奥野修司のレビュー一覧

  • ねじれた絆 赤ちゃん取り違え事件の十七年

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    40年前の沖縄での嬰児取り違え事件をその後25年に渡って追いかけたノンフィクション。自分は親でもあるのでこの本を取り違えられた親子両方の視点で読んだ。血の濃さはは情を超えるけども、情の濃さは血の繋がりすらも凌駕する。一見パラドックスのようだけども、結局どこまで親が愛情を注いだかの一点に尽きるのだなというのが大まかな感想。両家の両親の姿があまりにも対称的なために、どちらの子も片方の母親を慕うといったくっきりとした実験結果のような結論になったのが皮肉だなと思う。実際自分の子が取り違えられていたら、と想像するとその葛藤は想像するに余る。久々に素晴らしいノンフィクションを読んだ。取材者の姿勢に脱帽。

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    2013年10月21日
  • ねじれた絆 赤ちゃん取り違え事件の十七年

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    これは実際に沖縄県で起きた赤ちゃん取り違え事件の家族の話。

    赤ちゃんが取り違えていたことが発覚して、その赤ちゃんたちが成人するまでを見守り続けた著者の記録でもある。
    この事件は、子どもが6歳になるまで発覚しなかった上、その後子どもたちを交換してからも、様々な出来事が子どもや両親たちに巻き起こる。
    事件が発覚してからそれぞれの両親は交換するべきか迷い、その後交換してからも自問自答を繰り返す日々。事実だからこそ、この家族の葛藤、苦悩、そして、嘆き苦しむ姿に、胸がつまりそうになる。
    血のつながりのない子を6年間育ててきたことは、母親にとっては、かけがえのないものであり、育ての子、産んだ子のどちらも

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    2013年10月10日
  • ねじれた絆 赤ちゃん取り違え事件の十七年

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    「そして父になる」の参考書籍。
    親子の絆とは法で括ることのできないものだと感じた。
    今、親子というもの、配偶者というものについての裁判が多々起こっている。結論を急ぐことはできない。

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    2013年09月28日
  • 魂でもいいから、そばにいて―3・11後の霊体験を聞く―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    山怪に続き?、途中まで読んでいたこちらを読み進めた。
    「霊体験」というとスピリチュアルだが、作者自身が「近代科学は、再現性があることが原則でしょう?幽霊話はどうも…」という抵抗心がある中で、それでも「人間が持つ内的自然というか、集合的無意識の力を度外視してはいかんということだよ。それが人間の宗教性になり、文化文明を広げていったんじゃないかね」という言葉に励まされ、物語を収集していく。
    一つ一つがとても胸に迫るものがあって、超自然的体験の有無に関わらず「読ませる」ものだったし、読んでいるのが辛いところも多かった。最愛の人を失うという過酷な環境下の中でも、人間は回復/状態が変化していくわけで、その

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    2025年08月13日
  • 魂でもいいから、そばにいて―3・11後の霊体験を聞く―(新潮文庫)

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    その人その人の人生や生き様も読み取れる。
    私が産まれる前に亡くなった曽祖父の部屋に置かれていた壊れて長年動いていなかった古時計が、私が生まれる前日に音を立てて動いたと母から聞いた。
    自分が思っているより、人間同士の魂の繋がりは強い。

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    2025年04月25日
  • 丹野智文 笑顔で生きる ―認知症とともに―

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    若年性ではない方にも、歳を取るだろう全ての人に 読んでいて欲しいなぁ… 機能の落ち込みをどうやって行くか、介護だけではない方法の探し方の一端になると思うんだけど。

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    2025年04月07日
  • ゆかいな認知症 介護を「快護」に変える人

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    できないと決めつけられることが怖い、嫌だって箇所すごく共感した。話さないからしんどい。話せば分かることもあるって本当にその通りなんだよね。
    しらないからすれ違う。すれ違うからしんどい。話せば理解できるとは限らないけど、持っている感覚が違う。だから話さずに分かってくれは通用しないと思うし、「黙っているからしんどいんです」(平良みきさん)の言葉がとても刺さった。

    差別されることは怖いけど、病気を隠して勘違いされることも怖い。これは他のマイノリティー(てんかん、吃音、チック等)にも言えること。

    病院ラジオに出ていた山田真由美さんが出てきたことが嬉しかった。
    ところどころに写真があるので、そちらか

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    2024年10月15日
  • 魂でもいいから、そばにいて―3・11後の霊体験を聞く―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    東日本大震災で、家族を亡くされた方の遺族が体験した不思議な霊的な話。夢であらわれたり、おもちゃのスイッチがかってについたり、遺体が見つかった場所に行くたびに、遺品が見つかったり不思議な体験がたくさん乗っていました。私が一番驚いたのは、津波で家族をたくさん亡くした人が避けられたり、たくさん保証金がでたんだろと噂されたり、同じ被害者の中で、人間不振になるような行為があるんだと思いました。天皇陛下が訪れて、お声掛けしてもらい立ち直ったというエピソードもありました。

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    2024年04月12日
  • 魂でもいいから、そばにいて―3・11後の霊体験を聞く―(新潮文庫)

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    震災から年月が経ち復興が少し進んでも、生まれ育った街や失ってしまった人は元には戻らない。
    あの日、一緒に逃げられなかった後悔にいまだ苦しむ残された人の夢に現れる今は亡きその人達。
    もう触れる事も話す事も出来ないのに感じる。
    想像でも妄想でも良い。そばにいる。

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    2024年03月15日
  • 丹野智文 笑顔で生きる ―認知症とともに―

