古賀及子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「好きな食べ物はなんですか?」に対する最適解を考察していく。ある程度の食べものを食してきて、コミュニケーションスキルの1つとして、いい大人になった今ならではの…ベストな好きな食べ物があるはず!様々な選択肢から論理立てて答えを探し求める様子が収められていました。1位から3位の表彰台に台乗りしたり降りたり、入れ代わり立ち代わり並んでいた食べ物イラストも可愛らしかった。
『憧れる、尊敬する、共感する、興奮する、安心する、好きな気持ちには様々にポジティブな感情が同居する。対象によって心の動きはずいぶん違う。…好きな食べ物たちはそれぞれの感情を連れてくる。それで私は、ずっとくるくる翻弄させられるのだ。-STEP9私は好きな食べ物とマッチングしたい-』
いたってシンプルな問いに、子供のように嬉々として答えられなくなったかもしれない。エピソードトーク込みで場をつなげるとか、今度一緒に食べに行けるものがいいかしらとか、聞かれたから単純に答えるだけでは済ませられなくなったような気がする。著者が「本当に好きな食べ物はこれでいいのか」という自問自答は、私にも心当たりがあってとても共感した。それから未だにベスト・オブ趣味が見つからないので、こんな感じで一緒に考えたい(;O;)
2025.5 -
Posted by ブクログ
最近、日記本ブーム?と思うほど関連書籍が増えている気がします。本来、日記は他人に見せない前提でしょうが、コロナ禍が要因したのか、日記という自己表現の形が確実に広がってますね。
本書、黄色い表紙・タイトルともとても目を引きます。日記を書く際、一日のあれもこれもではなく「5秒のことをを200字で」(要は〈一点突破・全面展開〉ですね)という、古賀さん流のシンプルな方針で綴る、日記風体裁のエッセイです。
古賀さんの文章は、タイトルほど厳密なものではなく、一日の文量も視点とその膨らませ方もアバウトな印象です。ユーモアがあり、感情を抑えてさらりとした筆致は、人生の切実さを薄め、愛おしく心地よいものに変え、それが読み手にも伝わります。
古賀さんが何を見てどう感じたか、という思考の跡を辿ることができ、子どもたちとの関わりを中心に生活が立ち上がります。さらに、一日の何気ない断片が積み重なることで、古賀さんという人間の輪郭が浮かび上がるようです。
最近のブームといっても、もともと日記文学は平安の昔からありました。現代ではSNSに疲れて日記のアナログ性へつながりを求めて逃避し、共感できるよさが再認識されているんですかね?
私もスケジュールや事実の記録のみの日記でなくて、出来事から得た視点や心の動きを捉え、記してみるのもいいかも…いや、続かないな。 -
Posted by ブクログ
●感想
エッセイはあまり読んでこなかったけど、こんなふうに記憶を記せるって素敵だと思った。人生ので起こるちょっとした苦さ、甘み、切なさ、喜び、悲しみ、そういった心の揺れ動きを読んで、自分の記憶にも思いを馳せていく体験ができた。感受性のカケラを大切にしたいと思った。いくつか、印象的なものがあった。素敵だった。
●本概要
ノスタルジーと、可笑しみと。
池袋、飯能、日本橋、所沢、諏訪、田園調布、高知、恐山、湯河原……。
自分の中の記憶を、街単位で遡る。そこから掘り起こされる、懐かしいだけでは片付かない、景色と感情。
気鋭のエッセイスト、最新書き下ろし。
『好きな食べ物がみつからない』が話題の、最注目のエッセイスト・古賀及子最新書き下ろしエッセイ。
幼い頃からの「土地と思い出」を辿ってみたら、土地土地、時代時代で、切ない! でもなんだか可笑しいエピソードが横溢!
