牛島信明のレビュー一覧

  • ドン・キホーテ 前篇一

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    理路整然と妄言を吐いて相手を説き伏せる狂人の格好良さ。「狂っているのはむしろお前だ!」すげえ、、これぞ真理。途中で急に話が止まっちゃったり、ドンキホーテと全く関係のない挿話の数々が物語の中核をなしたりと、もう滅茶苦茶。独創的すぎる傑作

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    2013年06月15日
  • ドン・キホーテ 後篇三

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    全六巻に及ぶ冒険譚も遂に完結。ドン・キホーテはもはや旅籠を城と見間違えず、豚の群れを合戦場と勘違いすることもない。サンチョだって知己に富んだ発言が所々で顔を出す。もはや狂気に囚われているのは彼らを愚弄する側であり、それを期待する読者の方なのだ。故郷に帰ることで遂に魔法から解放され、自らの名前を取り戻すラストは感動的ですらある。著者の目論見通り騎士道物語は時代遅れのものとなり、中世は葬られ近代が始まる。小説は決して虚構なだけでなく、現実を更新するものなのだ。笑って泣けて批評精神に満ち溢れた、永遠の大傑作。

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    2013年04月09日
  • ドン・キホーテ 後篇二

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    物語のエスカレート具合はますますドン・キホーテとサンチョ・パンサの聖性を浮き立たせ、周囲の醜さ愚かさをあぶり出していく。特にこの後篇2はサンチョが物語の中心となって、光り輝く賢人ぶりを発揮するし、本物の冒険や城暮らしやサンチョの島?の統治があって盛り上がる。

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    2013年02月12日
  • ドン・キホーテ 後篇一

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    後篇に入ってがらりと様相が変わる。ドン・キホーテはただの狂人ではなく、強靭な意思で狂人となることを選択した賢人に見え、サンチョの饒舌は止まるところを知らず、周囲はひたすら悪のりする。何よりセルバンテスの小説技法のメタメタ化は精緻を極める。

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    2013年02月02日
  • ドン・キホーテ 前篇三

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    語られた物語の人々がドン・キホーテの物語に合流してくるというパターン化はともかく、セルバンテスの筆致はだんだん乾いてきている気がする。その乾いた文章の醸し出すおかしみと悲しみの中、ドン・キホーテは故郷への帰還を終え、正篇は幕を閉じる。

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    2013年01月20日
  • ドン・キホーテ 前篇二

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    どんどん盛り上がって来たよ。ドン・キホーテとサンチョの掛け合いのキレが出て来たし、メタ度も上がって行く一方

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    2013年01月12日
  • ドン・キホーテ 前篇二

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    だんだん面白くなって来ました。

    最後に付け加えられている小噺は、
    男女の恋が如何に普遍的なものなのかを示している気がします。

    親友と愛する妻とを一度に失うということの罪深さよ。

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    2012年09月09日
  • ドン・キホーテ 後篇三

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     ドン・キホーテが騎士との決闘に負けて故郷に帰り、正気に戻って死ぬまでの話である。公爵のいたずらは入るものの、死はあっけなく終わってしまう。

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    2012年06月14日
  • ドン・キホーテ 後篇二

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    ネタバレ

     ドンキホーテとサンチョパンサが公爵の計画によって、騎士物語を実演させられることである。特にサンチョパンサが領主となるということである。そのいたずらの数々がとても面白い。

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    2012年06月10日
  • ドン・キホーテ 後篇一

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    ネタバレ

     ドンキホーテが旅から戻ってから再度旅に出るまでの説明、及びドンキホーテの話が書物となっているということの説明についてが、前半の部分であった。それ以降は、エピソード一杯であるが、ドンキホーテ自身が怪我をすることはなかった。

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    2012年05月28日
  • ドン・キホーテ 前篇三

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    ネタバレ

     ドン・キホーテが無事に自分の村に帰ってくるところで前編が終わった。この巻の半分以上がドンキホーテ以外の話であった。
     司祭がかならず出てくることが印象的である。

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    2012年05月18日
  • ドン・キホーテ 後篇三

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    ネタバレ

    狂気にあれば正気に戻れ、と言われ、正気に戻れば戻ったでそれはそれで狂気だ、と言われ。

    最後は思わず泣いてしまった。
    ドン・キホーテだけではこうはならなくって、サンチョがいたからこそ面白さが増しているんだと思った。

    おかげで「諺」の多さを知ることもできた。

    この本は結局「当時の騎士道文学へのアンチテーゼ」ってことなのか、なんかそれ以上のことも(テクニック的な)含まれているような。
    本の中で自分の本が出版されていたり、セルバンテスが更に前の原作者を作って登場させていたり。

    とにかく面白かった。
    何度も読める本

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    2012年04月16日
  • ドン・キホーテ 前篇三

