「自分はなぜ地球上に存在するんだろう。自分って何なんだろう」
    私自身も小学校の時,ふとそんな不安めいた疑問が頭をかすめたことがあった。そんな疑問から哲学は始まる。

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    2019年01月05日
  • 翔太と猫のインサイトの夏休み 哲学的諸問題へのいざない

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    読むことを止めて、質問について考えながら読み進めること。著者から最初に提示されるこのルールを守って読んだ方が間違いなく面白いし、理解しやすいように思います。

    筆者の方は大学の講義でこの本を使われているそうですから、哲学の教科書ですね。1回読みましたが、数回読まないと完全には理解できない内容でした。

    自分は哲学に興味がありそうだ!と思って読んでみたものの、哲学の基本がわかっていなかったんだなぁ・・と学ばされる本でした(笑)

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    2018年12月01日
  • 〈子ども〉のための哲学

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    <子ども>とはまだ年少だった時の疑問を持ち続けている人の意味のようだ。「なぜぼくは存在するのか?」、「なぜ悪いことをしてはいけないのか?」この二つの疑問を考えた軌跡を述べる。結論はそれぞれの人が考えることであろう。思想と哲学。哲学を学ぶというのは過去の思想を学ぶのではない。自分で考えることが哲学なのか。

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    2018年10月20日
  • なぜ人を殺してはいけないのか?

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    永井の『これがニーチェだ』(講談社現代新書)の刊行を受けておこなわれた、当時話題になった「なぜ人を殺してはいけないのか?」という質問をめぐる対談と、永井と小泉それぞれの論考が収録されています。

    個人的には、小泉の問題提起の鋭さに感銘を受けました。対談のなかで「生活」と「生」という対概念が提出されていますが、永井は大江健三郎のような世間的な意味での道徳的言説を「生活」に、ニーチェの権力意志を「生」に割り振っています。これに対して小泉は、永井のそうした立場が、「生活」と「生」の境界線を引きつづけるという振る舞いを通じてのみ担保されるほかないということへの問題提起をおこなっています。これはいわばハ

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    2017年11月30日
  • ウィトゲンシュタイン入門

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    ウィトゲンシュタインの哲学について触れることができる本。
     しかし,その考えは難しく,「入門」と書かれたこの本を読んでも細かい部分については理解しきれず,なんとなくその考えの表面部分が分かったような気がするという程度までしか至らなかった。
     それは著者の書き方が悪いのではなく,その内容の難しさに原因があると思う。
     しかし,表面の部分はさらっと触れた気がする。さらに詳しく理解するのは,他のウィトゲンシュタインについての本も読んで,自分の頭で考えなければいけないかもしれない。それはまたの機会を楽しみにしておこうと思う。

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    2017年05月28日
  • 改訂版 なぜ意識は実在しないのか

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    この本は永井先生が集中講座として開いた内容を、まとめ直したものである。
    彼なりにわかりやすくまとめたのであろうが、いかんせん話が行ったり来たりした印象を受けた。結論として、「脳と体の関係と心のあり方とは無関係」「他者は哲学的ゾンビ」であろうという結論に至っている。ただしそれはあくまでも「心の哲学」の範疇の話であり、一般的な感覚とは極めて異なるであろうということだ。哲学的ゾンビとは「見た目は人間であるものの、痛みや嗅覚などその他五感を感じることができない存在」を想定している。それはもちろんのことで、自分は自分の五感でしか感じることができず、他者の五感は知ることができない。それと永井先生の特性なの

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    2017年02月16日
  • フィリピンBC級戦犯裁判

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    セブ島へ旅行に行くにあたり、予習のため読んでみた。

    戦争裁判というものがよく分からないのだが、悲惨な状況があったのだろうということは改めて分かった。


    勝者が敗者を裁き、戦地となり蹂躙された地がその裁きを引き継ぐ話。

    戦地では、確かに様々な犠牲があったことは事実だろう。

    しかし、その原因が、責任が、どこにあるかということは、本質的には誰にも判断できないことではないだろうか。
    少なくとも、勝者が、勝者の正義でそれを決めたところで、心から納得できる人ばかりではないだろう。

    だがしかし、それで上手く収まれば、全体としてはそれはそれで一つの収まりどころではあるのかもしれない。

    収まりがつか

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    2016年03月23日
  • 〈子ども〉のための哲学

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    「なぜぼくは存在するのか」「なぜ悪いことをしてはいけないのか」の2つのことについて、哲学をしてみようという本。

    ウィトゲンシュタインは、哲学をしばしば潜水に例えた、という傍論の部分が印象に残った。

    人間の体は、自然にしていると水面に浮かび上がる傾向がある。哲学的に思考するためには、その自然の傾向に逆らって、水中にもぐろうと努力しなければならない、という話だ。この話を読んだとき、著者はこう思ったらしい。でも、ひょっとしたら、人間の中には、自然にしていると、どうしても水中に沈んでしまうような特異体質のやつがいるんじゃないな、そしてたとえばウィトゲンシュタインなんかがそうなんじゃないか、と。

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    2016年03月21日
  • 翔太と猫のインサイトの夏休み 哲学的諸問題へのいざない

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    ネタバレ

    スラスラ読めるような、読めないような。表紙のイラストからすると面白おかしいようなほのぼのするようなイメージを感じたのですが、途中までその気にさせて突き放すようなところがあった気がします。

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    2015年09月15日
  • 私・今・そして神 開闢の哲学

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    開闢の哲学というサブタイトルに惹かれたが,中身は永井哲学。問題意識は近いのだけれど,乗り切れないものがあるんだよねぇ。。。

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    2015年06月24日
  • 子どものための哲学対話

