井上英之のレビュー一覧
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SELをどう理解するのか苦慮していましたが、読み進めながら、「関係性に関する知性」を深めるためのものという個人的な見解に辿り着きました。
社会変化はとても激しくなっていて、私たちはそれに対応していく必要があります。個人のレベルで見ると、デジタルツールを用いたコミュニケーションや働き方の変化があり、世界規模でみると環境問題、well-beingなど世界全体で取り組んでいくべきタスクが多くあります。
それらを一歩ひいたところから見ると、「他者」や「世界」といった関係性の中で、「自分」がより良い決断をし行動をしていくことが求められていることが分かります。
本書ではそういった時代に生きる人たち( -
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最近、教育に関心を持ち始め、購読。本書「はじめに」にもあるように、現代は注意を逸らすものに溢れている社会。電車に乗っても、ソファでくつろいでも、常時接続のデバイスからの情報をついつい眺めてしまう。ぼんやりと、あるいはしっかりと、自分や周囲の人、社会を考えることをしにくくなっていることは確かで、それが学びや思いやりといった「能力」を育むことを妨げているということも体感としてある。本書では、これからを生きるために必要なスキルセットとして、3つのフォーカスを提案している。「自分自身」「他者」「外の世界」の3つ。自分が寂しいと感じている、ということを正しく自覚できなければ、他人が寂しいと感じていること
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個人的には、システム思考の本では、現時点でのベストと思える。具体的で、実践的なんだけど、その下にほんとしっかりした思想というか、経験と知恵がある感じ。
(とはいえ、これを最初に読むのは難しそうなので、「なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか?」、「世界はシステムで動く」を読んでからこの本に進むといいかな?)
内容的には、センゲの「学習する組織」「フィールドブック 5つの能力」で紹介されたシステム思考の方法の詳しい説明という感じ。
つまり、変数をリストアップしてその関係をゼロからループ図にしていくというアプローチではなくて、「システム原型」を使いながら対話をおこなっていくことを中心とした -
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アジアの貧困地帯を巡って、社会起業家の活動を密着取材した著作。
第1章 激変する貧困市場 ― 37億人のニーズを満たす方法はあるのか?
第2章 途上国からイノベーションを創出することは可能なのか ―辺境で見た強靭なビジネスモデル
第3章 貧困を解決するための果てしない闘い ― エリートと草の根のチームが世界を変える
第4章 問題の当事者だけが持つ「あきらめの悪さ」 ― 逆境から立ち上がったチャンタの物語
第5章 イノベーションを通じて貧困の連鎖を断ち切る ― 「世界を変える」ための競争戦略論
第7章 「サラ金」化するマイクロファイナンス ― 社会企業に求められるものは何か
という -
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もう知ってるよという食傷感と共に陳腐な活動を偉そうに紹介するような本とは一線を画した良書。ビジネスモデルごとの魅力をピンポイントにわかりやすく叙述しており大変刺激を受けました。各モデルがどのような成長戦略を描いているのかというところにまで踏み込んで語られており、実際の成果がそれを裏付けています。
傍らにおいておきたい時宣を捉えた本です。
以下キーワードのみ自分の備忘録に
ハリシュ・ハンデ セルコ社
ディーライト社
あえて拡大しないという戦略
サトゥヤーンミシュラ ドリシティ社
辺境の地に流通網を築く。一番インフラを必要としている人へのリーチ
中村俊裕 コベルニク
適正技術と可能性
ラジ -
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「世界の中心はそこら中にある」
途上国にあるまだまだわかりやすい課題に対する、イノベーティブな解決方法の事例集。BOP事業の参考になったりするんだろうけど、国内への応用も考えてみたい。
カンボジア
収入の20%を灯油に費やす人たち→太陽光発電(送電網なしで電気を使えるようになる)
d.light from d.school, Stanford
事業化の前のトライアルで、プロトタイプを使ってもらったある女性はインタビューで泣き出した。それくらいインパクトがある。
「本当に人々が求めているものだけを見つけ出そう。それ以上でも、それ以下でもない、『それ』を」
インド
従業員として雇わず、個人事業 -
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「適正技術」の考え方に刺激を受けた。
【以下引用】適性技術とは、技術の先進性のみを評価する これまでの概念とは異なり、使用する人々や社会の効率をもって評価する考え方だ。(中略)この「適性技術」という考え方は、ユーザーへのインパクトを重視して技術を再評価していこうではないかというものだ。【引用おわり】
例えば太陽光発電だったり伝統的な医療は、既に全土に張り巡らされた電力網だったり、国策レベルでの西洋医学の普及などといった我々にとって当たり前の前提が存在しない世界では、まったく違う輝きを放つ。私たちがさほどそれらに着目しないのは、あくまで相対的な比較で「価値がない」と判断しているからであり、当然 -
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世界は変えられるし、世界の中心はいたるところにあるんだと思えた。1歩踏み出せるかどうかなんだと感じた。問題はまだまだ山のようにあるし、いまはまだ見えていなくても、いずれ顕在化する問題も無数にあるはずだ。サービスの質が問題であるのならば、それはモノ・サービスの質にシビアな日本人に解決できることがまだまだたくさんあるし、実際求められているのではないだろうか。例えば、コストは置いといて防水ケータイなんかは雨の多い地域では最高のプロダクトなんじゃないか等々思うところはたくさんあった。ミクロ金融の雄、マイクロファイナンスの負の側面については、考えたこともなかったので、大変勉強になった。マイクロファイナン
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SELで述べられている5つの能力(セルフアウェアネス、セルフマネジメント、エンパシー、ソーシャルスキル、より良い意思決定)は学校という枠組みだけではなくこれからの社会をより良く生きるために必須の能力だと感じた。
また、それらの力をつけるためには心理的安全性が土台にあるというところや教師が子どもの安全基地になるなど共感する内容が多かった。
SELとは全く新しい特効薬ではなく、これまでもそれぞれの場所で大切にされていたものを整理しまとめたものであり、これまでにも大切にしていた部分も多かった。
また、その方法に一つの正解があるわけではないし直ぐに効果が出るわけでもない。
なので、何のためにこの活 -
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システム思考というより、今現在、少し気になっているキーワード「コレクティブ・インパクト」について学びたくて購入した1冊。
「コレクティブ・インパクト」自体はDHBR2月号でも特集が組まれていたように、社会課題に対して行政、企業、NPO団体など、さまざまな立場からの協働によって解決していくことです。
本書では複雑な要素がからむ社会課題のとらえ方として「システム思考」を提案しています。
システム思考に対比されるのは「線形思考」なのだけれど、こちらはシンプルな因果関係A→B のこと。
社会課題に対しておこなっている施策が「焼け石に水」、またはむしろ問題を悪化させる結果になってしまうのは、線形思考 -
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これまで失敗続きだった貧困層へのアプローチの仕方を変えることで成功したアジアの社会起業家が紹介されています。
夜に灯りのための灯油代が収入のなかで大きな割合を占めることへの解決策として発電所からの送電設備がいらないため、どこでも使える太陽光発電が利用されたり、辺境ゆえに物の仕入れが大変で結果として貧困層は古いものを高く買うことへの解決策として物流網の整備など様々なアプローチが取られていて、企業が貧困層からもしっかり利益が取れるようなビジネスモデルが確立さえすればちゃんと底上げって出来るんだなと感じました。
営利と非営利のハイブリッドにより、かつての非営利団体の支援活動だけでは成し得なかったイノ