ジョンスコルジーのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
シリーズ前作『ゾーイの物語』ではコロニー開拓の描写が多いだけでなく、主人公が女子で若干ヤワな雰囲気だったが、今回は陰謀や戦闘が多くこのシリーズらしさを取り戻している。13のエピソードが短編となっており、それぞれ結末を迎えつつ、全体として話がどこかでつながっていく構成。話を追うにつれ、お互いにあまり好意的でない仲間たちが、好意を持てないまま何となくチーム風になっていくさまがおもしろい。
そして最後…終わってないじゃん。最後引っ張って次のシーズンに続くというTVドラマ的展開はよろしくないと訳者もあとがきに書いてる。そして読後、チュロスを食べたくなったのは私だけではないだろう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレシリーズ2を手にとってパラパラと見たら1とは全然登場人物が違う。毎回違うステージの話なのかと思ったらそうではなく、1と3は同じというので2を飛ばしてこちらを読んだ。結論から言うと2を全然読んでなくても支障はない。2の話が3に出てきているのかどうかはわからないレベル。
ジョンは家族とともに行政官として植民惑星ロアノークへ向かう。ロアノークへ向けて宇宙船はジャンプを終えたが、到着した惑星はロアノークではなかった。仕組まれた間違いには何が隠されているのか。
『月は無慈悲な夜の女王』が、アメリカ人にとって独立戦争を想起するものだというが、こちらのこの話もそういう含みがあるんじゃないかと思った。ただ、植 -
Posted by ブクログ
ネタバレ楢山節考。姥捨山。
それを連想せずにはいられない。この作者はそういうことを知ってるのかなぁ。
人生終わりかけの年寄りを使って地球防衛するのだが、ピチピチの若者レベルまで人体改造を施して訓練しても生存率は極々わずか。
主人公は生き残るから物語になる。しかし、物語の背景に結局は年寄りを使い捨てているところがある思うと、単におもしろいで片付けていいものか。小説としてそこに突っ込んでいくとおもしろくなくなってしまうのは間違いないが、そっちに行けばノーベル賞も夢ではないと思うね。
地球防衛するわけじゃないにしても、生産年齢から外れるお年寄りに生産性を上げてもらうことは社会的には非常に有意義なんだよな。高 -
Posted by ブクログ
他の惑星を植民地にする人類。宇宙にはたくさんの部族が存在する状況で、あたかも全宇宙を支配するかのように振る舞うコンクラーベ(地球で一般的なコンクラーベとは異なる)。ジョン・ペリー(かつて緑色の肌で戦った老人兵士)とゾーイを含む者たちは、新しいコロニーに入植するが、そこにコンクラーベの魔の手が伸びてくる。さて、この危機をどう乗り越えるか。状況が二転三転するのはエンタメ小説の定石なので、素直にストーリーを堪能しよう。コンクラーベの本当の姿やポリシーに翻弄されながら、先を想像するのが楽しい。さて、本作品は「老人と宇宙」シリーズの完結編となるらしい。とはいえ、続編があるので、引き続き読んでいきたい。
-
Posted by ブクログ
文字多めかなーと思いましたが、さくさく読めました。
ご老人が宇宙に出てとにかくバトル。ストーリー的にも、頭からっぽにして、突っ込みどころは気軽に突っ込みながら、目の前のシーンを楽しく読んでいると終わるような本。想像がふくらむし、スケールは大きいし、こういう話は好き。
どう考えても老人のメンタリティじゃないっていうか、皆さん完成豊かだなあとか、年齢の割りに精神がヤング。枯れた感じがほんとにないなぁと思うけど、老人要素は「既に一つの人生を終わらせている」という部分で感じればいいかという感じ。
ブレインパルとか、スマートブラッドとか、あのへんのロマンあふれる設定が楽しいです。そこまでやって、 -
Posted by ブクログ
ウィルスに感染した人が意識はそのままに体が動かなくなる症状に陥った。その状態をロックインと呼び、ロックイン状態になった人は“スリープ”というロボットのようなものに意識を移して日常生活を送る。ロックイン状態の人だけが入れるサイバー空間などもあり、この舞台設定だけで、もう面白い。
ストーリーは殺人事件の捜査であるので、犯人探しがメインとなる。物語の舞台がモロSFなので、捜査方法から犯人の行動が常識では考えられない展開を見せる。純粋なミステリーファンには、もしかしたら受け入れられないストーリーかもしれない。一方でSFファンにとっては、ロボットやらサイバー空間やらは慣れているだろうから、違和感なく物