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    中学二年生の男の子とペネトレという名前の猫の哲学対話です。
    空想を用いた思考実験を平易な言葉で伝えるもののようでもあります。

    なかなか面白いトピックを2ページだとか3ページだとかで語り合い、
    答えを出していく形式。
    この、猫のペネトレがやっかい者で、ときに難癖のように、
    常識から外れたことを平然とのたまったりしますが、
    それが、この本の醍醐味であり、大体、常識ってなんだろう、
    そんなものは正しいのかどうか、みたいな問答の連続なのです。

    まず、「人間とは何のために生きているのか」という
    問いから始まります。
    宗教的ではなくて、哲学的な答えがさらりと述べられ、
    それは「遊ぶため」だという。

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    2025年06月26日
  • ウィトゲンシュタイン入門

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    結構難しいけど面白い予感がするよ~。
    『翔太と猫のインサイトの夏休み』はかなり前に読んで、とても面白い!と思った記憶があるけど、この本とおんなじ作者とは気付かなかった。インサイトの本、もう一度読み返したくなったよ。
    しかし、インサイトみたいに分かりやすく本を書ける作者であるのに、本書は何度か行きつ戻りつしないとなかなか理解できなかったよ。きっと著者が言うように、プロの哲学者でもウィトゲンシュタインの著作を誤解するひとが結構いそう、というのは想像つくよ。
    「言語ゲーム」は、なんだかゾクリとする言葉だよ。より理解できたら、私の思う疑問と端っこがリンクしそうでちょっとワクワクしたよ。でもこの為だけに

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    2014年07月21日
  • ウィトゲンシュタイン入門

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    うーん、難しい…
    語り得ないものについては沈黙しなければいけない。この時の語り得るものと語り得ないものの画定はどこなのか?最後まで明瞭にイメージ出来なかった。また、言語ゲームとは一体なんなのか、亀とアキレスのパラドックスは何を言わんとしているのか、ボヤッと理解したつもりでも、他人に説明出来なければ、それはやはり理解したとは言えないのだろう。そういう意味で、ウィトゲンシュタインの哲学はまだ消化されてない。次は鬼界先生の著作に挑戦。少しは予備知識がついたはず。

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    2014年04月01日
  • ウィトゲンシュタイン入門

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    ネタバレ

    *前期ウィトゲンシュタイン:論理哲学論考
    沈黙すべきものを内側から限界づけ、そのことによってそれに正当な位置を与えるための書物。世界認識のための言語の限界を語る。「語りえぬものについては、沈黙しなければならない」

    経験によって知られるA→Bの関係(因果関係)が成立するとき、外的関係(経験的関係)と言える。しかし、言語と世界との結びつきは、それ以外が考えられないような内的関係(先験的関係)であると言える。この独特な関係は、「論理形式」を共有することで成り立っている

    存在論として、事態とは諸対象が特定の仕方で結びついたもので、成立した事態のことを事実と呼ぶ。要素的な事態が複合的に結びつくと、状

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    2013年12月05日
  • 翔太と猫のインサイトの夏休み 哲学的諸問題へのいざない

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    哲学へのアプローチの手ほどき。「ソフィーの世界」は単なる思想史であって哲学書ではないと。哲学はお金と時間がある人の遊戯だと思うが(普通は日常雑事を捌くだけで精一杯)、今立脚している「常識」があやふやであるという認識は救済にもなりうる。

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    2013年05月05日
  • ウィトゲンシュタイン入門

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    ウィトゲンシュタインの哲学について書かれたものだが、題に「入門」とあるものの、難度の高い本。これは、本書の書かれ方によるものではなく、そもそもウィトゲンシュタインの哲学の難度が高いためだと思う。内容について、分かったような気がする部分もあるが、厳密には理解できなかった。理解するためには、本格的に各種文献にあたる必要がある点はわかった。その点については、本書では各種文献が分かりやすく紹介されており、「入門」というにふさわしいと思う。

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    2013年03月03日
  • 私・今・そして神 開闢の哲学

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    ネタバレ

    >地球なんか全然なかったとしても、それが現実ならそれが現実ということである。
    >ウィトゲンシュタインは「独我論」の表明のしかたとして「何が見えていようと見ているのはつねに私だ」というような表現を案出したが、これは「何が起ころうとそれは起こるのはつねに現実世界だ」という(自明な!言明との類比で理解されるべきものなのだ。「何が起ころうとそれが起こるのはつねに今だ」も同じだ。
    >「私」も「今」も「現実」も決して複数化されない。それはどれも、本質的に他からを排除する本質のそれ(唯一本当の私、唯一本当の今、唯一本当の現実)というものがあって、どれもその概念の単なる一例ではないからだ。

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    2013年01月23日
  • 翔太と猫のインサイトの夏休み 哲学的諸問題へのいざない

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    ネタバレ

    哲学の概念を、対話形式で紐解いて行く。小説というより、若者に向けて書かれた哲学入門書のような本。中学一年生の「翔太」と、言葉を喋る猫の「インサイト」が、二人でひたすら哲学的な話を繰り広げて行く。
    「自分以外の人間は、自分に会っていない間は存在していないかもしれない」というようなことは昔私も少し思ったことがある。ただ、内容がけっこう小難しい。そして理屈っぽい。飛ばしちゃったもん。
    哲学と小説を旨く融合させると、成功すればかなり面白い。私も愛読している本が一冊だけある。今回の本は期待しすぎていただけちょっと残念だった。
    こういう本、もっと増えれば良いのにな。探してみよう。

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    2012年10月08日
  • これがニーチェだ

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    ニーチェの認識Vs永井さんの反論という形。誰も彼もが抱える弱者であると言う意識を的確についた本。もっとも、僕も彼のパースペクティブに侵されているのかもしれない。

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    2012年06月17日