【感想・ネタバレ】アメリカはいつも夢見ているのレビュー

あらすじ

「他人の期待にそむいて生きること。それが幸福の近道だった——」
仕事、お金、恋愛、結婚、子育て、人間関係…アメリカ生活30年の著者が獲得した
「後悔しない生き方」のコツ。藤野英人さん、岸田奈美さん、絶賛推薦!

「なぜ私は他人の期待にそむいて生きてきたのか?」
これまで仕事や取材を通じて世界中で多くの人に会ったが、多くの人を不幸にしているのが「成功」と「幸福」の幻想だ。しかも、これは「他人の期待に応えようとする」ことから生じたものだ。ここでの「他人」とは、親、教師、伴侶、家族、上司、世間体、社会常識のことである。(第一章本文から抜粋)

●幸福度ランキング58位の日本で幸せをつかむ近道
●アメリカでひっそり成功している「内向型」から学ぶこと
●歴史を変えたのは「行儀が悪い」女性たちだった
●死ぬ瞬間に人生で後悔しないために
●「最も働きやすい会社」全米ナンバーワンの秘訣
●アメリカでは死ぬまで恋愛適齢期
●誹謗中傷のターゲットになったときにやるべきこと……etc.

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Posted by ブクログ

著者が長所として指摘を受けたcomfort zoneの外に出てみること、本当に大事だと思う。それで人生の幅がより広がると思う。

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2024年10月12日

Posted by ブクログ

この人の本は、いつも良い読書ができる。
「良い読書」とは世界観にのめり込むこともそうだけど、文字を追いながら自分も一緒に考えられること。時にはスピーチを聞いた時のような感動を覚え、拍手を送りたくなることもある。

本書は、cakes(noteが2022年まで展開していた有料オンラインマガジン)連載中に話題になったエッセイを加筆修正、書き下ろしを加えたものである。内容はざっくり言うと、「在米生活で学んだ人生円満の秘訣」といったところ。

長年の海外生活からか日本語表現につまづくことが少々あったが(もっと人のこと言えない…)、その分無駄が削ぎ落とされた言葉が直球で心に届いてきた。「亡くなったら森に遺灰を撒いて貰い、風に乗って会いたい人に会いに行く!」と仰るほどにエネルギッシュな方だったとは、他の著書では知り得なかったこと。「人生の師」と仰ぎたくなるし、世の中みんな彼女みたいな人だったら良いのに…と願わずにはいられない。
それらは全て、渡米するまで鬱屈した想いを抱えてきた一人の女性が、目の前のチャンスや試練に「イエス」と応じてきた賜物なのだろう。

“学者や政治家がデータや数字を使って「アメリカンドリームはもはや存在しない。死んだ」と説明しても、アメリカ人そのものが「いや、そんなことない。がんばれば成功できる」と信じている限り、アメリカンドリームは存在し続ける。“(P.140)

新しいことへの挑戦・仕事・お金・恋愛・#MeTooムーブメント・楽しく生きるためのコツ…と広範囲なトピックで、全てを取り上げるとキリがない。
人類で4番目に月面着陸したアポロ12号のパイロット アラン・ビーン氏との交流エピソードは、今でもお気に入りである。ご本人がとてもチャーミングで、ご職業柄もあってかFrank Sinatraの”Fly me to the moon”がずっと脳内再生されていた。
まさか本書で、ロックバンド LINKIN PARKのボーカルChester Benningtonの話が出てくるとは思わなんだ。彼自ら命を絶ったニュースはファンだった自分には大変ショッキングで、更に傷つかないようプレイリストから曲を外したものだ。
だが彼の古傷はそんなものではなく、バンドという拠り所を見つけてもなお、自分で自分の心を抉り続けていた…。

彼女がアメリカで見てきた世界は、万年日本で暮らしているとなかなか至ることができない。現地で身近に叫ばれている問題がピンとこないことも正直あったりした。でもそれは、日本人では及ばない考え方をアメリカ人は多く持ち合わせていることでもある。
彼らの現実が日本の未来だったりするかもしれないから、今のうちにのめり込み、文字を追いながら自分も一緒に考えていたのだった。

著者のケースに限らず、生きるとは挑戦とアップデートの連続である。僭越ながら、今回自分にも目標ができた。
渡辺さんのように、未知なるものやそれで生じる変化を面白がれる人でありたい。
もちろん『ベストセラーで読み解く現代アメリカ』で書いた、「物語のように惹き込まれるレビューを書けるようになりたい」も未だ目標としている。

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2024年09月25日

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