大川裕弘のレビュー一覧

  • 陰翳礼讃

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    ネタバレ

    日本のわびさびを言語化するとこういうことなのかなと。障子ごしの光、和紙のきめの繊細さ、黒光りする古い木材、蝋燭の火の揺らぎを写す漆器、薄暗い能の舞台と衣装で映える黄色人の肌、わずかな光さえ照り返す金屏風…とうとう羊羹の色にまで(!)美しさを見出して、うっとりするような言葉で表現していた。現代的な道具や急激な欧米化で、日本元来の生活様式が追いやられ、陰の美しさが失われることを嘆いているけど、作者自身も衛生面や利便性、費用面で葛藤があると書いていたので親しみやすかった(バチバチに「日本の古い生活様式しか許さん!」みたいな態度ではないので、現代の暮らしに慣れきっている自分たちが責められているような気

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    2025年10月26日
  • 陰翳礼讃

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    潔癖に白くて清潔なタイル張りでは醸し出せない古い木目の深い暖かみのある美しさということ。陰を美しいと思える感覚、新しくないものを美しいと思える感覚はまだ日本人に残っている。谷崎潤一郎の文章、トイレのことを書いていても美しい。再読。


    全文はブログで
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    @akapanreads

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    2025年09月26日
  • 茶の本

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    単なるお茶の本だと思っていたが、180度違っていた
    茶道が思想や哲学そのものであるのだということを初めて知った

    現代語訳されてるとはいえ一部読みづらい箇所はあるが、今に通ずるところは多々あり学ぶところが多い本であった

    なぜか分からないが他の本を読むときよりも数倍落ち着いて読めたのは著者の雰囲気を感じ取っているからだろうか

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    2025年09月20日
  • 陰翳礼讃

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    日本と外国の違いを言葉化されていて納得しました。集中力が低下している今日この頃ですが、写真があることで、夢中になって読み進めてしまいました。

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    2025年09月19日
  • 陰翳礼讃

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    オーディオブックで。
    語りで聴くと、日本語の美しさが沁みる。
    このエッセイ、学生時代に試験の問題文で出たけど、その時「面白いー」と思ってそのままでした。
    今読んで(聴いて)も面白い。
    建物が明るくなっていくことの味気なさを嘆いているのも面白いけで、やっぱりエロティックな眼差しを書かせたら天下一品です。
    日本女性の体型ぺったんこ理論も笑った。
    文豪って精神奥深くかつ俗っぽさも滲みでるのが楽しいな。

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    2025年06月22日
  • 茶の本

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    ネタバレ

    「世界に衝撃を与えた名著の初のビジュアルブック化! 」の企画は見事成功していると言える。

     美しい写真と共に添えられるのは、本文の要諦とも言える言葉を選んでの抜き出したもの。そのセレクトの是非はあるが、概ね、自分が付箋を付けておきたいと思った文章は抜き出されていると思う。文章と写真との相性は、必ずしも合致したものではないが(そこまで意識はされてない印象)。
     読み返すときも、美しい写真とキーセンテンスだけを、のんびり拾い読みできるのも良い。

     おそらく30年ぶりに読み返したが、若かった当時、「不完全」を愛でることの真意が腹落ちしていなかったと思うが、齢をとって理解が進んだ、いや、理解ではな

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    2025年05月17日
  • 陰翳礼讃

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     原研哉さんの『白』という本を読んでいて出てきたので、気になって読んでみた。私には難しいかもしれないと危惧して、理解を助けてくれそうな大川裕弘さんの写真が随所に載っている、パイインターナショナルの版を選んだ。

     個人的には、物心ついた時からヨーロッパが好きで、見るのは古い洋画ばかり、家具など、洋風のものが大好きだった。和風のものは、それなりに好きではあるが、洋風のものほどドキドキはしてこなかった。

