【感想・ネタバレ】私は私に私が日記をつけていることを秘密にしているのレビュー

あらすじ

人気の日記エッセイ作家が明かす、みんなに読まれる日記の秘密。これからの日記作家を目指す人に捧ぐメタ日記エッセイ。

「文学フリマ」が毎回入場者数を更新し、日記本がブームになり、自分でも日記を書きたい・noteで公開したい・ZINEにまとめたい……という人が増えているなか、日記エッセイストの第一人者が、日記を書く際の独自の経験知と秘密を大公開。その実践例としての日記もあわせて収録。日記を読みたい人にも、書きたい人にも、いますぐ役立つアイデアと実例が満載の、これからの日記作家に捧ぐメタ日記エッセイ。

「これから私は日記について書きます。これまであちこちに書いたり、お話ししたりしてきた、日記について私なりに思うことを、ほんの少しですが、ここにまとめます。/日記は人それぞれに方法があって、方針があって、ロマンがあるものです。ここに書いたことは、すべて、単なる私の考えでありやり方ですから、どうかその点ご了承ください。てんで勝手に書けるのが、日記のよさのひとつです。」(本文より)

【目次】
1 私は私に私が日記をつけていることを秘密にしている
おばけは怖いけど、私はこれから、日記について書きます/文ではなく、日記を書こうと決めた/かけがえなさというのは、思いがけなさのなかにあるんじゃないか/前日の景色を観察するためのメモ/日記は、書くだけ、あとは何もいらない/日記と秘密/毎日の日記、よりぬく日記、編集する日記/日記で世界を作る/生きた昨日を、ただ思い出す

2 私が愛するあなたの凡庸のすべて
私が愛するあなたの凡庸のすべて/互いにとっての静けさとなれ/明日が誕生日でないのが信じられない/あずかり知らぬ無限/見るべきは屋根/コツは地上に出ないこと/元気な体の私の隠喩/押すと実現するボタン/人間の味方/欲しいものは無い、有るものが欲しい

3 じゃがりこを買う人だけが私にとってかわいい、なんだこの感情は
餅をみちぎる威力を応用し/まだ出す力を持っている/なんだかいつも、これ以上着るものがないし脱ぐものもない気持ちだ/服の似合わなさの絶望をすくう/50メートルって「走」じゃないか/世界が変わる、ここが地点だ/うどんにおなり/地金は売らずにまた会おう/遠くの楽しさはいつもすこし悲しい/てっきりそれが終わりの合図だと/時間の種類の豊富さを味わう/じゃがりこを買う人だけが私にとってかわいい、なんだこの感情は

点と点が線でつながっただけで脱出──あとがきにかえて

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Posted by ブクログ

私には悲しいほど文才がない。古賀及子さんの文章に触れるたび「くっ…」と悔しさが込み上げる。
言葉ってこんなにも自由なんだ、と見せつけられるようで、勝手にダメージを受けている。
古賀さんの日記は、笑顔の素敵な人と向き合っているみたいだ。
花が咲いたような笑顔で周りを明るくし、まっすぐ素直で、気がつくとこちらもその光の中に立っている。
その場所から、なんてことはない自分の毎日を見つめると、不思議と少し輝いて見えるのだ。

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2025年11月18日

Posted by ブクログ

日記についての価値観、どんな日記を作っているか、という内容。
日記をつけている人はこんな日記の書き方もあるという発見、日記を付けていない人も、書きたくなるような内容。

私自身も日記を付けており、その日にあった出来事をただズラズラと書き殴って感情の吐き出し場所のようにしている。
しかしこの本に書かれている「日記」というものはそういうものではなくて、日常を切り取った何気ない、書かなければ忘れてしまいそうな一瞬について書く、というもの。

2章3章では実際の日記も掲載されている。そこでは、私から見ると短編小説のようで、読んでいて細かな風景が思い浮かべられるものだった。こんな風に書くのは難しいな~とおもいつつ、自分の言葉で書き並べられた「日常を切り取った小さな出来事」を残せることは素敵で、私もできるようになりたいと思った。


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2025年11月05日

Posted by ブクログ

日記本。本屋で目にとまって、ふらっとレジまで運んで本棚にお迎えした1冊。
前段はおばけに取り憑かれることを覚悟の上で日記(本)の中で日記を書くことについて書いてあり、個人的には腹落ち具合がよかった。自身では日記書いていないのだけれども。。

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2025年11月09日

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