実石沙枝子のレビュー一覧
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10年前にいなくなったお姉ちゃんと同い年になった晴奈。進学先も決まったが手詰まりのような“いま”と向き合うヤングケアラーの物語。
第四章の光明が見えた気がしたのに、抜け出せそうなのに、いちばん悪くなってしまった時の晴奈の感情が決壊した場面で泣いてしまった。
結果的に何もできなかった担任、居合わせた木村くんのお母さん、頼子さん、家族や10年前の関係者以外で関わる“大人”の完璧じゃない、その人なりの精一杯の行動は晴奈にとって全く助けにならないものも支えになるものもある。
晴奈の苦しさが堆積していくようで常に疲労感や徒労感を覚える。大人たちの態度の方が分かってしまえてつらい…意図が“通じない”時の力 -
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わくわくが止まらない
本好きにはたまらない冒険ファンタジー。:+*.゜
中学生の本村結芽は、事故で急死した叔母のアパートへ遺品整理に訪れた。
そこで目にしたのは…
本棚からあふれるほどの大量の本。
カレンダーに書かれた「鍵ユメ改稿〆切」の文字。
大切に保管された、何通ものイズミ・リラ宛てのファンレター。
PCに残された原稿…
叔母は、結芽の大好きな本【鍵開け師ユメ】の作者、イズミ・リラなんだ!
冒頭からすっかり心を持っていかれ、少女の頃に戻ったかのようにわくわくしながら、一気読みしてしまった。
PCのメールから担当編集者に連絡を取り、イズミ・リラが亡くなった事を知らせると【 -
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最高の青春小説でした。
常に周りと比較して一喜一憂して、人とは違う特別になりたくて。まだ何者でもないゆえのヒリヒリするような焦燥感や、狭い世界での息苦しさ、すべてがまさに『青春』でした。
目立つ人であるために台風の目のようになってしまう、マッド。そんなマッドに心乱される6人の視点で、それぞれの高校生活が描かれています。様々な視点があるからこそ、より自分に近い、共感できる気持ちが見つかるのではないかと思います。
目立つような存在ではなかった私でさえ、中学や高校では目まぐるしい感情の起伏に、自分でも戸惑っていました。そんなあの頃を思い出して、懐かしいと思えるくらいには、過去に、大人に、なって -
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ネタバレ①ルッキズムに囚われてるキャラクターたち。
(本作でわかるのは、美しい美貌を持っている人に、自分の顔や体型にコンプレックスを持っている人、どちらも悩みを持っているということだ。)
私は、自分のルックスをいいと思ったことはないし、整形するまで、もっと良くしたいと思ったこともない。
でも、私は見た目がいい人より、マッドのように、「嘘がなくて 、正直で、揺るぎなくまっすぐで、自分をよく見せようと思わない」ような内面が磨かれている人の方が美しい人だと思う。
②馬淵の答辞が素晴らしかった。
● 「恋には、恋愛だけでなく、季節に思いを寄せるという意味があります。わたしはこれから死ぬまでずっと、こ -
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静岡市清水区、夏の風物詩・港かっぽれ。かっぽれ部に集まった高校生たちの春〜夏を描いた青春小説。
あらすじ、登場人物紹介から静岡要素が盛り盛り。
完璧な人や、なんでもうまくやれるような人が1人もいない。それが最後まですごく不安定な気持ちになるし、祭り時点の主観がこの登場人物では弱くない…?と読み進めたら、もうすべてごちゃ混ぜで最高な気持ちになった。
楓子の「お祭りの空気って、すっごく平等」という言葉が、最後は少し違って見える。
何気に裏表紙のあらすじが良い仕事をしているかも。ちゃんと清水要素を出しつつ、この登場人物のチョイスは、物語を読み終えてからだとギリギリまでネタバレしないぞ〜みたいな働き