渡辺由佳里のレビュー一覧
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【無料立読み版】毒見師イレーナ
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試し読み
購入済み翻訳臭が全くしない
ファンタジーものではあるが異世界や魔法や超能力で安易に物語を進める作品が多い中、そのような手段を使わずしっかりと物語を組み立てている。翻訳も非常によくいわゆる翻訳臭が全くしない。波乱と危機感に富んだストーリー展開に惹きつけられる。
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Posted by ブクログ
この人の本は、いつも良い読書ができる。
「良い読書」とは世界観にのめり込むこともそうだけど、文字を追いながら自分も一緒に考えられること。時にはスピーチを聞いた時のような感動を覚え、拍手を送りたくなることもある。
本書は、cakes(noteが2022年まで展開していた有料オンラインマガジン)連載中に話題になったエッセイを加筆修正、書き下ろしを加えたものである。内容はざっくり言うと、「在米生活で学んだ人生円満の秘訣」といったところ。
長年の海外生活からか日本語表現につまづくことが少々あったが(もっと人のこと言えない…)、その分無駄が削ぎ落とされた言葉が直球で心に届いてきた。「亡くなったら森に遺灰を撒いて貰い、風に乗って会いたい人に会いに行く!」と仰るほどにエネルギッシュな方だったとは、他の著書では知り得なかったこと。「人生の師」と仰ぎたくなるし、世の中みんな彼女みたいな人だったら良いのに…と願わずにはいられない。
それらは全て、渡米するまで鬱屈した想いを抱えてきた一人の女性が、目の前のチャンスや試練に「イエス」と応じてきた賜物なのだろう。
“学者や政治家がデータや数字を使って「アメリカンドリームはもはや存在しない。死んだ」と説明しても、アメリカ人そのものが「いや、そんなことない。がんばれば成功できる」と信じている限り、アメリカンドリームは存在し続ける。“(P.140)
新しいことへの挑戦・仕事・お金・恋愛・#MeTooムーブメント・楽しく生きるためのコツ…と広範囲なトピックで、全てを取り上げるとキリがない。
人類で4番目に月面着陸したアポロ12号のパイロット アラン・ビーン氏との交流エピソードは、今でもお気に入りである。ご本人がとてもチャーミングで、ご職業柄もあってかFrank Sinatraの”Fly me to the moon”がずっと脳内再生されていた。
まさか本書で、ロックバンド LINKIN PARKのボーカルChester Benningtonの話が出てくるとは思わなんだ。彼自ら命を絶ったニュースはファンだった自分には大変ショッキングで、更に傷つかないようプレイリストから曲を外したものだ。
だが彼の古傷はそんなものではなく、バンドという拠り所を見つけてもなお、自分で自分の心を抉り続けていた…。
彼女がアメリカで見てきた世界は、万年日本で暮らしているとなかなか至ることができない。現地で身近に叫ばれている問題がピンとこないことも正直あったりした。でもそれは、日本人では及ばない考え方をアメリカ人は多く持ち合わせていることでもある。
彼らの現実が日本の未来だったりするかもしれないから、今のうちにのめり込み、文字を追いながら自分も一緒に考えていたのだった。
著者のケースに限らず、生きるとは挑戦とアップデートの連続である。僭越ながら、今回自分にも目標ができた。
渡辺さんのように、未知なるものやそれで生じる変化を面白がれる人でありたい。
もちろん『ベストセラーで読み解く現代アメリカ』で書いた、「物語のように惹き込まれるレビューを書けるようになりたい」も未だ目標としている。 -
Posted by ブクログ
こんな本を待ってた。くすくす笑いながら楽しく読んだ。
共感するって楽しい体験。
共感する相手が、自分の想像の上をいくパンチを繰り出しているならなおさら。
皮肉が気持ちいい。こんな本が増えるといい。
でも日本では礼儀?と思ってフツーにやってることメッチャあるなと、自分の忖度にも気付かされて冷や汗。そういう意味でも自分を客観視できていい本だと思う。
映画の「バービー」でもアメリカの女性の賢さと凄さに唸ったけど、この本にも同様のことを感じた。
アメリカとてなかなか女性は生きづらいのだけど、この跳ね除け方が、日本人にはないところなんだよね。むしろ読んだらこうすればいいのねと思っちゃう人がいないかな?と心配してしまう。
日本人の書き手がこんな本を書いてくれたらうれしいな。今後に期待したい。がんばれZ世代!
