碇卯人のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレseason9のうちの5話が収録されている。
初期のノベライズは1シーズンに付き上下巻で
しかも放送2話分を(無理矢理)1話にまとめたりしてたけど
現在の1シーズン3冊、1話分1章の方が読みやすいと思う。
厚さもちょうどいいし。
season9上巻を読んだときに感じた、テーマの重さや救いのなさは健在なのだが
この巻では、重いテーマが潜んでても話の運び方が軽いという印象を受けた。
season8ではかなりぎこちなかった右京さんと神戸くんの掛け合いも
この本ではだいぶこなれてきた感じが見て取れる。
『招かれざる客』でのやさぐれ右京と似非逮捕状(爆)のくだりは
ドラマが放送されたときから大好きだった。
『通報者』はseason8の『フェンスの町で』に続いて神戸くんvs子ども(爆)の話。
親に恵まれない子たちと相対するときに神戸くんが見せる
意外と熱い部分が『フェンス~』と共通しているような気がする。
そういうところに、ドラマではあまり出てこなかった
神戸尊という人の根幹に関する謎が潜んでいる気がするのだがどうだろう。
今回の巻は割と神戸くんの活躍が目立つ気がするのは贔屓目か(笑)。
テーマはともかく軽い運びの話が多い中で異彩を放っていたのが『聖戦』だった。
この話はとにかくゲストキャラクターが強烈。
富田寿子と折原夏実、このふたりには違った意味での狂気が見えた。
特に寿子は歴代の関係者の中でいちばん怖かった。
何とかに刃物、ではないが、
元々頭の切れる人がマイナス方向の執念を持ったらこうなる、
という結果を見せつけられたような。
そして、寿子と互角に渡り合う夏実もある意味天晴れだった。
時系列でいうと、『予兆』と『聖戦』の間に劇場版2が入るはず。
『予兆』が思わせぶりな終わり方をしてること、
更に官房長がいないことに(この本の時点では)不自然さを感じさせないところが
流石だと思った次第。
そういえばまだ劇場版2のノベライズ読んでなかった(´・ω・`) -
Posted by ブクログ
ネタバレ読み終えるのに3日以上かかってしまった。
ドラマ放映の時点で強烈な印象の話が多かったが故
視聴後にどんよりしちゃった記憶が重かったのかもしれない。
とはいえ、内容と受ける印象はものすごく幅広いseasonではある。
本格推理といってもいい内容の『寝台特急カシオペア殺人事件』、
ノアールなんだけどちょっとだけコミカルな味もある『ついている女』
(操一トリオと春麗パパの遣り取りとか、幸子さんと田村の遣り取りとか)、
話の進み方自体がトリッキーな『新・Wの悲喜劇』。
そして最後に、孕んだ問題の深刻さと遣り切れなさが読後に来る
『白い声』と『黙示録』が並ぶ、という展開は
相棒というドラマの懐の深さをこれでもかというほど感じさせられた。
とにかく個性的なカラーの、強烈な印象の話が並ぶ中で
いちばん異彩を放っていたのは『新・Wの悲喜劇』だと思う。
隅々までよく読まないと、どこからどこまでが妄想で現実か判らなくなる。
この話の上の階の奥さんを演じた中島知子さんの演技はすごかった。
数多いる脚本家の中で最初から関わっていた輿水さんが
いちばん異彩を放っている、という不思議。
この中では地味な話になってしまうかもしれないけど
『マリリンを探せ』『琥珀色の殺人』『20世紀からの復讐』も好きな話だった。
逆に落ち着いて見られるというか、安定感があるというか。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ12話分を9話に再編成したノベライズ。
前後編を1話にまとめる形をとったのが1話、
1話完結の3話分を1話に落とし込んでるのが1話。
結末をいじらずに流れだけを変える手法が
小説家としてのプライドであり、チャレンジなんだろうなと思う。