     この本は、日本人が、暗さの中で、全部を赤々と灯さず、明るめの清潔感が溢れる白に塗り固めず、暗さの中に少し障子から漏れる光によって作られる陰翳をいかに上手に捉えて情緒的に暮らしてきたか、文化を築

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    2025年04月20日
  • 陰翳礼讃

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    美しいという言葉がぴたりと当てはまるような本だった。豊富に差し挟まれる写真の美しさも然りだが、陰があってこそ映える日本の美しさを丁寧に表現されている。意識しなければ陰の中の美を感じることなどなかった自分に、本来の日本の美を説いてくれた陰翳礼讃に感謝し、この美しい日本に産まれたことの幸運にも感謝したい。

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    2024年12月07日
  • 陰翳礼讃

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    あまり古さを感じない文章&内容。
    SDGsの現代に似合った考え方なのか。
    写真に文章が添えられており、とても読みやすい。

    最近、日本の夜は明るすぎる、と海外の人々が思っていると知った。陰を大事にする日本人はどこにいったのか。他国の夜の部屋はもっと薄暗いそう。睡眠学的にも夜は暗いと良いらしい。
    朝日と共に起床し、日没と共に就寝する。
    理想的な生活、いつか実現したい。



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    2024年12月06日
  • 陰翳礼讃

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     日本の夜は明るすぎる。もっと暗くした方が良い。という意見にはめちゃくちゃ共感。
     日本の文化は薄暗い住環境の中で興隆したからこそ光の中ではなく陰翳でこそ美しい。たとえば蒔絵に使われる金は暗闇で見ることを前提につくられている。白光する中で見ても何らの美性もない。バッサリそう言い放つ文豪・谷崎潤一郎に感服せざるを得ない。それが正しいか否かは置いておいて、なるほど。そのような視点もあるのか!と納得させられてしまった。

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    2024年07月31日
  • 陰翳礼讃

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    谷崎潤一郎の文章に合った写真にとても癒されました。
    今まで陰や暗さは負のイメージを持っていましたが、本書を通してそれらの奥深さや荘厳さを理解することができました。また、日本と欧米の対比関係が明るさや色への理解を深めることができました。

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    2024年05月15日
  • 茶の本

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    素晴らしい本でした
    天心の格調高い文章に写真が負けていないと思いました
    岡倉天心「茶の本」という素晴らしさを伝えるには、この本のような親しみやすさが必要だと思いました
    明治期に岡倉天心という人物が登場してくれて本当に有難かったと思います
    この本を通して実に多くの刺激を受けてたくさんのことを学ばさせてもらいました
    岡倉天心「茶の本」は、日本人の誇りであり、皆が読むべき本だと思います

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    2024年05月13日
  • 陰翳礼讃

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    年の瀬でいろんな負債が溜まってる時にまあまあ染みる綺麗さ。
    これ読むと毎回いろんな“みているモノ”を触りたくなるくらいにはモノへの成り立ちと景色を敬ってしまう。

    この本はいろんなところで引用されるし応用されるけど、全ストーリーラインを写真でなぞり切るっていうのはなかなか勇気がいるんじゃないだろうか。純粋に、自分と違うイメージがつくことで新しい発見が多いと思った。

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    2023年12月25日
  • 陰翳礼讃

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    美しい…。
    久々に自分が日本人に生まれて良かったと思わせてくれる作品だった。

    学生の頃に初めて紐解いた時は、正直なところその良さが分からなかった。
    当時本を開いて、句読点が少なく旧仮名が小さな文字でびっしりと並んでいるのを見ただけでウンザリとした記憶がある。
    当時から読書好きを自認していたが、まだまだ未熟だったということだろう。
    年を経て老眼やら、その他の目の不調やらで、その手の書籍は一層敬遠したくなるところである。

    ではなぜこれを手に取ったのか。
    実は書店の写真集コーナーなのである。
    ふと見覚えのある書名に興味を持ってパラパラとめくるうちにぐいと引き込まれた。
    「ん?なんだ?これは…」

