実石沙枝子のレビュー一覧

  • 扇谷家の不思議な家じまい

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    数代続いた家業を閉じた身としては、こんなにドラマはなくても、地味に大小色々な決断をしてきました。窮屈でも逞しい登場人物がとても魅力的でした。

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    2026年09月25日
  • マッドのイカれた青春

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    ぶっ飛んだ女子高生マッド。成瀬?古都琴子?ぶっとび女子高生たちがつい脳裏をよぎるけど、マッドは外見がすごいだけで中身はいたって普通の素敵な女子。青春だなぁ…

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    2026年09月20日
  • 17歳のサリーダ

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    スペインへの憧れクラシックギター、フラメンコ高校生の頃好きだった!いじめや親子関係。若者が生きづらい世の中をサバイブしていて、習い事って異文化や言語を学ぶことって楽しいってことや、
    情熱的強い感情の爆発。読んでて気持ちいい本だった。ファッションの描写が具体的で情景が浮かんだ。おじいちゃんのフラメンコ。認知症だけど本服飾プロのおばあちゃんの手作り衣装。老齢のかっこいい人がたくさん出てくるのも好き。
    いじめる側といじめられる側の苦悩とか、理不尽だけど誰もが苦しい。

    これを機にプレイリストとInstagramのフィードは全部フラメンコになった

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    2026年08月28日
  • はるを呼ぶ

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    ネタバレ

    『はるを呼ぶ』を読み終えてまず感じたのは、『光のとこにいてね』と通じる“人の温かさ”と“静かな再生の気配”だった。
    ストーリーは異なるのに、作品全体を包む雰囲気や読後感が似ていて、心の奥に柔らかな光が残るような感覚を味わった。

    物語の中心にいる晴奈は、8歳の時に姉・小春が突然いなくなったことをきっかけに、過酷な環境へと放り込まれる。
    父は家を出て行き、母は精神的に壊れて部屋から出られなくなり、晴奈は村八分のような孤立した状況で母の面倒を見ながら成長していく。
    幼い少女が10年間も必死に耐え抜いてきた事実は、それだけで胸が締め付けられる。

    そんな晴奈の人生を大きく動かしたのが、海岸通りの公衆電話に突然かかってきた姉・小春の電話だった。
    何となく受話器を取ったその瞬間、晴奈は10年ぶりに姉の声を聞く。
    小春は晴奈に2つの「ミッション」を与える。
     ・友人と仲直りし、一緒に下校して冬休みの予定を入れること
     ・家を出て行った父に会うこと
    このミッションは、晴奈が他者とのつながりを取り戻し、自分の人生を再び歩き始めるための小さな一歩だった。

    1つ目のミッションは、晴奈が勇気を振り絞ってなんとか達成する。
    2つ目のミッションは、仲直りした友人の美久が驚くほどテキパキと動き、父との再会を実現させた。
    ミッションを一つずつこなすたびに、晴奈の周囲の人間関係は少しずつ良好になり、晴奈自身も前向きになっていく。
    読者である私も、晴奈の変化に合わせて心が軽くなり、なぜか救われたような気持ちになった。

    姉の失踪が原因で家族が崩壊したため、晴奈には小春への恨みもある。
    しかしそれ以上に、晴奈の中には強い姉妹愛が流れている。
    「お姉ちゃん」という言葉が30回以上も登場するほどで、晴奈がどれほど姉を思い続けてきたかが痛いほど伝わってくる。

    そして物語の終盤で明かされる事実が、晴奈の心の深さをさらに際立たせる。
     ――公衆電話からの小春の電話は、春奈が無意識に作り出した“幻想”だったのだ。
    姉を思う気持ちがあまりにも強く、心の奥底で「小春に背中を押してほしい」と願い続けていた晴奈。
    その切実な思いが、電話という形で彼女を支えていた。
    ミッションを達成するたびに人間関係が改善していったのは、晴奈自身が変わろうとする力を内側に持っていたからこそだと気づかされる。