これはオススメです!
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Posted by ブクログ
えーらいこっちゃ…。また積読リストが膨れ上がってもーたわい。
英語学習本みたいな真面目くさったイメージは見事に引っくり返り、気づけば雑誌のようにスラスラと目を通していた。そして気になる分があれば都度マークする…そんな流れだ。
あー…本書を抱えたまま、読む本が決まっていなかった時代に戻りたい笑
『ベストセラーで読み解く現代アメリカ』にて著者のことを「名レビュアー」と書いたが、冷静に考えるとレビューしてきた本は全て原本(つまり全編英語)で読まれており、中には彼女自らが翻訳を担当された分も掲載されている。
「名レビュアー」であると同時に「翻訳家」なのだ。(アメリカ人や世界中のビジネスマンにまでお勧めの本を聞かれるほどに信頼度も厚い…)
自分は好き嫌いや食わず嫌いが激しく、興味を持った本も内容が頭に入ってこないと分かるや速攻で閉じてしまう。彼女の読書術はその対極をゆくもので、どのジャンルにも満遍なく目を通している。(年間200冊以上の読書量…!繰り返すが原本でだ)
魅力からイマイチな点まで、酸いも甘いも噛み分けた「洋書選びの賢者」と勝手に崇拝していた。
本書は、2013年刊行『ジャンル別 洋書ベスト500』の改訂版になる。
古典・モダンクラシック、文芸、ミステリ、SF・ファンタジー・ホラー、ラブロマンス、ノンフィクション・児童書(YA含む)のジャンル別に英語で書かれた本を紹介。ラインナップの基準は著者個人のお勧めに加え、アメリカ人読者によく読まれているものとされている。
自分でも意外だったのが、「ラブロマンス本いけちゃうかも!?」と思えたことだ。滅多に選ばないジャンルだったから余計に。著者曰く、過激な描写がなりを潜めた作品も少なくないという。「歴史ロマンス」「ファンタジー」などサブジャンルも豊富なようだ。
おまけに英語圏では最もよく売れるジャンルで洋書慣れしたい読者にもお勧めだと言われたら、恐る恐るでも踏み出してしまう。スキップする気でいたチャプターだったのに、最後まで読んでもーたわ!
非英語話者からすると、全編英語の洋書はどうしても学習教材に映ってしまう。
自分の場合読みたい原本があっても、きっと邦訳版が出るまで辛抱強く待つだろう。本書のラインナップには未邦訳の分も含まれてはいるが、今回も邦訳済みの分から手をつけていくことになると思う。
本書もちょびっと用語が取り上げられていたりするが、英語学習要素(文法など)については皆無と言って良い。英語云々は一旦脇に置いて、彼女がレビューする作品を純粋に楽しんでほしいという願いから執筆されたのだと感じた。
自分もあわよくば、邦訳版の後に原本チャレンジしたいと思っている。
ラストまでのあらすじさえ掴めば、別の楽しみ方だって思いのまま出来ちゃう。何より洋書は表紙のデザインがスタイリッシュで、ブックカバーがなくても堂々と読んでいられるし!(そのぶん内容を知っている人に見破られる可能性も大だけど笑) -
Posted by ブクログ
レビュー本なのに物語のように惹き込まれた。「こんなレビューを書けるようになりたい」と思わせた。
人気レビュアーで翻訳家の著者が、2010年代のアメリカでベストセラーになった書籍を丁寧にレビュー。レビューの文章は「ニューズウィーク日本版オフィシャルサイト」の連載コラムから引用したもので、本書の刊行年(2020年)に合わせて補足事項も掲載されている。
