宮地尚子のレビュー一覧

  • 震災トラウマと復興ストレス

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    被災地支援を知るために手にとったブックレットでしたが、読み進めるにつれて、別の「現場」でも応用できる考え方が紹介されていることに気づきました。

    トラウマの中空構造に関しては、「語られないこと」をも大切にされていることが伝わってきて、胸がじんわりしました。

    「環状島」について知ったのは、このブックレットが初めてでした。

    「ウチ」と「ソト」に分かれていて、どこにいるかで感じることがまったく違うこと、
    「仲間」になれるのは「ウチ」の人だけで、「ソト」の人は「味方」にはなれるけど「仲間」にはなれないことなど、
    説明されると「ほんとにそうだ〜!」と、深く深く納得のいくことばかりでした。

    「環状島」は「感情島」でもあり、「感情」の取り扱いで気をつけた方がいいことも紹介されており、
    日々の支援活動で役立つ知恵をたくさん受け取ることができました。

    こんなにも複雑で、センシティブな内容を、
    こんなにもわかりやすく、すっきりと伝えることができることに、
    とてもとても驚きました。

    このブックレットを読むこと自体が、私にとってはややしんどい体験でしたので、すぐは読み返せないと思うのですが、心の元気が回復したら、繰り返し読み込んで、紹介されている内容をしっかり身につけたいと思います。

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    2013年04月06日
  • 震災トラウマと復興ストレス

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    【環状島=トラウマの地政学】で書かれた
    「環状島」をモデルに
    震災トラウマに焦点を絞って書かれた本

    本自体はとても薄い
    しかし 被災者のトラウマだけでなく、支援者の受けるトラウマを
    キーワードを使い簡潔に説明している
    とても分かりやすい本だと思う

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    2013年04月06日
  • トラウマ

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    トラウマという言葉は、「PTSD」で有名になったが、逆にこのことで「医学化」されてしまい、問題が矮小化されすぎてしまっているきらいがある。何か大きな問題が起こると、すぐに「こころのケア」が叫ばれるが、いつも微かな疑問を感じてしまう。この著者の本を読むと、いつも何故かホッとする。いろいろな意味で幅広い臨床経験と、幅広い視野から「トラウマ」をとらえておられるからだろう。依存症の問題、ジェンダーの問題、マイノリティの問題、など勉強になった。沖縄の問題では蟻塚先生の記述も見られ、更に親近感を持った。

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    2013年03月17日
  • 震災トラウマと復興ストレス

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    なぜか「自分の方が流されれば良かった」「なぜxxxを無理にでも止めなかったのか」と感じてしまう人達、それはどうしてなのか。東北の被災者でない人達も「こんなことで良いのか」と思ってしまったり、傷ついている。なぜ?東北震災から時間のたちつつある今、被災者も支援者も距離を置いている人も心に触れるところがきっと出てくる不思議な学術本。薄くて読みやすいよ。

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    2012年04月25日
  • 震災トラウマと復興ストレス

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    震災ボランティアとして2度ほど被災地に行った身として、共感できる部分がたくさんあった。

    特に環状島モデルは秀逸。

    自分自身の問題意識に引きつけて、新たな環状島を浮かび上がらせることができる、というのは興味深かった。

    支援者として、仮設住宅の聞き取り調査に関わること、東京で脱原発の運動などを起こしていくことは、新たな環状島を浮かび上がらせ、声なき声を届けることに繋がるのだ、と再確認することができた。

    とてもおすすめの本。

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    2012年01月10日
  • 震災トラウマと復興ストレス

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    岩波ブックレットで薄い、安い。福岡-宮崎間の高速バスで読み切った。どちらかと言えば、被災者を支援する側にとって有用か。著者独自の環状島モデルで、自分の立ち位置がよく分かる。本体と思われる「環状島=トラウマの地政学」が読みたくなった。福岡には山ほどあったのに、ここいらでは売ってない。注文しなくっちゃ。

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    2011年10月23日
  • 震災トラウマと復興ストレス

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     宮地自身の著書『環状島』にある、トラウマを持つ人と支援者との関係の「環状島」モデルによる説明と、東日本大震災への適用がまず語られる。そのあとに、被災者、支援者、被災地から遠い人、と説明が続き、最後に震災トラウマと復興ストレスについて語られる。
     『環状島』はやや手ごわい本だが、その理論部分を著者本人がわかりやすくまとめてくれてあるのがありがたい。キーになる本のガイドも文中で詳細になされる。
     具体例の例示などもあるが、実際今回の震災に関わる中で同様のことを見聞きし、そもそも環状島モデルが阪神大震災の後に考え出されたことに思いをはせた。
     被災者、支援者はもちろんのこと、そのどちらにも属さず、ときにはサバイバーギルト(生き残ったことを罪と感じる)に悩まされる多くの人々にとっても、この小さな冊子からは、元気を汲み出すなにがしかがきっと得られることと思う。

