ダロンアセモグルのレビュー一覧

  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(上)

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    なぜいま国家や地域によって経済や成長にここまで格差が生じているのかを考察した本。名著「銃、病原菌、鉄」では「近くにいた動植物がたまたま飼いならしやすいもので食料化し、かつそれらにいた病原菌を欧州民族が最初に抗体をつけたから」みたいな要因に格差が生じる根本原因を見出していたが、本書ではそれを社会システムに求めている。(歴史的偶然性である、というのはどちらも同じ結論なんだけど。。)

    つまり、多元的・民主的政治システムは包括的システムであり、その下にはやはり包括的な経済システム、具体的には人々が発展することへのインセンティブが生じ、経済が発展すると説き、莫大な量の事例でこれを証明している。

    慧眼

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    2014年11月25日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(下)

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     読み進めるにつれて、この題名の意味について考えさせられる。・・・・副題だけで十分ではないかと。
     たびたび手を休め、考える。副題だけだと、「何だ、富や権力起源はそんなところなのかー」と、狭い範囲で納得してしまう気がした。
     今、12章の悪循環を読んだいる途中だが、最後まで読み、通読してから、タイトルをふりかえりたいと思う。

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    2014年11月18日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(下)

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    日本は分権、中国は中央集権、大きさが全く違うのに中国が中央集権を出来たのはすごい。
    豊かになるには搾取するか、独占するか。奴隷制度、プランテーション。メディアの独占。
    日本もドイツも経済的に豊かだったがそこからナチス、軍国主義が生まれている。
    搾取をしないのであれば、何かの制限をかけて対等な豊かさを生むしかないのか。

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    2014年08月08日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(上)

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    収奪の体制になると経済的な成長が止まるという理論。過去のいろいろな地域、国を事例として説明している。
    政治体制によって経済体制が決まり、成長のインセンティブが働くなくなると国家は衰退する。国家の衰退を経済的な衰退ととらえている。
    政治体制が民主的であれば経済成長が促される仕組みになっている。ただ、ローマを事例にとると民主から独裁へと移行しており、民主から他の仕組みに移行する可能性はある。
    「隷属への道」では政治的な自由よりも経済的自由が重要と言われており、つながるところがある。というのも、収奪的な政治体制でなければ経済的な自由は保障されるので、民主主義にはこだわっていないと言える。

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    2014年06月14日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(上)

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    「国家はなぜ衰退するのか」(上)は「国家はなぜ衰退したのか」「国家はなぜ繁栄したのか」「国家はなぜ繁栄できないのか」の事例のショーケースでした。包括的制度と収奪的制度という本書の提示するフレームワークのもと、産業のイノベーションが事業者に対してインセンティブをもたらす政治体制かどうか、というシンプルな視点で古今東西の国家の盛衰を語っていきます。初めに結論をハッキリさせておいて次々とサンプルを繰り出してくるのでテーマの重さの割りには一気に読めました。そういう意味では本書でも何回も言及されている「銃・病原菌・鉄」がゆっくり読み進まないとならなかったのと違いを感じました。西欧と東欧の違い、イングラン

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    2014年05月06日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(下)

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    非常に刺激的な内容の本であり、著者達の理論には説得力があるように感じた。膨大かつ詳細な事例は、その理論を裏付けるために実に手際よく叙述されている。

    今回、同書を電子書籍で読んだのだが、紙媒体の本で読むべきだったとちょっと後悔。というのも、線を引いたり、ページを折ったり、付箋を貼ったり、メモを書き込んだりするのは、やっぱり紙媒体の本が便利。上記のアクションは電子書籍でもすべて可能なのだが、やはり違うね。

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    2014年03月11日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(上)

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    包括的な政治制度と包括的な経済制度が国家の繁栄をもたらし、逆に収奪的政治制度と収奪的な経済制度が国家を衰退させるという新しい視点がとても納得できた。しかし言ってることがそれだけで、ほとんどがその繰り返しである。豊富な例を挙げていると言えばその通りだが、私にはしつこく感じられた。

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    2014年01月19日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(下)

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    本書を読みながら、グローバルヒストリーという言葉が浮かんだ。

