グレゴリ青山のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
気軽で面白い本だと思って、読みはじめたのに、悲しくなってしまった。
ここに描かれている庶民の京都は2026年の今、もう既になくなったり、急速に消失しつつあるからだ。
1200年の長い歴史の町だから、時の洗礼を受けて、消えゆくものは消え、残るものは残る、、
応仁の乱で全部焼野原になったって、町は生きながらえてるじゃないか、って。
そうだろうか??今度こそ大丈夫か?
グローバリズムの波を受けて、京都だけでなく急速に世界がのっぺりと平坦になっていっている。
息づいていた人々はスマホの中に消えて行ってしまった。
庶民の暮らし、その積み重ねが風土となりカルチャーを育む。その蓆・ムシロが消毒、抗菌、無菌化され、実体経済と乖離したマネーによって商品化された京都が、集金システムとなり、どこかよそへ情報化されたカネを伝達している。
それでも京都には新しいカルチャーを生み出すような人たちがまだギリギリいると期待したい。
これが京都のしなやかなたくましさなんだろうか。
京都に限ったことじゃない、どこでも誰でも好きにゆるく生きればいいと思う。ゆるくったって、そのことをやすやすと譲ってはいけない。
あと、本書冒頭のバイト先のいけずなオバチャンたちだけれど、これが21世紀のいまもなかなかにたくさん生息している。
しかも京都ネイティブじゃないのに、京都人がビビるほどいけずなおばちゃんも移住してきている。
このいけずの魂が、全世界からいけずなおばちゃんどもを集結させ、容器をかえながらも、存続し続ける限り、京都の町もしばらくいきながらえるのである(?) -
Posted by ブクログ
大好きなグレゴリ青山さんが描く京都国立博物館の深掘り話。京博の依頼で描かれたものなので、あらゆる場所に案内してもらい、その道の専門家にレクチャーされている。
京博の敷地は、あの徳川家康にいちゃもんをつけられた鐘銘事件で有名な方広寺の跡。方広寺は縮小されて、梵鐘も現在も残っているそうだ。
我々一般人は展示室で展示品を鑑賞して回るだけなのだが、その裏であまたの人々が真摯に職務を全うされているのがわかった。
文化財の修復は、敷地内の「文化財保存修理所」というところで行われているのだが、中にはいくつもの民間の修復業者が入っており、専門分野の修復をされているそうだ。
それが、気の遠くなるような(グレゴリさんが時折ふっと気が遠くなったりする)緻密な作業で、和紙なら紙漉きから、布なら手織りから始めたりするそう。職人さんたちの待遇がどのようなものかは知らないが、国から援助があればいいなと強く思う(公務員に準ずる待遇にするとか)。
この漫画は京博のWebからも見られるので、また読んでみたい。
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Posted by ブクログ
京都国立博物館のWEBに連載されていた漫画エッセイをまとめた本。
京都国立博物館では、通常みることのできない裏方の仕事にスポットをあてたもので、我々が見ている博物館の展示や展示品が、どれだけの多くの人達の力で成り立っているのががわかる。
文化財が今に伝わっているのは、これまでの先人たちの努力があってこそ、そして我々もまた未来に人達のために伝えていくべきものは、伝えていかないといけない。それは文化財、芸術品とともにそういった技術もしかりである。最近、どうも文化財や芸術品を現代の我々だけの消費で終わりそうな感じで今だけお金を儲けれればいいや的な感じがするのがすごく危険な気がする。
なんか嫌な風潮になってきた。
博物館や美術館がどれだけの人達の努力で守られてきているのか、また、これからどう活かそうとしているのかがわかる本である。 -
Posted by ブクログ
グレゴリ青山本、ハズレなし!(好きです)
散歩本3冊目で、副題にあるとおりコロナ禍期間中の過ごし具合とか、京都の話とか。個人的に一番爆笑したのが、天然砥石館。知ってることとか場所とか行ったことのある場所がたくさん出てくるので、ほんま、懐かしさ爆発。そして、グレゴリさんの感性と内容が信頼できる感じが自分にささるんやろなぁ、と思う。同じところを歩いていても、思うことや、目をもっていかれるツボとかが違うのが、ものすごく面白い!全く知らない場所の旅本も面白いが、違う目線の知ってるところの話というのもほんとに興味深いものだと思う。
私の知り合いでも養蜂家が数人いるが(趣味の養蜂)
蜂に情が移って、可愛くなってくるって言うんだが、
グレゴリさんの養蜂の様子を読むと、
やっぱりそうなんやなぁ、、、と。 -
Posted by ブクログ
京都に生まれ京都で育った著者による京都案内、というか日常の京都についての本。文もコミックも面白い。観光には役立たないけどね。
・料亭でバイトした時の中居長や女将のいけずぶりが、いかにも京都らしい。懐石の客には新しい葉っぱの茶で、弁当の客には出がらしだとはね。
・「はる」「よる」「もっさい」とかの京都語の実態
・京都には王将が多くて、繁盛しているとか。
・高級なお茶などめったに飲まず、常は番茶なそうな。
