太田肇のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ近年、マスコミの公務員バッシングが激しさを増している。また、公務員をたたいたりポピュリズム型公務員改革を進めたりすることで世論にすり寄ろうとする政治家もいる。これらは理論的・論理的に考えると、公務員の”やる気”を失わせることにつながる。
現在公務員は約345万人おり、さらに政府系企業などを加えると約538万人に達し、雇用労働者数(約5462万人)のほぼ10人に1人は「公務員」であるため、公務員をいかにして動機付けるかは日本全体に関わる重要な問題である。
1.公務員のモチベーションを低下させる要因
①目にみえる待遇悪化
モチベーション理論の一つに、J.S.アダムスらが唱えた「公平理論」がある。人は、自分の仕事に対するインプット(貢献)と仕事をとおして得られるアウトプット(報酬)が、釣り合っていると感じたとき満足する。よって公平とされる基準である人事院や人事委員会の勧告以上に給与等が削減されると、モチベーションが低下し、生産性が低下してしまうおそれがある。
②公務員バッシング
ある社会心理学的研究によると、職業的自尊心と組織的個人的違反には負の相関がある。すなわち、バッシングやクレームにより自尊心が傷つけられてしまうと、違反や不祥事など目に見えないところでのサボタージュが発生する。
③成果主義の導入
行政改革により、公務員にも成果主義が導入されつつある。しかし、先行した民間企業においては、社員の動機付けや生産性向上の面で目立った効果をもたらさなかったうえ、社員の不満や不公平感が大きく、撤回もしくは大幅に見直されている。公務員の場合も客観的な評価は困難であり、評価するとなると、必要のない仕事や会議を行うなど、表面上のやる気をアピールされてしまうだろう。
2.やる気の根源(下記の①~③)とその増加手段
①内発的動機付け(奉仕の精神・夢)
公務員には、住民のために尽くしたいとか、少しでも地域を発展させたいという思いを持っている人が多い。特に、スーパー公務員と呼ばれる人の中には、自分の生まれ育ったまちを豊かにしたり、地域の人たちを幸せにしたりすることを夢見て、それにまい進している人がいる。
②仕事の自律性
やる気を引き出す上で、責任を伴うが自由度が高い、つまりは自律性が高いことが重要である。しかし、以前と比べ裁量権が小さくなっているようだ。要因の一つとしては、管理職過剰がある。上司は手持ちぶさたの中で、自分の存在感を示そうとするので、部下の仕事に細かく口を出したり、頻繁に相談・報告を求めたりする。
改善策としてはポストの削減が浮かぶが、承認欲求を満たすためにも、ある程度のポストは必要である。よって、民間企業同様に、課長クラスまではプレイングマネジャーになってもらい、部下の管理を最小限にとどめてもらうのがよいだろう。
また、仕事の分担を明確化し、その範囲内でできるだけ裁量を持たせる。《ただし、能力に合わせて仕事を割り当てないと、職員間の不公平感が高まるおそれがあると思う。とは言え能力に合わせて仕事を割り当てることは難しい。》
③承認欲求
マズローの欲求五段階説にもあるように、人間には認められたい、ほめられたいという欲求があり、他人から承認されることでやる気が出る。
よって、上司が具体的な事実や客観的な情報に基づいて部下をほめたり、認めたりするとモチベーションが上がる。
また、役所の外でも認められる機会が得られるように、公務員に講演やシンポジウム、マスコミでの発言、専門誌への寄稿などを奨励するのもよいだろう。地味な仕事の場合は、ホームページや広報などで紹介する。 -
Posted by ブクログ
自発的モチベーションの源は「所有感」
やる気主義>反比例してやる気は低下
感情労働>ホックシールド
同質性を基本にしたチームワークから異質性を基本にしたチームワークへ、自分を殺すチームワークから自分を生かすチームワークへ
管理の効果はすぐ表れるのに対し、その弊害はゆっくり表れる
良い人間関係と濃密な人間関係はイコールであるかのように考えがちだ>濃密な人間関係は窮屈さの裏返しであるし、1つ間違うと危険な顔を見せる。>温かさ、面倒みのよさと息苦しさ、不自由さとは文字通り紙一重
