宮地尚子のレビュー一覧

  • トラウマ

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    社会がトラウマを作り、トラウマが社会を更新していくという本書の主張に納得した。トラウマから社会を見ると、見えてくることが色々あるなと思った。汎用性の高い主張。勉強になった。

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    2014年05月10日
  • 震災トラウマと復興ストレス

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    被災地支援を知るために手にとったブックレットでしたが、読み進めるにつれて、別の「現場」でも応用できる考え方が紹介されていることに気づきました。

    トラウマの中空構造に関しては、「語られないこと」をも大切にされていることが伝わってきて、胸がじんわりしました。

    「環状島」について知ったのは、このブックレットが初めてでした。

    「ウチ」と「ソト」に分かれていて、どこにいるかで感じることがまったく違うこと、
    「仲間」になれるのは「ウチ」の人だけで、「ソト」の人は「味方」にはなれるけど「仲間」にはなれないことなど、
    説明されると「ほんとにそうだ〜!」と、深く深く納得のいくことばかりでした。

    「環状島

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    2013年04月06日
  • 震災トラウマと復興ストレス

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    【環状島=トラウマの地政学】で書かれた
    「環状島」をモデルに
    震災トラウマに焦点を絞って書かれた本

    本自体はとても薄い
    しかし 被災者のトラウマだけでなく、支援者の受けるトラウマを
    キーワードを使い簡潔に説明している
    とても分かりやすい本だと思う

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    2013年04月06日
  • トラウマ

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    トラウマという言葉は、「PTSD」で有名になったが、逆にこのことで「医学化」されてしまい、問題が矮小化されすぎてしまっているきらいがある。何か大きな問題が起こると、すぐに「こころのケア」が叫ばれるが、いつも微かな疑問を感じてしまう。この著者の本を読むと、いつも何故かホッとする。いろいろな意味で幅広い臨床経験と、幅広い視野から「トラウマ」をとらえておられるからだろう。依存症の問題、ジェンダーの問題、マイノリティの問題、など勉強になった。沖縄の問題では蟻塚先生の記述も見られ、更に親近感を持った。

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    2013年03月17日
  • 震災トラウマと復興ストレス

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    なぜか「自分の方が流されれば良かった」「なぜxxxを無理にでも止めなかったのか」と感じてしまう人達、それはどうしてなのか。東北の被災者でない人達も「こんなことで良いのか」と思ってしまったり、傷ついている。なぜ?東北震災から時間のたちつつある今、被災者も支援者も距離を置いている人も心に触れるところがきっと出てくる不思議な学術本。薄くて読みやすいよ。

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    2012年04月25日
  • 震災トラウマと復興ストレス

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    震災ボランティアとして2度ほど被災地に行った身として、共感できる部分がたくさんあった。

    特に環状島モデルは秀逸。

    自分自身の問題意識に引きつけて、新たな環状島を浮かび上がらせることができる、というのは興味深かった。

    支援者として、仮設住宅の聞き取り調査に関わること、東京で脱原発の運動などを起こしていくことは、新たな環状島を浮かび上がらせ、声なき声を届けることに繋がるのだ、と再確認することができた。

    とてもおすすめの本。

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    2012年01月10日
  • 震災トラウマと復興ストレス

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    岩波ブックレットで薄い、安い。福岡-宮崎間の高速バスで読み切った。どちらかと言えば、被災者を支援する側にとって有用か。著者独自の環状島モデルで、自分の立ち位置がよく分かる。本体と思われる「環状島=トラウマの地政学」が読みたくなった。福岡には山ほどあったのに、ここいらでは売ってない。注文しなくっちゃ。

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    2011年10月23日
  • 震災トラウマと復興ストレス

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     宮地自身の著書『環状島』にある、トラウマを持つ人と支援者との関係の「環状島」モデルによる説明と、東日本大震災への適用がまず語られる。そのあとに、被災者、支援者、被災地から遠い人、と説明が続き、最後に震災トラウマと復興ストレスについて語られる。
     『環状島』はやや手ごわい本だが、その理論部分を著者本人がわかりやすくまとめてくれてあるのがありがたい。キーになる本のガイドも文中で詳細になされる。
     具体例の例示などもあるが、実際今回の震災に関わる中で同様のことを見聞きし、そもそも環状島モデルが阪神大震災の後に考え出されたことに思いをはせた。
     被災者、支援者はもちろんのこと、そのどちらにも属さず、

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    2011年09月08日
  • 傷を愛せるか 増補新版

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    「傷を愛せるか」表題になっている最後の一編がやはり一番ぐっときた。
    傷って本当は人に見せられないくらいえぐいものであることもある。そんな傷をさらけ出して生きていくのが必ずしもいいとは思わないけど、でもできるなら治してあげたいと思うし、傷痕が残っても気にならなくなるくらいになって欲しいと思う。
    カウンセラーさんのストレスも計り知れないと思う。何もしてあげられないことの方が多い、してあげられないからストレスになるというのは本当に大変な仕事だと思う。

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    2025年12月08日
  • 傷を愛せるか 増補新版