ドラマをくまなく見てて違和感を感じる人も多いのかもしれないけど、
個人的には単純に並べるのではなく、絡めるように展開させた力技を買いたい。
読後感が薄ら寒いと感じた話が2つ。
ひとつは『小さな目撃者』。
10歳の少年が明確な意思を以って行動を起こしているということに
末恐ろしいものを感じた。
もうひとつは『特命係、最後の事件』。
決着のつけ方が小野田官房長らしいのだが
明らかに右京さんが納得してなさそうな感じが読後のモヤモヤとして残った。
逆に読み終わってちょっとだけ温かい気持ちになれたのが『殺しのカクテル』。
バーテンダーのプロ意識とカクテルに隠されたドラマがじんわり浸みた。
個人的には普段いがみ合ってる伊丹刑事と薫ちゃんが
なんだかんだでいい関係だというのが随所に見えてたのが嬉しかった。
2011年にヴェネツィア国際映画祭で新人賞を取った染谷将太さんが
出演者の中にいたことに吃驚した。
子役からやってたのね。知らなかった。
取り敢えず表ペンネームのトリックかぶりを探して読んでみたいと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読み返してみると隠れた名作が多い巻だったなと。
『複眼の法廷』『編集された殺人』など
テーマや問題提起が壮大で誰が見ても名作だといえる話がある一方で
事件の被害者や関係者の想いや行動という観点から見て
『蟷螂たちの幸福』『この胸の高鳴りを』『空中の楼閣』の3編がお気に入り。
悲しい結末なんだけど、悲しいだけで終わらない感じが共通しているように思う。
そしてやっぱりバンドものには弱いというところが露呈されたのであった(笑)。
ドラマ本編では出てこなかった(と記憶している)『この胸の高鳴りを』の歌詞が
個人的には最大のボーナストラックだった。
『剥がれ落ちてく皮膚のように 君のぬくもり 確かめられない』という
あまりラブソングでは使われなさそうな言い回しも相棒らしくていい感じ(笑)。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ特命係の紆余曲折という意味では
やっぱりseason3がいちばん楽しめるんだろうと思う。
ふたりの異動やらなにやらは上巻で決着がついたと思われるので
残るは美和子さんの去就だけなんだけど。
右京さんの天才ぶりが違う方面で発揮されていた、ということで
個人的に出色だったと思うのは『殺しのピアノ』だった。
ペダルの踏み込み具合とか、ほんのちょっとの音程の誤差に気付くとか。
あーやっぱり羨ましい。絶対音感欲しかった。
とはいえ、耳鳴りのキーまで当てられちゃたまったもんじゃないよな、と
ちょっとだけ犯人に同情してしまったのであった(爆)。
何はともあれ、season3上下巻に共通して読みどころだと言えるのは
薫ちゃんの狼狽えっぷりだった(笑)。
なんだかんだ言って美和子さんのこと大好きなんだな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレseason3はあんまり見た記憶のない話が多かった。
長い話が多いからか、本数は少ない。
薫ちゃんが所轄に異動になったり、美和子さんと別れたり
右京さんが免職になったり、ふたりが特命係に復帰したり
ある意味忙しいシーズンだったんだなと。
『双頭の悪魔』での片山雛子さんの登場はこんなに早かったんだなーってのと
『第三の男』での陣川くんの登場が思ってたよりも遅かったってことが発見だった。
この2つの話はなんとなく見た覚えがある。
一方で全く記憶になかったのが『潜入捜査』だった。
巻末のキャスト一覧と突き合わせると違和感があって逆に面白い。
温水さんが公安の捜査員とは…吃驚。
動機が薄ら寒い印象の話と、官僚や警察の闇を暴くタイプの話とが混在。
大きな組織と戦うタイプの設定はこの辺から出始めてきたんだな。きっと。
本編とは全く関係ないが、あとがきを書かれてた音楽担当の池頼広さん。
