ダロンアセモグルのレビュー一覧

  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(上)

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    2014年25冊目。

    わずか一枚のフェンスで区切られた「ノガレス」の北と南で大きな経済的格差が生じるのはなぜか。
    地理・気候・民族が同じ北朝鮮と韓国でこれだけ貧富が違うのはなぜか。

    国家の貧富を左右するのは「地理」「病気」「文化」ではなく、
    “収奪的”ではなく“包括的”な経済「制度」とそれを構築する政治「制度」が有るか否かだというのが、本書の主張である。

    ■「収奪的制度」:絶対主義、一部のエリートによる支配、新技術導入への渋りや妨害、商業の独占・・・etc
    ■「包括的制度」:多元的政治体制、議会の機能、イノベーション(創造的破壊)への寛容性や促進、認められた財産権・・・etc

    これらの

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    2014年04月27日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(上)

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    ☆チャーリーおすすめの一冊!
    非常に難しい内容ではありますが、とてもためになります。活用できる部分も多く、自分に取ってはバイブルとなる1冊です。

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    2014年03月26日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(下)

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    豊かさの国家間差を生む最大の要因は国家制度が包括的もしくは収奪的かの違いであり、地理説、文化説、無知説というような従来の定説では「国境を境とする2つの街の豊かさの差」を説明がつけられないとし、国家制度による国力発展への影響を様々な歴史事例から多角的に分析した本。

    権力による政治変革・自由競争の阻害は悪循環を生むため、世界各地域で走る保護主義政策はいずれ行き詰まるのではないかと感じた。近年大きく進んだグローバル化への揺り戻しではあるが、元の場所まで着地することはないだろう。
    一方、この本からでは政治権力と市場には限りなく自由と流動性を与えるのがよいと読めるが、その場合は国内の分断が限りなく進む

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    2025年05月09日
  • 技術革新と不平等の1000年史 下

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    面白かった。が、本当にそうなのかなという思いが拭えない。20世紀の一時期だけ経済成長と労働分配率が同時に上がっただけで、本来的にテクノロジーの進化の利益は投資できる資本家のものじゃないのだろうか。人類は経済活動に倫理観を取り込んできたのだと思うが、その蓄積が20世紀の一時期に社会福祉に向かったものの、その後、新自由主義の価値観に揺り戻されただけな気がする。テクノロジーの使い方や分配方法は選べなくて、そのときの価値観が支配的。戦争とか暴動とか災害とか発見とか、何か契機があってガラっと価値観が変わる、その動態という感覚。倫理観、社会やコミュニティへの信頼が大事。あとパワーバランスは柄谷行人を読まな

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    2025年03月20日
  • 技術革新と不平等の1000年史 上

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    イノベーションは労働者の平均賃金を上げる、労働者の生活水準も上げる、などが起こるには条件があるという話。言われるまでもない気がするが、どんな条件かが気になる。結局は資本家が力を増すようなものは労働者を貧しくするということのよう。しかし、1800年代後半になるまで労働者はずっと搾取されてきたのがわかり、かわいそうになる。人は時間をかけて道徳的になったのだな。下巻は現代また搾取が始まっている話らしい。気になる。

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    2025年03月08日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(上)

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    ネタバレ

    国家が貧困を免れるのは、適切な経済制度、特に私有財産と競争が保証されている場合に限られる。
    エジプトが貧困なのは、砂漠や気候、土壌、文化的特性、イスラム信仰、間違った政策、ではない。限られたエリートによって支配されてきたから。
    イングランド、フランス、合衆国、日本、ボツワナ、ブラジルで政治変革が起きたために、豊かになった。

    アリゾナ州ノガレスと、メキシコのソノラ州ノガレス。同じ地域、気候風土だが、生活は全く違っている。メキシコは独立後50年間、政情不安にあった。アメリカの銀行は、競争があった。メキシコの銀行間にはなかった。政治家は、選挙で勝つためには銀行と結託したくても続けられなかった。メキ

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    2025年02月20日
  • 技術革新と不平等の1000年史 下

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    少し難しい内容でした。
    上巻で人類の歴史上、技術革新が起きたら特権階級の人が富を得る、労働者階級の人は今まで以上の成果を同じ時間で求められるようになった。という内容だったと思います。
    下巻では、自動車工場等で労働者が集まり、労働組合を設立したことで、対抗策を作り技術向上に伴う利益の分配を求めることが出来た。
    このことから、技術革新の恩恵を分配する仕組みが格差を縮める方法であると予想される。
    ここ最近の技術革新とされる人工知能(AI)にも同じことが言える。この技術が特権階級に有利に働く事になれば、富の格差は広がってしまうだろう。
    このAIの技術は会社の経営者と労働者の話ではなく、国家と国民の規模

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    2024年12月01日
  • 技術革新と不平等の1000年史 下

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    技術革新は必ずしも人間を幸せにしないし、バンドワゴン効果も限られるし、トリクルダウンも起こらないという仮説を、いろいろな事例から検証したもの。過去に、全体が豊かになった時には「社会運動」「社会の連帯」が起こり、方向性が正されていた。今の時代、SNSなどで連携はし易い一方で、ヘイトなども起こりやすくなっているし、ネット遮断や監視に走る国家もあり、過去の事例は期待できそうもない。これは気をつけておかないと。

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    2024年09月01日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(上)

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    国家の衰退、貧富の差が出来るのは国のトップの考え、経済制度、収奪的制度が強く影響していることがよく分かった。無知が貧困を招く、経済制度、共産主義、創造的破壊、奴隷制度、包括的制度、イデオロギー、計画経済を基に過去の歴史を紐解いており、世界史を考えるきっかけになったという意味で良書だと思う。

