奥野修司のレビュー一覧
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ネタバレ犯罪被害者家族のその後、法律では及ばない被害者の救済を考えさせられる。
被害者家族の苦悩と、加害者の成功が比較され、理不尽さが強調されているが、冷静に考えたい。
・被害者家族の苦悩は、何も少年犯罪だけではなく、その他の凶悪犯罪にも言えること。本著は、少年法について問題提起しているのではなく、犯罪被害者支援について問題提起している。
・加害者側のその後、加害者の考えや人生についても取材してほしかった。加害者が社会的制裁をあまり受けず、むしろ保護された中で弁護士として成功しているのは、少年法の成功例ではないか。加害者の主張も聞いてみたい。”なぜ謝罪がないのか。””あの事件について今どう考えているのか。”
・後半、被害者家族と加害者が接触することになるが、これに関する著者の行動は正しいのか?
それでも、被害者家族の苦悩を考えると、罰は足りているのか、救済は足りているのか、と釈然としない。
裁判が行われ、判決が出た段階で、世間的には事件は終結しているように思われてしまうが、当事者の中ではずっと続いているということに気付いた。
判決の効果・妥当性を考えるうえでも、このようにその後を取材する意義は大きい。
『とりわけ驚いたのは、母娘そろって、加害者を恨んだことがなかったと言ったことである。恨まなかったのは、自分たちの家族を回復させ、本来の姿を取り戻すことに精一杯で、加害者を恨む余裕がなかったためだと~』 -
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考えてみれば自分は、同居家族を亡くす、ずっと一緒に暮らしていた人がある日突然いなくなってしまうという経験をしていない。その悲しみがどれだけ深いものなのかを知らない。
なのでここに紹介されている霊体験を語る人々の話には逆に違和感がない。そういうものなのかもしれない、と思う。
P14 「お迎え現象は、臨終が近づくにつれて訪れる生理現象で説明できるが、幽霊は正常な意識を持ちながら、身体的にも異常がないのに発現する現象だ。それもおk人氏や宗教観は関係なしに出てくる。つまり脳循環の機能が低下したとかそういう生理現象ではないという事だ。おそらく、この社会が合理的ですべて予測可能だと思っていたのにそれが壊れた時に出てくるんじゃないのか?」
P15「霊は科学で認識できないが、霊に遭遇した生者にとっては事実であると?」
「人間が持つ内的自然というか、集合的無意識の力を度外視してはいかんという事だよ。」
P73 オガミサマを信じない人にはたわごとでしかないが、信じる人にはあの世に繋げるかけがえのない言葉である。死者とコミュニケーションをとれることは、遺された人にとって最高のグリーフケアなのだと思う。
P191 人は物語を生きる動物だが、その物語はけっして不変ではない。津波という不可抗力によって突然断ち切られた物語を、彼岸と此岸がつながるという不思議な体験によってふたたび紡ぎなおす。とりあえずつながった物語は、時の経過とともに自分が納得できる物語に作り直されていく。作り直すことで、遺されたものは大切なあの人と今を生き直しているのである。
P308 家に漂う、もういない人たちの気配。そうした説明のできない現象に直面したとき、証言者たちに生じるのは恐怖ではなく、安堵や喜びといった感情だ。死者たちのメッセージの多くは「自分はもう大丈夫だ」「苦しんでいない」と伝える。きっと証言者たちが、何よりも欲していた概念なのではないだろうか。(解説・彩瀬まる) -
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食料自給率が30%前後の現代の日本では、中国産、アメリカ産の食品抜きではよほどのコストをかけない限りは食生活が成り立たない状況となっています。「中国産は危なそうだけど、輸入するときにきちんと検査されているから大丈夫」「中国産は嫌だけど、アメリカ産なら安心」と漠然と思いこんでいるケースが多いのではないでしょうか。
中国での想像を絶する衛生管理の下で生産されるアサリなどの海産物や茸などの野菜、農薬にまみれたコメ、抗生物質漬けの鶏肉の現状を著者の取材で明らかに。そしてそれらの食品が日本国内で流通してしまうからくりにも触れています。
アメリカ産の穀類の大半は遺伝子組み換え品種となっていながら、それを数十年に渡って長期的に摂取したときの危険性については「危険とは言えないが、安全とも証明されていない」レベルであると警鐘を鳴らしています。
これらの食品が輸入の際の検査の網を潜り抜けたり、あるいは政治的な取引の材料としてかなりの量が国内で合法的に流通しています。
「安いから」、「大手チェーンで扱っているから」などの安易な理由ではなく、自分達や子供達が毎日口にする食品の安全について、考え直すきっかけを与えてくれる1冊です。 -
