田丸公美子のレビュー一覧
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イタリア語通訳者の筆者がイタリアで日本で、著者が出会った忘れえぬ男女―“シモネッタ”が捉えた人間劇場のユーモア&ペーソスをつづったエッセイです。しかし圧巻は盟友・米原万里さんを追悼するくだりでした。
「シモネッタ」こと田丸公美子さんのエッセイです。ここに描かれているものは田丸さんがイタリアで知り合った男女のことで、女同士の友情あり、2人のイタリア女性を手玉にとって「ウタマロ」の名を冠した日本人男性のお話や、エステサロンの女王といわれたある女性の恋をはじめとする6編のエッセイが収録されております。
その中でも圧巻だったのは癌で他界した盟友の故米原万里さんにささげたエッセイで、僕は佐藤優→米原万里→田丸公美子の順番で著作を読み進めてきていますので、なんとも感慨深いものを感じました。
出会いから交友、通訳から作家へと緩やかにステージを変えた盟友の見つめるまなざしが暖かくこういう人と後何人出会えるか? ということを考えさせられました。
僕の考えるハイライトはやはり、米原さんが闘病をする箇所で、あらゆる治療法を試し、万策尽きて抗癌剤治療を施すという決断を筆者に言う場面にはページをめくる手が鈍りました。
これは、佐藤優さんの本に詳しいのですが、自らの運命を覚悟した彼女が病床に佐藤さんを呼んで、
「仏教が無心論者であるということを納得の行く形で説明してくれ」
というお願いをしていたお話はこうしてみると、最後まで彼女は自分を貫いて逝ったのだなぁと感じました。
少し、説明を加えると、米原さんも両親もともに無神論者で、葬式は無宗教で済ませたのですが、米原さんが気に入るような無宗教の霊園が見つからず、自宅近くの真言宗の墓に決め、両親とともにお墓に入るには真言宗にのっとって葬儀を行わねばならず、それが自分の信念と矛盾していないか、という確認をしていた、という箇所に改めてその精神力の強さに衝撃を受けました。
この本で筆者は自分が下ネタを飛ばしていたのはひとえに米原さんの笑うところを見たかったからだ。という箇所があり、まだまだ田丸さんの「シモネッタ」振りが見たい反面、大事な人が旅立ってしまうということは残されたものに大きな喪失感を抱かせるのだということを改めて思い知った次第でございました。
※追記
本書は2013年2月8日、文藝春秋より『シモネッタの男と女 イタリア式恋愛力 (文春文庫 た 56-5)』として文庫化されました。 -
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「シモネッタ・ドッジ」の異名を持つ日伊同時通訳者のデビュー作になります。筆者が同時通訳の現場で日々、感じていることや、その舞台裏。そして、イタリアの男性たちの『出会いを求める』その積極さに脱帽でした。
彼女のことは米原万里さんの『ヒトのオスは買わないの?』というエッセイで最期の解説を書かれているということで彼女の親友であるということを知り、『オナペットかバター犬か?』という場所を考えるとギリギリの下ネタをかっ飛ばし、米原女史から「シモネッタ・ドッジ」の名前を下謁されたというエピソードから彼女の存在に興味を持って読み始めた、というのがきっかけです。
この本は彼女のデビュー作ということで、日本語とイタリア語の同時通訳の現場でのスリリングな現場の舞台裏の話に始まって、タイトルにもなっているパーネ、アモーレ、ファンタジア(パンと愛と夢)で生きているイタリア人と、リーゾ、ラヴォーロ、フィロソフィア(米と仕事と哲学)で生きている日本人。現在ではその差異が国際化によって縮まってきたそうですが、彼女の中のイタリア人の『お盛ん』ぶりや、いくつになっても男も女も現役で恋愛や人生を楽しむという姿勢には敬意を感じました。
中盤以降に収録されてある『シモネッタ以前』というくだりで彼女が回想録的に『いかにして自分が通訳になりしか』ということを振り返って綴られており「でもしか通訳」としていきなり華麗なデビューを飾った米原万里と、日本に来るイタリア人のガイドから一つ一つ階段を上って通訳になった筆者との対比が面白かったです。
エッセイとしても、イタリアという国を知る上でも参考になられるかと思われます。 -
