山口未桜のレビュー一覧
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感情的になる。
そんな瞬間は現在進行中のわたしの生活の中でたくさん出会ってきたと思う。
「感情的」と聞くと、自分勝手などとネガティブな考えが脳内をよぎると思うが、そうなのだろうか。
人は良い経験よりも悪い経験のほうが記憶に残りがちだという。
「感情的になる」に隠されている本当の意義は何なのだろう。
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読む本がなかった私は適当にこの本を手に取りました。本格ミステリーほど面白いものはありません。魅力的な登場人物にどんどん引き込まれ5時間以上読みふけっていました。個性的で魅力的な登場人物。も -
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ネタバレ中川信也は武田航の一卵性双生児だった。信也の両親は不妊の末、生島病院で信也の受精卵を授かり、帝王切開で産んだ。その後、妊娠できたが帝王切開のせいで子宮が破裂。信也を愛せなくなる。
武田は両親から愛されていたが、50%の確率で信也になる可能性があったため複雑な感情で中川敬子の話を聞く。
信也は小学校を卒業するころには父より体格が良くなり、父の鼻の骨が折れるほど殴り、金をむしりとり立場が逆転した。
高校生のとき信也は女の子を堕胎させた。母は信也を死んだらいいのにと思うようになる。
高校を中退した信也に父は言われるがまま名古屋にマンションを買う。
今年の2月、信也がふらっと帰って来て、金目の物を探す -
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前作『禁忌の子』に続くシリーズ第2作。
とはいえ、どちらから読んでも問題なし。
(作者・山口未桜先生もXでそのようにポストしていた)
前作も十分おもしろかったが、
今作はそれを超えてきた。
舞台は我らが北海道。
霧と有毒ガスに包まれた病院で
繰り広げられるクローズドサークル。
濃霧、院内での医療スタッフの変死、
翌日に起こる地震、
その影響で発生する硫化水素ガス。
序盤からてんこ盛りで、展開の勢いが止まらない。
ページを閉じるタイミングを完全に見失い、
気づけば寝不足。
単なるミステリーにとどまらず、
過疎地医療の限界、災害下で患者を守ろうとする
医療従事者たちの現実が容赦なく描かれ -
購入済み
スタートから引き込まれる設定に、怒涛のスピードで進んでいく物語、息をつく間もないほど次々と明かされる真実、そしてハラハラと感動が入り混じったラスト。控えめに言って最高、面白かった。愛があるが悲しくもある物語、胸がぎゅっと締め付けられる。
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第34回鮎川哲也賞受賞作。
名を冠されている鮎川が本格ミステリの書き手だったようなので、本格寄りなのだろうなと読み進める。
主人公は武田航。救急科医師、33歳。てきぱきと職務にあたる中堅どころである。
あるとき、溺死と思われる患者が運び込まれてくる。その顔は驚くことに、武田自身にそっくりだった。そこから怒涛の事件が動き出す。
キュウキュウ十二と名付けられたその男は、事故で溺死したのではなく、海に転落する前に殴られた形跡があった。生きているうちに殴られ、海に放り込まれたのだ。
自分そっくりの他殺体。果たしてこれは誰なのか。
武田は、中学の同級生であり、偶然同じ病院に勤務している消化器内科医師 -
Posted by ブクログ
北海道の山奥の病院に研修で来た春田芽衣と先輩医師・城崎響介。
着いた直後、濃霧と硫化水素ガスで病院が完全に孤立してしまう。
逃げ場のない中で、院内では職員の不可解な変死事件が発生。
患者を守りつつ、芽衣と城崎は“閉ざされた病院”で続く不可能犯罪の真相を追う。
自然災害と孤立、医療現場の混乱が重なる中、事件の核心に迫っていく――。
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めっちゃ“閉じ込められた感”が強くて、読みながらこっちまで息が詰まりそうでした。
霧とガスで外に出られないとか、もうゲームのハードモードすぎるでしょ、って感じ。
芽衣ちゃんの「どうにかしなきゃ…!」って必死さもリアルで、城崎先生の頼れるけどちょっと影 -
Posted by ブクログ
ネタバレそのタイトルがどうにも気になって文庫化されるまで待てず。
「似ている」などというレベルではない、自分とまんま同じの見ず知らずの人が死体となって目の前に運ばれてきたら。導入部から話に引き込まれます。
最も犯人像からは遠い人、けれど急に登場したわけでもない人。ひゃーと驚かされ、5分の3の意味がわかったときには自分の先入観にも驚きました。精子の提供を取り上げた話は映画でもよく観ますが、今はSNSで取引されることもあると知って愕然。
城崎には強烈に惹かれます。人の感情を解しない、けれど思いを巡らすことに努めるイケメン。彼の推理をまた聴きたいから、次も文庫化まで待てないかも。