    著者の、収奪的制度はインセンティブを起こさず、発展を阻むという理論の例証に、数々の国が登場する。日本も多くのページ数が割かれているわけでは無いが、ペリーの黒船が来航して以降、明治維新への流れが触れられている。ペルーでは、侵略者に対し、なぜ同じように抵抗し、打ち勝つことが不可能だったのか。もし、成功していればペルーは現在よりも豊かな国家となっていたのではないか。

    それは、小さな相違と偶然性という言葉で表される。そして歴史の形態の一部であると。

    横断的展開は、アフリカのシエラレオネやツワナのダイヤモンドへの対応、中国共産党の独裁制

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    2014年01月11日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(下)

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    国家が繁栄するのか、貧困したままでいるのかを分ける原因を国家統治体制に求める大著の下巻。最終章である15章にこれまでの議論がおおよそまとめられている。
    主張のポイントは、収奪的制度の下では一時的には成功したように見えることがあるが、その成功は大きく二つの理由から持続的でないということである。一つは、創造的破壊に伴う変化を嫌うためにイノベーションが発生しないことと、二つ目は支配層が持つ特権をめぐって争いが生じるための不安定さである。
    そして、収奪的制度から包括制度には自然には発展しないということも強く主張する。日本やイングランドを含むいくつかの事例があるが、中国やロシアやアフリカ、中南米の貧困国

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    2013年12月30日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(上)

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    地理的要因と家畜化および農耕化可能な野生生物種の存在を文明発祥の起源としての条件を提示したジャレット・ダイヤモンドの名著『銃・病原菌・鉄』に対して、その統治形態によって、国家の趨勢が決まるというのが本書の要点だ。
    しかし、『銃・病原菌・鉄』のスコープと本書はスコープと論点が異なっており、明らかに互いに排他的な議論をしているわけではない。名が通ったものを恣意的な解釈のもとにアンチとして定義し、それ対して自らを対置することで正当性を主張する手のように見え、あまりいい印象を持つことができない。

    著者の主張をまとめると、ごくシンプルで、統治形態が収奪的である場合は経済的繁栄は持続しないし、包括的制度

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    2013年12月30日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(上)

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    国が豊かかどうかを規定する因子を考察している。つまり、国民にインセンティブを持たせることができるか、どうか。それは、経済制度であり、政治制度が、どのような形をとっているのか。アメリカとメキシコの国境の街ノガレスを例に挙げ物語が始まる。

    創造的破壊を拒絶するような絶対主義のもとでは、インセンティブは育たない。もちろん、創造的破壊によって、統治者やエリートは多くのものを失いうる。抜本的なイノベーションを導入するためには、常に新規参入者を必要とする。多元的なものを許容できる政治制度、つまり変化し続けることが生き残るための秘策なのだろう。

    私のような基盤を未だ持たない者にとっては、本著はきわめて刺

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    2013年12月07日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(下)

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    確かに評判通り面白いんだけど....
    説得力はあるんだけれど,ちょっと冗長かな.同じような話,事例が繰り返されて,もうちょっとコンパクトにできんかな?と思いました.
    自分は以前は発展の初期段階では社会主義が効率よくって,その後は上手く資本主義に移行することが出来れば(そんなことを達成出来た国は未だかつてないんだけど),最も早く発展が可能である,なんて考えていたけど,筆者らの理論によれば無理なんですね,それは.我々の(日本の)今の幸せは,極めて危うい綱渡りの末に達成できており,紙一重で成功があることを痛感.

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    2013年11月17日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(上)

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    ネタバレ

    マックスウェーバーは国家の本質を『合法的な暴力の独占』と定義した。中央集権していない国家は政情不安を招き、混沌となる。そしてその盛衰は文化や地理的気候が決めるのではなく、国家の政治・経済制度が決める。収奪的制度(≒共産主義?)を採る国は一部のエリートが富を得ることで、それ以外の人々との内紛や政情不安を必ず引き起こす。エリートは情報を操作し、自由な発想や創造的なものを破壊してしまうからだという。
    つまり十分に中央主権された強力な国家と多元的価値観を認める政治・経済制度の共存が、繁栄できる条件なのだ。

    植民地時代においても王に集権していたスペインと多元的なイギリスとの差がその後の繁栄を分けた。

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    2013年10月20日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(下)