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ネタバレ前回読んだ『シモネッタのデカメロン』よりエッチくなかったです(笑)。
ロシア語通訳だった米原万里氏の著作を幾つか読んだのですが、お国柄の違いか此方は政治とお酒の話、『パーネ・アモーレ』はファッションと男女関係の話が多かった気がします。
でも“通訳”という職業のアプローチの仕方というか見解というかは、両氏で似通っている気がしました。それはどちらも余り日本ではメジャーな言語ではないからかな。
英語の通訳の方の著作は読んだ事がないのですが、両氏もそれぞれの著作の中で触れていたように、また大分事情が違う気がしました。
他言語を学習するならドイツ語かイタリア語がいいなぁと何故か思っていたんですが、イタリア人の彼女がいる知人の話と、田丸氏の著作を読んで、イタリア語を習得するのは全く不可能のような気がしてきました……。
逆に米原氏の本を読んだ後は、特別興味のなかったロシア語を習ってみたいと思ったんですが。
どちらの氏の著作もとても面白かったので、要は私の先入観の問題でしょう。 -
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ネタバレいや~、面白かったです。
コレを読んでいるとイタリア人って男も女も老いも若きも、み~んな浮気ばっかし。ホントに“イタリア的恋愛”をススメちゃっていいのか?(笑)
女性にマメなのはいいケド、その先で怒濤の浮気嵐が待っているんなら、「この人ったらも~鈍くてガッカリ」くらいの方がいいなぁと思うのは、やっぱ私が日本人だからか。
でも最近は、米原万里氏がロシアもそうだと書いていたけど、イタリアも英語・英語圏の文化に席巻され、大分様子が変わって来ているんだとか。
グローバリゼーションって言えば聞こえはいいが、結局“英語”に支配され、色々な国々の特色が塗りつぶされて行くんだとするとイヤだなぁ。日本語なんて100年後くらいには、学校の授業くらいでしか話されない言語になっちゃうかもね。
あとがきでずっと米原万里氏の事について書かれていましたが、しんみりしました。さぞかし寂しいだろうなぁ……。私でさえもこれ以上彼女の著作が読めないと思ったら寂しいんだから。 -
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"先日、森永卓郎さんの講演を聴いた。経済学の専門家なので、昨今の経済状況をわかりやすく講演していただいた。森永さんは、日本をイタリアのように明るい国にしたいという妄想?(森永さんごめんなさい)を抱きつつ、日夜奮闘されている。(私も、森永さんの計画に100%賛同している。)イタリア人のように、明るく飲んで、唄って踊って、恋をしよう!と必ず講演の時にお話をする。
そこで、ふと思い出したのが、米原万里さんの本に出てきたイタリア語通訳の方の話。シモネッタという愛称を持つ田丸公美子さん。この方の本を読みたくなり、本屋で購入して読んでみた。イタリア人の気質、文化の一端を田丸さんの体験談からかいま見られる。男の人がナンパしまくる国民では、女性はそんな男達の中でどんな気持ちでいるのか気になる。そんな疑問にもふれている。口説くのが礼儀と思っている男性、そんな男性達から毎日「きれいだ」「かわいい」「すてき」と言われ続ける女性達は、ますます美しくなる。とのこと。
このほかにも、子育て、とんでもない通訳の仕事、ご自身の成長記など楽しいエッセイが詰まった本。楽しいひとときが過ごせた。" -
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イタリア語通訳者の田丸公美子さんのイタリア紀行集。各地の人々の気質の違いや見どころ、現地でのトラブル、地元の人との交流など興味深い。
イタリア人男性の女性好きはあっけらかんとして微笑ましい。女性はお誘いがたくさんあるそうで、気を付けたほうがいいみたいだ。シモネッタ(下ネタ)というタイトルにふさわしく、男女の話もたくさんでてくる。ただし、意識しすぎで、後半食傷気味になってくるのは否めないが。著者が若い頃(1970年代)の話が中心で、相当モテたようだ。
この本に出てくるのは、毛皮のコートとハイヒールを身に着けて高級レストランやホテルに行く感じなので、そういったちょっとアッパーレベルな旅をしたい人には参考になるかもしれない。