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    2011年09月08日
  • 傷を愛せるか 増補新版

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    誰もが言葉にできない傷を抱えて生きる現代。傷に打ち勝つ強さや、気にしない振りをする鈍感力が必要なのだと思っていた。私にはそのどちらもなく、傷をそのまま受け止めては当時の記憶を呼び起こし、打ち勝つこともスルーすることもできずに、生きづらさに消えてしまいたいという衝動に駆られることばかりだった。
    だからこそ、傷を傷として受け止めてもいいと知った時、張り詰めていた心がすっと軽くなった気がする。無理に強がらなくていいと思えたことで、自分をいたわることに専念できそうな気がしている。
    本書に記されたエッセイは、著者である精神科医の知見に裏打ちされながらも、纏う空気はどこまでも優しく、誰もが持つ悩みに寄り添っていると思う。すべてに白黒つけず、曖昧なままそっと考えを託してくれるような雰囲気もある。それが、私にはとても心地よかった。

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    2026年09月28日
  • 傷を愛せるか 増補新版

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    傷つくことも恐れて、それすらも傷ついて、傷ついたら傷ついて、傷ついたということを思い出して傷つく。
    そういう自分も愛してあげたいと思った。
    男性の目線で見ると、男の「脆弱」とは「男らしくいなければならない」という価値観や固定観念を纏ってしまっているが故という言葉を見て、本当にそのとおりだと思った。自分らしく生きて、その上で傷ついて、それすらも愛したいと思った。

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    2026年09月27日
  • 傷を愛せるか 増補新版

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    トラウマ治療に関する第一人者が書かれた本で、『心に沁みた…』的な感想をSNSで読み手に取りました。
    たしかにその通りで涙がポロッと溢れる箇所もあるんだけど、全体的な印象としては、おもしれ〜〜!!だった。
    右脳左脳の使い方で魔術的思考をするかどうかが変わるとか、ヴァルネラビリティ(脆弱性、攻撃誘発性)についての知見、ベトナム戦争記念碑を通じて見る負の歴史の扱い方などなど。
    知的好奇心をくすぐられるトピックスや、なるほどそういう視点があったのねという気づきが多かった。

    著者に関しては、なんだか掴みどころの無い方だなと思った。
    幼少期のことや家族のこと、もちろん著者が何を考えているかを書いているエッセイなんだけども、職業柄世界をかなり俯瞰して見ているからなのか?
    あまりにもニュートラルな性格の方だなぁという印象。

    本筋のテーマであるトラウマ、PTSDに関しては、
    【屈辱】や【みじめである】といった言葉に自分が強く反応したのが気付きだった。
    私は喪失感や不安よりも、屈辱感に苦しめられてるんだなぁ。なるほど。

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    2026年09月24日
  • 傷を愛せるか 増補新版

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    トラウマの改善方法とかが書いてるわけじゃないのが予想外だった。
    ただ静かに、宮地さんのトラウマや事象への捉え方が描かれていて、それがとても穏やかで、でも柔らかいわけではない。穏やかに鋭く現実を見据えていて、寄り添ってくれるような本だった。

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    2026年09月01日
  • 傷を愛せるか 増補新版

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    エッセイ自体が元々読むのは苦手で、一度かなり間を空けて読まなくなってしまい、二度目で休み休み読んで完読できました。
    なんだか実家の母と他愛もない話をしている時のような幸福感を感じる章と、難しくて中々読み進められない章とありました。
    心や対人関係について「きっと良くなる方法があるはずだ」と思い込んで対策を考えたり調べてみることはよくありますが、一向に良くならずそれでもなんとかならないかとジタバタしてしまい、逆に辛さが増すようなこともありますが、どうにもならないことを認めてもいいんだ、となんだか心と頭が軽くなりました。

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    2026年08月21日
  • 傷を愛せるか 増補新版

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    「人生の軌跡」が特に印象的。
    人生の分岐は二元論ではなく、常に幾つものY字路を進んでいく感覚が、自分の中にもある。
    Y字路を選び続けると、自分がどの方向に進んでいるのか、堂々巡りのように回り続けているのか、周りから大きく外れてしまっているのか、そうした方向感覚がわからなくなる。
    それでも選び続けていく。戻りたい、とは思わないから、常に望んだ道を選択しているのだろうとは思う。
    ただ、その先がどこに続いているかはわからない。