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    開発経済についてはトダロくらいしか読んだことがなくて詳しく知らなかったのですが、この本はその方面というよりも、人類学的な視点で読むべきかと思われました
    面白さは折り紙つきであるといえるでしょう

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    2013年10月07日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(下)

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    本書自体は膨大な歴史実証の本で大変素晴らしい内容であるが、上巻に比べると、ケーススタディばかり書いてあって上巻に加えた純な付加価値はほとんどなかった(つまり、オチが一緒だった)ので、読んでいて正直退屈であった。従って、本書を読む際は新たな理論的枠組みを知ろうという目的で読むと期待外れな結果になってしまうので、上巻の理論的枠組みの事例紹介の続きを読むような心持ちで読んだ方が良いと思った。言い換えれば、経済成長史の本として読むのが適切であろうということである。
    個人的に付加価値があるなと思ったのは最終章(15章)で、ここでは本書の締めくくりのみならず開発経済学の観点から見て興味深いポイントがいくつ

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    2013年07月20日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(下)

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    興味深い内容だったが、久々の翻訳ものは、読むのに苦労してしまった。

    とりあえず、選挙には行かないとと思った。

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    2025年11月02日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(上)

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    国がどうやって繁栄するのか、なぜ衰退するのか、を色んな角度から説明してくれる本。

    経済的な制度と政治が重要だとはわかった。文化的や地理的な説も多いが、それは違うとも言っている。日本で生まれたことは恵まれたことだなぁ、私は自由だなぁと感じられた部分もあった。今の私レベルだと「へぇ~そうなんだ〜」という感じだが、いつか何かのきっかけでこの知識を思い出せたらと思う。

    とはいえ、翻訳だと一文が長くて、なかなか読みにくい。うーん、くどいかも。内容は魅力的だから、この本をもとに池上彰さんとか日本語を平易に使ってくれる方に再編集してもらって、図録付きで出版してくれたら、と思ってしまった。もっと軽快なテン

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    2025年10月19日
  • 技術革新と不平等の1000年史 下

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     つまり、当時のテクノロジーは、それらが排除した機会と同じだけ、労働者向けの機会も創出したのだ。これは、自動車産業における大量生産に関して見たのと同じ理由からである。通信、輸送、製造のテクノロジーの改善によって、ほかのセクターが活気づけられたのだ。だが、より大切なのは、 これらの進展は、それが起こったセクターでも新しい雇用を創出したことだ。数値制御やほかの自動機械が人間の操作者を完全に排除することはなかった。というのも、一つには、それらの機械は完全には自動化されておらず、生産を機械化するにつれて多様な追加作業が発生したためだ。


     あるレベルでは、なにが起こったのかは明らかだ。戦後の共有され

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    2025年07月12日
  • 技術革新と不平等の1000年史 上

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    進歩のバンドワゴン
     テクノロジーの進歩は共有利益をもたらすという楽観主義の根底には、「生産性バンドワゴン」というシンプルで強力な一つの考え方がある。これは、生産性を高める新しい機械や生産方法は賃金をも上昇させるという主張だ。テクノロジーの進歩につれて、バンドワゴン〔パレードの先頭を進む楽隊車)が、起業家や資本家だけでなくあらゆる人を引っ張っていくというのである。


    説得する力は絶対に堕落する
     たとえ、われわれが権力者のビジョンに行き着く可能性があるとしても、彼らのビジョンが十分に包摂的で開放的となることを、少なくとも希望することはできるだろうか?というのも、彼らが自分たちの構想を正当化す

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    2025年07月06日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(下)

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    ネタバレ

    長期的な経済発展は、地理的、環境条件、社会学的要因、文化の違い、生物学的遺伝的差異でもなく、政治・経済制度の違いにある。
    包括的な政治制度と包括的な経済制度の組み合わせが必要。収奪的政治制度と包括的経済制度ではだめ。新自由主義は、その見本。

    収奪的政治制度のもとでは、破壊的イノベーションは起きても潰されやすい。既得権益を守るため。規制緩和は限界をむかえる。
    中国のような収奪的政治制度のもとでは、経済の自由度が高まっても破壊的イノベーションは起きにくいので、経済成長は持続しない。

    収奪的政治制度がデフォルト。

    長期的には、自由民主政治と資本主義は不可分。格差があっても、経済強者の交代可能性

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    2025年07月02日