稲垣公夫のレビュー一覧
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リーンプロセスを、製造ではなく新製品開発に応用するのが良いぞ、という話。
基本的に、TOYOTAのカンバン方式が中心となっていて、海外から改めてTOYOTAの凄さを教わりました。社内のプロセス改革で、ボトムアップではまずうまくいかない、というのは本当に納得。
それと、オオベヤとわざわざカタカナで書いてあった「大部屋」方式は、今後、コロナで三密を避けるという中で、どうやって「立ったまま会議」をやるのか、考え所。
逆にいうと、三密はコミュニケーションが取れてない組織に有効で、そもそもコミュニケーションが良好な組織では、テレワークのみで、うまく行くのかもしれない。 -
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ネタバレ前作から10年、工場長にすぎなかった主人公のアレックスは、グループ会社の副社長へと出世していた。
ところが世界的な不況のあおりを受けて業績不振に陥った会社は、アレックスが担当する多角事業部門を切り離し、売却するという。
今のままでは売却に伴って大量の人員整理を余儀なくされてしまう。
「企業の目的は、現在から将来にわたって、お金を儲けることだ」
その必要条件の一つは「現在から将来にわたって、従業員に対して安心で満足できる環境を与える」ことであり(高い生産性を保つのに必要)、「現在から将来にわたって、市場を満足させる」こと。
そのためにはどうしたらいいのか。
結局、状況はそれぞれ違うわけだ -
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ネタバレ前作の「ザ・ゴール」が面白かったので続けて読んだ。
前作で大成功を収めたアレックスは、ユニコ社の副社長となり手腕を握っていた。
かつての彼の部下たちも、グループ会社の社長となり活躍していたが、
なかなか利益が出せず、売却される危機に。
短期間で眼を見張る利益を出すのは難しい。
それなら、いかに今後利益に繋がるビジネスをしているのかを示す必要がある。
こちらは前作と違って、物流ロジックの話ではなく、
どちらかというと、問題と見通しを明らかにして説得する話だった。
問題のコンフリクトを明らかにする「雲」や、「現状問題構造ツリー」といった手法を用い、
アレックスのかつての部下で -
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今まで図式化の本は何冊か読んでいたもののなかなかぱっと来るものがなかった。
この本は何んとなく日々使っているコンビニや飲食店の構造を図式化(因果関係マップ)してくれていてなるほど、なるほどといかに自分の思考が浅いかを思い知らされた。
そういえば昔、何かの記事で流行りの飲食店のメニューを真似しても意味がなく思考を真似するべきという記事を思い出し自分の仕事にもすごく活かせるように思う。
またこの本に関しては因果関係マップの作り方のステップや練習問題まで用意してあり非常に理解がしやすかった。
仕事でも企画を考案する際にネットで拾った情報のみで企画を考えがちだが今後は因果関係マップを使って深い思 -
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長年トヨタのプロセスを研究している著者がようやく発見した仕組みというか考え方と、トヨタじゃない会社でそれを適用する方法の紹介。
「ターゲット状態」「改善のカタ」「コーチングのカタ」などいろいろ紹介されている。
「ターゲット状態」とは、いわゆる理想的な状態のことでもあるし、現在よりも少しだけ理想に近づいた状態のことでもある。
製造業の会社では「1個流し」が理想とされているそうで、どんな活動もそこに向けて進んでいることが「正しい判断」だとされる。
「改善のカタ」とは、目標として設定した「ターゲット状態」に近づくための障害を解消していくこと。
現状分析、根本原因分析、対処、評価を数分とか数十分と -
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世界に冠たるトヨタ。その生産管理手法として、リーン生産方式、ジャストインタイム、タクトタイム、セル生産方式、アンドン、カンバン方式、平準化、自働化、などの仕組みが広く知られている。しかし著者は、それらの生産管理ツールや管理手法は表面的なものであり、トヨタの持つ行動様式が組織として身についていなければ、そのツールを導入しても成功はおぼつかないという。トヨタの競争力の源泉は、その行動様式である「トヨタのカタ」だというのがこの本の主張だ。
トヨタにおけるその核となる行動様式を、著者は日本語で「カタ (Kata)」と呼ぶ。英語ではそれに当たる丁度よい言葉がないということなのだろう。その「カタ」はとて -
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ネタバレ「ザ・ゴール」の続編。
前編の工場長から、ユニコ社多角事業グループ担当副社長に昇進したアレックスが、沸き上がったグループ会社の売却問題に対して、前編同様、ジョナに授けられた問題解決手法を使って、立ち向かいます。
問題解決手法については、前編同様、物語の中で解説が加えられ、読みやすく、理解しやすいものとなっております。
ただし、本編では、問題解決手法がまとめて紹介されているわけではなく、部分的に適用されて話が進行していくだけなので、解説ページのようなものでまとめて紹介されることがあってもよかったかもしれません(一応、ラストにあるのですが、少し不十分に思います)。
少々うまく行きすぎのような -
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TOYOTA式生産システムを製品開発にも適用させようという思想の本(とみた)。短い文書内でよくまとまっていると感じる。ノウハウ部が表面的になるのはいたし方なしか、とも思うが、2部以降にもっとボリュームが欲しかった。LAMDA、LEAN等すべてはじめて聞く言葉だったのが情けなかったが、かなり使えると感じる。早速業務にA3レポートとLAMDAサイクルを適用してみることにした。A3レポートは書くのが結構つらいが、読む方はかなり楽になるだろうと想像が早速ついた。継続して書きつづけるという自己管理能力が問われるがチャレンジしたい。
と、読んで早速実践しようと思い、行動にうつせた点でこの本の効果は大だっ -
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『ザ・ゴール1』が秀逸な内容だっただけに、やや落差を感じてしまった。〝2”では、ロジックツリーをメインに事業売却検討の話が進められる。
そのプロセス一点突破でストーリーを構築しているように見えてしまった事や〝1”と違い家庭生活での例え話も強引。主人公の妻から、ではプロセスを用いて話をしてみましょうとか、親子でプロセスを用いる事を賛美するような雰囲気が「営業用ストーリー」みたいに見えてしまい、その辺を分かりやすく自然に取り入れた〝1”に対して見劣りする感じだ。
とにかく書き出して関連性を紐解いて、という感じだが、解釈が安易過ぎるだろうか。いや、悪い本ではないと思うが相性の問題か。 -
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ザ・ゴールシリーズの二作目。本作では、思考のボトルネックを解消すべく、思考法について紹介されている。
共通のゴールを雲と見立て、雲に至るまでの道を整理しながら対立構造を明らかにする。その対立構造自体を見せることで相手に理解を促すことができるし、それを用いて解決策を考えることもできる。
これをビジネスに適用する場合、もう少し複雑性が増すが、基本的には同じ構造で進めていく。作中では、現状問題構造ツリーや未来問題構造ツリーと呼ばれる。
注意すべき点は、先に課題ではなくUDE(Undesired Effects、好ましくない結果)を書き出しておき、配置していく中で真の課題を明らかにしていく。UD