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    2024年08月24日
  • 技術革新と不平等の1000年史 上

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    ネタバレ

    経済学の大御所であるダロン・アセモグル氏が、「技術革新」といったまさに現在タイムリーな論点について本を執筆してくれるのは本当にありがたい。

    上巻では「技術革新」というテーマについて、主に労働市場の観点から議論が展開される。押さえておくべき論点は、生産性バンドワゴンが機能するための2つの前提条件であろう。1つ目は、「労働者の限界生産性の向上」で、2つ目は、「労働者の交渉力」である。上巻では、これらの条件が歴史を通じて満たされてきたのか否かについて、歴史的エピソードを用いながら検討していく。

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    2024年08月03日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(上)

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    ネタバレ

    「国家の衰退は制度がもたらす」「地理は関係ない」という主張に、思考が非常に刺激された。包括的制度(自由?)の重要姓を主張するので、人によっては自由主義野押し売りと感じるかもしれない。

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    2021年05月29日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(上)

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    長期的な経済発展の成否を左右する要因は、政治経済制度の違いである。
    経済発展には、inclusive=包括的な政治制度(民主政治)と包括的な経済制度(開放的で公平な市場経済)との相互依存というメカニズムが存在する。
    また、良いスパイラルとは逆の、独裁政治と収奪的な経済制度との悪循環も同時に存在する。

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    2018年10月13日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(下)

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    上巻に続き、国家規模の貧富や発展の差がどこから来るかについての研究。資源や文化、人種ではなく、制度であるとする主張とその裏づけが詳しく語られていることや、今世紀に入ってからも同じ愚行を繰り返していることに気づかされとても驚く。国連やNGOなどが貧困対策を講じているがなかなか改善しないことの原因が理解でき、この手の分野に関心のある人は必読。また、国だけでなく会社や組織の成長にも大きく関わる知識である。

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    2016年08月04日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(下)

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    長期的な経済発展の成否は、政治経済制度のちがいであり、社会を支配している制度的枠組みが、収奪的であるのか、包括的であるのか、の違いが、持続的な経済成長が可能となるかどうかを左右していると、主張している。

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    2015年11月07日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(下)

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    下巻では、ヨーロッパに植民地にされた南米やアフリカの国々が、その遺産の制度にどのように対処したかによって、今日の貧困などの状況へと至る道筋を歴史的に見ることができます。また、先見の明のあるリーダー達によってそれを回避できた事実も教えてくれます。
    収奪的な制度、包括的な制度という2つの選択肢から、いかに一方に変わりにくいかということを、それぞれに固有のインセンティブに原因が見出されています。これは今日の我々の社会でも重要な視点ではないかと思います。

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    2015年05月03日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(上)

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    なぜいま国家や地域によって経済や成長にここまで格差が生じているのかを考察した本。名著「銃、病原菌、鉄」では「近くにいた動植物がたまたま飼いならしやすいもので食料化し、かつそれらにいた病原菌を欧州民族が最初に抗体をつけたから」みたいな要因に格差が生じる根本原因を見出していたが、本書ではそれを社会システムに求めている。(歴史的偶然性である、というのはどちらも同じ結論なんだけど。。)

    つまり、多元的・民主的政治システムは包括的システムであり、その下にはやはり包括的な経済システム、具体的には人々が発展することへのインセンティブが生じ、経済が発展すると説き、莫大な量の事例でこれを証明している。

    慧眼

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    2014年11月25日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(下)

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     読み進めるにつれて、この題名の意味について考えさせられる。・・・・副題だけで十分ではないかと。
     たびたび手を休め、考える。副題だけだと、「何だ、富や権力起源はそんなところなのかー」と、狭い範囲で納得してしまう気がした。
     今、12章の悪循環を読んだいる途中だが、最後まで読み、通読してから、タイトルをふりかえりたいと思う。

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    2014年11月18日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(下)

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    日本は分権、中国は中央集権、大きさが全く違うのに中国が中央集権を出来たのはすごい。
    豊かになるには搾取するか、独占するか。奴隷制度、プランテーション。メディアの独占。
    日本もドイツも経済的に豊かだったがそこからナチス、軍国主義が生まれている。
    搾取をしないのであれば、何かの制限をかけて対等な豊かさを生むしかないのか。

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    2014年08月08日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(上)

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    収奪の体制になると経済的な成長が止まるという理論。過去のいろいろな地域、国を事例として説明している。
    政治体制によって経済体制が決まり、成長のインセンティブが働くなくなると国家は衰退する。国家の衰退を経済的な衰退ととらえている。
    政治体制が民主的であれば経済成長が促される仕組みになっている。ただ、ローマを事例にとると民主から独裁へと移行しており、民主から他の仕組みに移行する可能性はある。
    「隷属への道」では政治的な自由よりも経済的自由が重要と言われており、つながるところがある。というのも、収奪的な政治体制でなければ経済的な自由は保障されるので、民主主義にはこだわっていないと言える。

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    2014年06月14日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(上)

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    「国家はなぜ衰退するのか」(上)は「国家はなぜ衰退したのか」「国家はなぜ繁栄したのか」「国家はなぜ繁栄できないのか」の事例のショーケースでした。包括的制度と収奪的制度という本書の提示するフレームワークのもと、産業のイノベーションが事業者に対してインセンティブをもたらす政治体制かどうか、というシンプルな視点で古今東西の国家の盛衰を語っていきます。初めに結論をハッキリさせておいて次々とサンプルを繰り出してくるのでテーマの重さの割りには一気に読めました。そういう意味では本書でも何回も言及されている「銃・病原菌・鉄」がゆっくり読み進まないとならなかったのと違いを感じました。西欧と東欧の違い、イングラン

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    2014年05月06日