トランプ元大統領をメインとした政治問題・大国で孤立するマイノリティーたち・ジェンダー・恋愛など、扱うトピックが幅広い。中には普段興味を示さない問題が含まれているにも拘らず、著者の手にかかればどの本も読みたくなって(あるいは気になって)しまう。
それもそのはず。彼女は年間200冊以上の本を読む読書家で、周囲のアメリカ人や世界中のビジネスパーソンからお勧めの本を聞かれるほど、選書において厚い信頼を置かれている。(勧めた本が娘さんから波及し、学校中でブームになったのは偉大な功績だと思っている)
だから今回、当然のように積読リストが膨れ上がってしまった。恨むどころか感謝しかない。
米国内における日本のベストセラーへの反応を知る章も、わりと良い見地を得られた気がする。
登場人物の心情を「察する」「憶測する」ことの多い日本の小説は短く、一方それらを事細かに描写するアメリカの小説は倍のボリュームになるという話は何だかしっくりきた。それであちらのハードカバーは鈍器並みの重量なのか、邦訳版も2段組のものが出てくるのか…と。
「本の内容だけでなく、ベストセラーという現象の背後にある社会情勢を考えることが重要なのだ」
文章に惹き込まれるということは、文章が読みやすいということ。
著者の書く文章は時に主観を挟みつつも、基本的には客観的。さらに本旨や結論を冒頭に持ってくるなど、終始テキパキしている。それゆえ、本の魅力が待ったなしに脳へ送られてくるわけだ。
『ドナルド・トランプの危険な兆候』(2018年)はトランプ元大統領の精神状態を精神科医が分析しており、彼に抱いていた言語化できないような違和感を解き明かしてくれそう。
『パチンコ』(2017年)は過去に読んだ作品だが、只々悲しみと申し訳なさが心の中で交錯して終わっていた。「啓発的で、しかも読んでいて楽しいと(日本の読者に)感じてもらえれば幸いだ」という『パチンコ』作者の話にもう一度読み直そうと思い始めている。
『結婚という物語』(2019年)は結婚観だけでなく人種問題にも切り込んでいるようで、今一番読んでみたい作品かも。「現地のブッククラブ/読書会に適してそうな作品」だと著者も話しており、確かにワインを交えると盛り上がるだろうなーと読後その場で談笑する自分を妄想してみる。
こうしてマークした本(まだまだあります)を振り返ると、その時著者が話した内容も同時に思い返される。やっぱり名レビュアーだ。積読リストには、もちろん彼女の著書も加えている。 -
購入済み
ファンタジーものではあるが
異世界物ではあるが、他の作品の多くが魔法や超能力 チートな力で安易に物語を進めているのに、そのような手段を使わずしっかりと物語を組み立てている。身分制度の課題もしっかりと書き込んでいる。翻訳も非常によくいわゆる翻訳臭が全くしない。波乱と危機感に富んだストーリー展開に惹きつけられる。
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Posted by ブクログ
基本的に、私は「本についての本」にはあんまり興味をそそられず、また、本好きの人がいかに自分が本が好きかとか、年に何百冊も本を読んでいるとか語るのを聞く時も、どちらかというと「あーはいはい良かったね」と全力で聞き流す人ですが、このベストセラー指南書は大変におもしろかった!