    どこへ進んでいるのか分からないのに、心の中にコンパスは確かにある。私が私たる為の、いや、私である理由そのものとして、価値観というコンパスがある。
    コンパスは進むべき方向をおおよそには示してくれるが、どこへ辿り着くかは示してくれない。
    それが人生であり、生きていくということなのかもしれない。

    子どもの頃に想像していたよりも人生は細かく、不明瞭で、見えない単位で絡まり続けている。
    だからこそ、生きている、私がここにいる、とも思える。真っ直ぐで分かりやすい人生は、どこか作り物めいていて他人事である。


    私は自分の傷を俯瞰してしか見られないタチである。肯定や否定という評価とは少し違い、ただただ事実としてそこにあることを自覚する形で、少し離れたところから見ている。
    たまに疼くと戸惑う。俯瞰的な自分よりも情動的な自分が優勢になると怖くなる。
    おそらくその感覚に対する恐怖心が、自分に距離を置きながら観察してしまう癖を生んでいるのだろう。

    ただ、傷によって私の価値観が構築され、日々選択をし、今ここにいる。
    そのこと自体は懸命に生きてきた証として愛おしく思う。
    自分の傷を愛するという行為は感情として理解しきれていないが、私は私を大切にしている。傷が私の価値観を形作っているのは、他の誰よりも私が実感しているからだ。それが人生のコンパスとなっていく。

    感情を少し遠くに置きながら、そんな自分の目線も含めて、複雑に絡まりながら私は私を愛する。
    どこに向かうか分からないまま、だけど確かに自分の傷を価値観に変えて進んでいく。そうやって傷を愛しているのだろうか。

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    2026年08月17日
  • 傷を愛せるか 増補新版

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    ネタバレ

    数ヶ月前に読み終わってそのままにしていたこの本。今日、終戦記念日に付箋を貼っていたところをパラパラと読み直してみた。

    つけた付箋のうち、一つはアメリカにあるベトナム戦没者記念碑に関するものだった。自己イメージに負の歴史をうまく統合できないのはどの国も同じようで、ベトナム戦争にまつわるこの記念碑はその他の戦没者慰霊碑と比べても、地中にめり込むような低い位置にひっそりと置かれているらしい。著者の最初の印象は「みじめだな」だった。

    著者はこの記念碑に突然ブルドーザーが来て大量の土で埋め立てられ、その後そこから木々が育ち森になる白昼夢を見たという。そしてご本人はこの米国にとっては負の遺産、歴史の傷跡であるベトナム戦争の記念碑が議論を巻き起こしながらも完成し、破壊されずに残っていることを奇跡だと思えたからだろうとしている。

    歴史の中の自己イメージの醜い部分を、傷を、いかに受け止めていくことができるか。それができた時、肥沃な土壌から豊かな生命がまた育っていくのだろうか。日本でもそれができるのだろうか。米国は今、新たな傷を、過ちを作ってしまっているのだろうか。

    本の終盤に出てくる「傷を愛せるか」と言うタイトルになった一節は特に心に深い印象を残した。

    p223

    傷を愛せるか。心の傷にもいろんな傷がある。擦り傷、切り傷、打撲傷。自傷、他傷、傷つけられた傷、傷つけてしまったという傷。・・(中略)・・傷がそこにあることを認め、受け入れ、傷のまわりをそっとなぞること。身体全体をいたわること。ひきつれや瘢痕を抱え、包むこと。さらなる傷を負わないよう、手当をして、好奇の目からは隠し、それでも恥じないこと。傷と共にその後を生きつづけること。


    今テレビでやっている「Tシャツが乾くまで」というドラマにみつるという登場人物がいる。
    最新のエピソードで随分と心に傷を抱えた人だなと感じた。人を傷つけてしまいそうで、自分を傷つけてしまいそうで、ずっと人から一定の距離を保たないと壊れてしまいそうになる人物像で、勝手すぎる振る舞いから随分とネット上では批判を浴びているそうだけれど、自分が欠陥品のように感じると漏らした彼に私は共感してしまい、そして、そのことはずっと私が恥じてきたことだった。

    自分の傷の輪郭をなぞり、それを受け入れて、包みながら、恥じずに前を向いて生き続ける、それを最後までやり続けていくしかないんだと、そしてそこに少しでも何か豊かなものが育ちますように。そうこの終戦記念日に思った。

