鈴木麻純のレビュー一覧

  • 蛟堂報復録7

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    大事だからこそ独占したい、相手に裏切られるのが怖くて試そうとする気持ちは分かるが、彼女の考えていることはえげつないし、理解できない。
    物語の主人公は、彼らが幸せなときに終わるから幸せなのだと聞いたことがあるが、物語の中の世界から出ることをやめた彼女は幸せなのだろうか「青髭」。

    太郎という名前ながら太郎らしい働きのなかった太郎が初めて話に絡み始めた。家を守るためとはいえ、さすがにそれは酷過ぎるのではないか。
    丑雄の推測も間違ってなかったし、辰史が龍のように振舞おうとしている姿が、今を見ると想像できない「邯鄲の夢」。

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    2017年03月29日
  • 蛟堂報復録6

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    叙述トリックと呼んでもいいのだろうか?
    確かに新興宗教の教祖や窃盗犯のボスという立場では誰に話しても信用してくれなそう。
    それにしても雷は恐ろしい。気を付けよう。
    そういえば具体的な元ネタがないように思えた。元ネタはなんなのだろうか「罪人は誰か」。

    隅田川もそうだが、親が子供を思ってしたはずの事でも、結果的に一番最悪の選択肢になってしまうのは解せない、というよりも救われなくて無情だと思う。最後は自業自得だが。

    今まででも十分えげつないしもやもやした終わりかただと思っていたが、先代の方が十分ひどかった。
    シリーズ全体の一応の終着点が見えてきたかも。

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    2017年03月26日
  • 蛟堂報復録5

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    確かに鍾馗の言うことは間違ってはいないし、信太郎の言い分も分からなくはないと思うからこそ複雑な問題なんだと思う。
    身に覚えがないとは言い難いので気を付けたい「姥捨て山」。

    一部を切り取ればハッピエンドだが、文香にしたら救いがない気がする。
    権力のある酒乱は厄介という教訓を残した「打金磚」。

    いっそ彼のように自由気儘に生きることができたらベストではなくともベターな人生であったとか思いながら死ぬことができるのかもしれない。
    自分は嫌いじゃないし、このようなキャラクターは創作物の中にいるのであれば、むしろ好きと言えるのかもしれない。
    彼女があそこまで彼を憎んだのは、遊びだと割り切ることもできない

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    2017年03月26日
  • 蛟堂報復録4

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    流石に女子高生にも非があるように思うのだが、痛い目を見ないとわからないとでも思ったのだろうか…。
    すこし幻想的でエロティックであったように思う。
    知人割引にしても四十万円は高すぎる「サロメ」。

    老婆の人生には同情も覚えるが、因果応報と言われてしまえば反論することはできない。
    しかしそれでもかわいそうに思えてしまう。
    手段が目的になってしまうのは結構多いと思う。
    何かを手に入れるために努力した結果、本当に大事なものを忘れてしまうことはしたくないと思った。
    他人からの純粋な善意ですら素直に受け取ることの出来なくなった彼女は死んでもなお救われないのだろうか「かえる取りの女」。

    辰史にも子供時代が

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    2017年03月26日
  • 蛟堂報復録3

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    恵子のしたことは間違いなく犯罪だが、美樹が望んだ報復も恐ろしい。
    幸福の代価であるとはいえ、警察ですら分からなかったものにそんな大金を払うわけないと自分は思うが、当事者となれば話は変わってくるのだろう。
    悪い魔女と可哀想な子供たちではなく、親切な老婆と彼女を貶めた残酷な子供たちという構図は新鮮であり、とても印象的。
    もうこの物語をただの御伽話としては読めなそう「ヘンゼルとグレーテル」。

    どちらも子供との幸せな生活を望んでいただけなのに、どこで二人の明暗を分けてしまったのだろうか。
    因果応報とはいえ、自らの子供を守るために他人の子供を傷つけて結果的に自分の子も守ることができないだなんてやるせな

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    2017年03月26日
  • 蛟堂報復録2

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    人は如何様にでも残酷になれるし、社会に向けている顔と本当の顔が本当とは限らないし、自らが狂気に飲まれるかもしれない。
    自分にもそんな面がありそう、というよりも存在していることを自覚しているからこそ尚更怖い「ジーキル博士とハイド氏」。

    二人の選んだ選択肢は結局、一番悪い選択肢になってしまったのではないか?
    それが残念「泣いた赤鬼」。

    花房も悪い人ではあるが、比奈の報復も恐ろしい。
    辰史ではなく比奈が報復するというのも新鮮。

    今回は前回と比べて人間味があるというか、優しいというか…。
    蛟堂の店主でありながらも一人の人間であることを実感した。

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    2017年03月26日
  • 蛟堂報復録1

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    読む人を選びそうな作品。
    各々の話自体に救いはないが、元々復讐や報復なんてそんなものだと思うから、幸せな終わりなんてありえないと思う。

    どう見ても被害者に非はないし、加害者の方が悪なのだということは分かるが、報復をするのであれば自らも悪に手を染めたも同然だから完全に被害者の立場に立つことはできないし、相応の代償が必要だということだろうか?
    それでもその金額は高すぎる気がするが……。
    目には目を歯には歯をとはよく言うが、逆に言えばお金さえ払えば復讐を代行してくれるのだからそれはそれでましなのかもしれない。

    一番好きなのはピノッキオの話。
    「ハッピーエンドがハッピーエンドである所以は、人生の絶

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    2017年03月26日
  • ラスト・メメント 死者の行進

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    鈴木麻純さんの蛟堂以外の作品があるとは思わなかった。
    本屋さんで見つけて、早速読んでみました。
    どことなく、ストーリーが某氏の八雲に似てる。雰囲気が。
    いやでも、普通に面白く 最後まで一気に読んでしまいました。
    どうやら続きがあるようなので、そちらも読んでみたいです。