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     湖永さんの「オレンジランプ」のレビューを読んだのがきっかけで手にしました。ありがとうございます。筆者の丹波智文さんは、「オレンジランプ」のモデル、39歳で若年性アルツハイマー型認知症の診断を受けられれた方です。

     著者の丹野智文さんは、車のセールスマンで仕事にやりがいを感じていました。同じ職場の女性と結婚し2人の女の子にも恵まれ充実した毎日を送っていました。ここ数年で記憶力が悪くなったと自覚し、検査を受け若年性アルツハイマー型認知症の診断をされたのが39歳…子どもたちは中学1年生と小学5年生…え??すごく大変なんじゃない!!と感じました…。丹野さんも、将来が不安と眠れず泣きながら過ごした夜

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    2023年11月10日
  • 死者の告白 30人に憑依された女性の記録

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    自分自身、第五感の様なものを見たり感じたり全く無いので読み終えても、何となくまだ信じきれない部分がある。
    しかし世の中は自分の感覚とはかけ離れた世界もあるのではないかな…と少し思えた一冊。

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    2023年10月29日
  • 心にナイフをしのばせて

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    被害者遺族の話。加害者が国から保護を受け前科もつかず普通に生きていて、被害者家族がずっと苦しめられる。心が痛くなって、ところどころ休憩をしながらでないと読めなかった。

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    2023年10月24日
  • 魂でもいいから、そばにいて―3・11後の霊体験を聞く―(新潮文庫)

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    正直なところ、震災当時は九州に住んでおり、関東の様な余震すら感じられなかった事、さらに10年以上の月日が経過し、記憶からはだいぶ薄れてきていた。勤めていた会社は本社が東京にあったし、同僚の親族や社員自身も数名が行方不明となり、家族も関東に暮らしていたから聴き伝わってくる情報はある程度はあった。しかし自身が直接的に経験していないことが、何処か遠い世界の様にも感じられた。仙台始め東北地方を周遊したりと若い頃は何度か訪れた地が津波の映像で流されていく様は、そんな外側の人間から見ても恐怖と悲しみに渦巻いていた様に思う。当然被害に遭われた方々や家族を亡くした多くの方々にとっては、私などでは想像も出来ない

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    2023年04月23日
  • 魂でもいいから、そばにいて―3・11後の霊体験を聞く―(新潮文庫)

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    「ナツコ 沖縄密貿易の女王」
    「心にナイフをしのばせて」
    「再生の島」
     …

    数々の名ノンフィクションを世に送りだしてきた
    奥野修司さんが綴られた
    その奥野さんの
    ー3・11後の霊体験を聞く
    だから、
    手に取りました。

    聞き取っておられる
    そのお一人お一人の様子が
    浮かび上がってきます
    その方たちの
    想いを共有されて
    そして
    綴られた「痛切な声」が
    胸に届いてきます。

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    2023年02月01日
  • 心にナイフをしのばせて

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    「被害者(遺族)は証拠に過ぎない。」本当にそうだ。それなのに驚いた。加害者を更生させるためのお金は国が出すのに、被害者には何もない。この国の法律がガバガバ過ぎて怖い。未成年の犯罪も前科扱いにしてほしい。前歴なんて機能してない。

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    2022年12月09日
  • 心にナイフをしのばせて

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    被害者遺族の話。
    被害者側の話がほとんどで加害者の話は触れる程度しかなく珍しく感じた。残された家族や知人、友人、それぞれの葛藤や苦悩が、宗教や自傷に縋る場面が生々しい。ニュースで事件や事故をみると遺族が報われたらいい、加害者には少しでも重い刑を…と感じることは多々あったがこの本を読んでそんな考えはおこがましい。事件を表面でしか知らない者の自己満足な発想なのかなと思った。きっと自分には計り知れない思いがあるんだろうと思う。

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    2022年10月17日
  • 丹野智文 笑顔で生きる ―認知症とともに―

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    当事者、その家族、サポーター、周囲の人、行政の人間などあらゆる人に読んで欲しい1冊。
    これから、家族が、自分が、目の前の人が、認知症かもしれない世の中ではきっと読んでおいて損はないはず。

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    2022年10月01日
  • ゆかいな認知症 介護を「快護」に変える人

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    認知症になっても、前向きに生きている方々のルポを読みながら、そうであろうとなかろうと、人間誰しも助け合い、支え合う存在があってこそ生きる喜びを得られると感じました。

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    2022年09月05日
  • 魂でもいいから、そばにいて―3・11後の霊体験を聞く―(新潮文庫)

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    10000円選書本

    幽霊は、たぶんいるんだろうなと漠然と思っている。
    私は理系で科学の子(笑)だけど、世の中に幽霊がいた方が、世界への理解が進む気がするからだ。
    ただ、幽霊が「良いもん」か「悪いもん」かの判断はつけかねている。稲川淳二の世界に出てくる幽霊は、きっと「悪いもん」。人を怖がらせる幽霊なんて、「悪いもん」に決まっている。

    でも、今回読んだ本に出てきた人たちは、みんな誰かの愛しい人で、「魂でもいいから、そばにいて」と願われる人・動物たちだった。

    読んでいると、
    「いやいや、寂しい気持ちを紛らわせるために、自分の都合のいいように生み出した幻影でしょ?」って思ってしまうシーンは多々あ

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    2022年09月01日
  • 心にナイフをしのばせて

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    少年法について考えさせられる本。加害者が被害者よりもいい生活を送れるかもしれないっていうのはやっぱりなんか心情的にどうかと思ってしまう、不幸になれって言う訳じゃないけど。それはやっぱり被害者に赦しを得てから、だと思う。

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    2022年06月20日