宮地尚子のレビュー一覧
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トラウマとはどのような状態のことを示すのか、誘発される病気は何か、どのように向き合うべきか、などを知りたかった。今現在トラウマのようなものにとらわれているが、それに関して一般的な知見を得たり言語化したりすることで回復の糸口がつかめればいいなと思った。
世間には自分よりもっと過酷な状況、深刻な症状の人がいて、それに比べれば私は軽いほうなんだ、と感じた。これぐらいの症状で精神病だなんて言っていて、本当に苦しんでいる人に対しておこがましかったかも。
p44の環状島の説明、わかりやすかった。
自分にとってなんでもない言葉が相手にとってそうであるとは限らない。自分が加害者の側に無意識のうちにならな -
Posted by ブクログ
被災地支援を知るために手にとったブックレットでしたが、読み進めるにつれて、別の「現場」でも応用できる考え方が紹介されていることに気づきました。
トラウマの中空構造に関しては、「語られないこと」をも大切にされていることが伝わってきて、胸がじんわりしました。
「環状島」について知ったのは、このブックレットが初めてでした。
「ウチ」と「ソト」に分かれていて、どこにいるかで感じることがまったく違うこと、
「仲間」になれるのは「ウチ」の人だけで、「ソト」の人は「味方」にはなれるけど「仲間」にはなれないことなど、
説明されると「ほんとにそうだ〜!」と、深く深く納得のいくことばかりでした。
「環状島 -
Posted by ブクログ
宮地自身の著書『環状島』にある、トラウマを持つ人と支援者との関係の「環状島」モデルによる説明と、東日本大震災への適用がまず語られる。そのあとに、被災者、支援者、被災地から遠い人、と説明が続き、最後に震災トラウマと復興ストレスについて語られる。
『環状島』はやや手ごわい本だが、その理論部分を著者本人がわかりやすくまとめてくれてあるのがありがたい。キーになる本のガイドも文中で詳細になされる。
具体例の例示などもあるが、実際今回の震災に関わる中で同様のことを見聞きし、そもそも環状島モデルが阪神大震災の後に考え出されたことに思いをはせた。
被災者、支援者はもちろんのこと、そのどちらにも属さず、 -
Posted by ブクログ
これまで読んだことのない雰囲気のエッセイだった
落ち着きと知性とやさしさを感じる文章
もう1回読みたい
精神科のお医者さんであり、大学教授であり、いろんな肩書を持っている人で、普段は難しい論文を読んだり難しい話をしている人なんだろう
でもこの本はすごく分かりやすかった
内容が簡単という意味の分かりますいではなくて、難しい内容を分かりやすく書いてくれてるって意味の方
スーっと入ってくる
水みたいだと思った。するする読めた
内容の面白さもだけど、作者の人間性があたたかくてすごく素敵だと思ったからもう1回読みたいと思ってしまう
手元に置きたいなこの本 -
Posted by ブクログ
傷を癒すとか傷を治すとか言うけれど
そんな簡単なことはこの世にはなくて
傷は塞がったあとにもかさぶたになったり
傷跡が残ったり更地になることはない
傷を愛するというのは
受け入れたり、受け入れられなかったり
そんな傷でもただ持っているだけで
それを理解しているだけで
愛するということなのかもしれない
「傷を抱えるすべての人に、この本を捧げる」
著者があとがきに書いてあるとおり
今傷がある人も、
傷になりそうな過程を味わっている最中の人も、
傷がまだない人にも送りたい
今ある傷にも、今後増えるかもしれない傷にも
治療薬にはならないけど
痛み止めのような役割をしてくれる一冊になることを願う -
Posted by ブクログ
トラウマ研究の第一人者、宮地先生のエッセイ。
あちこちに寄稿されたものを収録しつつ、傷を抱えて生きることをテーマに書き下ろしも数篇加えてまとめられている。
昨今は正しさへの希求が強く、特に若い人たちに「正解」を求める風潮があるときく。どうすれば間違えずに済むか、効率が良いのは何か、正解のやり方は何か。
人生そんな枠に当てはまるものはほぼないと言ってもいいのに、正しさを求めて、皆が右往左往する。その際たるものがAIなのかなとも思うが。
対人援助をしていると、ほぼ正解には辿り着けない。著者も言っているが、なんとかしたいと思っても、どうすることもできないことが山ほどある。仕方なく一線を引いて少し