宮地尚子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
たまには新書をと軽い気持ちで購入したことを恥じる
トラウマへのあらゆる方向からアプローチ
読めばきっとそれに関わる事柄で悩んでいる人の入門書として拠り所として知識として忘れがたい好著となる本になるのだろうと想像できる
僕は超高所恐怖症である
この本でトラウマから来ているものなのかも今更思う
初めて買ってもらった自転車
僕は興奮しハンドルに名前をつけていたような気がする
当時団地に住んでいたにも関わらず常に触りたいと家の中に自転車を入れ毎日拭いていた
幼稚園が休みで初めて母親と練習するとなり
僕は団地の入口前で早く早くと母親を待った
すると母親が自転車を持って階段を降りてきたのだがペダルに足 -
Posted by ブクログ
今年読んだ本の中で、一番かもしれない。私は、こんなにも真摯に患者に、そして人生に向き合う人に出会ったことがない。そして、文字から書き手の誠実さやが伝わる文章というものを、読んだことがない。
考え方然り、紡がれる文章然り、心にしんしんと雪が降るように積もっていくやさしさ。でも温かい。触れたところからじわっと温かさが広がっていく、そんな内容だった。会ったこともないのに、私を全肯定してくれるような、そんな気分にさせてもらった。押し付けがましいやさしさではなく、ただただありのままの人間を肯定する。こんなやさしさもあるのかと目から鱗だった。
忘れられない一冊。私は普段エッセイはあまり読まないし、好き -
Posted by ブクログ
先に『傷を愛せるか』を読んでから手に取った。要するに、ちくま文庫から再刊された順に読んだことになるが、この本のほうが、著者が若い頃に書かれたものであるので、『傷を愛せるか』よりも、著者の揺れや戸惑いがストレートに感じられる。内容はアメリカ在住の日本人たちのメンタルヘルスであり、エスノグラフィの形式で書かれている。「あとがき」(pp219-226)で著者が述べているように、1980年代後半から1990年代初頭にかけて接した人々を、1990年代後半から2000年代初頭にかけての連載で振り返って書かれたものなので、流れた時の分、著者のなかで、かつて接した人々(やこの世を去った人々)が抽象化され、よ