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    ネタバレ

    騎士道の話から、読書論にまで話が及んでいてとても幅が広い内容だった。
    特に印象に残っている内容は「この時代の人達も流行に合わせた劇を作っている」こと。
    この時代はそんなこと気にせず、周りの人間の評価なんか気にせず台本とかを作って、発表しているのかと思いきや、この時代から既に「流行に沿う」ということが行われていたことが意外だった。

    そしてその流行に引っかかったのが、ドン・キホーテであって、それを信じざるを得ないのが昔で、今なら絶対ないようなことだと思う。

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    2012年04月08日
  • ドン・キホーテ 後篇三

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    サンチョは夢であった島の領主を投げ出し、ドン・キホーテも一騎打ちに敗れて羊飼いになる決心をするが、正気に戻って死んでしまう。
    偽作 ドン・キホーテ続編でドン・キホーテを精神病院に送り込んだ人物まで出てくるし、最後にはドン・キホーテ自身が物語の登場人物だということを自覚している。ニョルニールのように村に戻ってくるドン・キホーテはあるいは神話をなぞっているのかもしれない。SFとファンタジーの元祖なんだな。

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    2011年04月03日
  • ドン・キホーテ

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    ネタバレ

    イカれおじさんの傍迷惑であり愛おしい旅の記録。

    今で言う重度の厨二病を発症したおじさん(おじいさん?)が騎士の旅に出るのは何となく知ってましたが、思ってたよりボコボコにされるし血は出るし、妄想と思い込みで相手に怪我をさせるしで、本当に迷惑かけまくってて引きました。

    当時のギャグ漫画的表現でしょうか?(どれだけダメージを受けても死なないし次の回では完治してるやつ)また、話の中で「ドン・キホーテ」の本が出版されていて贋作について登場人物が怒ったりなどメタ的表現もあり、現代ではよくあるギャグ的表現がこんな昔からあったのか…と驚きです。

    後半ではこれが単なるギャグ的な小説ではなく、登場人物の思慮

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    2025年10月19日
  • ドン・キホーテ

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    スペインの田舎騎士ドンキホーテは、騎士道物語を読みすぎて現実と区別がつかなくなる。
    遍歴の騎士となって、世の不正を正そうと旅に出る話。
    ドンキホーテのほとんどが妄想的な話なので、途中読むのに飽きてしまいそうになったが、最後に正気を取り戻す時は泣けた。
    著者セルバンデスの生涯と、騎士道物語、歴史背景を掛け合わせながら書かれた作品だと後で知り、びっくりした。名作はやはり深い。

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    2025年09月27日
  • ドン・キホーテ 後篇三

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    全6巻の感想をまとめて。

    長編作品ということでなかなか挑戦する気持ちになれなかった作品だったけど、いざ読んでみるとテンポの良い冒険譚に引き込まれ、最後まで楽しく読むことができた。
    ドン・キホーテが本物の騎士ではなく、騎士道物語に影響された騎士であることが物語の最大かつ重要な特徴で、前編では彼の狂人っぷりが物語を呼び、後編では彼の思い込みが物語を育むといった具合に、この特徴が物語の魅力の大部分を占めていたし、自分自身もとても気に入ったポイントだった。

    作中には何組かのカップルが登場し、いずれも問題を抱えてドン・キホーテの騎士道精神を刺激するが、それぞれが読み応えのあるストーリーで良かった。冒

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    2025年04月21日
  • ドン・キホーテ 前篇一

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    騎士殿が馬鹿にされボコボコに殴られるシーンは見てて流石に可哀想になるけど、その直後に騎士殿の傍迷惑な狂気でまあ仕方ないな…となる。なんなんだこの作品。
    ・あとセルバンテスが作品始まる前にあれこれ学歴コンプ拗らせたり開き直ったりしてて面白かった。

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    2024年08月15日
  • ドン・キホーテ 前篇二

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    やっぱおもしろいな…!まさか劇中劇みたいなのが挟まれるとは思ってなかったけど。
    ・サンチョが1番目を覚ました方がいいまである。欲に目が眩んだ人間の意地汚さよ〜。

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    2024年08月15日
  • ドン・キホーテ 後篇三

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    創作である騎士道物語を現実にあった存在だと思い込み、自身も遍歴の騎士となった狂人ドン・キホーテの最後の冒険。
    従士サンチョ・パンサと共にその狂人ぶりを周りから揶揄われ、笑われながらの旅。当人たちはいたって真面目に旅を続けているつもりでも、その滑稽さはやはり可笑しく、しかし少し虚しさも感じた。
    前編の出版が1605年、後編が1615年と、およそ400年前に出版された本作だが全く古臭さを感じない。メタ的な表現が多数盛り込まれていたり、一見喜劇として書かれている中にも登場人物に当時のスペイン国民の精神性がよく表されており、現代でこれほど評価されているのも頷ける作品だった。

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    2024年05月30日