マネジャーというものは、自分のやる気や意気込みが強すぎると、その意欲とエネルギーが部下の管理に向かう。またマネジャー自身が上司からやる気や忠誠心を見られていると思うと、それをアピールするため部下の過剰に管理してしまうことがある。
そもそも冷静に考えてみたら分かるように、苦労すること、汗をかくことだけが尊いという社会は暗いし、恐い。
ただ、ふつうに見られる「やる気主義の失敗」はもっと善意から生じる。それだけにいっそう始末が悪い。
「所有感」こそが「やらされ感」の対極にあるものだ
社員にやる気を出させるポイント2つ>社員に楽をさせる。(ホウレンソウ禁止)。管理をしないこと。
社員のモチベーションを引き出すには「社員のやる気をなくす要因を取り除いてあげればいい」
あえて評価はアバウトに>やる気を失わせる最大の元凶は「評価」>アバウトと不正確とは混同し易いが、まったく違う。
「管理は腹八分で」
管理は片手間に>片手間のほうが視野が広がり、物事を長期的に見ることができる>片手間と無責任とは違う。
「最大の問題は『管理したい』という欲求を抑える方法を本能的に体得している人が、あまりにも少ないという点なのだ」エクセレントカンパニー著者
部下の仕事を見るときの大事なポイントは、できるだけ「川下」すなわち成果や目標に近いところで見る。 -
Posted by ブクログ
「ノウハウ情報を仲間に教えるか」で、欧米が90%近いのに、日本が50%なのは、残念だけど、理解はできると思った。
曰く、日本人は決まった仕事を決まったメンバーでこなすのは得意だが、新しいプロジェクトを新しいメンバーで進めていくとなるとさっぱりだめなのだそうだ。
新しいプロジェクトを新しいメンバーで運営するには、プロジェクトに対しても、またほかのメンバーに対しても自ら積極的に関わっていかなければならない。日本人はそれができない。プロジェクトの目的を達成するために、また自分の役割を果たすために周囲と力を合わせていこう、他人を巻き込んでいこう、という意思と気迫がたりないのである。
著者の主張では、過剰な管理はやる気をへらしてしまう。仕事に所有感を持たせること、評価は細かく行わず、アバウトにすること。
管理職はプレイング・マネージャーになることなどが進められている。 -
Posted by ブクログ
本屋をぷらぷらしていて、タイトルと目次が面白そうだったので買ってみた本。
自己の迷走っぷりに歯止めがかかるかも、という淡い期待もあったのですが・・・。
書いてある内容は、『まぁ、そうだよな~』と共感できることが多く、読みやすい書き方なのでさくさく読める。(ちょっと変な書きぶりの所もあって「??」と思う部分もあったが)
私的には答えを導くきっかけを見出す、というよりも読中そうか~といいながら自分をなぐさめているような感覚を覚えてしまいましたが…。
読んでいて最初に思ったことは、「これって会社の話じゃなくて、学校の話じゃないの!?」ということ。(本文中にもそういったことに少し触れてた部分があったかな…?)
…三つ子の魂百まで…ってことなんですかねぇ。
そういえば、学校行ってたときにも、似たような事でプリプリ怒っていたかも・・・。
ということは、私も進歩がないということか。
やっぱり三つ子の魂百までオチ。
ただ、後半はマネジメント層向けの話が主だったので今の私が求めているものとはちょっと違ったかな…と。
ただし、(自分が今後どういった立場になるかはわからないが)今後生きてくる可能性もあるわけだし、この読書体験は無駄にはならないと思う。
まあ、そういった内省・考察を促すきっかけになったってことで、★三つ。 -
Posted by ブクログ
日本の職場では、「認められること」が少ないことを明らかにし、どの様に行動するかを書いたモチベーション構築の本。
認められなければ好きな仕事も続けられないし、認められれば嫌いな仕事もいつのまにか好きになることもある。新入社員の早期退職などを考えると、企業側も今後、この分野のマネージメントは必須だろう。
認められる側と認める側がWin-Winの関係が望ましいのは言うまでもないけど、特にゼロサムに陥りやすい日本の職場では、Win-Lossを避け、Win-Indifferenceの関係を構築するなどの指摘も面白い。
承認欲求が人一倍強いので、セルフマネージメントしていきたいね。
ちょっと理論先行の気がしないでもないけど、自分の現状を確認するには良いかな。特にいま仕事がつまらないと思っている人は。