碇卯人のレビュー一覧
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ネタバレ相変わらずキレッキレの右京さんを堪能できる一冊。
時期的にはカイトくんが着任する前のひとり特命係の頃かな。
同時期にX-DAYの事件とseason11初回の香港領事館の事件が被ってる。
2作収められていて、2作とも容疑者扱いな感じが相棒らしいというかなんというか。
ロンドン編のゴツい刑事さんは
ちょっとビジュアルを想像しにくいのだが
右京さんに似たマジシャンとか見応えありそうな面々とか
トリックの面白さとか(イラっとするところも含めて)
ぜひ本編で観たい内容だった。
香港編のぶっ飛んだ女刑事さんはキャラとしては
本編の正月スペシャルでもいけそうな感じ。
ちょっとだけ苦言をいうとすれば、香港編 -
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ネタバレギリシャハネムーン中に読書。
「アゲハ蝶」
これはテレビ再放送で最後のほうだけ見たことがあった。
環境問題と標本コレクターのマニアックさが出ていてよかった。
「天才の系譜」
杉下右京の姪が出てくる。
姪の写真はまだまだだと言っていた右京だが、
角田に姪のカメラの才能をダメだしされると、
(以下、抜粋)
「いまいちじゃありませんよ。奇をてらわないシンプルな構図こそ、実はもっとも難しいんです。一見なにげなく撮っているように見えますが、これは実にバランスよく被写体を切り取ってあり…」
ここで右京は薫がにやにやと笑っていることに気づいた。咳払いをひとつすると、
「とまあ好意的な見方もできなくはあり -
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『相棒』の杉下右京を主人公にした、
オリジナル小説の第4弾です。
本作品は、
中編1本、短編1本の2本収録です。
本シリーズは…、杉下右京が、
出張やプライベートで訪れた旅先で、
事件に巻き込まれるのがパターンで、
舞台も、イギリスが多く、本作品も、
ロンドンと香港が舞台となりました。
また、ドラマでの相棒は登場せず、
現地警察の旧友を即席の相棒として、
謎を解いていくパターンですので…、
杉下右京どっぷりのお話となります。
本作品では、タイトルの通り、
お話のカギは、アリバイトリック…。
所謂、
不可能犯罪を解き明かす内容でした。
まぁ、種明かしをすれば、
単純なトリックではありま -
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ネタバレ名作であったり、新境地であったり、
なかなか読みごたえのある1冊だった。
1シーズンにひとつかふたつはある子供が主役の話が
『バレンタイン計画』と『BIRTHDAY』の2編も収められている贅沢。
特に『BIRTHDAY』はseason8の『フェンスの街で』に並ぶ名作だと
個人的には思っているので嬉しい限り。
あれほど幽霊との邂逅を願っていた右京さんが
ようやく出会えたという事実がさらっと流されている辺り
逆に面白かったりもして(笑)。
そして英語を駆使して事件に挑むグローバルな面が見えた『ビリー』。
この回では芹沢くんの『女心判らないブラザーズ』という名言も飛び出したのが感無量。
放映当時 -
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ネタバレリアルタイムで見てたときには
ずいぶんチャラくなっちゃったなぁと思っていたのだが
文章で読むと細部まで凝った作りのseasonだったんだなぁと改めて感じた。
脇を固める人たちがこんなに面白かったとは。
中園参事官が内村部長にキレたのもこの辺だったんだなぁ…(しみじみ)。
というか
脇の人たちが面白いだけじゃなかった。
米沢さんも角田課長もイタミンも芹沢くんも三浦さんも
先に挙げた中園参事官や組対五課の大木さん小松さんコンビまで
各方面で大活躍。
陣川くんはだいぶキャラ崩壊してて笑ったけど。
個人的にちょっと残念だったのは
第十話『アリス』での国枝史貴に関する趣向は
流石に文章では再現できな -
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ネタバレ相棒の年齢が下がったことで
内容や台詞回しが一気に若くなったような気がする。
米沢さんや角田課長が特命係に合コンをねだるなんて
今までは考えられなかったし(笑)。
この巻は敢えてカイトくんにいろいろ失敗させて
その成長過程を見せていく、という手法なのかなと。
薫ちゃんは兎も角、神戸くんの着任当時よりは
明らかに未熟な感じがする。
見方を変えれば最初っから感情が判り易いというか
関係者に感情移入しすぎるところが人間臭いというか。
だからなのか、前のふたりの着任当初は突き放し気味だった右京さんが
カイトくんに関しては最初からこまごまと世話を焼いているところが
なんとなくお父さんみたいに見えること -
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ネタバレseason10上巻のレビューにも書いたのだが
放送当時は正直見るのが辛かったシーズンだった。
改めてノベライズですべての回を振り返ってみると
初回から一貫して『罪』とは何か、『贖罪』とは何か
といったテーマが根底にあったように感じた。
そして、このシーズンの神戸くんの行動原理が
全て初回のエピソードに集約されているということが
この下巻で色濃く映し出されていたように思う。
今まではseasonでひとつのテーマが貫かれている、と
感じたことはなかったので
その意味では新たな発見だったのかな、と思わなくもない。
そして、そこにまたノベライズを読む醍醐味を発見したような。
終盤にまた腐女子心を擽 -
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ネタバレ不穏な空気を感じさせるseason10の雰囲気が
文章にそのまま映し出されていて、相変わらず読み応えがある。
この巻は特に、似た印象の話が数話ずつ並ぶという結果になった。
7話『すみれ色の研究』と8話『フォーカス』は読後が切ない話。
特に『フォーカス』は、被害者のカメラマンの不器用さに涙が出る。
9話『あすなろの唄』と10話『ピエロ』は犯人の狂気に震えがくる。
特命係のふたりがいちばん危ない目に遭うのもこの2つの話。
『ピエロ』は犯人の狂気に加えて抱える事情の悲しさも際立つ。
そしてこの話を読むだに大橋のぞみちゃんの引退は残念だと改めて思う。
11話『名探偵再登場』と12話『つきすぎている