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Posted by ブクログ
10年前にいなくなったお姉ちゃんと同い年になった晴奈。進学先も決まったが手詰まりのような“いま”と向き合うヤングケアラーの物語。
第四章の光明が見えた気がしたのに、抜け出せそうなのに、いちばん悪くなってしまった時の晴奈の感情が決壊した場面で泣いてしまった。
結果的に何もできなかった担任、居合わせた木村くんのお母さん、頼子さん、家族や10年前の関係者以外で関わる“大人”の完璧じゃない、その人なりの精一杯の行動は晴奈にとって全く助けにならないものも支えになるものもある。
晴奈の苦しさが堆積していくようで常に疲労感や徒労感を覚える。大人たちの態度の方が分かってしまえてつらい…意図が“通じない”時の力が抜ける感覚はとてもリアル。
発売日が3月初旬だったのは粋。
Posted by ブクログ
初めて読む作家さん。主人公の晴奈は、海沿いの田舎町に住む高校三年生。10年前に高校三年生の姉「小春」は、突然行方不明になった。家出か事故か事件か、何の手がかりも得られなかった。そして、小春は神隠しにあったという噂がひろまり、一家は周囲から避けられるようになっていった。さらに小春の失踪が原因で母親は心を病み、父親は妻と小学生の晴奈を残し家を出ていってしまった。
晴奈は家から出られなくなってしまった母親の面倒をみながら、二人でずっと暮らしてきた。晴奈は学校でも疎外されるなかでも勉強に励み、生徒会の活動に参加するなどして、大学の指定校の推薦枠を獲得することができた。町から出たいがためにである。高校卒業が迫る中で、晴奈は海沿いの公衆電話が鳴り出したのに気づく。それは、姉の小春からの電話だった…
読んで感じたのは、主人公の父親がクズであること。病気の妻と小学生の娘をおいて家をでるなんて、これはもう犯罪だ。生活費を送ればいいという問題じゃない。作中には、ろくな大人が登場しないのだが、晴奈の友人だった美久と関係が戻ったのは良かった。そして、小春の元カレの学も町に戻って来たのだが、いまいち頼りない。しかし、学の婚約者として町に来た頼子は、その名のとおり頼りになるまともな大人である。
本書の題名は、「はるを呼ぶ」だが、春と漢字にしていない。これは「はる」には小春と晴奈の両方の意味を持たせているからだと思う。また。表紙カバーの隅の方にある英題名"Calling for Spring"だが、"Call"には「呼ぶ」と言いう意味も「電話を架ける」という意味もある。
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