樹林伸のレビュー一覧
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テレビドラマにもなった「ドクター・ホワイト」シリーズの第1作目。本文にもあるが「ドクターホワイトコール」という隠語があり、手の空いている医療関係者は至急集合という意味である。この話も「DCT」という医療チームが様々な観点から謎の病の原因を突き止めるというもので、まさにタイトル通りという気がする。その中心にいるのが、白夜という20歳くらいと思われる少女。医療知識、観察眼は並外れたものを持っているが、それ以外の能力は皆無。空気を読んで話すなど、この年までに備わっているべきことが何もない。まさにまっさらホワイトな状態。こうした複合的な意味合いがこのタイトルには込められているようだ。
本書は章立て -
Posted by ブクログ
2022年 浜辺美波さんでドラマ化。
朝靄のかかる公園をふらつく人影…
素肌に白衣をまとっただけの少女、彼女の名は、白夜。
18、9ではないかと思われる彼女は、医療の膨大な知識をもち的確な診断をして医師たちを驚愕させる。
しかし一方で、素性はいっさい分からず実生活の経験がなく、自分の感情すら理解できていない。
白夜を保護した編集者の狩岡将貴とともに、知人の高森麻里亜の病院で「診断協議チーム DCT」に加わり、患者の病を解き明かしていく。
透きとおるような肌の白さと、彼女のミステリアスな出自
にぴったりな名前だ。
美しさと医療の知識と人間らしさの欠乏と、そして彼女の命が狙われているとい -
Posted by ブクログ
ネタバレ1999年、沖田森彦はヒト体細胞クローン胚の樹立に成功する。
助手の名嘉城と喜びを分かち合うのも束の間、世界で初めての成功である研究の発表を前に事件が起こる。
最愛の息子、有基が学校に来ていない-知らせを受け、焦燥する沖田であったが、願いは届かず有基は遺体となって発見される。
悲しみに溺れる沖田に悪魔の囁きであるかのような考えが浮かぶ。
“有基のクローンを造りたい”
科学の禁忌でもあるクローン技術によって死んだ息子を“復活”させてから、8年の月日が流れた。そして、運命の歯車がまた廻り始める。
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雑誌『ダ・ヴィンチ』に紹介されていて、医療もの、ミステリ、ということで気になったこ -
Posted by ブクログ
沖田森彦は大学の研究室でヒト体細胞クローン胚の技術開発のチームリーダーをしていた。
ヒト・クローンの研究はほぼ成功しており、あとは微修正を加えるのみの段階になっていた。
そんな時、突然森彦の一人息子・有基が事故で亡くなってしまう。
IQは180以上、けれど森彦の方針から普通の子どもとして育てられていた有基。
サッカーが得意で、木登りが好きで、素直な子どもっぽい性格をしていた。
ヒト・クローンを成功させる技術は森彦の目の前にあった。
有基を失った現実から逃れるように、決して許されない禁忌を森彦は犯してしまう。
たとえ遺伝子はまったく同じだとしても、亡くなった有基と生まれて来た透は別々の人間だと思