宮地尚子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
被災地支援を知るために手にとったブックレットでしたが、読み進めるにつれて、別の「現場」でも応用できる考え方が紹介されていることに気づきました。
トラウマの中空構造に関しては、「語られないこと」をも大切にされていることが伝わってきて、胸がじんわりしました。
「環状島」について知ったのは、このブックレットが初めてでした。
「ウチ」と「ソト」に分かれていて、どこにいるかで感じることがまったく違うこと、
「仲間」になれるのは「ウチ」の人だけで、「ソト」の人は「味方」にはなれるけど「仲間」にはなれないことなど、
説明されると「ほんとにそうだ〜!」と、深く深く納得のいくことばかりでした。
「環状島 -
Posted by ブクログ
宮地自身の著書『環状島』にある、トラウマを持つ人と支援者との関係の「環状島」モデルによる説明と、東日本大震災への適用がまず語られる。そのあとに、被災者、支援者、被災地から遠い人、と説明が続き、最後に震災トラウマと復興ストレスについて語られる。
『環状島』はやや手ごわい本だが、その理論部分を著者本人がわかりやすくまとめてくれてあるのがありがたい。キーになる本のガイドも文中で詳細になされる。
具体例の例示などもあるが、実際今回の震災に関わる中で同様のことを見聞きし、そもそも環状島モデルが阪神大震災の後に考え出されたことに思いをはせた。
被災者、支援者はもちろんのこと、そのどちらにも属さず、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ育児にまつわる内容でも、読んでいて説教くさくなく、読者に寄り添うやさしい文章で、するする読めた。こうでなければならないといった型にはまった考え方でなく、柔軟にとらえることの大切さをしみじみ感じた。
完璧でない者がこどもを育て、育てられる。こどもであったとしても、一人の人間として慈しみ、尊厳を大切にすることを大切にしなければと思う。そう思っていても、少しでもより良い道を歩ませたいと願う親心が時に過干渉へ繋がるのだから、あんばいは難しい。ただ、同じ空間にいても別のことをして、時おり同じ時間を共有する。それくらい気楽に生きてもいいのだと思った。
自分の失敗談が子どもたちにウケるというのは面白かった。