    晴奈が自分の力で立ち直り、周囲の人々とつながり直していく姿は、読んでいて涙がこぼれるほど感動的だった。
    過酷な環境で育った少女が、幻想に頼りながらも、最後には自分自身の足で未来へ踏み出していく。
    その過程は静かでありながら力強く、読後には温かい余韻が残った。

    『はるを呼ぶ』は、苦しみの中でも人は他者の温かさや、自分の内側にある希望によって救われることがあると教えてくれる作品だった。
    晴奈の再生の物語は、読者の心にもそっと春を呼び込んでくれるような、優しくて力強い小説だった。

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    2026年08月11日
  • マッドのイカれた青春

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    第2回未来屋アオハル文学賞、大賞受賞作ということで読むことにした一冊。美しすぎる高校生マッドの3年間を描く。
    ルッキズムや情報社会といった現代の要素と、昔ながらのクラスの(いやーなところも含めた)雰囲気と……ありえないようでリアルな作品だった。

    外見にかかわらず、自分の内面を好きでいてくれるひとの存在が誰にでも必要だなと思う。そういうひとはすぐに見つかるわけではないし、見つからないかもしれない。
    作中で巻き起こる出来事や事件、そういったものを見ているからこそ、マッドに季子や忍がいてよかったと思う。読後感は爽やかで、季子の最後のメッセージは泣きそうになったし、たくさんの人に読んでほしい作品だと思った。

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    2026年08月04日
  • マッドのイカれた青春

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    ほんま大賞受賞作品だと知り、書店で悩んだ後 mumさんのレビュー読んで、Uターンし書店へGO!
    読み終えました。
     高校生の感想が聞きたい!
    季子の卒業式答辞 好きだな。
    みんなに幸あれ!

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    2026年07月30日
  • 踊れ、かっぽれ

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    いやもう魅力的すぎて!!!一気に読み終わりました。
    それぞれの事情を抱えながらも、大きな器で包み込んでくれる清水の文化・かっぽれに挑んでいく高校生の姿が最高だった。
    土屋先生の「人生は、祭りだ!」のせりふに心震えた。最強でした。

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    2026年07月15日
  • マッドのイカれた青春

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    最後の季子の答辞がとても心に沁みた。
    青春という時間や季節そのものへの「孤悲(こい)」。
    孤独を持って孤独に寄り添い生きる私たち大人にこそ刺さる一冊だと思います。
    (文庫本待ってます)

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    2026年06月22日
  • マッドのイカれた青春

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    ふと本屋さんでかわいい表装と思って、でも今は読む時間ないし…で、結局おうちにお迎えした作品。

    結局、人はみな隣の芝は青く見えるだよね。
    高校生。まだ何者でもない。何かになれるのか不安で、人と異なることに敏感な世代。
    みんなそれぞれのかわいいがあることに気づくのには、まだ若すぎる彼女たちはかわいくなくていじめられ、ずば抜けてかわいかったとしても、妬まれる。
    小さい閉じ込められた世界で、比べることでしか自分を保てないんだよね。苦しいよね。

    マッドがあんなにあっけらかんとしてるのも、そうして自衛するのしかなかったかも。みんな、自分を大切にしてくれる人を大切にして。そして出会って祈

    おもしろかった!絶世の美女を取り囲む本来モブからのマッドの描写。文面ゆえのマッドの解像度がどんどん上がっていく。顔にうんざりの彼女が大学生になって、少なくともこの顔も悪くないって思えますように。

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    2026年06月12日
  • はるを呼ぶ

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    10年自分の名前が呼ばれない村八分にもあうそれはどんなに辛かったか。想像もできない辛さだと思う。でも生きた春菜は頑張って生きた。
    最後のシーンでは思わず涙が出て来てしまい感動した
    どうかこれからは小春としてではなく春菜として彼女の人生を取り戻せますように

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    2026年06月11日
  • 物語を継ぐ者は

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    私にとっては、丁寧に、丁寧に家族と接してみるか、と思えた作品でした。あとは、この若者たちのちょっとコソコソと、楽しくたくらみをすすめていく物語を読めました。