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108円で購入本。
こちらサカキバラ君ばりの連続殺人者の被害者の遺族の家族のルポタージュでした。
加害者の家族の話や、犯人のその後の話などはよくフィクションでもあったりするけど、被害者遺族のその後はなかなかないなと読んでて思う。
プラス、ものすごい大変なんだなと。残された人間のその後。すごい傷を負って生活してる。むしろそんなことした連続殺人者が14歳だったことで、更生施設で更生したうえで弁護士になって金儲けしてる。ってことにもびっくりした。
しかも、殺した相手に払う慰謝料?なども滞納したりとか。。。。金じゃないだろうけど、だけど、だけど、最低限の約束は果たすべきだよね。
帰ってこないけど、なんだかとてもとても腑に落ちない法律ばかりなんだな。と改めて思う一冊でした。ノンフィクションです。 -
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ドラマを見て興味を持ち、購入。映画「そして父になる」の参考図書でもある本書。実在の家族からは、映画に対して「内容が違う」という趣旨の物言いがついたというワイドショー的な好奇心もあって、読み始めた。
内容は、赤ちゃん取り違え事件を記者の立場から書いたノンフィクション作品。
取材を重ね、年齢を経て取り違えられた家族の姿を描いている。
ドラマでは、それぞれの家族が抱える苦しみやせつない心情が伝わってきたが、この本では記者がたんたんと事実を書き記していく。
小説的な展開や登場人物の心情に深く入り込むことを望む方にとっては、少し物足りないかもしれない。
けれど、客観的な視点で描かれているがゆえに、この事件の悲しさが伝わってくる部分もあるかと思う。
なにより、ドラマで描かれていない、より詳細な事実と、せつない現実にやりきれない気持ちになる。
読んでいくうちに「もし、取り違えられなかったら、この家族たちの人生は違っていたのだろうか」という疑問は、きっと多くの人が感じるだろう。
「子を育てる親の愛」「血のつながり」など、家族という深いテーマについて考えさせられた一冊。 -
Posted by ブクログ
沖縄で実際に起こった赤ちゃん取り違え事件。
今話題の映画「そして父になる」の参考書籍だそうです。
取り違えが発覚したのが、子供が6歳の時です。
うちの娘がちょうど今6歳なんですが、どうしても自分ならどうか?と考えてしまいました。
子育てにおける6年ってすごく長いですよね。
しかも0歳~6歳って、すごく大変で、子供はすごく可愛い時期。
それを急に「その子はあなたの産んだ子じゃないですよ。あなたの
産んだ子はこっちですよ。」って見ず知らずの子に会わされたら・・・
そんなの「交換なんてできるわけない!」って私は思いますが、それも今育てている子が自分の産んだ子だって確信があるのでそう思うだけかもしれないし。
実際、本書に出てくる伊佐・城間2家族の両親は最初は「交換なんてできない」と思っていましたが、実際自分達の実の子を見た時に「血の繋がり」を強烈に感じています。まず単純に顔が似ているという事。やっぱりそれは衝撃でしょうね。
結局子供たちは交換され、実の親の元に帰るのですが、もう子供たちの気持ちを考えると胸が締め付けられました。
もちろん親の葛藤にも・・・
特に美津子が痛々しくて見ていられない気分でした。
そして読み進むにつれて、この2家族の特殊な事情も浮き彫りになってきました。特に城間家は色々ありすぎて、これは取り違え事件の中でも特殊な事例だったのでは?と思いました。
6歳まで城間家で育ち、伊佐家の実の子であった真知子はそれなりに段々馴染んでいきます。
6歳まで伊佐家で育ち、城間家の実の子であった美津子は全く城間家に馴染もうとせず、隙あらば(次第に隙なんてなくても)伊佐家に戻って来ています。
「血」か「情」か?なんて書かれ方をしていますが、結局は親の愛情ではないかなと、本書を読んで思いました。
結局どちらの子供も伊佐家の方へ行ってしまうのですから。
そして親の愛情以外にも、「ある程度の経済力」・「親の教養」。
これはものすごく大事だと改めて気付きました。
総合して子育てにおいて「家庭環境」と言うものは非常に大事だなと思いました。
「血」とか「情」とかじゃない大事な物が確かにあるんだと思います。
今回、この2家族には、片方には健全な家庭環境があり、もう一方にはなかった。それが事態をより複雑にさせた気がします。
文庫化の際には、美津子・真知子が30歳になった近況も綴られています。これを読むと、少しは救われる思いがしましたが、それにしても根の深い問題で、本当に答えも解決策も何もない。
ただ当事者達は乗り越えて前に進むしかないんだなと思います。