鈴木麻純のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
微ホラー・ミステリー・主人公の成長譚・日常オムニバスのどこに腰を落ち着けるべきか、探り探りしているんだろうなぁという印象。
今市子さんの『百鬼夜行抄』的な展開を目指してるのかな。
文章はわりに読みやすかった。ヒロインの国香さんがしょっぱな非常に印象悪かったのだけれど、読み終わる頃にはある程度好感も持てて来たし。
全編読み終わってから表紙に戻って、「あれっ 和泉ってこんな感じだったんだ…」と驚いた。
どちらかというともう少し、残念なイケメンっぽいイメージだったので……その辺あんまり上手い事雰囲気掴めてないかも。
今後に期待、というわけで続けて2巻読みます。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ呪われた骨董品が巻きおこす事件たち。そんな事件を担当する警察官の律華と律華の先輩の九雀。
専門家の呪症管理者と共同で捜査に当たることになるが、骨董屋、石川鷹人はクセの強い人物で。
潔癖なまでに正義感が強く、周囲から浮きがちな律華。
人当たりは良いけど合コン連敗中な九雀。
呪症骨董品に取り憑かれたような変人の石川。
意見の合わない律華と石川に緩衝材のような九雀の3人が事件を追うごとに連携を深めて。
合コンに参加した大学生たちが次々に鳥に襲われて、ついに死体が。
視線を感じると警察に相談に来たOLの謎めいた死の真相。
干からびて老衰死で見つかる10代の少女たちの遺体。
このタイトルなのに、主役 -
Posted by ブクログ
内部調査で出向いた先は、超能力を使って、の
犯罪予測対策部?!
その部署にたどり着くまでに事件に巻き込まれ
ついて紹介された人間についていけば巻き込まれ。
警察は怪我が多いかも知れませんが、これほどなのは
ちょっとどうかと思います。
事件が終わるごとに、ひとつ怪我…。
4人いる部内ですが、実質動いているのは3人。
これがまた個性が強くて、無理、という感じ。
これに付き合える主人公がすごいのか…。
とはいえ、親の七光り状態の彼を見てしまうと
残り2名が普通の人、にも見えますが。
何だかこう…因果関係が、少ない人数でやりくりした
という感じです。 -
Posted by ブクログ
帰宅途中に出会った男性は、人外だった。
死んでしまうほど血を吸われたあげく、吸血鬼の下僕。
しかも死なないようにしてやったのをありがたく思え、と
上から目線で言われるわけで…。
そのまま言いつけてやればいいのでは? な展開です。
ここまで善良に育っていると、社会に出た時
確実に食い物にされてさようなら、予想ができます。
素直に、良い方向に考えて進むのはいい事です。
けれど友人に告白する場合は、少しぐらい駄目な方向を
考えた方が身の安全かと。
秘密は持ちたくない、というのは分かりますが
さすがにこれは…。
とはいえ、もし不老不死ならば、現状維持は
3年ぐらいでしょうか? -
Posted by ブクログ
読書録「ラスト・メメント兵士と死」3
著者 鈴木麻純
出版 角川ホラー文庫
p94より引用
“便利屋は供給過多で成功する人の方が稀な
業界である。誰でも開くことはできるが、開
業をしてもしばらくは仕事がないというのは
当たり前。営業努力と多岐にわたる技術の習
得、そして仕事の積み重ねによる信頼関係の
構築が必須とも言われる。”
趣味と実益を兼ねた遺品蒐集家を主人公と
した、長編小説。シリーズ第三弾。
曽祖父が描いた作品を集めている比良原貴
士、思ったように進まない蒐集と死ぬまで評
価されずに終わった曽祖父とを重ねて、モヤ
モヤとするのだった…。
上記の引用は、便利屋稼業についての -
Posted by ブクログ
読書録「ラスト・メメント商人と死」3
著者 鈴木麻純
出版 角川ホラー文庫
p203より引用
“実際、彼ら古美術商というのは横の繋がり
で商売をしているようなところがある。彼は、
それらしい情報が入ったらすぐに連絡をする
からと言ってくれたのだった。”
趣味と実益を兼ねた遺品蒐集家を主人公と
した、長編小説。シリーズ第二弾。
少ない参列者に見送られ、骨董商の男が
荼毘に付されていた。その上、一番付き合い
が深かったであろう彼の妻でさえ、隣の男に
まとわりつこうとしていた…。
上記の引用は、主人公が探しものを頼んだ
場面での一節。
何事もその道に通じた人の集まりというのは、
情報の -
Posted by ブクログ
読書録「ラスト・メメント死者の行進」3
著者 鈴木麻純
出版 角川ホラー文庫
p80より引用
“「人が語る故人というのは、信頼できな
いってことです。強い感情と過去への未練が、
勝手な故人像を造る。記憶に残った部分だけ
が誇張されている、と言った方が分かりやす
いかな」”
目次から抜粋引用
“幼児と死
元老院議員と死
貴婦人と死”
趣味と実益を兼ねた遺品蒐集家を主人公と
した、短編連作小説。
緑美しい初夏、山歩きに向かない身なりで
主人公・高坂和泉は著名な写真家の別荘を目
指していた…。
上記の引用は、亡くなった写真家について
の、彼に関わる人達の持つ人物像について、
主人 -
Posted by ブクログ
短編集。
「赫夜姫」感想
自分に好意を寄せてくれている男がいる。
一緒に食事をして映画を観る。くれると言うからプレゼントだって受けとる。
してもらうばかりでは気がひけるから、たまには寝てやることもある。
好きでもないのにデートをした。プレゼントを拒まなかった。
だから不実だと責められても仕方がないのか。千尋には理解できない。
一緒にいたいと言ったのは相手。
欲しいと言ったら勝手にプレゼントをくれたのも相手。
強要したことなんて一度もなかったのに。
何故恨まれなくちゃならないのか。
自分に都合のいい解釈をしながら生きている。
たまに誰かとぶつかることがあっても、いつだって悪いのは相手で自分じゃな