星野概念のレビュー一覧
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誰かにシェアする話でもない‥今日いいことがあったという誰にも奪われない自分だけの嬉しさを味わうことって生きていていい自信にもつながる。
料理は誰からも指図されない、思うままにやっていい。成果がすぐに現れてちゃんと美味しい。料理で自尊心を保つことができる、自分を丁寧に扱う行為、自分をケアする行為なんだなという文が心に沁みた。誰かのためじゃなく、自分の為の料理が自尊心を育み、人生を生きやすくするんだ。
料理は元々好きだったけど、もっと自分の為に作って良いんだなって、誰かに許された気持ちになりました。自分が喜ぶ食材を買って自分が好きな味付けにして、ここまで自分をケアできる行為って他にないかもしれない -
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本書から、自炊料理という日常的で、個人的で、ともすれば誰からも褒められることもないかもしれないささやかな行為に悩む人達が、実はその背景に自尊感情に悩んでいたり、傷ついていたりするということが分かってきます。そして、料理が個人的な行為だからこそ、もっと自分の五感や気分に素直になって、自分自身を労ってあげても良いと料理家の著者と精神科医の星野氏は優しく説いているように感じました。
比べるのは他人とではなく、料理を楽しめなかった以前の私であり、自分が食べたい物を食べたい味で食べられるのは、健康的な人生において大切なことと思いました。明日からの料理のハードルが少し低くなった気がします。 -
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ネタバレまるで朝ドラ「虎に翼」の「はて?」というセリフのタイミングを集めたような本。
当たり前だと思っていたのに「あれ?おかしいかも?」と気づく場面。
様々な立場の方の寄稿が集まってて一つ一つ短い。軽そうで、全然軽くない。
この本にはフェミニズムというテーマだが、「弱さを認めて、差別を減らして、共に生きていく社会」みたいな風潮が感じられる。弱さを見つめるために、それぞれが自分の生い立ちを話している項が多い。
以下、ネタバレ
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鴻巣麻里香「脱抑圧の三代記」
p.69
「子どもがいるんだから、そんなに無理して働くことはないんじゃないか。一度仕事のペースを落として、子育てに専念し -
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多様な職業や様々な性自認を持つ19人が「あなたのフェミはどこから(はじまりましたか)?」の問いに対して、ナラティブに応えてくれる。個人的な生育歴や経験は多様でもどこかで共通する体験が語られ、フェミニズムとの出会いや現在の活動、到達点などを綴るリレーエッセイとなっている。1948年に定められた世界人権宣言の第1条は「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である」と記載され、第1条のあとに「人間は、理性と良心を授けられており、互いに同胞の精神をもって行動しなければならない」と続く。○国ファーストと排外主義が飛び交う今日において、人権感覚を研ぎ澄まし、ジェンダー
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自身がフェミニズムに対して、ちゃんとつかまえることができていないからだと思うが、わかりやすく入ってきたのは、星野概念さんと武田砂鉄さんの文章。フェミニズムだけでなく、自分とは異なる人との対峙には、必ず客観性を忘れてはならない、という点はいつも思うことだし、そうすることで少しでも中に入り込むきっかけになるかもしれないのだと改めて思い返した。適度な距離と、想像力と、それを反芻する能力が高まることでお互いがもやもやせず、もう少し前を向いて生きていけるような雰囲気が作り出せそうな気もするが、それがなかなか難しいのだよな、と改めて思ってしまった。
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みんなが悩む「自炊」について、
料理研究家の方がパッションではなく
かなりロジカルに解説された本書。
山口さんと星野さんの柔らかさ、
会話形式という方式により
非常に読みやすくなっているが
あまりに美しい因数分解に舌を巻いた。
そして驚くほど腹落ちし、とても許された気分に。
(なぜ料理が億劫なのか、料理とは、など)
きっとどの料理家さんも思っていることだとは思うんだけど、他の本だとあまりにパッションだけが全面に出過ぎているイメージがあり、
「だからそこにいくまでに至ってないんだって、、泣」とずーっと胸焼けしていたので。
対談内のお二人の寄り添い方、距離の取り方が
とても心地よく、なんとな -
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コミックエッセイで読めるうつ病についての本。
ハラユキさんの本は初めて手に取りました。
ご自身の経験をふまえて、
・受診の目安
・病院の選び方
・マタニティブルーや更年期との違い
・どのような経過をたどり、現在はどうしているか
などが分かります。
本の中で少し触れられているオープンダイアローグについて、もう少し知りたくなったので関連書籍をあたるつもりです。
ストレス社会だもの、誰でもみんなうつになるよね
という軽いテイストながら、押さえるところは抑えられていて、入門というか「私ってもしかして……」と思っている人に優しい内容になっていると感じました。 -
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料理をするのが苦手、好きになれず、かと言って、「上手くなりたい」という気持ちの矛盾の中で、いわゆる「料理本」ではないものを探してました。
たまたま、「料理コーナー」で見かけたのが、本書。
心理学者の方が共著されていますが、そんなに堅苦しくありません。そして、期待通り、料理に対する「責任感」という呪縛から、「うーん、結局は楽しんで、自分の好きな味で、好きなものを食べる事が、本来の「摂取」本能であり、料理をする事の本当の価値なんじゃないか」と思えるようになりました。当たり前のことかもしれませんがー。
自分なりに、何かその時その時の「愉しさ」みたいなものを見出していけば良いんだなぁと思いました。大 -
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ひさしぶりに心に響く本に出会えた。鬱で家事をする元気がなくなり、特に料理は一切手につかなくなって、なぜ料理だけこんなにもしんどいのだろう?と考えていた。全てここに答えが載っていた。自分のために料理をするのが勿体無い、考えることや済ます工程が多過ぎて複雑、自分のための料理に価値を感じない、なんなら自分に価値を感じない(ゆるりとしたセルフネグレクト)、料理をしても特に対価がない、食に興味がないなど。自炊というものに関して、根底から覆す本だと思った。途中でやめても良い、一汁一菜で十分、なんなら味噌汁を作るだけでも上出来、少し用意して食べて元気が出てきたら続きを作るなど…山口さんありがとう…とても元気
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とてもいい本だった。
しらすとカブのサラダも、大根バージョンで作ってみたけれど、とても美味しかった。
レンチン シーフードカレーも作ってみたい。
でもこれは、レシピ本ではない。
料理家の山口さんが、なんでか自分のためには料理を作ることができない人と対話しながら、
「なんで人のためには作れるのに、自分のためになると面倒になって作れないのか」を考える本。
相談者はいろんな人がいる。
まずは「死ぬまで生きる日記」の土門さん。
レシピ通りじゃないと作れないのはなぜか、という悩みや、妻のためなら作れるが、自分のためには作れない男性。
仕事はバリバリこなし、パートナーにも料理をすることを求められて -
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心と体のバランスが悪いと自覚して心療内科にかかった経験があるので「わかりみしかない!」と心の中で叫ぶ箇所がいくつもありました。
「自分はタフだ!」と思っているような人でも、タイトル通り本当にちょっとしたきっかけでうつや適応障害になる可能性はあります。
だからこそ、精神科がどんなところでどんなことをするのか、こころの不調時に自分でやれそうなことのヒントなど、読んで知っておいて損はないと思います。
薬の処方・副作用への不安、服薬量や期間についての医療サイドの考え方、治療期間の気持ちの波との向き合い方、家族はどうすれば良いのかなどなど、とてもわかりやすく書かれています。