樹林伸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレドクター・ホワイト 第2作目。
白衣一枚をまとってさまよっていた白夜を、狩岡将貴が保護しいっしょに暮らして1年半ちかく。
白夜も感情を理解しはじめ人間らしく成長を感じる。
高森総合病院のDTC、診断協議チームも息が合ってきて病院も活気が戻ってきた。
本回は前作で狂犬病を発病した日比野カンナやその夫の新たな病状や、将貴の妹 晴汝の脳にある動脈瘤という、困難きわまる治療に挑む。
小説の半分くらい?が医学用語、病状の説明、治療方法などが語られ、医療従事者でもその道の人でないと理解が追いつかないのでは?と思える情報量だった。
(もちろん私はちんぷんかんぷん。読みながら眠りにつくこと数回…)
とくに既存のガン治療に対しては、筆者の思い入れを感じる。<胡散臭くない>代替医療も多数解説されているので、参考になるかもしれない。
そして、白夜の謎にも迫っていく。
そこに巨大企業のトップ、海江田の影がちらつく。
白夜と海江田につながりがあるのか?
ついに、核心にせまる。
小説というより医学書寄りになっているので、難解なところは素人はさらっと流さないと長い道のりになりそう。
TVドラマを先に見ていたので映像を思い出しながら読み進めた。
でも白夜の出生を知ると複雑な思いが交錯し、完読すると晴れやかな気持ちで本を閉じられた。 -
Posted by ブクログ
「ドクター・ホワイト」シリーズ第2弾。前作の流れそのままに、白夜が診断協議チームDCTに加入してから1年後の様子が描かれている。本書は前作とは異なり、連作短編要素はなく、「癌」に対するアプローチが話題の中心になっている。専門的な話は少し難しいのだが、抗がん剤などでは副作用もひどくよくなる可能性も高くはないと分かっていてもそこに頼らざるを得ない現状、新しいアプローチを試すときに何が作用してよくなったのかを見極めたい医者側の都合と治ればいいと考える患者側の都合の食い違い、そのようなところが浮き彫りにされていて、読みごたえがあった。
また、白夜の出生の謎も明らかになり、次作への余韻は残しつつもこれでいったん終わりという印象も持った。 -
Posted by ブクログ
テレビドラマにもなった「ドクター・ホワイト」シリーズの第1作目。本文にもあるが「ドクターホワイトコール」という隠語があり、手の空いている医療関係者は至急集合という意味である。この話も「DCT」という医療チームが様々な観点から謎の病の原因を突き止めるというもので、まさにタイトル通りという気がする。その中心にいるのが、白夜という20歳くらいと思われる少女。医療知識、観察眼は並外れたものを持っているが、それ以外の能力は皆無。空気を読んで話すなど、この年までに備わっているべきことが何もない。まさにまっさらホワイトな状態。こうした複合的な意味合いがこのタイトルには込められているようだ。
本書は章立てているが、連作短編の要素が強い。白夜に関する謎も解き明かされていないので、次作へ続く流れができている。 -
Posted by ブクログ
2022年 浜辺美波さんでドラマ化。
朝靄のかかる公園をふらつく人影…
素肌に白衣をまとっただけの少女、彼女の名は、白夜。
18、9ではないかと思われる彼女は、医療の膨大な知識をもち的確な診断をして医師たちを驚愕させる。
しかし一方で、素性はいっさい分からず実生活の経験がなく、自分の感情すら理解できていない。
白夜を保護した編集者の狩岡将貴とともに、知人の高森麻里亜の病院で「診断協議チーム DCT」に加わり、患者の病を解き明かしていく。
透きとおるような肌の白さと、彼女のミステリアスな出自
にぴったりな名前だ。
美しさと医療の知識と人間らしさの欠乏と、そして彼女の命が狙われているという、興味をひかずにはいられないキャラクター。
DCTのメンバーも医師特有のプライドを感じさせながらもそれぞれ人間味があり、徐々にチームとしてまとまってくる。
医療の専門用語が頻発するので、シロウトなのでそこはさらっと流し読み。すると意外にはやく読める。笑
このシリーズ1作目ではまだ白夜の医療知識が見出されたばかり。人と関わり、怒りや優しさという感情を知る序章。
白夜の秘密、命を狙われる? 将貴に託された理由、まだなにも分からない。
すぐに続編に手を伸ばしたくなる。
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意外にドラマが原作に沿って作られていた。
キャラが増えて、年齢が現実に合わせた(原作は若すぎない?と思った)、恋愛事情などはドラマ仕様に。
キャラも個性を際立たせてより面白くなっていた! -
Posted by ブクログ
ネタバレ1999年、沖田森彦はヒト体細胞クローン胚の樹立に成功する。
助手の名嘉城と喜びを分かち合うのも束の間、世界で初めての成功である研究の発表を前に事件が起こる。
最愛の息子、有基が学校に来ていない-知らせを受け、焦燥する沖田であったが、願いは届かず有基は遺体となって発見される。
悲しみに溺れる沖田に悪魔の囁きであるかのような考えが浮かぶ。
“有基のクローンを造りたい”
科学の禁忌でもあるクローン技術によって死んだ息子を“復活”させてから、8年の月日が流れた。そして、運命の歯車がまた廻り始める。
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雑誌『ダ・ヴィンチ』に紹介されていて、医療もの、ミステリ、ということで気になったことと、著者の樹林伸さんに興味津々で手に取った。
樹林伸さんはコミックの原作を主に、様々なペンネームで活躍されている作家さんで、他のペンネームやその作品名を聞いたら「あ、知ってる!」と大体の方が反応されるはず。
天樹征丸(『金田一少年の事件簿』、『探偵学園Q』等)、安童夕馬(『サイコメトラーEIJI』、『シバトラ』等)、亜樹直(『神の雫』等)、などなど。
内容も様々、その作品の多くが映像化もされていて、エンターテイナーとして才能がある方なんだろうな。
同じ方だと知らずにこの方の漫画作品をけっこう読んできていたので、きっと小説も楽しめるはず、と妙に確信して読み始める。
あらすじ、物語の大まかな流れは好み。
キャラクタとしては、沖田先生に関してはあらすじや序盤で真面目人間と思い込んでの女子学生との逢引(大胆)だったので、びっくり。
そういうキャラだったのか、って。
最愛の家族、一人息子の有基を失い、タブーであるはずの行動を起こす沖田。
自分の大切なひとを失い、取り戻す(あくまでもクローンとはいえ)ことができる手段が自分のすぐ手の届くところにあるのなら…。
失った直後の精神状態も作用しただろう。
生命倫理…今後ヒトクローンが成功する日はやってくるのでしょうか。
文章は読みやすく、難しい題材ではあるものの、小難しくないつくり…というか、難しい題材である事柄たちは本当に材料のひとつになってしまっているだけ??
本格的にこの題材に触れたい方には物足りないでしょう。
ミステリとしては、予想より早く犯人が分かっちゃったので、後半の「えぇっ」は薄かった。
とはいえ、ハラハラドキドキもでき、少しぐっときてしまうところもところどころあり。
フィクションは劇的であって欲しいと思っているので、そういう意味で楽しめた。