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    ネタバレ

    読みやすく、優しいエッセイだった。共感できる内容や、また改めて読み返したいところに、線を引きながら読んだ。
    トラウマ研究者といえど、心に傷を抱えた人すべてを救うことはできず、また、職場を離れると一人の母親であり一人の生身の人間であり、苦しんでいる人を差し置いて生活していることへ後ろめたさというか葛藤があることなんか、それはそうだろうなぁと想像しながら共感できた。
    みんな傷だらけで生きてるのかなぁと思いながら読んだ

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    2025年11月30日
  • 傷のあわい

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    ボストン在住の日本人が対象のアンケートを基にしたフィクションとのことだけれど、同じような悩みを抱えて生きている人は自分も含めてどの国にもどの時代にもいる。
    他人には打ち明けにくそうな悩みなどにも客観的かつ冷静に、決して深くは踏み込まずに話を聞く距離感を保つ姿勢がなんだか心地よい。
    宮地さんの文章を読んでいると、この人に話を聞いてもらいたくなる気持ちわかるな〜と思います。
    PTSDの患者さんを受け入れる側の不理解や、無意識の先入観、相手を傷つけずに自分の気持ちを伝えるアサーティブトレーニングなど、考えるきっかけとなるお話が多かったです。

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    2025年11月29日
  • 傷を愛せるか 増補新版

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    淡々と文章が沁みてくる。
    レジリエンスだなんだと打たれ強さを求められてる気がして肩に力が入っていたんだな、と気づいた。
    私はまだまだ傷を愛するどころか、向き合うことすらできずにいるけど、いつか自分の傷を愛おしく撫でることができたらいいなと思う。

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    2025年11月15日
  • ははがうまれる

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    ネタバレ

    育児にまつわる内容でも、読んでいて説教くさくなく、読者に寄り添うやさしい文章で、するする読めた。こうでなければならないといった型にはまった考え方でなく、柔軟にとらえることの大切さをしみじみ感じた。
    完璧でない者がこどもを育て、育てられる。こどもであったとしても、一人の人間として慈しみ、尊厳を大切にすることを大切にしなければと思う。そう思っていても、少しでもより良い道を歩ませたいと願う親心が時に過干渉へ繋がるのだから、あんばいは難しい。ただ、同じ空間にいても別のことをして、時おり同じ時間を共有する。それくらい気楽に生きてもいいのだと思った。
    自分の失敗談が子どもたちにウケるというのは面白かった。

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    2025年11月11日
  • 傷のあわい

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    留学時代のハーバードでの日本人移民の心の調査をした時の経験を下敷きにして、心の病を掘り下げて教えてくれている。

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    2025年11月08日
  • 傷を愛せるか 増補新版

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    一度ついた傷は消えないし、無かったことにもできない。だから時間が経っても痛いし、いつまで痛いんだろうと嫌になる。
    だけどその傷を無かったことにしようとしたり、痛いのに痛くないふりをしていると、本当は痛いのに、痛いままなのに麻痺してきて分からなくなる。醜い痛々しい傷を受け入れることはものすごく大変だから、見えないふりした方がその時は楽かもしれない。だけど痛みが分からなくなる方がずっと大変なんだと思う。
    しんどいけれど傷を受け入れて、抱えて生きていく強さを持ち続けたいと思う。

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    2025年10月15日
  • 傷を愛せるか 増補新版

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    傷はみじめで、醜い。とあっさり言い切られたのがちょっと衝撃的。ベトナム戦争戦没者慰霊碑が土に埋められていくというイメージも、今の状況では現実にならないとも言い切れないのかなあと思ったり

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    2025年10月10日
  • 傷を愛せるか 増補新版

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    温かいエッセイのような、でもとても人生において大切なことが書いてあるような、そんな本だった。
    すごい経験をされている著者のわりに、内容や文体はどこか楽しみのある感覚で、読んでいてすーっと心に入っていくような感じだった。
    この本にある「傷」って、何だろう。私はまたその答えを何となく見出せていない気がする。

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    2025年10月07日
  • 傷のあわい

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    傷を愛せるかに続き、どうして宮地尚子さんの本はこんなにもするすると心に入っていくのか、この本を読み終わるまでわからなかった。けれど、嘘もなく、凝り固まった強いメッセージもなく、ただ事実から考えられた涼やかな言葉が並んでいるこの本が、静かに今の私を満たしてくれた。

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    2025年10月04日
  • 傷を愛せるか 増補新版

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    宮地尚子さん。
    失礼ながらこの本を読むまでは存じ上げなかったのですが、精神科医、大学教授、ハーバード大学研究員など、ものすごい肩書きをたくさんお持ちの方のようで、肩書きだけ見たらご本人も文中に書かれているように「この人、なんか偉そう!」と思って本書を手に取ることはなかったかもしれません。
    でも読んでみると誠実なお人柄を感じさせる文章で、仕事や人間関係でくたびれたときに読むと優しい言葉に癒され、心にスッと沁みました。
    なんというか頭の良い人が私のような並の人間にもわかりやすいように世界観や考えを共有してくれたような一冊でした。

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    2025年10月03日
  • 傷を愛せるか 増補新版

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    文庫本です。海と水の透明さを感じさせる紀行文でもあり、グイグイ引き込まれます。著者は「トラウマ研究の第一人者」。赦しを求めて祈る。それで良い。医師ならではの達観と、力の抜き方を感じさせます。

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    2025年09月21日