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    2026年06月05日
  • 物語を継ぐ者は

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    ヤングアダルト向き。「はるを呼ぶ」が重いながらも心に響いたので、こちらも読んでみた。面白かった。
    周囲にうまく馴染めなかった時期に寄り添ってくれた宝物のような本。その著者が実は…
    本好きさんに刺さる本だと思う。
    この著者の作品をもっと読んでみたい。

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    2026年05月30日
  • はるを呼ぶ

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    ポプラ社だし文章がヤングアダルト向きだしで、さらっと軽く読めた。でも中身は重かった。
    主人公はヤングケアラー。とてもしっかりした子。
    頑張ったあげくブチ切れてしまったけど、そうしてなければ彼女は壊れてしまったと思う。
    子どもが大人の役割をする必要はない。

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    2026年05月23日
  • 17歳のサリーダ

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    前半はうまくいきすぎではと思ったけど、中盤からいっきに引き込まれた。移民であるロマの人たちから始まったフラメンコは、人生にはぐれてしまった人たちを惹きつけ、抱える闇を昇華させる。「他人と違う」ことで悩んでいる10代の子たちに「正解はひとつじゃないよ」と語りかけてくれる一冊。

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    2026年05月05日
  • はるを呼ぶ

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    最後まで見捨てられないか、ハラハラする場面もある。スマートにでも、泥臭くても手を差し伸べる味方の存在だけで、読み応えに大量のお釣りがきました。

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    2026年04月23日
  • マッドのイカれた青春

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    かつて自分も感じた、言葉にしきれない心の底に渦巻く気持ちを、キラキラと輝くばかりに表現した作品でした。
    馬淵季子の答辞が最高!

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    2026年03月15日
  • 扇谷家の不思議な家じまい

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    とても良かった。不思議な一族の優しさや葛藤がじんわりと胸に響く。
    そして時子おばあさま、正太郎おじいさま、…。
    最後の「一九三八年二月の思い出」で胸が熱くなる。
    映画にならないかな。映像でもこの作品はとても素敵になると思います。
    作者の方のあたたかさや優しさが沁みます。
    はじめての作家さんだったので、他の本も読んでみたい。

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    2026年03月12日
  • はるを呼ぶ

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    10年前にいなくなったお姉ちゃんと同い年になった晴奈。進学先も決まったが手詰まりのような“いま”と向き合うヤングケアラーの物語。
    第四章の光明が見えた気がしたのに、抜け出せそうなのに、いちばん悪くなってしまった時の晴奈の感情が決壊した場面で泣いてしまった。
    結果的に何もできなかった担任、居合わせた木村くんのお母さん、頼子さん、家族や10年前の関係者以外で関わる“大人”の完璧じゃない、その人なりの精一杯の行動は晴奈にとって全く助けにならないものも支えになるものもある。
    晴奈の苦しさが堆積していくようで常に疲労感や徒労感を覚える。大人たちの態度の方が分かってしまえてつらい…意図が“通じない”時の力が抜ける感覚はとてもリアル。
    発売日が3月初旬だったのは粋。

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    2026年03月12日
  • マッドのイカれた青春

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    マッドになりたいと強く思い続け、これからもそう思い続けるとんだろうなと思うけどなれなくて。
    怖いけど一歩踏み出した子が好転してるからわたしもがんばろうと思った。特に月に我ありが最高によかった。
    視点となった子の続きが気になるけど、それは自分の中の物語として楽しみます。

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    2026年03月11日
  • マッドのイカれた青春

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    ネタバレ

    ほっとするような文章がいいな
    と思うヒトが読んでいて、また色々教えてもらったような内容で、読むことができてよかった

    季節に思いを寄せることは、
    つまり思い出になり始めているということ?

    自分だけでは絶対に気づけないことはある
    だけれども、どことなく一線を引いた距離を保ってしまうところはわかるかも

    わかりあえる人も、きっとどこかにいる。
    すぐには見つからないけれど、
    自分の心持ち、言葉を受け止める力次第で、

    場所がかわったとしても、
    その希望は本当にあるように思えた

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    2026年02月28日