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    2014年01月10日
  • 蛟堂報復録7

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    琴線にふれた一節。 ネタばれ注意。

    >>>>>>>>>

    「そういう貴方こそ、自分が正しいと信じる言葉の刃が他人を傷付けていることに気付けない」

    >>>>>>>>>

    「血が繋がっているから気になるってだけでさ。他人の中に自分と似たところを見つけることも、
    そう難しいことじゃない。 身内なんて言っても、自分自身ではないからね。
    世の中には血の繋がっている人間とそうでない人間とで線引きをする人が多いけど。
    結局のところは、自分か他人か。それだけなんだよ」

    >>>>>>>>>

    「みんな、喋ることを我慢しすぎているんだよね。胸の内を表すことのできる、最も単純な
    手段だって言うのに。人を傷付け

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    2013年09月03日
  • 蛟堂報復録6

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    気に入った一節。

    >>>>>>>>>

    -----ああ、こうして何も知ろうとしない以上、僕の人生は誰の人生とも交わることはないのだ。
    傷付かずに、傷つけずに生きるということは、つまりはそういうことだった。

    >>>>>>>>>

    「二人が絶縁して十年。十年は長いよ。十年前と言えば、君は十歳だろう?
    その間で変わらなかったことを挙げる方が難しいはずだ。年月は、経験でもある。
    多少は考え方も変わってくるだろうし、周囲を見渡す余裕も出てくるだろう。
    二人だって、本当は相手の主張を理解しているはずなんだ。
    ただ二人とも、相手に対して感情的だからね。
    互いが絡むと、驚くほどにその目を曇らせてしまう。

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    2013年07月15日
  • 蛟堂報復録5

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    気に入った一節
    --
    ああ、何て不確かで頼りない感情だ。裏切られたかと分かった瞬間に、激しい憎悪に変わるのだ。実に恐ろしい感情ではないか。
    --
    その裏側に激しい愛情があるからこそ、裏切られた相手は深く傷付き悲しむのだ。自分が壊れてしまわないように相手を恨むのだ。共に過ごした幸福な日々が偽りであったなどと信じたくはなくて、執着し、仕返しをしたいと思うのだ。
    どれだけ自分が傷ついたか。どれだけ自分が愛していたのか。
    それを相手が分かってくれたのなら、また、もしかしたらやり直すことができるのではないかと。後悔と謝罪を口にしながら許しを請うて、再びその唇で愛を紡いでくれるのではないかと―――淡い期待

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    2012年12月28日
  • 蛟堂報復録2

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    ネタバレ

    1巻に比べると話がすんなりと頭に入ってきた。世界観があらかたわかっていたからかもしれない。

    ジギル博士とハイド氏の話は好き。他人を憎んで報復ではなく、自身の悪と向き合い前に進むことを選択して好感が持てた。
    辰史の比奈の関係性は良いなと少し羨ましくもやましくもなった。他人から期待され失望されることの迷惑さ。

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    2024年11月18日
  • 真夜中のオカルト公務員

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    オカルト雑学、神様だのなんだのが好きな人間にはとても刺さる反面、原点を知らないの難しいかも。
    漫画ならそうでもない気がしてて、漫画原作というのも納得。
    でも文字の方が想像が働くので、一先ず文字で追ってみたい。

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    2023年03月23日
  • 真夜中のオカルト公務員

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    あれ、これって漫画が原作?漫画もアニメもちらっと見たから、せっかくなら小説で…とおもったけど、1冊しか出てないのね

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    2021年05月22日
  • ラスト・メメント 死者の行進

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    さまざまな死を描いた”死者の行進”という絵画のシリーズを集める過程で、主人公が様々な事件に巻き込まれていく話です。短編形式になっていて読みやすい一冊です。(ひなの)

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    2020年10月10日
  • ペットショップ夢幻楼の事件帳 信じたい思い

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    ネタバレ

    読み始めるまで前作のことをまるで思い出せなかった…。でも好きな作品。今回もよかった。
    お客の忘れていた記憶をペットの形で取り戻す不思議なお店自体は謎のままだけど、兄弟の過去が明らかになりぎこちなさの謎は解決。
    それにしても店の経営はどうなってるのだろう?

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    2016年05月23日
  • 蛟堂報復録1

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    超性格の悪い報復屋(陰陽師)が、人の恨みを晴らしていく話。
    スカッとするようなのはあんまりないかなー。面白いけど。
    主人公周りの人間関係がめんどくさい感じなので、そういうのが好きな人はハマると思う。

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    2016年02月13日
  • 重犯罪予測対策室

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    おもしろかった。全員頭が良いし、礼儀正しい。読んでいて清々しい。ドラマ化したらおもしろいかも。続編希望。

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    2014年12月01日
  • 蛟堂報復録9

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    ネタバレ

    辰史さんがどんどん人間らしくなっていってる感じがよかった。丑雄さんも。
    あと太郎くん頑張ったね...空回ってる感半端なかったけどさすが太郎。

    自分の理想の姿を押し付けてしまう事って割とよくあることだとは思うけどそうじゃなくても人と向き合うのってなかなか難しいよね。

    個人的に一番まさかだったのは休業中に稲荷運送で働き始めたことかな(笑)
    あと幻影書房には行ってみたい。瑠璃也くんが主人公の短編も読んでみたい。

    太郎瑠璃也あきらのトリオがわちゃわちゃしてるところは可愛かった。

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    2014年06月05日
  • 蛟堂報復録1

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    完璧、表紙買い(笑)
    陰陽師釣られ(笑)
    能力者でありながら、人間的な面もあってサクサク読めました。

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    2013年09月15日