【目次より】
下丸子、二分間、知らない人を大声でほめてけなす
日本橋、来年も買ってやるからな
元加治、真昼の暴走族
所沢店、売れ!私たちの福袋
田無、夏、恋人の家でひとりでエヴァンゲリオンを観た
諏訪、祖父と間欠泉
田園調布、知らない人の家でまずい水を飲む
恐山、会えないイタコと工藤パン
小岩、知らない街が、どんどん私の街になる
盛岡、北上川を走って越えて、母と私とソフトクリーム
曙橋、看護師の格好で登った木をさがす
大森、もう会うこともないだろうけどさ
他 -
Posted by ブクログ
「好きな食べ物は何ですか?」
この問いにスッと答えられる人は案外少ないのかもしれません。
放っておくと一生迷う「問い」に挑んだ120日間の自分観察冒険エッセイ。
好きな食べ物を聞かれても迷いなく答えられる私には縁遠い内容かもなあ…ふむふむ。と著者の行く末を見守る気持ちで読み始めたら、意外にも共感ポイントが沢山ありました。
古賀さんがこの問いの答えを決め切れない理由は、「世の中には美味しいものがいくらでもあって、その中から一番を決めるのが難しい」から。
もういきなり同感です。
そして候補を挙げていくうちに、そうそうこれも好きだった!と「うっかり忘れていた好きな食べ物」の存在に気付かされる。
…わ、わかるー!!首肯しまくりです。
ひたすら好きな食べ物を探す旅路の中で、食べ物に付随して思い出される家族や友人、お店の人とのエピソードに古賀さんの人柄を感じられて好感が持てました。
迷走を重ね、やっと決まったか?!と思いきや今度は "「◯◯を好きな私」を私は好きだろうか"という哲学的な問題に移行する。
回りくどいよ…!と言いたくなるものの、こんなに真剣に「好きな食べ物」と「好きな食べ物を好きな自分」を突き詰める古賀さんに、拍手を送りたいです。
解説の上白石萌音さんが本書を「好きな食べ物に関する論文」と捉えていて、まさに言い得て妙だなと思いました。
萌音さんの言葉はどれも的確に真意を汲み取るので、同じ本を読んだ自分との感性と言語化の差に愕然とします…。笑
好きな食べ物がみつかっている人もそうでない人も、気軽に読めるエッセイです。きっとこんぶ飴が食べたくなる…はず。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ好きな食べ物はいろいろあるけれど、「好きな食べ物は何ですか」という問いにうまく答えられない、という著者が気合を入れて「好きな食べ物」を探していく本。アボカド、チーズケーキ、おはぎやオムライス、お寿司など様々な可能性が探られているが、スイーツより食事がいいんじゃないかとか、イメージに合わないとか、こだわりが足りないとか、迷走に迷走を重ねて最後の答えに何とかたどり着く。ちょっと冗長に感じてしまった。
それというのも、私は好きな食べ物がはっきりしているタイプで、悩んだことがなかったからだ。自分のセルフプロデュースとか、こだわりがとか、考えたこともなかった。別に自分の好きな食べ物ぐらいのことで他人がどう思おうが、どうでもよくない?と思って読んでいるうちにまどろっこしくなって飽きてしまったのだ。
私の好きな食べ物はドリアとフライドポテトです。おばさんなのに子供っぽい?そうかもね。でも気にしてない、ずーっとすごく好きなので。 -
Posted by ブクログ
暮らしの中であっち側が気になるけどなかなかこっち側から抜け出せない、あるいは抜け出してあっち側にいってみたら案外こうだった、といったような事象を語るエッセイ。
共感できる箇所が多々あった。
アイスを食べる時、気持ちはコーン派なんだけどカップで食べる回数が増えてきたり。
美容院での振る舞い方がイマイチ分からず挙動不審になったり。
仕事や事務手続系のタスクは速攻で終わらせるのに暮らしにまつわる不具合にはなかなか手をつけられなかったり。
面白かったけど、あとあとまで残るような印象はなくスラーっと読めていつの間にか読み終わってしまうようなエッセイでした。