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    2023年10月06日
  • 陰翳礼讃

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    明かりを消した曇りの日や雨の日、陽が落ちてきた部屋で、たびたび読み返したくなる本。
    日本人が「暗がり」と「翳り」に美を見出す理由が、様々な角度から谷崎潤一郎氏の美しい言葉で綴られている。
    そして、そこに添えられる言葉を体現させたかのような大川裕弘氏の写真の数々も、溜息をつきたくなるほどに美しく、一生持っていたい本の一冊。

    個人的に特に好きな箇所は
    『もう全く外の光が届かなくなった暗がりの中にある金襖や金屏風が、幾間を隔てた遠い遠い庭の明かりの穂先を捉えて、ぽうっと夢のように照り返しているのを見たことはないか。』
    という文と、写真。
    どんな写真なのか、まだ読んでない方はぜひ実際に読んで見てみて

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    2023年06月10日
  • 茶の本

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    「茶の本」といいつつも、人生において大切なことを教えてくれる本。
    「茶室」「芸術鑑賞」「花」「茶の宗匠」からは自分の暮らしの改善点が多くわかり、特に学びになった。

    【自分の部屋について】
    ・自分の心から美しいと思うものを1点選ぶ。それにあうように空間をつくっていく
    ・その美しさを妨害しないように無駄なものを置かない
    ・収集することに価値をおかない
    →断捨離、掃除、シンプルな部屋

    【芸術鑑賞について】
    ・美術館は気になった作品を時間をかけて楽しむ
    ・前回よりも少しでも美しくなって美術館へ行く
    ・記念にとりあえず買うのではなく、本当に気に入った作品のポストカードを購入する

    【生活について】

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    2022年10月23日
  • 陰翳礼讃

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    厠や紙、皿、食、建築などた私たちの生活必需品を例に挙げながら、今は失われた日本の伝統的な美的感覚を考察した本。
    坂口安吾の日本文化私観もだけど、批判的で共感性のある文章はおもしろい!

    私はすっかり近代化の暮らしに馴染んでしまって、例に挙げる厠や能などの美しさをイメージしづらかったが(だから近々能楽堂や歴史的建造物に足を運ぶ)、日本人は陰翳を好むという主張に共感した。

    「美は物体にあるのではなく、物体と物体との作り出す陰翳のあや、明暗にあると考える」

    つまり、調和のとれた空間や関係性が日本の伝統的な美的感覚なのだ。
    目にはみえずハッキリとしない、もどかしい感じ。その雰囲気の中で個と個の間に

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    2022年10月07日
  • 陰翳礼讃

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    静かな日本の家、食事、西洋文化と歩むこと、生活、伝統がとつとつと語られて写真も美しく、気持ちが不安な時や落ち着きたい時に読むとふっと昔の日本家屋に招待されたような安らげる本でした。

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    2022年08月14日
  • 陰翳礼讃

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    日本の陰翳の美意識が谷崎潤一郎の文章と大川裕弘氏の写真で私の様な読者にも想像出来ました。茶道をされた事のある方にはお勧めです。陰翳を求めていい旅館に行たくなりました。

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    2022年08月07日
  • 陰翳礼讃

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    「諸君はまたそう云う大きな建物の、奥の奥の部屋へ行くと、もう全く外の光が届かなくなった暗がりの中にある金襖や金屏風が、幾間を隔てた遠い遠い庭の明かりの穂先を捉えて、ぽうっと夢のように照り返しているのを見たことはないか。その照り返しは、夕暮れの地平線のように、あたりの闇へ実に弱々しい金色の明かりを投げかけているのであるが、私は黄金と云うものがあれほど沈痛な美しさを見せる時はないと思う」
    -陰翳礼賛、谷崎潤一郎

    日本家屋のわびさびを美しい文章で語っている。
    私の家、私の食器、私の服、なんだかそこに欠けている美を意識せずにはいられなくなった。

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    2022年05月15日