活字を通して見る誰かの人生がいかに彩りに富んでいるかを改めて再認識させられる本だった。
まあ、あと、いつも思うことだけれど、アメリカってのはすごいな、「ペンは剣よりも強し」がまったく絵空事ではなく、実際にペンを使って本気で戦っている人がいくらでも出てくる国だ、と思った。
アメリカをそうならしめているのはやっぱり自己肯定や問題意識を高める教育のたまもの(学校だけじゃなくて親とか)なのかなぁ。あるいは、それだけの強さが求められる厳しい国だということなのかしら。
しかし著者の守備範囲の広さには驚く。
ノンフィクション、それもフェミニズムが多めな傾向はあるけれど、政治経済だけじゃなくてYA向けのファンタジーから "こんまり" の片づけ本まで網羅してある。
そして、ただ本に書いてあることだけじゃなくて、著者が日ごろアンテナを張って得た生の関連情報や著者の所感も織り込まれていて、タイトルどおり、「現代アメリカ」の姿が確かに見えてくるという感じ。
その情報のバランスが素晴らしくて、大統領の弾劾シナリオについて書かれているとかいう「The case for impeachment」なんて、もう読まなくても、この本の案内で十分かもーなんて思ってしまった。(できればトランプには、その弾劾のシナリオのとおりに最初にして今のところ唯一の「罷免された大統領」という名誉ある称号をぜひ得てほしいと思う。…その本はたぶん読まないけど)
一番印象に残ったのは、民主党の大統領選で名乗りを挙げていたというアンドリュー・ヤングと「ユニバーサル・ベーシック・インカム(UBI)」についての章。
この本を読むまでヤングという人も、UBIについても、まったく知らなかった。
ヤングが、「UBIこそが我々の将来である」と思った理由について、この本がかいつまんで説明してくれているのだが、それを読んで、私も興奮気味に「確かにそれだ!!!」と本気で同意した。書評しかまだ読んでいないのに。(笑)
斬新かつ先見性がありすぎて、日本でこのUBIについて持ち出しても、絶対「夢みたいなこと言うな」とものすごい反対意見にさらされそうで、とても話せないと思ったけれど、でも、今のAIの進化のスピードを考えると、じきに馬鹿げた話ではなく、むしろ地に足のついた考え方になりそうな気がすると思った。かなり感銘を受けた。(何度も言うが、書評しか読んでいないのに・・・笑)
というわけで、このヤングという人にとても興味を持った。
ついでに言うなら、民主党の候補者の中でひときわ異彩を放っていた(というより、イケメン過ぎてひとりキラキラ輝いていた)ブーテジェッジの自伝も読みたいと思った。
彼が候補選から脱落した途端、かの地の次の大統領選に興味を失ってしまった私であるが・・・思っていた以上に素晴らしい人のようで、普通、ただの候補者の自伝なんて絶対に読もうとは思わないだろうけど、この本のおかげで読みたくなった。 -
Posted by ブクログ
危険な毒見役として生きることになった娘は…?
中世風異世界ファンタジーですが、ヒロイン像が鮮やかで、展開もスピーディーで面白い!
まだ10代のイレーナは殺人の罪で1年牢獄に繋がれていたが、死刑か、最高司令官の毒見役になるかを選ぶように命じられる。
舞台は、建国されてそれほど経っていない新しい国イクシア領。
イレーナの罪というのは、イレーナを含む孤児たちを監禁して実験していた男を倒したのだが、これが将軍の一人の息子なので正当防衛などは通じない。
イレーナは立場を得てまともな服装となったものの、毎回、命の危険にさらされる毒見役。
しかも、イレーナの処遇を不服とする将軍には、密かに命を狙われ、誰が敵か味方かわからない。
もともと身寄りがない孤児で、あまりにも悲惨なところからのスタート。
ぐっと引き込まれる描写で、どんどん読み進めます。
このイレーナが実は身が軽くて、あっという間に凄腕になっていくのね~(笑) 少しずつ親しい人も出来て、味方を増やしていくのを見守る心地。
前の王家が腐敗していたために革命が起こり、今は独裁体制で法律は厳しかった。
直属の上司のような防衛長官のヴァレクは、最高司令官の右腕。渋い年上の男性で、イレーナを教育するうちに次第に惹かれ合うようになります。
なんといっても、このヴァレクがいい男で。
イレーナを認めていく過程と気持ちを伝えていく様子がなんとも‥
続きを読まずにはいられなくなります! -
【無料立読み版】毒見師イレーナ
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