山口未桜のレビュー一覧
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ネタバレ雪と硫化水素ガスで閉じ込められた病院で起こる連続殺人を解き明かす主人公の医師たち。ロジカルなミステリーとしても面白いのですが、読後感はミステリー解決の爽快感よりも現代医療の課題に対する暗然たる気持ちが勝ってしまった。
下記の叫びが心に重しを残す。普通の人はあえてみない医療の闇。
医師である作者だからこその問題提起・・・・
へき地医療を維持するための社会的な歪み
全国どこでも、同じ質の医療 なんてまやかし
命を削って人を助けても貰えるのは感謝状一枚で、何か起こったら叩かれるのは
頑張れば頑張るほど報われないシステム
医療従事者への感謝ってやつは、いつだって阿呆な俺たちを錯覚させ、やりがいでこき -
Posted by ブクログ
大掃除・小掃除が終わったら、「美」をテーマにしたGOAT第3号(2026 Winter)を読んでみましょう。
表紙ではゴートくんが手鏡でお顔を映しています。
表紙を開くとゴートくんと羊くんが美について話していました。
「美ってなんだろう
大きな羊?
羊の角を頭に飾った人?」
「由来は所説あるけど、
ヤギじゃなくて羊なのか・・・」
ちょっと残念そうなゴートくんです。。。
最初の小説は、高瀬隼子さんの「ふたえ」でした。
67歳のお父さんが、二重まぶたに整形したのに飽き足らず、顎やら頬やらを全身麻酔の手術を受けて整形するというお話です。
思えば、美しい顔の基準は個々人によって -
Posted by ブクログ
ネタバレ不妊治療そのものだけでなく、その先に続く選択や葛藤までを描いている点が印象的だった。とりわけ「他人の子どもを愛せるのか」という問いが、二つの異なるパターンを示されたことで、不妊治療の“その後”に潜む問題がより鮮明になったように感じる。特別養子縁組や里親制度が想起され、そこに今なお根深く残る迷いや難しさが浮かび上がり、簡単には答えの出ない現実を突きつけられる。
一方で、城崎の存在については最後まで違和感が拭えなかった。物語上の役割は理解できるものの、ストーリー自体にはあまり関係ない人物で、ミステリーの謎を解く探偵的役割を果たす人物ではあるが、読後も引っかかりとして残る。城崎は次の小説でも登場する -
Posted by ブクログ
え?これがデビュー作?!と疑いたくなるほど
素晴らしい出来栄えで驚いた。
本屋大賞にもノミネートされた話題作ということら、私のように驚かされた人が多いことが伝わる。
まず、『自分と瓜二つの人間の死体を見つける』という設定が目新しくワクワクした。
そして、作者が元医者なので病院や医療シーンの描写にリアリティがあった。難しい専門用語が沢山出てくるのに、堅苦しくなく読みやすい文章でページを捲る手が止まらなかった。
物語序盤で妊娠中の奥さんが性行為の誘いを喜んで受ける場面があり、強烈に違和感を抱いた。女性で出産経験もある作者がなぜこんな描写を入れたのか不思議だった。だけど、この場面も伏線の