牛島信明のレビュー一覧
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本書は、スペインの作家ミゲル・デ・セルバンテス(1547~1616年)が発表した『ドン・キホーテ』(前編1605年、後編1615年)を、およそ1/6ほどに短縮した抄訳である。物語は、騎士道物語の読み過ぎで、現実と物語の区別がつかなくなった郷士(アロンソ・キハーノ)が、自らを遍歴の騎士と任じ、「ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ」と名乗り、痩せ馬のロシナンテに跨って、農夫のサンチョ・パンサを従者として引き連れて冒険の旅に出かけるもの。ドン・キホーテは、自分を取り巻くあらゆる事象を騎士道物語的な設定と認識し、次々とトラブルを引き起こすが、それ以外の点では至って理性的で思慮深い人物、また、サンチョ・パ
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セルバンテス 「 ドンキホーテ 」22章〜34章
見方を変えて 再読中。ドンキホーテ=イエスキリスト という見方で 読んでみた。しっくりくる。セルバンテスが コンベルソなら、あえて 異端者を主人公にするはずない。
この巻は 前巻より 性悪説なメタ小説や性悪説なセリフが多い。性悪説な世界で 繰り返し袋叩きにされるドンキホーテは、キリストのイメージと重なる。
しかし、ドンキホーテ=キリスト だと、サンチョの神性の意味が薄まる。ドンキホーテとサンチョの一体説でもいいかもしれない。前篇最終巻は ドンキホーテ+サンチョ=キリスト」な感じで読もうと思う。
それにしても、サンチョはいい事を -
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セルバンテス 「 ドンキホーテ 」1章〜21章。
見方を変えて 再読中。ドンキホーテを 騎士修道会への批判として読んでみた。
レコンキスタの中心的存在であり、植民地主義につながったスペインやイベリア半島の騎士修道会を 敬虔なキリスト教徒から見た異端性をベースに批判した本として読んでみた。
架空作者をアラビア人、架空翻訳者をモーロ人と設定し、セルバンテス自身を編集者として 、メタ小説化したのは、キリスト教徒である セルバンテスが 同じ キリスト教徒の騎士修道会を直接批判することを避けるための仕組みではないか?
イスラム教徒のアラビア人やモーロ人なら騎士修道会を批判することに違和感 -
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先日読んだ本に触発され海外古典にも目を向けようと思い立ち、有名な割に内容があまり知られていないドンキホーテを読んでみることにしました。
が、岩波文庫版で全6巻という超長編だということが判明した途端、一気に読む気が失せました・・・
なのでとりあえず妥協策として岩波少年文庫の方を読んでみることに。(1冊にまとまっているからなんと1/6の量!)
騎士道物語の読み過ぎで妄想にとらわれ、自身も遍歴の騎士として旅をし、その行く先々で嘲笑されるドンキホーテと従者サンチョの物語です。
レビューを読むと皆、「こんなにユーモアのある話だったなんて」「声に出して笑いました」などと面白い話に満足をしているようでした -
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ネタバレ『ドン・キホーテ』ってどんなお話しだっけ?読んだことなかったので読んでみました。
騎士道物語を読み過ぎて本の中で読んだ魔法、戦い、決闘、愛のささやき、ありもしない馬鹿げたことが真実だと思慮分別をすっかりなくした紳士アロン・ソキハーノが自ら騎士(ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ)になって物語の冒険を実際に行う
イカれた(* ̄m ̄)爺さんの話しwww
イカれた話しはどんな展開になるんだろうかとちと不安だったけど(笑)
むちゃくちゃだけどwww 紳士だから筋の通った話しをして感心させてたり、
学はないけど正直者で機転のきいた従者のサンチョ・パンサ
ドン・キホーテ主従に悪ふざけをする公爵夫妻
紳士を正 -
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2015.6.30 pm23:25
ガーディアン必読1000に入っていて、難しいのかと気構えていたが、全くそんなことなかった。面白い。読みやすい。そして笑える!
本で読んだ騎士道物語をいつでも信じて、突っ走る主人公に笑わせられっぱなしだった。物語が進むにつれ、従者のつっこみも冴えていってる気がする。家で読んでて良かった。ほんと。
これが全6冊のうちの1冊と考えると、まだまだ先は長いけれど、こんなに面白いなら早く読めそう。久しぶりにこんな笑える本に会ったかもしれない。堅苦しいことは考えないで、とりあえず楽しみながら読もう。続きが気になって仕方ない。夏のうちに読み終えられたらいいな。 -
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後篇全3巻、読み終わったー。
前篇は自分を遍歴の騎士と妄想したドン・キホーテとその残念な従士サンチョ・パンサが行く先々で騒動を引き起こす快活な物語だった。批評性を持ち合わせているものの基本は愉快な話であった。
ところが後篇に入ると状況はがらりと変わる。二人がふたたび旅に出て、騒動に出会うことに同じ。しかし、前篇において騒動の震源であった彼らは、この後篇では哀れな被害者となる。後篇に登場する人々は皆、「ドン・キホーテ前篇」を読み、ドン・キホーテの妄想癖とサンチョ・パンサの調子の良さを知っている。だから二人の非常識な行動を楽しもうと、人々は策を弄し罠を仕掛け二人を騙し陥れる。二人は周囲の人々の好 -
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前篇から10年を経て書かれた後篇。とりあえず1巻め。
もともとドン・キホーテは、愁い顔の騎士ドン・キホーテの数奇な冒険をモーロ人がアラビア語で記録し。それをセルバンテスがスペイン語へ翻訳した、という体で描かれている。原著者であるモーロ人が感想を述べたり、あるいは翻訳者たるセルバンテスがそれにコメントしたりと、ある種のメタフィクション性を備えていた。
後篇では、この構造がさらに進行し複雑化している。つまり、当の「ドン・キホーテ 前篇」が物語中でも出版されていて、そして登場人物のうち何人かは作品を既に読みドン・キホーテたちの奇行を知っている。
そのような状況で、愁い顔の騎士改めライオンの騎士ドン・