ベーシストでしかも6弦使いということに思いきり喰いついてしまった(爆)。
あたしの知ってるベーシストで6弦を弾く方はこれで5人目(笑)。 -
Posted by ブクログ
ネタバレお正月特番の分が真ん中に入ってるからか
他の巻より若干話数が少ないかも。
この辺はリアルタイムで見てたので、それもあってか感慨深い。
特に『願い』と『SPY』は初見から好きな話だったので読めてよかった。
この巻はいろいろ冒険してるな、という話が多い。『消えた乗客』などは特に。
下世話な言い方で申し訳ないが
百合を正面から扱ったドラマというのもなかなかないのではないか。
とはいえその設定が唐突に出てきた感じは否めなかったのが残念だが。
素直に読んでいて面白かったのはやはり『特命係、西へ!』だった。
利休七哲とか、戦国鍋TVを見てた身としてはニヤリとするしかなかった(笑)。
話自体は決して後味のいい結末とは言えないけど。
今となってはこの話がきっかけでミッチーの運命が変わったと思うと感慨深い(笑)。 -
Posted by ブクログ
ネタバレうっかり中巻すっ飛ばして下巻読んじゃったという。
最近再放送してた分がけっこういっぱい入ってます。
『怪しい隣人』や『右京、風邪をひく』などの軽い印象の話はもちろん
『堕ちた偶像』『狙われた刑事』『神の憂鬱』のようなシリアスな話でも
右京さんと神戸くんの遣り取り、特命係とトリオ・ザ・捜一との遣り取りが
コミカルで弛緩できる感じが好きなシーズンだったなぁと
ノベライズを読んでいて改めて思いました。
どちらかというと薫ちゃんより神戸くん派だった理由は
似たように優秀な人同士のシニカル且つコミカルな掛け合いだったんだなーと
相棒が変わった今にして気づきました。
でもって神戸くん登場以降のノベライズは彼の口調を概ね正確に書いてるので
そこも読んでてニヤリとしてしまう要因なんだなと。
『神の憂鬱』の最後の右京さんの台詞にきゅんとした人も多いと思われます(爆)。
1シーズン掛かってやっと迎え入れてもらったのにそこから2シーズンで卒業とは
やっぱりちょっと早過ぎやしないかなーと今更ながら思ったり思わなかったり。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ亀山薫特命係を去る、の巻。
その旅立ちは記憶にあるよりもあっさりしてた。
サルウィンの平和、失った家族の名誉、子供、DJとしての『声』、
棋士のプライド、仲間意識…といった
譲れない何かを守るために動く人たちの物語、という気がした。
そして、何とも遣り切れない結末を迎える話が多かったように思う。
特に『沈黙のカナリア』と『希望の終盤』は
掛け違いの末の誤解が生んだ結末が居たたまれなかった。
譲れない何か、に関しては薫ちゃんが特命を去る原因ともなった。
『還流』と『レベル4』に挟まれた5話にまったく予兆を見い出せなかったので
唐突な感じが拭えなかったのだが
後々考えると薫ちゃんらしいと言われればそうだなと。
『レベル4』で事件が解決した後の遣り取り、特に伊丹さんとの絡みは
読んでてちょっとだけ泣けた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ取り敢えず『花の里』の謎が解けた。
そして右京さんと薫ちゃんそれぞれの身内が登場。
どっちもパワフルだ。特に婚姻届勝手に出しちゃう薫ちゃん姉には吃驚(笑)。
月本幸子さん初登場回も収録。
これを読んでから現在の花の里の女将っぷりを見るとちょっとした違和感。
個人的にはこの頃の方がカッコよかった気がする。
『桜田門内の変』はドラマよりあっさりしてた。
ドラマを見てた時から唐突だと思ってた流れはやっぱり唐突だった。
どうしてもあの2人がああなるのが理解できん(爆)。
この辺になってくると脚本家による個性が際立ってくる感じがする。
ドラマよりも整合性があるのはノベライズしてるのがひとりだからかな。