間瀬元朗のレビュー一覧
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ネタバレ 無料版購入済み
多数決の危うさを問う漫画
多数決で行動し発言するロボットの物語。そのロボットが強姦されて結果的に人を殺してしまう。それはある意味、民主主義国家が戦争に至るプロセスにも通じる。自分の意志を持たないロボットや、国家を動かす多数決原理には同じ危うさがある。最終的には法の支配を含め、それに関わる人達の民度が重要と気付かせてくれる。
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Posted by ブクログ
「死ぬ気になれば出来る」とか「死にたくなるくらい辛ければ逃げればいい」と言う言葉の空虚さに、そろそろ気付いてる人も多いと思う。「死ぬ気で生を謳歌させる為」に制定された「国家繁栄維持法」の元に、ランダムに注射されたカプセルに因って20代前半と言う時期に法律によって命を奪われる者たちの物語。誰でも思う「なんで自分が?」と。描かれる若者たちは、恐らく、彼らが居なくても世の中は回って行き、本人も「まさか自分ではあるまい」と生きて来て「その時には「なんで自分が?」となる。この作品に描かれているのは、どんな人にもこの世に生を受けた瞬間に何かしらの役目を担い、その価値は付けられないのだ、と言う事への焦点だと
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Posted by ブクログ
ネタバレこの作品には複数の視点がある。
イキガミによって死を決定される人々を中心とした視点と、イキガミという制度を中心とした視点だ。
序盤は前者が集中的に取り上げられており、これはこれで面白くも、しかし白々しい。
物語のテーマがイキガミの制度になってからが本番。イキガミによって死ぬ人間の見え方が変わってくる。各話は美談や社会派ドラマとして単独で完結するものではなく、尾を引くようないやな後味を滲ませるようになる。
それがいい。
そこからが面白い。
今から買う人は、できれば3巻までは継続して読んでほしい。そのあたりから作品の性質がじわりと変わるので。