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    2026年08月16日
  • 傷のあわい

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    異国の地で変化を受け入れ、
    戸惑いながら揺れながら生きる人々の語りをつづった1冊です。

    人の傷を物語として書き記すということは、ある種の暴力性みたいなものがあると、常々思っていて。
    物語にした瞬間、言葉にできない複雑さを排除してしまったり、矛盾や迷いやまだ名前のない感情も一つの筋書きに回収されてしまったり。

    でもこの本では、
    言葉にならないもの、
    あわいにあるものを大切にすくいあげようとしている姿勢が文章の端々から伝わってきます。

    この「あわい」という考えがとても好き。

    こちら側とあちら側
    傷ついた人と傷つけた人

    きっぱり線が引けるほど人間は単純ではなくて、誰もが、傷と傷でないもののあわいのグラデーションの中にいる。
    それぞれ迷いや後悔や後ろめたさや小さな希望なんかも一緒に抱きしめている。

    そしてそんな誰かの物語を取り入れることは、自分の人生の複雑さを別の視点から見つめることでもある。

    あわいを急いで埋めようとしない自分でありたい、と改めて思わされる1冊。

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    2026年08月14日
  • 傷を愛せるか 増補新版

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    まずそもそも帯の文章が優勝。
    期待大で読んでいくと、随所に書き留めておきたい文章が散らばっていて、読み進めている最中から「再読必須だ」と思っていました。
    精神科医の先生のエッセイということで、難しい文章かなと身構えましたが、自分の経験にも意訳すれば当てはめられ、共感しやすい文書でした。んー、これはINFJさん好きそう。

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    2026年08月12日
  • 傷を愛せるか 増補新版

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    素直な文章ですっと入ってくる。
    他者を、自分を、他者の傷を、自分の傷を愛せるか。
    著者の様々な経験を通じた発見や考察を通じて、考えることができた。

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    2026年07月29日
  • 傷を愛せるか 増補新版

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    傷を人に見せ、表現できる人を羨ましく思う。
    それと同時に、ヘラヘラしてごまかす自分と相手に対しても苛立ちや否定の言葉が出てくる。
    自分の情けなさを読んでて感じた。
    著者のような向き合い続ける、逃げる時もそれはあるかもしれないが、その姿勢に力をもらう。
    人の傷を見ることもとても気力のいることだけど、目を離し続けてはいけないと思う。

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    2026年07月25日
  • 傷を愛せるか 増補新版

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    大学の教授なのに(今はもう名誉教授になられている...!)、けっこうふつうな人だなぁという印象。ふつうってなんやねんやけど。私と感覚が似てるかもとも思った。

    本のタイトルだけ見ると、心の傷に対峙し愛す方法が書いてあるのかと思ったけど、著者の方が日々を過ごす中で出会ったり感じたことが印象的でした。

    凹んでいたんだけど、ドンピシャで今の私に合うお話が書かれてあって、思わず拝んでしまった。おかげで元気になりました!誠実な良い本だった。

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    2026年07月25日
  • 傷を愛せるか 増補新版

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    ネタバレ

    これは完全に自責なんだけど、もっと具体的にトラウマや傷のことについて書いてるかなって期待してたらやっぱりエッセイなのでそんなことはなかった。
    でも最終章ら辺はよりその辺に触れられてた感じはしたな。というか、やっぱり最後に持ってくるだけあってこのタイトルの核心たる"傷"に触れてる話にはなるよね。
    深く傷ついた人や奥底まで沈みこんで独りきりになった人はこの考えにたどり着くんだろうけど、精神科医でカウンセリングもしたりして、なこの人はそりゃあ思い至るよなぁ。
    一端の人間程度に世界も制度も変えられなくて、そもそも自分以外のことを変えられるなんて到底できやしない。その手助けはできるかもしれなくて、それがあくまで臨床医であることなわけで。

    精神科医というか、専門家、お医者さんとしての俯瞰した視点もありつつ、どこか至ったような諦観が感じられる文章だった。こうだから、ああだから、で話を展開させていくんじゃなくて、哲学的にふむふむするのは精神科医の性だったりするのかな。
    でも、冷静だけど、俯瞰して物事を考えてはいるけれど、どこか根底に「どうしようもない」という無力感を築いているけれど、傷ついた人間が、疲れ果てた誰かが、掬いあげられることを求めずにはいられない。そうしてたどり着いたのが「幸せを祈ること」なのかもしれない。

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    2026年07月23日