・鯖寿司やお好み焼き、ひやしあめ、水無月の話
・京都の近所の人のうわさ話は応仁の乱まで遡る。
・映画館事情
・地元のものは案外観光地には行っていないとか。今回、あらためて行ってみての珍道中記 -
Posted by ブクログ
11月1-3日、京都を旅した。2日目は市内のこの本をガイド本にすることに決めていた(遺跡博物館は休館日だからである)。ところが、あいにくの雨!しかもある目的地に着いたところで、大失敗に気がつく。
以下は、旅レポートから(関連するところだけ)転載。(文庫本の感想は既に書いたので、新たに単行本に書いています。レポートには本来写真をつけていますが、こちらにはつきません。想像で補ってください。以下書名は「さんぽ」に統一。因みに本書は「深ぼり京都さんぽ」だが、文庫本は「京都深ぼりさんぽ」。微妙に題名を変えている^_^;)
(略)
二条城。国宝、二の丸御殿。ともかく豪華な造り。中は撮影禁止のために写真はないが、「さんぽ」に書かれていた豪華な豪華な餝(かざり)金具はしっかり見させてもらった。ひとつひとつの鍵隠しなどの餝金具はその作業だけではなくて、その数に圧倒される。全ての柱に上下三つくらいあるから、もしかしてその数は数千を数えるのではないか?(「さんぽ」には大型は数百枚と書いていた)気の遠くなるような作業だったのではないか?欄干彫刻もすごかった。もちろん、狩野派の障壁図の多さにも腹がいっぱいになる。大広間での慶喜の大政奉還の人形などもまぁ面白かった。よく考えたら一度来ていた。おそらく小学校の修学旅行できた。鶯張りのキュキュと鳴る廊下のことしか覚えていなかったけど。あの頃はよく鳴ったけど、今日は雨のせいかほとんど鳴らなかった。
(略)
唐門の彫金、透かし彫りはホント職人技だ。長寿を意味する「松竹梅に鶴」、聖域を守る「唐獅子や竜」を、極彩色に彫って飾っている。あまりにも色鮮やかだと思ったら2013年に修復したばかりらしい。ともかく、名前の残らない職人たちの独壇場ではある。
(「さんぽ」には「瓦は瓦職人、檜の樹皮を使った屋根は檜皮葺職人、その下の唐破風に塗られた漆は漆職人、彫刻は木彫師、そして餝金具は金具職人が手がけとるんや!」と紹介していた)
京都には未だこれだけの職人が生きている。しかし次の修復の時には、これが可能な保証は何処にもない。
(略)
それでも二条城だけで午前中を使ってしまった。この後、「さんぽ」を使って京都ぶらぶらをするつもりだったが、ウエストカバンの中身を見て愕然とする。今日1番の失敗である。「さんぽ」と思っていたが、同じ書店のカバーをかけた他の文庫本だった(旅に持ってきた「ホワイトラビット」でした)。何やっているんだか!そうは言っても、行くべき場所だけは知っている。千本中立売ぶらぶらである。バスを待って、そこの停車場でとにかく降りる。
いったい何処なのか。この通りなのか?
(略)
この後、なんとなく此処が怪しいと細い路地に入ってゆく。当たった。昔の遊郭の匂いがする。そしたら聞いたような店構えがあった。「江畑」。
コレは「さんぽ」じゃない。その前に読んだ「遊郭に泊まる」に載っていた、元遊郭の焼肉屋さんだ。当たりだ。この辺りが映画「五番町夕霧楼」の舞台だ。
この店の構えには、まだまだ遊郭の名残りがある。
まだ店を開けていない。けれども、暖簾越しに中を少し写させてもらった。あの本には、この奥に座敷牢の名残りがあるらしいと書いていた。この店は四番町ではあるが、では周りはどうなっているんだろ。
「さんぽ」にも載っていた千本日活もちゃんとあった。今でも現役だ。それだけで凄い。
しかも安い。
そして五番町を物色すると、明らかに遊郭名残りの「意匠」があった。
遊女或いは弁天様の鏝絵に鍾馗?の鏝絵。どういう願いがかけられて、どういう想いで見られてきたのか?
(略)
以上「深掘り京都散歩」した結果。
こういうディープな千ブラが出来た一方で、ホテルに帰って「さんぽ」を見れば、「嗚呼!あそこも面白そうだったのに!」という店が山ほどあった(例えば、千ぶら内の古本屋さん、様々な謎の店、京都伝統産業ミュージアム)。これだけで午後が潰れた筈だ。でも、もう行けない。旅とは、たいていはこういうモノなのだ。
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Posted by ブクログ
コロナ禍が一段落したら必ず京都に行くぞ!でもこのままだと2泊してしまいそうだな、と思わせる一冊。漫画版京都案内。文庫で携帯に便利なのはいいが、その分字が小さいので、目が悪い人には注意。文庫化したときに、情報は今年の最新に切り替えている。
私もいい加減、いつも京都を深掘り(マニアックに散歩)しているつもりだったけど、見方を変えるだけでまるきりかすっていなかったことに改めて気がつく。そういえば、マニアックな食べ物や伝統工芸にはあまり興味がなかった。
とりあえず、
・今度行った時に道でひと息ついたならば、この本を広げて近くのお勧め品を買う。
・京都二条城のかざり金具は、確かめてみる。
・機会があれば千ブラ(千本中立売周辺散歩)をしてみる。
・機会があれば旧五条楽園周辺散歩をしてみる。
‥‥ぐらいを頭の隅に入れておこう。