あらすじ
「地獄の沙汰も金次第。業を背負う覚悟と金があるのなら、その恨み、蛟堂に預けてみませんか? 悪いようには致しません。一週間以内に、必ずや片を付けてみせましょう」。報復屋を営む陰陽道の天才、三輪辰史が遭遇する怪異幻想譚。アルファポリスミステリー小説大賞・大賞受賞作。
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Posted by ブクログ
読む人を選びそうな作品。
各々の話自体に救いはないが、元々復讐や報復なんてそんなものだと思うから、幸せな終わりなんてありえないと思う。
どう見ても被害者に非はないし、加害者の方が悪なのだということは分かるが、報復をするのであれば自らも悪に手を染めたも同然だから完全に被害者の立場に立つことはできないし、相応の代償が必要だということだろうか?
それでもその金額は高すぎる気がするが……。
目には目を歯には歯をとはよく言うが、逆に言えばお金さえ払えば復讐を代行してくれるのだからそれはそれでましなのかもしれない。
一番好きなのはピノッキオの話。
「ハッピーエンドがハッピーエンドである所以は、人生の絶頂で語ることが止められているからだ」という言葉が印象的。
確かにどんな御伽話も英雄譚も主人公が王子様と結婚したり、悪者を倒したりしたところで話は終わっていて、その後の彼らがどうなったかなんて語られているものはないように思う。
(少なくとも自分はパッと出てこない)
ちなみにブルーフェアリーとはピノキオを人間に変えた妖精のことらしい。
彼のことをブルーフェアリーと形容するなんて悪趣味としか思えない。
Posted by ブクログ
超性格の悪い報復屋(陰陽師)が、人の恨みを晴らしていく話。
スカッとするようなのはあんまりないかなー。面白いけど。
主人公周りの人間関係がめんどくさい感じなので、そういうのが好きな人はハマると思う。
Posted by ブクログ
文体は「ああ、女性のライトノベル作家っぽい〜」という感じ。
多用される『顔を顰める』という表現は好きになれなかったし主人公には溺愛する恋人の存在は必要ないと思ったけど、内容と後味の悪さが私は好きです。
以下お返事
nyancomaruさん
コメントありがとうございます^^
私は後味悪いとは思わなかったんですけど、ある口コミサイトでみなさん一様に「後味が悪い」と書いていたので、そうなのかなあ、と。
必ずしもハッピーエンドで終わるわけではない、とだけ言っておきます。
Posted by ブクログ
短編集。
「赫夜姫」感想
自分に好意を寄せてくれている男がいる。
一緒に食事をして映画を観る。くれると言うからプレゼントだって受けとる。
してもらうばかりでは気がひけるから、たまには寝てやることもある。
好きでもないのにデートをした。プレゼントを拒まなかった。
だから不実だと責められても仕方がないのか。千尋には理解できない。
一緒にいたいと言ったのは相手。
欲しいと言ったら勝手にプレゼントをくれたのも相手。
強要したことなんて一度もなかったのに。
何故恨まれなくちゃならないのか。
自分に都合のいい解釈をしながら生きている。
たまに誰かとぶつかることがあっても、いつだって悪いのは相手で自分じゃない。
千尋のような人間は、きっと失敗しても何ひとつ学べないんだろうな。
せっかく自分が成長するチャンスなのにもったいない・・・と思いながら、けっこう私も自分に都合のいい言い訳をしていることがある。
自分自身をみつめ、自分自身を知る。
自分のことなんて、いちばん知っていそうで、本当はいちばんわからない存在なのかもしれない。
Posted by ブクログ
もっとハードボイルドな展開を期待していただけに若干の肩透かし感あり。登場するキャラのイメージがしにくいこともあるが、文芸作品をモチーフにしたストーリーは好みなのとシリーズ化されているようなので機会をみてしばらく読み込んでみようかな。
Posted by ブクログ
能力者の一家に生まれた天才の辰史。その能力を生かして祖父から受け継いだ報復屋をしている。
辰史(ときふみ)の金の亡者っぷり、古典?に精通しているとことも面白い。そこまで人でなしにはおもえないが。
Posted by ブクログ
昔話というか物語になぞらえてというのが大分好みの為、即買い。地獄の沙汰も金次第という潔さも気に入り。復讐屋でも義賊でもなく報復、しかもその報復の仕方が独特なのでありきたりでつまらないとはならなかった。エピソードごと区切られているので中弛みもなく、登場人物も限られている上独特なので読み易い部類だけれど、さくっと一気に読めすぎてつまらないという感じでもない程良い感じ。内容が怖いと感じる人もいるかもしれないけれど、個人的には全然感じなかった。人間臭さやらしさ、本性や醜い部分等々が好きな人にはおすすめ。